【本編完結済】未来樹 -Mirage-

詠月初香

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3章

16歳 -火の陽月2-

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初めてのヒノモト国は、ただただその暑さに絶句するところから始まりました。


今まで行った事のあるヤマト国や天都あまつは、日本と似たような気候風土でした。もちろん日本は南北に長い上に中央にある背骨のような山の所為で気候区分が多く、さらに言えばそもそもここは精霊が実在する異世界なのでピンポイントでここ!と地名が言える訳ではありません。また、この世界の建造物が基本純和風で、ところどころに和風ファンタジー感のある不思議な建物がある感じだったり、着ている服が平安~鎌倉末期や室町ぐらいの衣装だったりした為に、日本っぽさが強調されてそう感じただけかもしれません。ただそういった思い込みがあったのだとしても、気候風土や衣食住のあちこちに慣れ親しんだ日本の面影がありました。


ところがヒノモト国にはそれが微塵もありません。

船の上から見えた町はギリシャのサントリーニ島を彷彿とさせる真っ白な漆喰で作られた建物ばかりで、木造のモノは全くといって良いほどに見つけられません。またそれらの建物には大きめの庇やオーニングが付いていて、何が何でも直射日光を遮りたいという強い意志が見て取れます。

その真っ白い建物群と、沖縄の海もかくやという程に澄み切ったコバルトブルーの海のコントラストが息を飲むほどに綺麗で……。この明るい青色の海が本当にヤマト国の断崖絶壁から見下ろしていた青黒い海と繋がっているのかと首を傾げたくなる程です。

そんな綺麗なヒノモト国の海に欠点があるとすれば、ここの海水から作られた塩は苦味がかなり強いって事ぐらいです。ただヒノモト国人にとってこの欠点は大きく……。何せ塩は生きていくうえで絶対に必要なので、綺麗な海も良いけれど良質の塩の方がもっともっと良いと思って当然です。

蛇足ながら……
今住んでいる島の海は遠景が濃霧の所為で全く見えない為、近くの色ならばともかく海を見回した時の色は全く解りません。




さて、長々とヒノモト国の説明をしてきましたが……。
実は現実逃避しているだけだったりします。





先導の小舟に従って港の奥へと進み、指定された波止場に船を泊めて船室を出た途端、真っ先に思った事は異国情緒たっぷりな風景への感想ではなく、肌が焦げてしまいそうだと思う程の日差しと、びしょ濡れの洗濯物も一瞬で乾いてしまいそうな程の乾いた風への感想でした。

「うわ……」

思わずそんな言葉が零れてしまう程の熱風が私の髪を大きくなびかせて駆け抜けていきます。まだ海上に居るのに乾燥を感じるってどういうことなの……。

横にいた兄上も声こそ出さなかったものの、そのうんざりした表情から私と同じ気持ちのようです。母上やつるばみは同行しなくて正解だったかもしれません。何せ日差しが強すぎて、今の一瞬で髪や肌が一気にカサカサになったように感じる程ですから。

試行錯誤の末に完成させた海泥パックのしっとり効果がなければ、もっと酷い事になっていたかもしれません。山の温泉の泥パックはさっぱり感の強いものでしたが、海泥パックはしっとり感の強い仕上がりでした。なので母上たちにとても喜んで貰えたのですが、この地の乾燥は強敵すぎました。

「早く叔父上たちと合流しよう。
 櫻、絶対に僕から離れては駄目だよ。良いね?」

お互いにもう手を繋いで歩くような歳ではないからこそ余計に心配なようで、まるで小さな子供に言い聞かせるように兄上が注意をしてきました。

「はい、解りました兄上。
 母上とも約束しているし、そう心配しないで」

「心配にもなるさ……。
 もし不審者が近づいてきたら?」

「大声を出して、一目散に全力で逃げる!」

「よし!」

幾度となく繰り返された問答に、しっかりと返事をします。私の身体能力では下手に抵抗しようとしたら逃げ損なうので、絶対に何もせずにとにかく逃げろと家族全員から言われています。特に母親の心配というか愛情というのは、子供の私が思っていた以上のようで……。



叔父上たちから桃さん経由で、「ヒノモト国は安全そうだ」と伝えられたその日の夜。母上や橡と一緒にお風呂に入りながらも延々と注意を受けました。あまりの長さにのぼせてしまいそうになる程で……。流石に橡が止めてくれたのですが、お風呂を出てからも注意は続きました。

「良いですか櫻。槐の側から離れてはいけません。
 鬱金と合流した後は鬱金や山吹の言う事をよく聞くのですよ。
 それから絶対に、絶 対 に !華族がいる区域へ入ってはいけません」

「はい、母上」

珍しく母上から感じる強い圧に、思わず考えるより先に頷いてしまいました。

「お嬢様。お嬢様はもう大人ですから、
 お母上たちのご事情も理解されていると思います。
 華族に近付いてお母上の縁者、ましてや娘だと知られると
 御身が危険にさらされる可能性が高くなります。
 ですから本当に気を付けてください」

橡の注意にも「はい」と返事をします。母上の事情はこの世界に来た時から知っていましたが、ここまで念を押される理由は母上の事情に加えて私が母上に似てしまった所為です。一卵性双生児のようにそっくりという訳ではないのですが、血縁関係が無いなんて誰も信じてくれない程度には似ているのです。

ほんと、実の親子じゃないのに何でこんなに似ちゃったのかなぁ??

ただ母上の方が美人です。えぇ、間違いなく母上の方が綺麗です。

何というか母上の笑い方やちょっとした視線の動かし方といった所作が本当に洗練されていて、これぞお姫様!って感じなのですよ。前世も今世も山育ちの私では到底真似できませんし、太刀打ちも出来ません。前世の友達が今の私を見ても、あの頃と同じように「外見を裏切る中身」だとか「残念すぎる」とか言われてしまうんだろうなぁ……。

そういえば折角転生したのに外見がほぼ前世と同じなんです。生活環境が違う為か前世より筋肉が少し付いて、その筋肉という土台のおかげで前世より胸が大きくなって不届き千万なメリハリボディに育ちましたが、顔の作りなんかはそのまんまなのです。せっかく異世界に転生したのに、ちょっと残念に思ってしまいました。

外見って魂に紐づけでもされているのかなぁ。この世界がピンクやグリーンなんてファンシーな髪色が当たり前の世界なら、私もカラーリングぐらいは変ったのかもしれないけれど……。


ちなみに兄上は父親である東宮と似ているそうなのですが、帝や東宮の顔を見る事が出来る人は華族の中でも最上位の極一部だけです。それすら御簾越しの事が多いので、兄上の顔を見て東宮と結びつける人が街中をほいほい歩いている可能性は極めて低く……。対し母上は宮家時代に生活を支える為に下級華族や町人相手に私塾を経営していた父親の手伝いをしていたり、天学てんがくと呼ばれている天都にある教育機関に通っていた関係で、華族は元より町民にも顔を知られている可能性があるので注意が必要なのです。

まぁ、天都から出た事が無かった母上の顔を知る人がヒノモト国に居るとは思えませんが、念には念をという事のようです。




「槐、櫻。こちらだ!」

船から伸びた縄を波止場にある杭に結えていたら、遠くから声をかけられました。そちらを向けば叔父上と山吹が手を振りながらこちらに向かってきているのが見えます。

「無事に着いたようで安心した。
 よくやったな槐」

叔父上がそう兄上を褒めると、兄上は少し誇らしげな顔になってから慌てて表情を引き締め

「叔父上たちが乗られた船に比べて、こちらは小さい船でしたから。
 それに……浦様の御力添えがありましたので……」

と途中でぐっと声を小さくして謙遜しました。ただ私からすれば叔父上も兄上もありえないとしか言いようがなく……。確かに浦さんの技能を籠めた霊石をこの船にも仕込んであるので、普通の船に比べて操船しやすくはなってはいます。それでも前世だったら数人がかりで動かすような舵を1人で動かしてしまうのだから驚きしかありません。

それに叔父上たちの船は大量の商品を運ぶ為にそこそこの大きさがあり、その為に帆の操作と舵の操作を叔父上と山吹で分担していました。歴史の授業で習った北前船の乗組員数が平均10人強だった事を思えば叔父上たちも驚異的なのですが、叔父上たちの船に比べたら小さいとはいえ一人で操船した兄上は謙遜する必要なんて欠片も無いと思える程にすごいと思います。本当にこの世界の人の身体能力ってどうなってるの……。


「若様、こちらを」

そう言って叔父上の後ろで控えていた山吹が、叔父上に白い布を渡しました。叔父上は「あぁ、すまないな」と言ってから受け取ると私の方へ向き直り

「櫻。ここは日差しが強すぎるからこれを被ると良い」

そう言って私の頭の上から薄い布をフワッと被せてくれました。折りたたまれていた時は白い布だと思っていたのですが、よく見ると透け感のある薄布で視界はそれほど悪くはありません。以前、ヤマト国で殿下たちから頂いた市女笠に付いていた虫の垂衣むしのたれぎぬだけを頭からかぶったような感じです。まるでちょっと厚手のウェディングベールみたいで思わずドキドキとしてしまいました。

(うぅ、母上が変な事を言うから意識しちゃう……)

先日、叔父上たちから「子供は何時か親元を離れるもの」と言われた時、色々と衝撃が強くてさらりと流してしまったのですが、どうやらこの世界では叔父と姪は結婚可能なんだそうです。現代日本人の感覚ではありえませんが、よくよく考えてみたら日本史で習う歴史上の人物にも叔父と姪で結婚した人はいました。有名どころでは天智天皇は姪の倭姫王を妻に迎えていましたし、その弟の天武天皇は姪を4人も妻に迎えていました。それに現代でもドイツでは合法ですし、決して悪い事をしている訳ではありません。あくまでも私の中に無い習慣だっただけで……。

この世界では同じ母親から生まれていなければ問題無しとみなされるようで、時には(様々な事情がある事が前提ですが)父親と娘や母親と息子という組み合わせもあるんだとか。……そこまで行くと流石にちょっと受け入れ難いですが……。


ただ、叔父上とは結婚できるんだなぁ……と意識し始めたら何だか顔が熱くなってしまって、ちょっとぎこちない態度になってしまいます。叔父上の事は確かに好きではありますが、それは男性に対する気持ちとは違って家族に対する親愛の情です。だから恋愛感情ではないはずなのですが……。

「どうした? 顔が赤いが……。
 もう日差しにやられたのか。マズいな、急いで宿に戻ろう!」

「櫻、大丈夫か?!」

「若様、坊ちゃま、荷は私が後から持って行きますから、
 一足先にお嬢様を宿へ」

慌てて私を抱き上げようとする叔父上や、私が持っていた荷物を持とうとする兄上に私も慌てて

「あ、赤くなんてないよっ!」

と否定しますが、その否定は3人から「いや、赤い!」と否定返しを喰らってしまいました。日差しの所為じゃなくて叔父上の所為だとは言いだし辛く、もうそれで良いやと諦めてしまった私でした。




叔父上と山吹が取ってくれていた宿は、港から少し離れてはいましたが人の往来が途切れない賑わいのある十字路の脇にありました。そこの2階に部屋を確保してくれていて、私はそこで横になる事にしました。

この国では1階には客室は無く、2~3階が宿の中でも高ランクの部屋になるのだそうです。上層にいけば上層に行くほど室温が上がるので、ランクが下がるんだとか。叔父上たちは私や兄上が暑さにやられないように、2階に部屋を取ってくれたようでした。

「はぁ……涼しぃ……」

暑さにやられて顔を赤くした訳では無かったのですが、こうして日陰の涼しい部屋で横になり、更には濡れた布を額に置かれると何だかとても楽になります。やっぱり少しは暑さにやられていたのかも?

山吹と兄上は火の極日になったら出す予定の屋台の手続き申請に向かっていて、叔父上は私を1人残すわけには行かないと隣の部屋で持ち込んだ商品のチェックをしています。隣の部屋とは言いますが、ここはランクの高い部屋。私のいる主寝室が最奥にあって、その手前には家人や護衛用の小部屋が複数あるので、全員が個室を使えるようにはなっています。私が一番良い部屋を1人で使う事には抵抗があったのですが、最奥が一番安全だからで押し切られてしまいました。

「三太郎さんが一緒にいてくれるから1人じゃないよ、大丈夫!」

とは部屋で横になる前に伝えたのですが、叔父上は

「部屋でする仕事もあるから気にしなくて良い。
 そして櫻の仕事は早く身体を休めて体調を戻す事だ、良いな?」

と言われてしまい、それ以上は何も言えませんでした。




気が付けば何時の間にか眠ってしまっていたようで、遠くから夕刻を告げる鐘の音が聞こえてきました。ただ火の極日も近くなるとヒノモト国は前世でいうところの19時過ぎぐらいまでは明るいので、外の喧騒はまだまだ続きそうな気配です。

叔父上たちは今どうしているのかな?と部屋を出てみれば、叔父上ではなく兄上が居ました。

「目が覚めたようだね。体調はどう?」

「何時の間にか眠っちゃっていたみたいで、寝たら楽になったわ。
 心配かけてごめんなさい。叔父上たちは??」

「叔父上と山吹は晩御飯を買いに行っているよ。
 今日は港や大社おおやしろ付近に出ている屋台で色んな食べ物を買ってきて、
 僕たちが販売する商品の味付けの方向性を決めるんだそうだ」

今回、初めてヒノモト国で商売をする訳ですが、過去の経験上未知の食材の売れ行きはあまり良くありません。それも当然で、調理法すら分からない食材を買う人はそう居ません。なのでヤマト国でも初めて行く町や村で行商する時は、まずは屋台で調理した品を売って馴染んでもらってから、食材や調味料を売るという方式を取っていました。

その為にもまずはこの国の、そしてこの町の人の食の好みを知る必要があります。叔父上たちが先行して食べて調べてくれているはずですが、美味しいもの好きの三太郎さんに食べてもらうついでに、私達の意見も聞きたいのかも?

三太郎さんは基本的に眠っている事が多いのですが、以前ほど深い眠りにはついていません。それに海上に居る時は浦さんは起きていてくれましたし、それ以外でも私が眠っている時などは交代で起きてくれる事になっています。心配だった桃さんも以前よりずっと力の使い方が上手になっていて、火の極日直前のヒノモト国なら不審がられてない程度には精霊力を抑える事が出来るようになりました。

なので今

<何?! 美味いヤツが食べられるのか?!>

と私の中で桃さんがガタガタッと立ち上がったかと思うと、金さんや浦さんまでもが

<ふむ、新しい味とな?
 新しい味も良いが、新しい調理法といいうのは無いのか?>

<私は香辛料とやらを使った料理が気になります。
 ただあまり刺激の強いのは苦手なので……>

と次々に起きてきてしまいました。そのうえ

<今すぐ下に鬱金の奴を迎えにいこうぜ!!>

と急かす始末。その事を兄上に伝えたら、精霊様の仰ることなら仕方ないと一緒に部屋を出て叔父上を迎えに行く事にしました。とはいえ入れ違いになっても困るので、あくまでも1階の玄関ホールのようなところへ向かうだけです。


この宿は階段が外にあり、その階段が何度も折れ曲がりながら何処までも続いているかのように見える所為で、まるで真っ白い立体迷路のようです。叔父上に頂いたベールをかぶってその階段を兄上と並んで下りていると、下からどこかの商人の一団が大荷物を背負ったり抱えたりしながら上ってきました。まだ2階だというのに全員がフーフーと荒い息を吐いていて、今にもへたり込んでしまいそうです。聞こえてくる会話から察するに宿泊費をケチって最上階を予約したらしく、しかも私達とは違って船や馬車を使わない徒歩の行商人の為、荷物を全て持って移動しなくてはならず色々と大変なようです。

私達は荷物の大半を叔父上たちが乗ってきた船に残しています。その為に叔父上と山吹は交代で夜間は船で不寝番をしなくてはなりませんが、あの量の荷物を持って移動はできないので仕方がありません。

それに念の為に不寝番をしていますが、この時期のヒノモト国の港は治安が良いので大丈夫だと思います。何せ三国一の武を誇るヒノモト国で、一年で2番目に大金が動くこの時期に絶対に狼藉者を出してなるものかと国中の衛士が気合をいれまくっているらしく、港から宿に向かう途中もあちこちで衛士が巡回している姿を見かけましたし。

とはいえ、流石にその辺りに荷物を置きっぱなしにしておけば如何なるかなんて、考えなくても解ります。だから彼らも大荷物を抱えて階段を上っている訳で……。流石に道を譲るべきだと思って階段の端へと寄れば、兄上もほぼ同時に端へと寄りました。

「すみませんねぇ」

先頭を行くおじさんがペコペコと頭を下げてから通り過ぎ、その後を他の人も同じよう頭を下げてから続きます。そして一番最後、十三詣りを終えたばかりかな?という少年が取りすぎると同時に私達は再び階段を降り始めようとしたのですが、足元に何かが落ちて居る事に気付きました。

「あの、何か落とされましたよ」

そう声をかけながらしゃがんで拾おうとした時、いきなり凄い衝撃がドンッと全身を襲いました。えっ?!と思った時には身体が浮かび、あっ!と言う間に階段の外へと吹き飛ばされてしまいました。

その時になってようやく呼び止められた最後尾の少年が、慌てて振り向こうとした拍子にバランスを崩し、背負っていた大きな荷物が私にぶつかったのだと気付きました。ただぶつかっただけなら良かったのですが、階段の手すりが私の腰下ぐらいまでしかなかった事が災いしました。

「櫻!!!」

兄上が手を伸ばしてくれますが、私のすぐ前でその手が空を切ります。

(またかっ!!!!!)

思わずそんな事を思った、前世から数えて4回目の空中ダイブでした。
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