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恋人関係
ちゃんと男の人でした
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お風呂に入って、食後の紅茶を飲んで、ゼブラさんとゆっくりお話をしていたら、もう寝る時間になっていた。
侍女の人も執事の人もこの城にはたくさんいるはずなのに、まるでゼブラさんと二人きりで過ごしているかのようだった。
それはみんなが気を遣ってくれているからかもしれないけど、おかげでゼブラさんとゆっくりお話することができた。
明日の朝に私は家に帰って、その時にゼブラさんも一緒についてきてくれて、今回の外泊の件を説明してくれるらしい。その先触れをこれから送ってくれるらしい。
正直、ゼブラさんは竜王様だし、むしろ番の私をさらってさっさと手を出しちゃって城に監禁しちゃっても、私の家は全く文句を言えないんだけど・・・ゼブラさんは私の家族に対してかなり気を遣ってくれている。
「こういうことはきちんとしたいんだ」って言っていた。
結婚した後も、私の家族と良い関係を築くために、きちんと段階を踏んで結婚したいし、そのために段階的に両親に許可をもらいたいらしい。
・・・うん、お父さんお母さん、ついでにお兄ちゃん・・・
明日、一国の主が娘を外泊させてしまったお詫びに訪れるみたいだから、心の準備はあまりできないと思うけど、気持ちを確かに持ってね。
かなり恐縮しちゃうかもしれないけど・・・
とくにお父さんは頭がさらに寂しくなるかもしれないけど・・・
「ゼブラさん、明日は外泊したことの説明と、同棲の許可をもらうんだよね?」
「ああ、誠心誠意、ミーアを長期に渡り居座らせてしまった詫びをして、純潔を汚したわけではないと説明を「それはしなくて良いから!」
両親にそんな話をされるなんて、恥ずかしくて死んじゃうわ!
というか、私が勝手にお邪魔しちゃったんだから、謝るのは私のほうなんだけどなぁ・・・。
ゼブラさんはそこを全く譲ってくれない。
良く言うと、かなり真面目。悪く言うと、頑固だ。
「ゼブラさん、それじゃあいつになったら・・・結婚するの?」
「ごふっ!!!!」
ゼブラさんは飲んでいた紅茶を噴き出した。
うん、本当ピュアだなぁ・・・。
こういうところが好きなんだけどね。
でも、このままでは私はおばあさんにならないと結婚できないかもしれないよ。
人間の寿命は竜人とは違うんだからさぁ・・・。
「み、みみみみミーア!そ、それは男の私から・・・!」
その男のゼブラさんが全く行動に移してくれないから、困ってるんだよ。
ゼブラさん、私と健全にお付き合いをするために番の本能を抑え込んで、身体まで壊しちゃってるんだから、どう考えてもさっさと一緒に住んだほうが良いでしょ。
両親としても、結婚まだなの?番って言っていたけど間違ってたのかな?事情でもあったりする?と心配してくれているくらいだ。
かく言う私も・・・
ゼブラさんが手を出してくれないのは、私に魅力がないからかなーとか思ったり思わなかったり・・・
実は、私のほうが積極的に結婚したがるのは、それはそれで悲しいからあまり言わなかった。
前世のことを引きずっている自覚はあるよ。
でも、やっぱり”結婚”とかは相手に望まれてしたいよね。
あと結婚してーとかあんまり言いすぎて重いと思われたくなかったし。
うーん。
初対面の時の強引なゼブラさんを、またここで見てみたいなー。
”もう結婚だ”とか”ここからもう出す気はない”とか、冗談でも良いから言ってくれないかなー。
・・・言いそうにないなぁ。
私のこと好きすぎて、嫌われないようにすることに100%意識を持って行っているから、手を出さないんだろうしなぁ。
「ミーア、だが、もう同棲してしまったら、私は自らを抑えられないだろう・・・」
あれ、言いそうにないことを言い出したよ。
お酒でも飲んだかな?
でも、ゼブラさんの右手にあるグラスの中って水じゃなかったっけ。
私たちはソファに並んで座っているので、手を伸ばせば容易に身体に触れることができる。
ゼブラさんは、グラスをテーブルに置いて、右手首を左手で握りしめた。
「明日、ミーアの両親に同棲の許可をもらってしまったら・・・独占欲を抑えられず、きっと私は君を・・・」
今まで慈愛に満ちた視線ばかりだったのに。
ゼブラさんはゆっくり私と視線を合わせて・・・私の唇に視線を向けて、小さく息を吐いた。
まるで、ごちそうを前に待てをされる怪物のよう。
初対面の時に見た彼がそこにいた。
捕食者の目。
本能で身体が僅かに震える。
心臓が驚いたように跳ねて、身体中が熱くなる。
のどが渇く。
でも、ここで何か言葉を発しないと、このまま食べられてしまいそうな気がしてとっさに口を開こうとした。
けれど、私の口が音を発する前に、ゼブラさんは右手で私の頭をぽんぽんと撫でた。
「すまない、怖がらせて・・・。君が嫌がることはしない。同棲しても、結婚しても、君の意思を無視することはしないと誓う。だからどうか、逃げないでくれ。」
うん、ゼブラさんに対する認識が間違っていた。
彼は確かに純粋ピュアだけど・・・
ちゃんと男の人でした。
侍女の人も執事の人もこの城にはたくさんいるはずなのに、まるでゼブラさんと二人きりで過ごしているかのようだった。
それはみんなが気を遣ってくれているからかもしれないけど、おかげでゼブラさんとゆっくりお話することができた。
明日の朝に私は家に帰って、その時にゼブラさんも一緒についてきてくれて、今回の外泊の件を説明してくれるらしい。その先触れをこれから送ってくれるらしい。
正直、ゼブラさんは竜王様だし、むしろ番の私をさらってさっさと手を出しちゃって城に監禁しちゃっても、私の家は全く文句を言えないんだけど・・・ゼブラさんは私の家族に対してかなり気を遣ってくれている。
「こういうことはきちんとしたいんだ」って言っていた。
結婚した後も、私の家族と良い関係を築くために、きちんと段階を踏んで結婚したいし、そのために段階的に両親に許可をもらいたいらしい。
・・・うん、お父さんお母さん、ついでにお兄ちゃん・・・
明日、一国の主が娘を外泊させてしまったお詫びに訪れるみたいだから、心の準備はあまりできないと思うけど、気持ちを確かに持ってね。
かなり恐縮しちゃうかもしれないけど・・・
とくにお父さんは頭がさらに寂しくなるかもしれないけど・・・
「ゼブラさん、明日は外泊したことの説明と、同棲の許可をもらうんだよね?」
「ああ、誠心誠意、ミーアを長期に渡り居座らせてしまった詫びをして、純潔を汚したわけではないと説明を「それはしなくて良いから!」
両親にそんな話をされるなんて、恥ずかしくて死んじゃうわ!
というか、私が勝手にお邪魔しちゃったんだから、謝るのは私のほうなんだけどなぁ・・・。
ゼブラさんはそこを全く譲ってくれない。
良く言うと、かなり真面目。悪く言うと、頑固だ。
「ゼブラさん、それじゃあいつになったら・・・結婚するの?」
「ごふっ!!!!」
ゼブラさんは飲んでいた紅茶を噴き出した。
うん、本当ピュアだなぁ・・・。
こういうところが好きなんだけどね。
でも、このままでは私はおばあさんにならないと結婚できないかもしれないよ。
人間の寿命は竜人とは違うんだからさぁ・・・。
「み、みみみみミーア!そ、それは男の私から・・・!」
その男のゼブラさんが全く行動に移してくれないから、困ってるんだよ。
ゼブラさん、私と健全にお付き合いをするために番の本能を抑え込んで、身体まで壊しちゃってるんだから、どう考えてもさっさと一緒に住んだほうが良いでしょ。
両親としても、結婚まだなの?番って言っていたけど間違ってたのかな?事情でもあったりする?と心配してくれているくらいだ。
かく言う私も・・・
ゼブラさんが手を出してくれないのは、私に魅力がないからかなーとか思ったり思わなかったり・・・
実は、私のほうが積極的に結婚したがるのは、それはそれで悲しいからあまり言わなかった。
前世のことを引きずっている自覚はあるよ。
でも、やっぱり”結婚”とかは相手に望まれてしたいよね。
あと結婚してーとかあんまり言いすぎて重いと思われたくなかったし。
うーん。
初対面の時の強引なゼブラさんを、またここで見てみたいなー。
”もう結婚だ”とか”ここからもう出す気はない”とか、冗談でも良いから言ってくれないかなー。
・・・言いそうにないなぁ。
私のこと好きすぎて、嫌われないようにすることに100%意識を持って行っているから、手を出さないんだろうしなぁ。
「ミーア、だが、もう同棲してしまったら、私は自らを抑えられないだろう・・・」
あれ、言いそうにないことを言い出したよ。
お酒でも飲んだかな?
でも、ゼブラさんの右手にあるグラスの中って水じゃなかったっけ。
私たちはソファに並んで座っているので、手を伸ばせば容易に身体に触れることができる。
ゼブラさんは、グラスをテーブルに置いて、右手首を左手で握りしめた。
「明日、ミーアの両親に同棲の許可をもらってしまったら・・・独占欲を抑えられず、きっと私は君を・・・」
今まで慈愛に満ちた視線ばかりだったのに。
ゼブラさんはゆっくり私と視線を合わせて・・・私の唇に視線を向けて、小さく息を吐いた。
まるで、ごちそうを前に待てをされる怪物のよう。
初対面の時に見た彼がそこにいた。
捕食者の目。
本能で身体が僅かに震える。
心臓が驚いたように跳ねて、身体中が熱くなる。
のどが渇く。
でも、ここで何か言葉を発しないと、このまま食べられてしまいそうな気がしてとっさに口を開こうとした。
けれど、私の口が音を発する前に、ゼブラさんは右手で私の頭をぽんぽんと撫でた。
「すまない、怖がらせて・・・。君が嫌がることはしない。同棲しても、結婚しても、君の意思を無視することはしないと誓う。だからどうか、逃げないでくれ。」
うん、ゼブラさんに対する認識が間違っていた。
彼は確かに純粋ピュアだけど・・・
ちゃんと男の人でした。
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