未来樹 -Mirage-

詠月初香

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3章

16歳 -水の陽月1-

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断崖絶壁に打ち寄せる波は高く高く飛沫を上げ、その飛沫を追って視線を上げれば青空を一文字に切り裂いているように見える光の帯が綺麗に輝いています。毎年無の月の間に輝きが落ちてしまうので今が一番輝きが落ちているのですが、それでも青空とのコントラストはとても綺麗で、これでもかとその存在を主張しています。

視線を再び海へと向ければ群青色を通り越して黒色にすら見える海面が上下に激しくうねっているのが見えますが、ほんの少し沖になると途端に何も見えない程の濃霧に包まれてしまって沖の様子は全く解りません。しかもその濃霧は身体を持って行かれそうになるほどの強風が吹いているにも関わらず、全く動く事なくその場に留まり続けています。その為にこの海域には濃霧を吐き出す妖が棲みついていて船を難破させるのだと船乗りたちは信じていて、近づく事すらありません。

「うん、今日も良い天気」

この強風と濃霧のおかげで安心して暮らせるのだから、私達にとってはこれがなのです。確かに長い髪が鬱陶しい程に風になびいてしまいますし、迂闊にその辺りに軽い物を置こうものなら風で吹き飛ばされてしまう等のデメリットもありますが、その程度は自分たちの身の安全に比べたら些細な問題です。

火の極日のあの日。
この大陸に安全な地なんて無いのだと思い知らされたのだから……。




山を脱出した後、私たちは陸地に近づく事を恐れて暫くは緊急脱出用のシェルター船で生活をしていたのですが、直ぐに様々な問題に直面しました。特に切実だったのは無の月を乗り切る為の食料や塩の備蓄の問題です。三太郎さんのおかげで塩と水だけなら海水から作る事はできますが、野菜やお肉をポンと出すような事は流石の三太郎さんでも出来ません。一応船の保管庫には最低限の食料を積んではいましたが、流石に家族全員が無の月を過ごせるだけの量はありません。

叔父上や母上たちもかなり悩んでいたようですが、無の月の間だけでも仮住まいを作って暮らすか、最低でも倉庫は作るべきだという事になりました。追手を恐れて飢え死にしてしまっては本末転倒ですから。

問題は何処に作るかですが、真っ先にミズホ国とその近辺は除外されました。どうも私の知らない間に三太郎さんと母上たちの間で情報交換がなされていたようで、あの襲撃者はミズホ国の志能備しのびでほぼ確定なのだそうです。天都で会った菖蒲あやめ様はとても穏やかで優しい人だったので菖蒲様が指示したとは思えませんが、原作に登場していた菖蒲様の弟は読者が引くレベルのシスコンヤンデレだったので、もしかしたら彼が指示したのかもしれません。

何日もかけて議論した結果、11歳の無の月は船の中で過ごす事になりました。ヤマト国の外れの断崖絶壁に開いた洞窟の中に臨時の倉庫を作り、叔父上たちが何往復もしながら食料を集めてきてくれました。そして普段は船の中で暮らして、必要に応じて倉庫へと食料を取りに行くようにしたのです。

当然の事ながら、今までに比べると食材の種類も質も量もガタ落ちになるのは仕方が無い事で、この年の無の月は久しぶりに「ひもじい」という思いをしました。釣り道具を船に積んでいなかったら、色んな意味で終わっていたかもしれません。

私達も常に空腹でしたが、食事という行為が必須ではなく娯楽の三太郎さんたちは完全に食事を断つことになりました。なので次の年の水の月に入った途端に「やはり何処かにしっかりと拠点を構えよう」という事になるのは必然の流れでした。兄上は育ち盛りですし、大怪我をしたつるばみの体調の回復が遅かったり母上や私が寝込んでしまったりと、衣食住の大切さを全員が心の底から理解した結果でした。

少しでも安全な場所を見つけようと方々を探し続け、結局12歳の間はほとんど海上生活でした。シェルター船は元々緊急脱出用なので、長期滞在に向いた造りではありません。その為にトイレやお風呂といった衛生面の問題や、十分な運動が出来ないといった問題が持ち上がり、この期間はストレスが転生直後よりも高まってしまいました。赤ん坊だったからどうにか我慢できた事も12歳となった私には無理で、本当に本当にきつかった……。


13歳になった直後、様々なメリット・デメリットを理解したうえで、私達はアマツ大陸の東側の人が決して近寄らない海域へ向かう事に決めました。念の為に前もって浦さんに偵察してもらっていたので濃霧の中に幾つもの島がある事は解っていましたし、その海域に船が近づかない事も1年がかりの調査で確認しました。

ただ、荒れ狂う海は浦さんの技能で緩和させる事ができたのですが、濃霧で全く先が見えない中を進むのは流石に恐怖でした。三太郎さんが居なかったら絶対に選ばなかった選択肢だと思います。

そうやって見つけた島に上陸して、拠点を再び作ることにしたのです。

前回は私の意見だけで造った拠点も、今回はみんなで意見を出し合って造る事になりました。厨の作業台はもう少し高い方が使い勝手が良いなんていう小さな要望から、お風呂は男女別に欲しいなんて大きな要望まで、本当に色んな要望を皆で出し合って拠点を作ったのですが、この時間がとてもとても楽しくて久しぶりに全員がニコニコ笑顔で過ごす事ができました。

また移住を決めた島は人の手が入っていない所為か植生が豊かで、様々な果樹もあれば甘葛煎あまづらせんの原料の樹液が採れるツタの木もありました。おかげで毛美もみたちも久しぶりの新鮮な果物に喜んで、ビュンビュンと空を飛びまわって喜びの舞を披露してくれました。

叔父上たちの行商のメイン商材となる竹醤の原料の竹も確保できそうですし、後は石茸を始めとした乾物をの原料を見つけられればあの頃と変らない生活ができそうだと、胸をなでおろした1年でした。蛇足ながらお風呂はしっかり男女別に加えて精霊用の3つが作られて、初日は浄水の霊石を仕込んだ湯が発光しまくりました。


そして14歳は周囲への警戒と島拠点周辺の開発に邁進した1年でした。山拠点の周辺に居た土蜘蛛やじゃんじゃん火に匹敵する妖がここにも居る可能性がありますし、追手が来る可能性もあります。そういったモノへの警戒と新たな食材の発見に一喜一憂する日々でした。見た事のない植物や妖も多く、逆に土蜘蛛は全く見かけませんでした。この島に居なくても近くの別の島に行けば居るかも?という希望も打ち砕かれ、土蜘蛛の糸を使用した色んな物が作れないという問題が発覚・確定したのもこの年でした。行商は必ず行う事になるので、当面の間は行商の傍ら土蜘蛛の糸を採取してくるという事にはなりましたが、何か別の手段を考えなくてはなりません。


15歳になった頃には、ほとんど山拠点の頃と同じ住環境で過ごせるようになりました。水力式ケーブルカーはありませんが、日常の様々な施設や道具は使い勝手やサイズを調整して便利になって戻ってきました。また食の方面でも湖の幸はなくなりましたが、そのかわりに海の幸が豊富になりましたし、山の幸は減ったものの家族が食べていく分+販売してお米などの物資を買うには十分な量が収穫できるようになりました。その最低限の保障を可能にしたのが、母上の守護精霊の山幸彦さんと海幸彦さんでした。

この二柱の精霊は三太郎さんほど沢山の技能は持っていなかったのですが、海幸彦さんは【豊漁】、山幸彦さんは【豊作】という技能を持っていました。それぞれの技能レベルはあまり高くはありませんでしたが、有ると無いとでは大違いなのが精霊さんの技能です。母上の中で眠っていた時はその守護を発揮する事が出来ませんでしたが、目覚めてからはその力を十分に発揮してくれて家族が食べる分に困る事はなくなりました。




こうして5年が過ぎました。




私は16歳になり、無事に大人の仲間入りを果たしました。ただ正規の方法では戸籍を習得しておらず、茴香ういきょう殿下や蒔蘿じら殿下のはからいで王家が持つ隠し戸籍と呼ばれる特殊な戸籍を譲ってもらいました。十三詣りという精霊確定の儀を行わなくても私には三太郎さんがいますし、人がたくさんいる場所に行く事のリスクを考えると、とてもじゃないですが十三詣りに行きたいという気持ちにはなりませんでした。両殿下には手間をかけてしまって申し訳ない気持ちにはなりますが、家族や自分の身の安全の方が大事です。また通常なら13歳から15歳までは公的機関が用意した簡単な仕事を請け負い、税金の納め方や様々な申請手続きを実践しながら学んでいく事になるのですが、私はその辺りも両殿下のおかげで免除されています。自分だけ免除はちょっと後ろめたい気持ちになってしまって茴香殿下にお手紙を出しのですが、殿下からは「税金以上の利益を櫻嬢からは頂いているから大丈夫」とお返事がありました。

また悲しい事に、この世界における成人年齢を無事に越えたのにもかかわらず、身長は155cm程度と泣きたくなるぐらいに伸びませんでした。守護精霊が三柱も居る事で、身体の成長に何かしらの影響があったのではないか?というのが家族や三太郎さんの見解です。そんな身長だからなのか体力や腕力・脚力も非力で、母上にも力比べで勝てません。

ただ決して病気がちという事はなく、叔父上や兄上のように高さ3メートル近い場所に飛び乗る事はできませんが縄跳びは普通にできますし、母上や橡のように超高速で機織りはできませんが料理を始めとした家事をするのに困る事はありません。というか前世基準なら全く普通の……むしろ健康優良児といえる身体能力のはずなんです。ただただこの世界の人の標準がおかしいのだと激しく主張したい!


そして兄上は19歳になりました。流石にもう一緒に遊ぶような事はありませんが、それでも仲の良い兄妹だと胸を張って言えます。そんな兄上は今や叔父上や山吹より少し小さいぐらいの体格になっていて、幼い頃の天使のような可愛らしい兄上の面影はありません。ただ小説版第二部の男主人公ともいえる兄上は、とっても格好良いんですよね。叔父上がヤマト国系の凛々しい格好良さだとしたら、兄上は凛々しさが控え目な分、穏やかで優しいミズホ国系の格好良さがプラスされた感じです。また日々の鍛錬を欠かさない真面目な性格なので、手合わせでは叔父上から5本に1本は取れるようになりました。随身の山吹には流石にまだ勝つどころか掠る事すらできないようですが、アレは山吹が異常に強いからだと思います。


叔父上や山吹は33歳になりました。この世界には結婚適齢期という考え方がありませんが、男性は20代半ば頃までには結婚する事が多いらしいので、2人とも完全に婚期を逃してしまっています。ただ2人ともその事は気にしていないようで、お嫁さんを探そうとすらしていません。まぁ前世日本でも江戸時代の江戸では男性の生涯未婚率が50%もあったらしいですし、この世界でも生涯を独身で通す人が一定数いるらしいので、叔父上たちもそのつもりなのかもしれません。

ちなみに叔父上と山吹、そして兄上は私に対して過保護です。母上や橡も過保護気味ですが、怪我から学ぶこともあるとある程度放任してくれるのに対し、男性陣はちょっと過保護が過ぎるところがあります。私が母上よりも身体が弱く、身体能力が低い所為ではあるのですが……。

ただ、一概に過保護といってもそれぞれ傾向が違います。
例えば私が転んだと仮定して……。

叔父上は男性陣の中では母上たちの価値観に近く、私が大怪我をしないのであれば手を貸す事はありません。決して突き放している訳ではなく、私が自分の力で立ち上がって再び歩き出すまで更なる害を防ぎつつ見守り、そしてその後もずっと寄り添い続ける人です。

兄上は転ぶ前に助けようとする人です。それでも転んでしまったら、サッと私を立ち上がらせて怪我がないかしっかりと確認します。それで怪我をしていた場合は手当てをしてから、「今後は気を付けるように」と注意を促し、以降も注意をしてくれる人です。

山吹も転ぶ前に助ける人ですが、万が一助けられなかったら転ぶ原因となったモノを徹底的に排除するという……家族の中で一番の過保護です。転生直後を思うと「どうしてこうなった」と言いたくもなりますが、逆にあの頃の事があるからこそ余計に過保護なのかもしれません。


母上は38歳になりました。襲撃直後は寝込んでしまったものの、今ではすっかり元気です。畑仕事を主導しているのは母上ですし、最近では海藻や貝の採取も主導するようになりました。漁は男の仕事ですが、採取は女の仕事なので母上や私が担当するんですよね。それぞれ山幸彦さんや海幸彦さんと相談しながら行っていて、今年から行商に持って行く予定のあわびっぽい貝を見つけたのも母上たちです。


そして最年長の橡は58歳で、流石にもう無理の出来ない年齢になりました。それに加えてあの時に負った怪我の所為で激しい動きはできず、以前のように随身として武器を振るったりはもう出来ません。それでも明るく元気に家事をこなしてくれる橡は、私達全員のお母さんポジションです。基本的には炊事や洗濯、掃除といった家の中の仕事を引き受けてくれていて、時間がある時には私に機織も教えてくれます。


精霊の三太郎さんは全く変りません。色々と技能が成長したり増えたりはしていますが、相変わらず美味しいものが大好きで、新しい事が大好きです。なので島拠点を作る際には、既に一度作った事のある道具や設備の作成という新鮮味を感じない作業の連続に少し不満顔でしたが、前よりも大きく、或は小さくする事や効率を上げるといった改良を行う事でモチベーションを保っていたようです。何より美味しいご飯の為だよと言えば、納得して色々と作ってくれました。15年前は1日1個しか作れなかった琺瑯ホーロー製品も、今では10個でも20個でもまとめて作れるようになり、また造形も細かく繊細なモノが作れるようになりました。

そんな三太郎さんたちに母上の守護精霊の山幸彦さんと海幸彦さんが加わり、今では精霊と人間の数がほぼ同数となりました。ただ三太郎さんと違って、山幸彦さんと海幸彦さんは新しい技能をまだ一度も覚えられた事がありません。これはたまたま運悪く覚えられなかったのか、それとも三太郎さんが特別なのかはまだ検証が足りない為に判断できません。ですが精霊の技能が増えるという事は、かなりイレギュラーな事態だと以前に三太郎さんから聞いていたので、恐らく三太郎さんがかなり特殊な精霊なんだと思います。また家族全員は母上の守護精霊を「海幸彦様」「山幸彦様」と様付けで呼ぶので私も同じように呼んだのですが、当精霊たちから待ったが掛かりました。金さんや浦さんの事を愛称で呼んでおきながら、第4世代の自分たちを様付けで呼ぶのはどうにも落ち着かないそうで……。なので改めて金さんたちに「様付けで呼んだ方が良い?」って尋ねたら、止めてくれと即座に却下されてしまったので、仕方なく私限定で母上の守護精霊も海さん山さんと愛称で呼ぶことになりました。母上たちの頭痛を堪えるような顔が忘れられませんが、私はちゃんと様付けしようとしましたよっ。


そんなこんなで、この5年。
大きく環境が変りましたが、家族全員がそれなりに元気でやっています。
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