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1 彼が私の番です
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異世界に転移して1分後。
魔法陣の上で、私は自らの負傷具合を確認していた。
さっき車に轢かれて地面に身体が強く叩きつけられた感触があったのに、今は痛みがないからだ。
魔法陣の上で私が両手を動かしてみたり、足がちゃんとついてるか確認している間、魔法陣を囲んでいる、いかにも魔法使いみたいなローブを着た人たちは感嘆の声をあげていた。
「ようやく成功した!」
「皇太子殿下の番は、やはり異世界にいたのだな!」
と謎の発言をしているが、その時の私は全くそれらの言葉が耳に入らなかった。
そこから数十分で、私は魔法陣のある部屋から豪華絢爛な部屋に通され、とても偉い人っぽい方たちにこの世界の説明を受けた。
獣人や魔法使いがいる世界。
獣人は「運命の番」としか子を産めない種族がいて、王族の種族はまさにそれだということ。
そして、次期国王である皇太子殿下の番を十数年探したのだが見つからなかった。
国内外を探しても見つからないので、さまざまな占い師の手によって探した結果、異世界にいることが分かったという。
そこで、皇太子殿下の魔力を使って、相性が良い(運命の番とは魔力の相性が最上に良いらしい)人を探してこの世界に召喚したとのこと。
それが私であるということ…。
なんで私?と思った。もう恋愛するつもりはないし、さっき失恋したばかりなので、とてもそんな気持ちにはならなかったからだ。
でも…、わざわざ私を呼び出して、皇太子殿下の「運命の番」として伴侶にするつもりであると聞いたら…、もうこれ以上ないほど、理想の結婚の形をとれるのではないかと思った。
私に会うためにずっと十数年国内外を探してくれたということは、私のことをそれほど想ってくれているということで…。
もちろん、私の外見とか性格とか関係なしに「運命の番」だから好きなんだろうけど、それでも私を大切に思ってくれるだろうと思った。きっかけが「運命の番」であっても、少しずつお互いのことを知っていけばいいと思うしね。
皇太子殿下の番ということは、これから国母となるために大変な思いをするとは思うが、愛し愛される関係を築けるのであれば頑張ってみようと思う。
「人族は、とても珍しい種族です。貧弱で、爪も牙も脚力も腕力も獣人に劣りますが…、人族はどの種族とも子を成せるということから、一般市民では誘拐される可能性が高いと言われます」
おおう。なんか物騒な世界だな…。
私は皇太子殿下の番だから、たぶん護衛とかつけてもらえるんだろう。
「番様の安全は保障いたしますので、どうぞ、この城内は安心してご自由に散策してください。一部、許可なく入ってはいけない部屋がありますが、そちらは後程侍女に案内させます」
とても丁寧にいろんな説明をしてもらって、侍女もつけてもらえることになった。
そして、この世界についての説明を受けた後、侍女さんにドレスを着せてもらって髪の毛も整えてもらい(一時間くらいかかった)、ついに宰相さん?の案内で、運命の番である皇太子殿下とお会いすることになった。
ドレスは、私の年齢を考慮して落ち着いた深緑色を基本として、クリーム色のレースが小さくところどころについたものだった。
そういえば、皇太子殿下の年齢を聞いてなかったけど…、私を十数年探していたってことは、同じ年くらいかな。
…と思っていた。
とても高貴で装飾品が一目で高額であると分かる部屋の前で、皇太子殿下がにこにこ微笑みながら部屋から出てくるまでは。。。
「俺の番が部屋に来てくれる!?待ちきれないんだ!俺から会いに行く…!!」
「まあ皇太子殿下、いけませんよ。まだお着換え中かもしれません」
「じゃあ部屋の前で待つ!ずっと待ってたんだ!早く会って…」
侍女の制止を聞かず、皇太子殿下はドアを開けた状態で固まった。
私は人族だから、相手が運命の番かどうかは分からない。獣人だけが、番を見つけて見分けることができる。
でも、今皇太子殿下と言われていたのが目の前の少年ということから、彼が私の番であるということは私にもわかった。
でも…、私の胸くらいの高さ(私は身長160㎝くらいだ)で、目は少し吊り上がっているが活発そうな顔をして、快活そうな声と口調。そして…、膝が見える半ズボン。
あれ…、皇太子殿下って、少年!!!?
私が思わず固まって殿下を見つめていたら、扉を開けた状態の皇太子殿下も同じくフリーズして口をぽかんと開けていた。
はくはくと口を開けたり閉めたりして、眉をしかめて、扉に置いていた手を私の方に向けて、人差し指で私を指し示した。
「は?まさか…こんな年増が俺の番なのか?」
まあ、そうなるよね。
魔法陣の上で、私は自らの負傷具合を確認していた。
さっき車に轢かれて地面に身体が強く叩きつけられた感触があったのに、今は痛みがないからだ。
魔法陣の上で私が両手を動かしてみたり、足がちゃんとついてるか確認している間、魔法陣を囲んでいる、いかにも魔法使いみたいなローブを着た人たちは感嘆の声をあげていた。
「ようやく成功した!」
「皇太子殿下の番は、やはり異世界にいたのだな!」
と謎の発言をしているが、その時の私は全くそれらの言葉が耳に入らなかった。
そこから数十分で、私は魔法陣のある部屋から豪華絢爛な部屋に通され、とても偉い人っぽい方たちにこの世界の説明を受けた。
獣人や魔法使いがいる世界。
獣人は「運命の番」としか子を産めない種族がいて、王族の種族はまさにそれだということ。
そして、次期国王である皇太子殿下の番を十数年探したのだが見つからなかった。
国内外を探しても見つからないので、さまざまな占い師の手によって探した結果、異世界にいることが分かったという。
そこで、皇太子殿下の魔力を使って、相性が良い(運命の番とは魔力の相性が最上に良いらしい)人を探してこの世界に召喚したとのこと。
それが私であるということ…。
なんで私?と思った。もう恋愛するつもりはないし、さっき失恋したばかりなので、とてもそんな気持ちにはならなかったからだ。
でも…、わざわざ私を呼び出して、皇太子殿下の「運命の番」として伴侶にするつもりであると聞いたら…、もうこれ以上ないほど、理想の結婚の形をとれるのではないかと思った。
私に会うためにずっと十数年国内外を探してくれたということは、私のことをそれほど想ってくれているということで…。
もちろん、私の外見とか性格とか関係なしに「運命の番」だから好きなんだろうけど、それでも私を大切に思ってくれるだろうと思った。きっかけが「運命の番」であっても、少しずつお互いのことを知っていけばいいと思うしね。
皇太子殿下の番ということは、これから国母となるために大変な思いをするとは思うが、愛し愛される関係を築けるのであれば頑張ってみようと思う。
「人族は、とても珍しい種族です。貧弱で、爪も牙も脚力も腕力も獣人に劣りますが…、人族はどの種族とも子を成せるということから、一般市民では誘拐される可能性が高いと言われます」
おおう。なんか物騒な世界だな…。
私は皇太子殿下の番だから、たぶん護衛とかつけてもらえるんだろう。
「番様の安全は保障いたしますので、どうぞ、この城内は安心してご自由に散策してください。一部、許可なく入ってはいけない部屋がありますが、そちらは後程侍女に案内させます」
とても丁寧にいろんな説明をしてもらって、侍女もつけてもらえることになった。
そして、この世界についての説明を受けた後、侍女さんにドレスを着せてもらって髪の毛も整えてもらい(一時間くらいかかった)、ついに宰相さん?の案内で、運命の番である皇太子殿下とお会いすることになった。
ドレスは、私の年齢を考慮して落ち着いた深緑色を基本として、クリーム色のレースが小さくところどころについたものだった。
そういえば、皇太子殿下の年齢を聞いてなかったけど…、私を十数年探していたってことは、同じ年くらいかな。
…と思っていた。
とても高貴で装飾品が一目で高額であると分かる部屋の前で、皇太子殿下がにこにこ微笑みながら部屋から出てくるまでは。。。
「俺の番が部屋に来てくれる!?待ちきれないんだ!俺から会いに行く…!!」
「まあ皇太子殿下、いけませんよ。まだお着換え中かもしれません」
「じゃあ部屋の前で待つ!ずっと待ってたんだ!早く会って…」
侍女の制止を聞かず、皇太子殿下はドアを開けた状態で固まった。
私は人族だから、相手が運命の番かどうかは分からない。獣人だけが、番を見つけて見分けることができる。
でも、今皇太子殿下と言われていたのが目の前の少年ということから、彼が私の番であるということは私にもわかった。
でも…、私の胸くらいの高さ(私は身長160㎝くらいだ)で、目は少し吊り上がっているが活発そうな顔をして、快活そうな声と口調。そして…、膝が見える半ズボン。
あれ…、皇太子殿下って、少年!!!?
私が思わず固まって殿下を見つめていたら、扉を開けた状態の皇太子殿下も同じくフリーズして口をぽかんと開けていた。
はくはくと口を開けたり閉めたりして、眉をしかめて、扉に置いていた手を私の方に向けて、人差し指で私を指し示した。
「は?まさか…こんな年増が俺の番なのか?」
まあ、そうなるよね。
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