【本編完結済】未来樹 -Mirage-

詠月初香

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3章

16歳 -火の陰月9-

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全身に感じる風があの日の事を思い出させますが、今は恐怖よりも叔父上たちが来てくれたことによる嬉しさの方が圧倒的に勝りました。

<櫻! いきなりは危ないでしょう!>

浦さんは心話でそう小言を飛ばしながらも、16年かけて培った阿吽の呼吸で私の足元に「流水」技能で海水を持ち上げ、その水に浮かびつつ徐々に海面へと下ろしてもらいます。

<浦さん、海面まではこのままで
 海面に到着したら「浮力」技能で水の上を歩きたいんだけど、出来る?>

<可能ではありますが……>

怪訝そうに返事をしてくれる浦さんに、自分の反撃計画とはとても言えないぐらい些細な意趣返しを伝えました。

「櫻嬢!!」

「キャーー!」

その時になって切迫した朝顔さんの私を呼ぶ声と菖蒲あやめ様の悲鳴が船上から降り注いできました。1拍遅れどころか2拍も3拍も遅れて聞こえてきた声が二人が受けた衝撃の強さを物語っているようで申し訳ない気持ちになりますが、その申し訳無さが消し飛ぶレベルで迷惑王の側に居たくなくて……。

この世界は前世の古代~中世ぐらいの価値観を持つ世界なので、人命がとても軽いのだということは頭では解っていました。でもそれが当然の処置とばかりに堂々と目の前に提示されると、解っていても受け入れられません。赤ん坊まで殺す必要がどこにあるのかと胸ぐらを掴んで問いただしたい気持ちになりますが、前世でも日本書紀に記されるような古代から重罪を犯した人の一族は根絶やしにされる文化はありましたし、為政者側からすれば見せしめ的な意味も含めて必要な処罰なのかもしれません。……どんなに理屈を並べても私は納得できませんが。

ですが今回の事例の場合、重大な罪を犯したから族滅したと言いつつも、迷惑王にとって都合が良いから族滅させたと思えてしまうような余地がある事に嫌悪感なんて言葉じゃ足りないぐらいの嫌悪を感じてしまったのです。

だって衝撃の発言に私が呆然としていた時、「これで姉上の側にずっと居られますよ」って怖いくらいに綺麗な笑顔で菖蒲様に向かって言っていたのです。

(どう考えたって自分の為じゃない!!)

小説に登場していた紫苑は確かにシスコンヤンデレでしたが、同時にある程度は常識的な判断もできていました。ようは何かにつけて姉を絡めるし、その姉が絡むとおかしくなりますが、そこ以外では優秀な人だったんです。ですがこの世界の紫苑は、アレをシスコンヤンデレと定義したら本当のシスコンヤンデレさんに申し訳ないと思うレベルの狂人です。常識よりも何よりも自分の感情を優先していて、話が通じなさすぎて怖いぐらいです。



<浦さん、「濃霧」技能で作った霧はどれぐらいもちそう?>

濃霧を発生させることができる浦さんの技能ですが、作り出した霧は自然現象として処理されます。つまり強風が吹けば流れますし、霧が発生する条件が揃っていなければ徐々に薄くもなります。技能の習熟度が上がれば持ちが良くなったりするのかもしれませんが、現時点では発生させた後は自然任せなのです。

<ここは風が強いので、そう長くはもちませんよ>

ならば短期決戦あるのみです。怖くても逃げ出さずに我慢していたのは、全て家族全員が安全に暮らしていくために必要だったからです。しつこい敵に我慢の限界がきていた私は、私(達)に手を出すと洒落にならないって報告をミズホ国王や上層部に上げてもらって釘を刺すつもりでした。なのでラスボスの迷惑王が出てきた事は計算外でしたが、結果オーライでもありました。

<じゃぁ船全体を包むというより、乗員の視界を遮ること優先で>

霧はとても小さい水の粒です。なら「流水」技能で少しは操れるんじゃないかと思い、その事も心話イメージで伝えます。必要なのは特定の人物以外に見られないことなので、船全部を濃い霧で包む必要はありません。極端な話になりますが、視界を塞ぎたい人物の頭部をすっぽり覆う濃霧を発生させ、そこに固定できれば一番お手軽です。ゲームの三人称視点と違って、斜め上から周囲を見渡す視界なんてものを人間は持っていませんから。


(よーーし、じゃぁ「私、何かやっちゃいました?」をやっちゃおう!)

とん、と水面に足がついたとは思えない反動が足に伝わります。まずは浦さんに頼んで濡れていた服や肌についた水分を「撥水」でパンッと飛ばしてもらいます。うん、これで肌着が身体にまとわりつかないし、微妙に濡れて肌が透けていたのも直りました。

それにしても流動する海面はサラッサラの砂浜と同じで、少しでも気を抜くと転んでしまいそうです。そんな不安を外には一切出さないように気をつけつつ、トトトと少し駆け足で水面を走り出しました。そしてさも当然の事のように平然と海面を叔父上たちが乗っている船に向かって走り続け、ミズホ国の船から少し離れたところで何かに気づいたように後ろを振り返ります。

目をまん丸に見開いた朝顔さんと菖蒲様、そして初めて「私」を見た迷惑王紫苑。自分が勝手に作りあげたフィルター越しに私を見ていた迷惑王が、初めて私という存在そのものを見ている……そんな眼差しです。そんな紫苑にあっかんべーってしてやりたくなりましたが、とりあえずは保留です。それよりも菖蒲様と朝顔さんに手を大きく振って無事だと伝え、それから感謝の気持ちを込めてゆっくりとお辞儀をしました。目撃者としてベストと思われるの3人にしっかりと見てもらえたし、後は叔父上たちのところに戻るだけです。心配だった海面のゆらぎですが、浦さんが均してくれたお陰で何とか転ばずに叔父上たちの元まで向えそうです。

ミズホ国は精霊に関することに、どの国よりも敏感です。天女の母上ですら不可能だと思われる事を平然とやってのけて見せれば、精霊の守護がありえないほど強い者に手を出すべきではないと思ってもらえるかもしれません。そんな訳で海を真っ二つに割って海底を歩くプランと、海面を歩いて移動するプランの2つが候補に上がっていたのですが、浦さんによると海真っ二つは維持するのにかなりの霊力が必要とかで、海上歩行プランになりました。

(ただ、一か八かの賭けなんだよね……)

手を出すべきではないと思ってもらえたら良いのですが、迷惑王が「姉上より優れた女などいない!」と私を消す方向に動いたら……。

その時はすっぱりとアマツ大陸で暮らす事を諦めて、出ていこうと思います。




この相談を三太郎さんとした時、アマツ大陸から出るということにかなり難色を示されました。それどころか

<敵なんだろ? やっちまえば良いんじゃね?>

と、さらりと恐ろしい事を伝えてきます。さすがにそれに同意は出来ません。桃さんからすれば敵対行為を繰り返しているのはあちら側なのだから、反撃を食らっても自業自得って考えのようです。自業自得という部分に関しては私もそう思いますが、武力による排除は新たな禍根を残しかねません。

<でもさぁ、逃げ回るにも限度があるだろ?>

<それはそうかもしれないけれど……。
 ごめん。まだ私にはそこまでの覚悟は持てないよ。
 私が求めているのは反撃や復讐じゃなくて、家族の安全だから>

家族の安全の為にどうしても武力行使が必要なら覚悟も決めますが、他に手段があるのにいきなり武力行使なんて手段は取れません。それに国を相手に武力行使でかたをつけようとしたら、三太郎さんの手助けが必要です。でも人間を意図的に傷つければ、精霊のルールに反することになって三太郎さんたちにペナルティが課せられてしまいます。それに何より精霊の三太郎さんを私達人間のいざこざに巻き込みたくはありません。



約17年前、襲撃を受けた叔父上たちも事を荒立てる武力行使よりも隠棲する事を選びました。その時は敵の正体が不明だった事や兄上が幼かった事もあって、それが最善の選択だったのだと思います。ただ最近になって色々とあり、ヤマト国とヒノモト国で商人として確固たる地位を築くことで、ミズホ国を牽制するという方針に変わりました。

叔父上が山吹や兄上と相談して決めた事なうえに、三太郎さんもその案に賛成し、私もそれが一番良いと思っていました。なにせ敵はヤマト国のあんな山奥の僻地にまで刺客を送り込んでくる、執念深いなんて言葉をいくつ並べても足りないような奴らです。この大陸のどこに隠れていようと無駄かもしれないと、私達がそう結論づけるのも当然です。

もちろんアマツ大陸は大きく、前人未到の地があちこちにあるため隠れ住む場所に困る事はありません。ですが同時に、生きていく為には人里に降りる必要がありました。例えば塩や米。今でこそ塩はいくらでも自分たちで作れますが昔は無理でしたし、今でもお米は作っていません。

この世界でお米を個人で作るのは、どう頑張っても割に合わないんですよね。我が家の場合、三太郎さんや二幸彦さんも含めると年間約3トン以上のお米が必要になります。改めて数字にしてみると桁がおかしいと思ってしまいますが、この世界の人は本当に良く食べるんです。そしてこの場合必要となる田んぼの面積は、どんなに少なく見積もってもサッカーフィールド3面分以上必要になります。この世界には品種改良という概念が無いからなぁ……。

テーブルマウンテンのようだった山拠点では平地はありましたが気温が稲作には向かず、島では田んぼに向いた平地が無くて断念しています。それは私達に限ったことではありません。なのでどこまでも平原が続く国土を持ち、湿地や湖沼地帯という水資源が豊富にあるミズホ国が穀倉地帯として名を馳せているのです。そんな理由から人里に出向く必要がある以上、100%自分たちの痕跡を残さないなんていう事は無理というもの。だからこその方針転換だった訳です。

ただ一つ、叔父上や三太郎さんたちには盲点がありました。そしてそれは私があえて見ないふり、気づかないふりをして目をつぶっていた点でもありました。

その盲点とは、アマツこの大陸とその近海にある小島だけが人間が住む事が可能な土地で、アマツ大陸から遠く離れた地は神や精霊の守護が失われている為に人が暮らしていけない土地だと、みんなが思い込んでいる事でした。

これは叔父上たちに限った事ではなく、過去に異形の者に攻め込まれた歴史がある為にアマツ大陸に住む人の共通認識になっています。本当か嘘か解りませんが、異大陸人は青黒い肌や赤黒い肌をしていて角やら牙やらが生えていると伝えられていて、まるで前世の赤鬼や青鬼のような見た目をしてるそうです。そんな過去の事例から、人間は神や精霊の守護を失うと理性の無い鬼になってしまうと考えている人もいるぐらいです。

なので叔父上たちにはアマツ大陸を捨て異大陸で暮らすなんて選択肢は端からありませんし、金さんと浦さんは実際に神々が禍津地マガツチをボロボロにする戦いを見ているので、なおのことアマツ大陸を出るという事に思い至りません。

そして私がその選択肢から目をそむけていた理由は、小説版未来樹原作主人公たちが向かう場所だったからに他なりません。今まで一生懸命、原作フラグをへし折ってきたつもりです。本来ならすでに命を落としている母上やつるばみは今も元気で、母上たちを失う事でネガティブ全開になるはずだった山吹も頑固だけど優しい山吹のままです。

そして……未来樹第二部で死亡する叔父上も元気です。
ただ叔父上が命を落とすのは、主人公たちが追われてアマツ大陸を逃げ出し、マガツに向かう為の船を用意する時でした。

そう、私は叔父上を失うのが怖いのです。マガツに行くという原作通りのルートを選んだ途端、今までのしわ寄せが一気に来て母上や橡まで失うかもしれないと思うと……その選択肢を忘れてしまいたかったのです。




いろんな不安を抱えつつも、今はただ叔父上たちの乗っている船に向かって走ります。思っていたよりも距離があって時間がかかってしまいましたが、無事に叔父上たちの船のもとにまでたどり着けました。ところがここまで来て、

(あれ? これどうやって登れば??)

という初歩的なミスに気付きました。叔父上や兄上たちならポーンとジャンプして甲板に飛び乗ることもできると思うんですが、私には無理です。

「お、叔父上ぇ……」

意図した訳ではないのですが、情けない声が出てしまいます。私が船にたどり着くまでジッとミズホ船の甲板にいる迷惑王を睨みつけていた叔父上でしたが、私が声をかけた途端に、ふっと纏う空気が柔らかくなりました。

「まったく……。もう少し後先を考えて行動しなさい。
 三太郎様がたにご迷惑をおかけしては駄目だろう?」

苦笑を浮かべつつも船の上にあったロープをぐるりと体に一巻きしてから、ロープの片方を山吹に任せ、もう片方を手に甲板から飛び降りてきました。

「おいで」

近くまで降りてきてくれた叔父上は、私へと腕を伸ばしてくれます。それを待っていたかのように、私は叔父上の胸に飛び込んでしがみつきました。

迷惑王の船室に菖蒲様や朝顔さんが来てくれた時も安堵しましたが、叔父上から感じる安心感は比べ物になりません。私がぎゅっと抱きつくと叔父上も私の腰に腕を回して片手で軽々と抱き上げてくれます。そうしてロープをクイッと引っ張って合図を送ると、あっという間に甲板にまで引き上げられました。

「大丈夫か、怪我はないか??」

頭の上から降りてくる低音の優しい叔父上の声に、

「怪我はしたけど大怪我じゃないし、菖蒲様に治療してもらったから大丈夫」

と返事をしますが、叔父上に顔を埋めたまま上げることができません。安堵のあまり不覚にも涙ぐんじゃって、少し落ち着くまでこのままで……。

そんな思いが伝わったのか叔父上が私の背中をポンポンとあやすように叩くと、次々と私の頭をポン・ポン・ポンと兄上や山吹が代わる代わる順に撫でてくれます。

(あぁ、やっと帰ってこれたんだな……って、アレ??)

最初はただ撫でられる事を受け入れてほっこり気分だったのですが、撫でられる回数がおかしいことに気付きました。驚きのあまり涙も引っ込んでしまいます。パッと顔を上げたらそこには叔父上と兄上と山吹が居ましたが、居てはならない緋桐ひぎり殿下までもが居ました。

「ひ、緋桐殿下??」

思わず声も表情も引きつってしまいます。

(ま、まずい。なんて言い訳しよう?!!)

とっさに良い言い訳が思いつきません。緋桐殿下は私達が碧宮家の者だという事は知っていますが、当然ながら私が三属性の守護持ち、つまり規格外天女であることは伝えていません。

パニックになりかけていた私はその音に気づくのが遅れました。

<<<櫻!!>>>

三太郎さんが同時に叫ぶような心話を伝え、山吹や緋桐殿下が腰から下げた剣の柄に手を伸ばすのと同時に、叔父上は私を自分の身体で包み隠すように抱きしめました。

(え??)

そう思った時、ヒュゥーーーという何かが風を切る音が複数聞こえたかと思うと次の瞬間、

「ぐっ!!」

叔父上の身体に衝撃が走り、くぐもった叔父上の声が私のすぐ側から聞こえました。

「お、叔父上?!」

<矢だ!! 矢を射掛けられている!!>

真っ先に現状を教えてくれたのは桃さんで、

<視認できないよう、すぐに今一度濃霧を作り出します!>

私がお願いするよりも先に動いてくれたのは浦さんでした。

<櫻! 槐と協力して鬱金を船室に連れて行くのだ、早く!>

そして私が今しなくてはならない事を教えてくれたのは金さんでした。

「あ、兄上!! 叔父上を中に!!」

そう叫びつつ叔父上の腕の中から出ようとするのに、叔父上は私を抱きしめたまま離してくれません。

「叔父上! お願いだから離して!!」

その間も降り注ぐ矢を山吹と緋桐殿下が剣で叩き落してくれますが、当然全てを叩き落とせる訳もなく。叔父上の身体の陰になっている私を除く全員の身体に徐々に怪我が増えていきます。叔父上の身体を盾にしている状態を何とかしたくて藻掻き、どうにか叔父上の肩から見えたミズホ船の甲板では、迷惑王に詰め寄る菖蒲様と迷惑王の背後に並ぶ弓兵の妨害をする朝顔さんの姿がありましたが、その姿も浦さんの作る濃霧の中にあっという間に消えていったのでした。
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