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1章
1歳 -水の極日5-
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桃さんの突然の登場に驚いたのは私だけでは無かったようで……。
私も布団の中でビクッと身体をすくめてしまいましたが、母上や橡も短い悲鳴を上げて思わず身構えてしまいました。幸いだったのは兄上はすでに退室して自室で休んでいた為、怒った桃さんを見ないで済んだ事です。もし兄上が今の桃さんを見たら怖がって、これから先二度と一緒に遊ぶどころか近づけなくなってしまうかも……。そう思うぐらいに今の桃さんは怖いです。
金さんがかけてくる圧は上から重たいものがズッシリとのしかかってくるかのような感じでしたが、桃さんの圧は正面から見えない何かが叩きつけられているかのような圧です。
「落ち着け、気温を上げるでない。何より櫻が起きる」
「金も金だ! お前がついていながら!!
…………って、浦の野郎はどうした?」
「櫻を助ける際に力を使いすぎ、眠りについた」
浦さんが眠りについたと聞いた途端に桃さんは言葉に詰まり、舌打ちしてからクソッと小さく毒づきました。そんな金さんと桃さんの様子に母上たちは額が床につくほどに深く頭を下げます。全てが苛立たしいと言わんばかりの様子で歩きだした桃さんは、私の傍までくると私の顔を覗き込んできました。当然ながら目がパチリと合ってしまいます。
<桃! 櫻は寝ているという事にしておけ>
と、途端に先程まで私がどれだけ心話で<母上たちは悪くない>と伝えても、無視し続けていた金さんが初めて心話を飛ばしてきました。正確には私にではなく桃さんにでしたが。
<櫻、そなたは寝たふりをしておくように>
続けて私にも指示を出してきた金さん。何か思うところがあるのでしょうか??
でも、どちらにしても今の私は全身が痛くて、起き上るどころか声を出すのも辛いぐらいなので、図らずも寝たふりをしてしまっているような状態です。
「誠に申し訳ございません」
母上が再び謝罪し、その少し斜め後ろで橡も頭を下げ続けました。そんな二人を金さんや桃さんが圧をかけるようにして見下ろします。
「我が欲しているのは謝罪ではない。
こうなった理由と、処罰を含めたこれからの対処だ」
再び強まった圧に橡が小さく息を飲むのが解ります。
「息子が大変失礼を……」
「はぁぁ……。
今一度申すぞ。謝罪は不要! 山吹の言動の理由。
それと今後の方針を申せと言っている!」
橡の言葉を金さんの溜息が遮って、そのまま金さんが先程よりも少し語尾を強くして言葉を続けます。
何だか何時もの金さんらしくない……そう思ってしまう私は、母上や橡をフォローしたいと声を上げようとしたのですが、ズキリと痛む全身に加え
<良いな! 眠っているふりを致せ!!>
と念を押してくる金さんに、行動を起こす事を断念しました。でもそれはそれで居心地が悪く、もぞもぞと布団の中で動こうとして全く動けず。何とも言えない口惜しさだけが募っていきます。
「恐れながら……」
再び母上が話しだし、その直後にチラリと此方を見るようなそぶりを見せたので、慌てて目を瞑ります。
「案ずるな、櫻は眠っておる」
先程までとは違い、幾分か柔らかい印象の金さんの声に母上は意を決したように
「幾つか尋ねたき事がございます。
三柱の精霊様におかれましては、
櫻が我が子となった経緯を御存知なのでしょうか?」
普段聞いた事のない母上の固い言葉遣いに、違和感がすごく……。聞いてはいけない事を盗み聞きしている気分にさせられます。
「無論だ。我らは櫻がそなたの娘となる以前より守護をしている」
「俺様が最初に櫻を見つけたんだが……。
アレは鬱金が旅をしている最中の事だ」
「でしたらば……。
我ら一同が碧宮家の者であり、命を狙われている事は?」
「それも知っておる。
そなたらの安全を思い、此処に招き入れたのだからな」
「ご配慮頂き、誠にありがとうございます。
そして山吹の言動は全てがそこから始まっております」
それまで平伏していた母上が顔を上げた事が、衣擦れの音や声の調子で解りました。そういえば私は前世で読んだ小説の知識があるので、母上たちが碧宮家の人たちである事を知ってはいましたが、母上の口から直接「碧宮」という言葉を聞いたのは初めてかもしれません。
「あの日、碧宮家に賊が押し入りました。
その賊がただの物取りでは無い事は明白でした。
数少ないとはいえ、一応最低限は持っていた貴重品には目もくれず、
ただただそこに居る人々全てを屠る事に専念する物取りなどおりませぬ」
母上の悲痛な声に、私は思わず薄く目を開けました。母上が泣いているんじゃないかと思ったのです。母上は泣いてこそいませんでしたが、その瞳は少しだけ潤んでいるように見え、膝の上で握りしめた拳は真っ白になる程に力が籠められていました。
「私の乳母子で山吹の姉の浅沙も殺されました。
その子供であり槐のよき友だった子も凶刃に倒れました。
たまたま我が家に来ていた浅沙の夫も妻と子を守りながら死にました……」
母上の声が震え、それと同時に橡から小さな嗚咽が漏れ出しました。橡からすれば自分の娘と孫が一度に殺された訳です。辛くて当然でしょう……。
「私の母もその時点で助かる見込みのない怪我を負っていました。
そんな一同の様子に覚悟を決めた父が、倒れた浅沙に私の衣を纏わせ、
浅沙の子に槐の衣を、浅沙の夫に鬱金の衣を纏わせて……」
そこまで言ったところで、母上は言葉に詰まりました。
確かそうやって碧宮家当主はすでに死んでしまっていた浅沙一家を自分の子供たちに見せかけ、元々火の手が激しく上がっていたのですが、更に自ら部屋に火を放ち、炎の中に消えていった……そう小説では描写されていたと記憶しています。
小説で読んだ時は、それを単なる作品の演出と言えば良いのか、シーンの情報として頭に入れていました。それが今、母上を通して聞くことで演出などではない事実として私の上にのしかかってきます。
「んで? それが山吹の態度と何の関係があるんだ?」
空気を読めないのか、あえて読んでないのか……桃さんが先を促します。それに母上は気を悪くする事なく、再び話し始めました。
「その襲撃の際に山吹の父であり橡の夫。
そして私の父の随身の椚の行方が解らなくなっているのです。
襲撃者を追い、炎の向うに姿を消す直前、
彼は山吹に命に代えても私達を守るように言いつけました」
あぁ、それで真面目だけれど融通の利かない山吹は、思い込んだら一直線とばかりに母上たちを守る事に躍起になっていたのか……。ちなみに随身というのは前世では護衛の武官をさしていましたが、この世界では護衛もできる侍従といった感じの役職で、上級華族にしか持つことができない使用人です。もっとも碧宮家は家格こそ上級でしたが実像は下級以下でしたし、使用人も椚とその妻の橡、そしてその子供たちである浅沙と山吹しか居ませんでしたが……。
「つまり何か?
山吹は櫻がそなたらに危害を加えると思っていると?」
その言葉と同時に金さんの圧が再び増します。
「いいえ! いいえ違います!!
確かに山吹は私達を守る為に、万難を排そうと常に警戒してくれています。
ですが櫻に関しましては、私の血縁となれば命を狙われるゆえにございます」
母上が慌てて金さんの言葉を否定しました。
その言葉に私は目から鱗が落ちる……或は青天の霹靂といった感じです。
そうか、母上の娘となれば……
碧宮家の血を引く者と解れば、私も命を狙われるという事になるのか……。
そんな単純明快な事に、今の今まで全く気付きませんでした。こんな信じられないレベルで危機感が欠如してしまっていた最大の理由は、小説の母上は追手に見つかる事もなく、約10年後の流行病で亡くなるまで特に危険な目には合わなかったからです。兄上が13歳の時に少し気を付けなければいけない事があるのですが、それもまだまだ先の事だと思っていました。
なのでこの家を建てる際にも、一番重視していたのは母上たちの健康でした。
勿論、母上たちが逃亡中である事は知っていたので、出来る限り存在を示すような物品の流出は避けるようにはしていました。ですが心のどこかで小説では見つからなかったから大丈夫と、楽観視していた事も事実です。
私が呆然としている間も、母上は話し続けます。
「山吹は真面目な努力家です。
その反面融通が利かず、思い込みが激しい所があります。
本来なら命を狙われる理由のない櫻をここに置いておくより、
施薬院に預ける方が櫻の為になると思っての事にございます」
「ならば、そなたは櫻を危険に巻き込む事を承知で娘にした……と?」
金さんの意地の悪い聞き方に、思わず起き上がって抗議しようとしましたが、全身を駆け巡る痛みにくぐもった声を上げる事しかできません。母上が私が起きたと思ったのか、「櫻?」と小さく声をかけてくれます。
「寝返りをうとうとしたようだが……痛かったんだろうな。
そのまま、また眠っちまったようだ」
私が横になっているすぐそばに桃さんが座り、私の髪を撫でながら
<落ち着け、大丈夫だから>
と心話を飛ばしてきました。
<全く……寝たふりをしておれと申しておるだろう>
<でも! 今の金さんの言い方は意地悪だよっ!>
心話で断固抗議しますが、金さんから返ってきた言葉は
<いい加減、そなたも我らもこの者たちの真意を知るべきなのだ。
うやむやにすればするほど、そなたは悪い方へと考えるようなのでな>
というモノでした。
つまり金さんは私達の……、いえ私の為に母上たちに意地の悪い質問をしているという事です。
<だとしても、母上たちに意地悪しないで……>
キュッと胸が苦しくなって、鼻の奥がツーンと痛くなります。前世では5年程しか一緒に居られなかった母親という存在。今世でも産みの母親とは縁遠いですが、育ててくれる今の母上を私は大好きなのだと……改めて思い知ります。
<安心しろ、おまえの母親はこの程度でへこたれるような奴じゃねーよ。
見た目とは裏腹に、結構強いぜ? おまえの「はーうえ」はな>
私の口調を真似る桃さん。大丈夫だとこっそり此方を見て口の端を少し上げて安心させるように笑ってくれました。
「恐れながら申し上げます。
金様におかれましては、私が櫻の母親を名乗るに値しないと……
失格だとお思いなのでしょうか?」
桃さんの後ろから隠れるように母上を見れば、凛とした表情で金さんを見上げていました。
「勿論、至らぬところはまだまだありましょう……。
ですが、私はあの子にかける愛情に
一度でも我が子槐と差をつけた事はありません」
その母上の気迫のこもった言葉に、今度は金さんが少し押し黙りました。母上の言葉の通り、私は母上の言動に兄上との差を感じたことは一度もありませんでした。母上と呼びかければ、何時も笑顔で手を差し伸べてくれるのです。三太郎さんと同じぐらい、私が私でいられる大切な存在なのです。
「ふむ……。ならば改めて問おう。
山吹は櫻を施薬院に預けることが櫻にとって最善と判断していた事は解った。
では何故そなたはそれを拒んだ?
また、山吹のあの言動、アレは酷いものだったが……」
という金さんの言葉の途中で桃さんが
「それ、本人に聞いた方が良くないか?
そこまで来てるぜ?」
と顎で部屋の入口をクイッとしめしました。えっと言いながら振り返る母上と橡の向う側、扉の向うから足を引きずるような音が近づいてきたかと思うと、
「山吹です。入ってもよろしいでしょうか?」
という声が聞こえてきたのでした。
部屋に入ってきた山吹は、髪や首の後ろにまだ少し汚れがついているような状態でした。休ませる前に橡が一通り拭いたはずなのですが、意識のない山吹の全身を綺麗にするには、流石に大変だったのでしょう。
「このような格好で申し訳ございません」
そう言いながら山吹は母上の少し後ろに座る橡の横に座り、頭を下げました。その山吹に金さんと桃さんが何も言わずに圧をかけます。その圧は母上たちへ向けたモノとは比較にならない程に強いモノで、「グッ」と小さく山吹が耐え切れずに呻き声を漏らすほどのものでした。
山吹は碧宮家の大人の中で一番霊格が低いと小説では描写されていましたが、それでも先程から金さんが母上に飛ばしていた圧を、自室で感じ取ることができるぐらいの霊格はあります。なので母上たちの一大事だと駆け付けたのだと思います。
「このたびは誠に申し訳ございません」
そう言って平伏する山吹に、
「我は同じ問答を何度もする事は好まぬのだが……」
と金さんは大きなため息と同時に、辟易といった感情を込めて愚痴のような言葉をこぼします。
「それにそなたの場合、沙羅や橡と違って
我らよりも先に謝らねばならぬ相手がおるのではないか?」
そう金さんが言うと、山吹はバツが悪いのか言葉が出てきません。そんな山吹に金さんは更に質問……というより詰問を続けます。
「そなたが櫻の安全を思って、施薬院へ入る事を勧めていたと沙羅から聞いた。
それに相違無いか?」
「はい。このまま私どもと共に居るより安全であろうと……そう思いました」
そう平伏したまま答える山吹に更に金さんが追い込みをかけます。
「では、そなたの櫻に対する態度の理由は?」
「それは……。私どもに慣れ親しんだ後に引き離すような事になれば
姫様も赤子も共に悲しむ事になるだろうと……
極力、懐かれぬようにした方が良いと判断し、
また、一刻も早く手放すよう姫様に進言し続けました」
なるほど……。それであの言動な訳ですね。私という赤ん坊が皆を慕う前に別れた方が、双方にとってダメージが少ないと山吹は思っていたのか……。
まぁ、私が普通の赤ん坊ならその通りだよなぁと思ってしまいます。
ただ私には三太郎さんが居てくれて、そして私自身の精神年齢が今の山吹達とさほど変わらない年齢という特殊な赤ん坊だったから、それに当てはまらないだけで。
「では、沙羅よ。
何故その進言を退けてまでも櫻を我が子とした?」
「それは櫻の容姿が理由にございます。
もし、櫻の容姿がこれ程までに私の幼少時に似ていなければ
もしかしたら山吹の進言に従っていたかもしれません。
ですが、櫻はあまりにも私の小さい頃に似ているのです。
そんな赤子が施薬院に居ると、賊やその背後の者に知られたら……
確実に私の子である可能性を疑うでしょう。
そうなれば櫻の命は此処にいるよりも危険です。
なにせ守ってくれる者が傍に居ないのですから」
私自身の目から見ても、母上は私によく似ています。それは今の私ではなく、前世の私です。最初の頃は視力が低くて良く見えなかった事や、名づけと同時に忘れていた前世の一部の情報に自分の容姿もあったので気付かなかったのですが、母上の容姿をしっかりと確認した途端に、自分の前世の容姿を思い出したのです。流石に双子のようにそっくりという程ではありませんが、血の繋がりが無いと言われても信じられない程度にはよく似ています。という事は、私は大きくなったら前世と同じような顔に育つんでしょうか……?
その後、母上たちと山吹、そして金さんと桃さんの話し合いは遅くまで続きました。
後日聞いた話だと、全ての元凶はコミュニケーション不足でした。母上も山吹も、そして橡や恐らく叔父上さえも
「口に出して話さなくても、言葉にしなくても、
小さい頃からずっと一緒だった〇〇なら解ってくれる」
という、甘えがあったのだと言います。それでなくても、慣れない山暮らしで精神的に余裕が無く……。母上に至っては子供の前では元気に振舞っていたものの、体調も体力も限界だったそうで……。本来は橡と分担する予定だった採取や家事の殆どを橡に任せてしまっていたんだそうです。そういえば……と思い返してみると、母上は採取には殆ど出ていなかったように思います。結果として負担が増えた分、橡も疲労困憊になり余裕が消えていたのだとか。
岩屋からこの拠点に引っ越してきた事で母上の体調もだいぶ良くなって、心身ともに余裕が出来たそうで。その母上が元気になった分、橡の負担も減って橡にも余裕が出来たんだとか。その事を改めて感謝していたぞと桃さん経由で聞いて、金さんや浦さんに無理を言って作ってもらった甲斐があったなぁと思ったのでした。
山吹は山吹で、母上たちを守らなくてはならないという重圧に押し潰されそうになりながら、その責を果たそうと奮闘していました。自分がやらなくては!という思い込みが激しかった山吹は、別室で寝ていた為に気付きませんでしたが、夜もほとんど眠れていなかったそうです。
思い返せば山吹は17歳で襲撃事件に遭遇し、目の前で姉や甥を殺され……。
「碧宮家を守れ」と言い残して父親も行方不明。前世なら保護されるべき年齢の山吹に、冷静な判断を求める方が無理だと思います。少なくとも私なら無理です。
そんな状況下にあっても山吹は「守る」という意思は強く持ち続けていました。ただ意気込みは充分でしたが、それが空回りしてしまい……。本来ならそれを注意しなければならない他の三人も余裕が無く……。
その結果がコレでした。
誰か一人が悪いという訳ではなく……。
誰もが少しずつ悪かったのです。
叔父上と山吹は前世の私と同年齢で、母上は少しだけ年上。橡は前世の母親が生きていれば……というぐらいの年齢です。ですが、どれだけ年をとっても完璧な人など居ないのだという事を、改めて知る事になりました。
本当はしっかりと自分の耳で聞いていたかったのですが、熱が更に上がってしまったのか……。私は何時の間にか気を失うようにして眠ってしまっていました。
<今は眠っとけ。後でちゃんと俺様が教えてやるから。
今日はいっぱい頑張ったな。
ちゃんと兄ちゃんを守れて良かったな。えらかったぞ?
怒りたい部分も有るっちゃぁ有るんだが、まずは無事で良かった>
そう心話で言う桃さんの暖かい手を感じながら……。
私も布団の中でビクッと身体をすくめてしまいましたが、母上や橡も短い悲鳴を上げて思わず身構えてしまいました。幸いだったのは兄上はすでに退室して自室で休んでいた為、怒った桃さんを見ないで済んだ事です。もし兄上が今の桃さんを見たら怖がって、これから先二度と一緒に遊ぶどころか近づけなくなってしまうかも……。そう思うぐらいに今の桃さんは怖いです。
金さんがかけてくる圧は上から重たいものがズッシリとのしかかってくるかのような感じでしたが、桃さんの圧は正面から見えない何かが叩きつけられているかのような圧です。
「落ち着け、気温を上げるでない。何より櫻が起きる」
「金も金だ! お前がついていながら!!
…………って、浦の野郎はどうした?」
「櫻を助ける際に力を使いすぎ、眠りについた」
浦さんが眠りについたと聞いた途端に桃さんは言葉に詰まり、舌打ちしてからクソッと小さく毒づきました。そんな金さんと桃さんの様子に母上たちは額が床につくほどに深く頭を下げます。全てが苛立たしいと言わんばかりの様子で歩きだした桃さんは、私の傍までくると私の顔を覗き込んできました。当然ながら目がパチリと合ってしまいます。
<桃! 櫻は寝ているという事にしておけ>
と、途端に先程まで私がどれだけ心話で<母上たちは悪くない>と伝えても、無視し続けていた金さんが初めて心話を飛ばしてきました。正確には私にではなく桃さんにでしたが。
<櫻、そなたは寝たふりをしておくように>
続けて私にも指示を出してきた金さん。何か思うところがあるのでしょうか??
でも、どちらにしても今の私は全身が痛くて、起き上るどころか声を出すのも辛いぐらいなので、図らずも寝たふりをしてしまっているような状態です。
「誠に申し訳ございません」
母上が再び謝罪し、その少し斜め後ろで橡も頭を下げ続けました。そんな二人を金さんや桃さんが圧をかけるようにして見下ろします。
「我が欲しているのは謝罪ではない。
こうなった理由と、処罰を含めたこれからの対処だ」
再び強まった圧に橡が小さく息を飲むのが解ります。
「息子が大変失礼を……」
「はぁぁ……。
今一度申すぞ。謝罪は不要! 山吹の言動の理由。
それと今後の方針を申せと言っている!」
橡の言葉を金さんの溜息が遮って、そのまま金さんが先程よりも少し語尾を強くして言葉を続けます。
何だか何時もの金さんらしくない……そう思ってしまう私は、母上や橡をフォローしたいと声を上げようとしたのですが、ズキリと痛む全身に加え
<良いな! 眠っているふりを致せ!!>
と念を押してくる金さんに、行動を起こす事を断念しました。でもそれはそれで居心地が悪く、もぞもぞと布団の中で動こうとして全く動けず。何とも言えない口惜しさだけが募っていきます。
「恐れながら……」
再び母上が話しだし、その直後にチラリと此方を見るようなそぶりを見せたので、慌てて目を瞑ります。
「案ずるな、櫻は眠っておる」
先程までとは違い、幾分か柔らかい印象の金さんの声に母上は意を決したように
「幾つか尋ねたき事がございます。
三柱の精霊様におかれましては、
櫻が我が子となった経緯を御存知なのでしょうか?」
普段聞いた事のない母上の固い言葉遣いに、違和感がすごく……。聞いてはいけない事を盗み聞きしている気分にさせられます。
「無論だ。我らは櫻がそなたの娘となる以前より守護をしている」
「俺様が最初に櫻を見つけたんだが……。
アレは鬱金が旅をしている最中の事だ」
「でしたらば……。
我ら一同が碧宮家の者であり、命を狙われている事は?」
「それも知っておる。
そなたらの安全を思い、此処に招き入れたのだからな」
「ご配慮頂き、誠にありがとうございます。
そして山吹の言動は全てがそこから始まっております」
それまで平伏していた母上が顔を上げた事が、衣擦れの音や声の調子で解りました。そういえば私は前世で読んだ小説の知識があるので、母上たちが碧宮家の人たちである事を知ってはいましたが、母上の口から直接「碧宮」という言葉を聞いたのは初めてかもしれません。
「あの日、碧宮家に賊が押し入りました。
その賊がただの物取りでは無い事は明白でした。
数少ないとはいえ、一応最低限は持っていた貴重品には目もくれず、
ただただそこに居る人々全てを屠る事に専念する物取りなどおりませぬ」
母上の悲痛な声に、私は思わず薄く目を開けました。母上が泣いているんじゃないかと思ったのです。母上は泣いてこそいませんでしたが、その瞳は少しだけ潤んでいるように見え、膝の上で握りしめた拳は真っ白になる程に力が籠められていました。
「私の乳母子で山吹の姉の浅沙も殺されました。
その子供であり槐のよき友だった子も凶刃に倒れました。
たまたま我が家に来ていた浅沙の夫も妻と子を守りながら死にました……」
母上の声が震え、それと同時に橡から小さな嗚咽が漏れ出しました。橡からすれば自分の娘と孫が一度に殺された訳です。辛くて当然でしょう……。
「私の母もその時点で助かる見込みのない怪我を負っていました。
そんな一同の様子に覚悟を決めた父が、倒れた浅沙に私の衣を纏わせ、
浅沙の子に槐の衣を、浅沙の夫に鬱金の衣を纏わせて……」
そこまで言ったところで、母上は言葉に詰まりました。
確かそうやって碧宮家当主はすでに死んでしまっていた浅沙一家を自分の子供たちに見せかけ、元々火の手が激しく上がっていたのですが、更に自ら部屋に火を放ち、炎の中に消えていった……そう小説では描写されていたと記憶しています。
小説で読んだ時は、それを単なる作品の演出と言えば良いのか、シーンの情報として頭に入れていました。それが今、母上を通して聞くことで演出などではない事実として私の上にのしかかってきます。
「んで? それが山吹の態度と何の関係があるんだ?」
空気を読めないのか、あえて読んでないのか……桃さんが先を促します。それに母上は気を悪くする事なく、再び話し始めました。
「その襲撃の際に山吹の父であり橡の夫。
そして私の父の随身の椚の行方が解らなくなっているのです。
襲撃者を追い、炎の向うに姿を消す直前、
彼は山吹に命に代えても私達を守るように言いつけました」
あぁ、それで真面目だけれど融通の利かない山吹は、思い込んだら一直線とばかりに母上たちを守る事に躍起になっていたのか……。ちなみに随身というのは前世では護衛の武官をさしていましたが、この世界では護衛もできる侍従といった感じの役職で、上級華族にしか持つことができない使用人です。もっとも碧宮家は家格こそ上級でしたが実像は下級以下でしたし、使用人も椚とその妻の橡、そしてその子供たちである浅沙と山吹しか居ませんでしたが……。
「つまり何か?
山吹は櫻がそなたらに危害を加えると思っていると?」
その言葉と同時に金さんの圧が再び増します。
「いいえ! いいえ違います!!
確かに山吹は私達を守る為に、万難を排そうと常に警戒してくれています。
ですが櫻に関しましては、私の血縁となれば命を狙われるゆえにございます」
母上が慌てて金さんの言葉を否定しました。
その言葉に私は目から鱗が落ちる……或は青天の霹靂といった感じです。
そうか、母上の娘となれば……
碧宮家の血を引く者と解れば、私も命を狙われるという事になるのか……。
そんな単純明快な事に、今の今まで全く気付きませんでした。こんな信じられないレベルで危機感が欠如してしまっていた最大の理由は、小説の母上は追手に見つかる事もなく、約10年後の流行病で亡くなるまで特に危険な目には合わなかったからです。兄上が13歳の時に少し気を付けなければいけない事があるのですが、それもまだまだ先の事だと思っていました。
なのでこの家を建てる際にも、一番重視していたのは母上たちの健康でした。
勿論、母上たちが逃亡中である事は知っていたので、出来る限り存在を示すような物品の流出は避けるようにはしていました。ですが心のどこかで小説では見つからなかったから大丈夫と、楽観視していた事も事実です。
私が呆然としている間も、母上は話し続けます。
「山吹は真面目な努力家です。
その反面融通が利かず、思い込みが激しい所があります。
本来なら命を狙われる理由のない櫻をここに置いておくより、
施薬院に預ける方が櫻の為になると思っての事にございます」
「ならば、そなたは櫻を危険に巻き込む事を承知で娘にした……と?」
金さんの意地の悪い聞き方に、思わず起き上がって抗議しようとしましたが、全身を駆け巡る痛みにくぐもった声を上げる事しかできません。母上が私が起きたと思ったのか、「櫻?」と小さく声をかけてくれます。
「寝返りをうとうとしたようだが……痛かったんだろうな。
そのまま、また眠っちまったようだ」
私が横になっているすぐそばに桃さんが座り、私の髪を撫でながら
<落ち着け、大丈夫だから>
と心話を飛ばしてきました。
<全く……寝たふりをしておれと申しておるだろう>
<でも! 今の金さんの言い方は意地悪だよっ!>
心話で断固抗議しますが、金さんから返ってきた言葉は
<いい加減、そなたも我らもこの者たちの真意を知るべきなのだ。
うやむやにすればするほど、そなたは悪い方へと考えるようなのでな>
というモノでした。
つまり金さんは私達の……、いえ私の為に母上たちに意地の悪い質問をしているという事です。
<だとしても、母上たちに意地悪しないで……>
キュッと胸が苦しくなって、鼻の奥がツーンと痛くなります。前世では5年程しか一緒に居られなかった母親という存在。今世でも産みの母親とは縁遠いですが、育ててくれる今の母上を私は大好きなのだと……改めて思い知ります。
<安心しろ、おまえの母親はこの程度でへこたれるような奴じゃねーよ。
見た目とは裏腹に、結構強いぜ? おまえの「はーうえ」はな>
私の口調を真似る桃さん。大丈夫だとこっそり此方を見て口の端を少し上げて安心させるように笑ってくれました。
「恐れながら申し上げます。
金様におかれましては、私が櫻の母親を名乗るに値しないと……
失格だとお思いなのでしょうか?」
桃さんの後ろから隠れるように母上を見れば、凛とした表情で金さんを見上げていました。
「勿論、至らぬところはまだまだありましょう……。
ですが、私はあの子にかける愛情に
一度でも我が子槐と差をつけた事はありません」
その母上の気迫のこもった言葉に、今度は金さんが少し押し黙りました。母上の言葉の通り、私は母上の言動に兄上との差を感じたことは一度もありませんでした。母上と呼びかければ、何時も笑顔で手を差し伸べてくれるのです。三太郎さんと同じぐらい、私が私でいられる大切な存在なのです。
「ふむ……。ならば改めて問おう。
山吹は櫻を施薬院に預けることが櫻にとって最善と判断していた事は解った。
では何故そなたはそれを拒んだ?
また、山吹のあの言動、アレは酷いものだったが……」
という金さんの言葉の途中で桃さんが
「それ、本人に聞いた方が良くないか?
そこまで来てるぜ?」
と顎で部屋の入口をクイッとしめしました。えっと言いながら振り返る母上と橡の向う側、扉の向うから足を引きずるような音が近づいてきたかと思うと、
「山吹です。入ってもよろしいでしょうか?」
という声が聞こえてきたのでした。
部屋に入ってきた山吹は、髪や首の後ろにまだ少し汚れがついているような状態でした。休ませる前に橡が一通り拭いたはずなのですが、意識のない山吹の全身を綺麗にするには、流石に大変だったのでしょう。
「このような格好で申し訳ございません」
そう言いながら山吹は母上の少し後ろに座る橡の横に座り、頭を下げました。その山吹に金さんと桃さんが何も言わずに圧をかけます。その圧は母上たちへ向けたモノとは比較にならない程に強いモノで、「グッ」と小さく山吹が耐え切れずに呻き声を漏らすほどのものでした。
山吹は碧宮家の大人の中で一番霊格が低いと小説では描写されていましたが、それでも先程から金さんが母上に飛ばしていた圧を、自室で感じ取ることができるぐらいの霊格はあります。なので母上たちの一大事だと駆け付けたのだと思います。
「このたびは誠に申し訳ございません」
そう言って平伏する山吹に、
「我は同じ問答を何度もする事は好まぬのだが……」
と金さんは大きなため息と同時に、辟易といった感情を込めて愚痴のような言葉をこぼします。
「それにそなたの場合、沙羅や橡と違って
我らよりも先に謝らねばならぬ相手がおるのではないか?」
そう金さんが言うと、山吹はバツが悪いのか言葉が出てきません。そんな山吹に金さんは更に質問……というより詰問を続けます。
「そなたが櫻の安全を思って、施薬院へ入る事を勧めていたと沙羅から聞いた。
それに相違無いか?」
「はい。このまま私どもと共に居るより安全であろうと……そう思いました」
そう平伏したまま答える山吹に更に金さんが追い込みをかけます。
「では、そなたの櫻に対する態度の理由は?」
「それは……。私どもに慣れ親しんだ後に引き離すような事になれば
姫様も赤子も共に悲しむ事になるだろうと……
極力、懐かれぬようにした方が良いと判断し、
また、一刻も早く手放すよう姫様に進言し続けました」
なるほど……。それであの言動な訳ですね。私という赤ん坊が皆を慕う前に別れた方が、双方にとってダメージが少ないと山吹は思っていたのか……。
まぁ、私が普通の赤ん坊ならその通りだよなぁと思ってしまいます。
ただ私には三太郎さんが居てくれて、そして私自身の精神年齢が今の山吹達とさほど変わらない年齢という特殊な赤ん坊だったから、それに当てはまらないだけで。
「では、沙羅よ。
何故その進言を退けてまでも櫻を我が子とした?」
「それは櫻の容姿が理由にございます。
もし、櫻の容姿がこれ程までに私の幼少時に似ていなければ
もしかしたら山吹の進言に従っていたかもしれません。
ですが、櫻はあまりにも私の小さい頃に似ているのです。
そんな赤子が施薬院に居ると、賊やその背後の者に知られたら……
確実に私の子である可能性を疑うでしょう。
そうなれば櫻の命は此処にいるよりも危険です。
なにせ守ってくれる者が傍に居ないのですから」
私自身の目から見ても、母上は私によく似ています。それは今の私ではなく、前世の私です。最初の頃は視力が低くて良く見えなかった事や、名づけと同時に忘れていた前世の一部の情報に自分の容姿もあったので気付かなかったのですが、母上の容姿をしっかりと確認した途端に、自分の前世の容姿を思い出したのです。流石に双子のようにそっくりという程ではありませんが、血の繋がりが無いと言われても信じられない程度にはよく似ています。という事は、私は大きくなったら前世と同じような顔に育つんでしょうか……?
その後、母上たちと山吹、そして金さんと桃さんの話し合いは遅くまで続きました。
後日聞いた話だと、全ての元凶はコミュニケーション不足でした。母上も山吹も、そして橡や恐らく叔父上さえも
「口に出して話さなくても、言葉にしなくても、
小さい頃からずっと一緒だった〇〇なら解ってくれる」
という、甘えがあったのだと言います。それでなくても、慣れない山暮らしで精神的に余裕が無く……。母上に至っては子供の前では元気に振舞っていたものの、体調も体力も限界だったそうで……。本来は橡と分担する予定だった採取や家事の殆どを橡に任せてしまっていたんだそうです。そういえば……と思い返してみると、母上は採取には殆ど出ていなかったように思います。結果として負担が増えた分、橡も疲労困憊になり余裕が消えていたのだとか。
岩屋からこの拠点に引っ越してきた事で母上の体調もだいぶ良くなって、心身ともに余裕が出来たそうで。その母上が元気になった分、橡の負担も減って橡にも余裕が出来たんだとか。その事を改めて感謝していたぞと桃さん経由で聞いて、金さんや浦さんに無理を言って作ってもらった甲斐があったなぁと思ったのでした。
山吹は山吹で、母上たちを守らなくてはならないという重圧に押し潰されそうになりながら、その責を果たそうと奮闘していました。自分がやらなくては!という思い込みが激しかった山吹は、別室で寝ていた為に気付きませんでしたが、夜もほとんど眠れていなかったそうです。
思い返せば山吹は17歳で襲撃事件に遭遇し、目の前で姉や甥を殺され……。
「碧宮家を守れ」と言い残して父親も行方不明。前世なら保護されるべき年齢の山吹に、冷静な判断を求める方が無理だと思います。少なくとも私なら無理です。
そんな状況下にあっても山吹は「守る」という意思は強く持ち続けていました。ただ意気込みは充分でしたが、それが空回りしてしまい……。本来ならそれを注意しなければならない他の三人も余裕が無く……。
その結果がコレでした。
誰か一人が悪いという訳ではなく……。
誰もが少しずつ悪かったのです。
叔父上と山吹は前世の私と同年齢で、母上は少しだけ年上。橡は前世の母親が生きていれば……というぐらいの年齢です。ですが、どれだけ年をとっても完璧な人など居ないのだという事を、改めて知る事になりました。
本当はしっかりと自分の耳で聞いていたかったのですが、熱が更に上がってしまったのか……。私は何時の間にか気を失うようにして眠ってしまっていました。
<今は眠っとけ。後でちゃんと俺様が教えてやるから。
今日はいっぱい頑張ったな。
ちゃんと兄ちゃんを守れて良かったな。えらかったぞ?
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そう心話で言う桃さんの暖かい手を感じながら……。
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