刀身に誓った恋 或は 頭身が違った恋

詠月初香

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私達は一度船室に戻り、荷物をまとめて身だしなみを整える事にしました。とはいえ魔王を浄化する旅にドレスや宝飾品を持って来ている訳もなく、今身につけている活動服のまま行くしかありません。それでも最低限の礼儀として、鏡に全身を映して汚れや乱れがないかを確認します。

「先程の映像の人たち、貴女の記憶の中で貴女を苦しめていた人たちよね?」

準備をあらかた終えた時、いきなり背後からリビアに声をかけられました。その内容に心臓が一度大きく脈打つのが解ります。もうモディストス王国時代の事は忘れようと思い、事実普段は思い出す事も少なくなってきています。それというのもお父様やお母様、それにお兄様やウィルさんたちまでもが王国に関する情報に私が触れずに済むように気を遣ってくださっているからです。国王交代などの国家規模のニュースともなればどうしても目にしたり耳にしたりする事になりますが、そんな規模のニュースでもない限り王国の情報に触れる機会はほとんど無くなりました。おかげでゆっくりとではありますがあの頃の事を過去の事だと思えるようになってきていたのです。ですがこうしてあの人たちの視界に入らなくてはならないのだと思うと、足も気もとても重く感じてしまいます。

「……えぇ、そうです」

そう答えると同時に俯きそうになるのを堪えて無理矢理顔を上げました。私はガウディウム伯爵家のコルネリアではなく、ヴェルフル魔法伯家のコルネリアです。誇り高く頼もしいお父様と、気高く優しいお母様の娘なのです。大切な両親やお兄様の顔に泥を塗るような真似はできません。

それにもうすぐ始まる社交シーズンでは、昨年は怪我が回復していなかった事や準備不足で見送られた私の皇国でのデビュタントが控えています。それに向けて皇国式の作法や自己紹介の練習をしてきました。私はノーヴァ聖国で生活していたお母様の従姉妹の娘で、事故で両親と記憶を失いヴェルフル魔法伯家に引き取られたという事になっています。その事故の所為で記憶が朧げになっているという保険をかけてはいますが、それでも必要になると思われる事を出来うる限り学びました。今こそ、その成果を発揮する時です。

(大丈夫。お父様もお母様もそう仰っていたじゃない)

練習の成果をお父様たちにお見せした時、まだ若干のぎこちなさはあるものの間違いは何もないとお父様やお母様に言って頂け、お兄様にも半年強でここまでできれば上出来だと褒めて頂けました。

また私の素性を調べられたとしても、モディストス王国のガウディウム伯爵家へ繋がる要素は出て来ないようにしてくださいました。それらはお父様たちは勿論、畏れ多い事に皇帝陛下の御力までもお借りして、書類や情報を操作してくださったおかげです。ですから私の情報は全て聖国へ、そこで亡くなったお母さまの従姉妹とその夫へと繋がるようになっています。後は私が失敗さえしなければ……。

失敗という単語が頭をよぎった瞬間、不安が一気に膨れ上がってしまいました。その不安を追い払うように頭を振ります。

「おい、顔色が悪いが大丈夫か?
 そんなにあいつ等と会うのが嫌なら、無理に会う必要は無いだろ。
 離れた所で待っていれば良い」

ファフナーが心配そうに、もふもふの身体を摺り寄せて私の顔を見上げてきます。それはとてもとても甘い誘惑で、一瞬そうしようかしら?と心が揺らいでしまいます。遠目から見ても船の甲板の上には相当数の騎士や船員が居ました。昔に比べて身長が伸びた私ですが、それでもあの体格の良い人々の中に隠れてしまえば見つからないでしょう。

「いいえ、それでは駄目よ。
 あんなバカ……失礼、愚者相手に逃げ隠れする必要なんて無いわ」

リビアは感情を司る方のリビアを吸収してからというもの、言動が定まらない事が増えました。発言の方向性はあまり変わらないようなのですが、表現の仕方が時により変わるのです。理性と感情が完全に結合してしまえばそういったブレは無くなるそうなのですが、今はまだ言動がある時には感情的で過激に、またある時には感情を一切感じなかったりと定まりません。理性の方が主導権を握っているため、そういったブレを抑えようとはしてくれているのですが、時々ポロッと出てきてしまう過激な言葉に思わず驚いてしまうのは私だけではありませんでした。

「お、おい……。当人が嫌がっている事を無理にさせなくても……」

意気盛ん過ぎるリビアにファフナーが珍しく戸惑ったような声を上げますが、リビアも引きません。

「いずれは乗り越えなくてはならない事だと貴女も解っているのでしょう?
 今なら貴女の父親や兄、それに仲間も一緒ですし私達も居ます。
 万が一、何かあったとしても助ける事が出来ます」

大きめのお人形のようなサイズのリビアが私の顔の位置まで浮かび上がったかと思うと、しっかりと目を合わせて断言します。リビアの言う事はもっともです。

「……それとも復讐がしたい?」

突然かけられた思いがけない言葉に、その真意を探るようにリビアを見詰め返してしまいました。

「貴女が受けた苦痛を、貴女を苦しめた人全員に味わわせたい??」

私がリビアの真意を探ろうとしたように、リビアも私の思いを探ろうとしているのか綺麗なコーラルピンクの瞳で私を見詰めてきます。

「復讐……」

そう呟くとファフナーが心配そうにこちらを見てきました。そんなファフナーを抱き上げて柔らかい毛並みを撫でながら、肺の中の空気を全て吐きだす程に大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせます。そうしてから自分の中にある気持ちを思いつくままにポツリポツリと吐き出す事にしました。

「もし、王国で暮らしていた頃にその質問をされていたのなら、
 あるいは樹海に捨てられた直後に聞かれていたのなら
 あの人たちに復讐したいと答えていたかもしれません。

 ですが今の私には復讐よりも大切なものがあります。
 お父様やお母様、お兄様を悲しませるような事はしたくありません。
 それに、ようやく……初めて自分の好きな事が解るようになったんです」

私は物心ついた頃から父母の為、そして結界や浄化の力がある事が判明してからは王国の為に生きてきました。自分の為に何かをする事は許されず、好きなモノなんて考える事すらなく、ずっと誰かの為に生きてきました。あの頃はそれが当然で、だからこそ父母は私を褒めないのだと思っていましたし、褒めてくださる国王陛下はなんてお優しい方なのだろうと思っていました。

ところが今のお父様やお母様に引き取られた直後、「リアは何が好き?」と聞かれて私は何も答えられなかったのです。好きな料理やお菓子も、好きな花も、好きな色も、楽器も、何もかも……。世間一般の淑女、或は同年代の女性ならこういうモノが好きで、こういうモノが嫌いだという知識はありましたが、私自身はソレを好きなのか嫌いなのかなんて考えた事すらなかったのです。

そんな私がこの1年で、ようやく自分の「好き」が解るようになってきたのです。

「だから私は復讐は望みません。私が望む事はただ一つ。
 私のこれからの人生に、あの人たちがほんの僅かであっても
 関わってこないでほしいという事だけです」

言葉に出す事によって、ようやく自分の気持ちが見えたような気がしました。復讐は悪い事だなんて良い子ぶるつもりは毛頭ありませんし、あの人たちが可哀想になった訳でもありません。ただただあの人たちに関わる時間が惜しいのです。だってようやく好きな事が出来たのだから、時間はその為に使いたい……。

(だからこそリビアの言う通り今ここで全てを完全に終わらせて、
 王国時代もあの人たちも過去の事にしてしまった方が良いわ)

そう決意する事ができました。

「そう、貴女の気持ちは良く解ったわ。それなら……」

そう言うとリビアは私の額に口づけたかと思うと、そのまま魔力を流し込んできました。着替えのサイズの関係で数日前にも魔力の譲渡を受けましたが、今は既にお父様推奨の9頭身になっていますから魔力の譲渡を行う必要はありません。

「リビア? もう魔力を譲渡してくださらなくても大丈夫よ?」

そう言って止めようとしてもリビアは止めてくれず、

「良いから私に任せなさい」

と結局リビアは活動可能な最低限の魔力だけを残して、ほぼ全ての魔力を私へと譲渡したのでした。




━━━]━━━━━━━━━-




翼のある狼マーナガルムの背から騎士の手を借りて降りた場所は、甲板の最後部なうえ周囲を我が家の魔法騎士や皇国海軍の兵士たちが護衛として囲んでいるため、お父様の姿はまったく見えません。ですが何やらまだ言い争っているらしく、時々苛立たしさを隠そうともしないガステール公爵の声が聞こえてきます。

私よりも一足先に降り立ったお兄様やウィルさんたちが海軍の指揮官と思われる人から事情を聞いたところによると、どうも私達が船に降り立つ少し前に移動してきたノーヴァ聖国の使者とガステール公爵が揉めているのだとか。

「いったい何を揉めているんだ?」

「それがモディストス王国代表がノーヴァ聖国代表に女が出しゃばるなと……。
 それに対しヴェルフル魔法伯閣下が苦言を呈されたのですが、
 今度は伯爵家ごときが逆らうなと言い放って騒動に……」

「先ほど映像を見たが、王国の代表はガステール公爵のようだな。
 2~3回会った事があるが、かなり選民思想の強い男だった……。
 普通はある程度隠すものなんだが、どういうつもりなんだか」

その伯爵家ごときと言われたお兄様や私がいる手前、とても気まずそうに事情を説明したくださった指揮官に、ウィルさんが遠い昔を思い出すようにして答えます。今のウィルさんやお兄様たちは、先程までとは違って冒険者ではなく皇国の皇族・貴族としての立ち居振る舞いをされていて、その切り替えの早さは見習いたい程です。

「殿下がたに御出まし頂くことなく事を治めたかったのですが、
 王国の代表が自分と同等の身分でない限り話しを聞くに値しないと
 頑なに言い張りまして……」

「父は皇帝陛下から信任を受けてここにきているのですがね」

指揮官の説明にお兄様の態度が冷ややかなモノへと変わります。お父様は皇帝陛下の名代としてここに来ているのです。ですから例え相手が公爵であっても見下される謂れはありません。

「解った、私が出よう。ギルベルト、良いな」

「はい、兄上」

完全に皇子モードになった2人が指揮官を従えて歩きはじめると、周囲の魔法騎士や兵士たちがザッと道を開けて剣を掲げて敬礼をしました。その突如現れた道の先にはお父様とその部下の方々、見知らぬ女性が3名、それから王国で見かけた顔が数名立ってこちらを見ていました。




「その方らが魔王を倒したなどという戯言を申している冒険者どもか」

聞こえてきた声は1年前なら逃げ出したくなるほどに嫌いな男の声でした。相変わらずどころか更に悪化している高慢な物言いに、堪えきれない嫌悪感が湧き上がります。そんなモディストス王国側の傲慢な態度に思うところはあるでしょうが、それを抑えて皇国の騎士や兵士は剣を掲げ、お父様や文官の方は手を胸に当てて礼を取りました。そして少し遅れて聖国の女性3人も両手を胸の前でクロスさせて膝を少し曲げた、聖国式の礼をとります。

「ノーヴァ聖国の判定員の方々よ。
 この度は我が皇国の要請を快く承諾して頂き、心より感謝を申し上げる」

「いえ、溟海めいかいの安寧は我が国としても長きに渡る願いに御座います。
 それを成そうとされるアスティオス皇国の武勇は、
 我らがしかと見届けさせて頂きました」

これぞ外交というやりとりを、ヴィルヘルム殿下と聖国側の代表と思われる少し年嵩の女性とで繰り広げます。それを忌々しそうに見ているのは王国のガステール公爵でした。ですが流石にヴィルヘルム殿下やギルベルト殿下に先程までと同じような態度では居られないようで、ひとまず礼を取ろうとしたその時、

「まぁっ、もしかしてアスティオス皇国の皇子殿下ですか?」

と場違いに華やかな声が響きました。皆がギョッとして見た先にいたのはレイチェル・ミーモス侯爵令嬢で、その視線がヴィルヘルム殿下とギルベルト殿下をいったりきたりしています。これだけでも失礼な行為ですが、その後ろに控えていたお兄様に視線が移った途端にその目が爛々と輝いて頬が一気に染まり、

「貴方がヴェルフル伯爵の御子息ですね。
 私はモディストス王国のミーモス侯爵家のレイチェルと申します。
 良かったですわ、怪我もなくお戻りになられて。
 私、本当に心配で聖女として祈りを奉げ続けておりましたのよ」

そう言うや否やお兄様の側へと駆け寄り、しなだれかかるのかと思うほど近付きました。この言動がどれほどありえない事なのか、彼女には解らないのでしょうか?

これがミーモス家の屋敷の中でなら大目に見る事もできたのかもしれませんが、外交の場で、しかもアスティオス皇国やノーヴァ聖国というモディストス王国の何倍も国力がある国を相手にやって良い言動ではありません。もちろん小国相手ならやって良いという訳でもありませんが……。

「何ですか、貴女は」

お兄様の顔がまるで仮面のように無表情へと変りました。外交の場で嫌悪感を出すわけにもいかず、ぐっと堪えている事が握りしめた拳から解ります。

「モディストス王国の聖女殿は随分と天真爛漫な方のようですね。
 このような女性にお会いするのは初めてですよ」

お兄様がこの手の女性を苦手としている事を知っている付き合いの長いヴィルヘルム殿下が、さりげなくお兄様を庇うように歩み寄るとレイチェル令嬢に軽く目礼をします。その表情は確かに笑顔ではあるのですが私が今まで見てきた殿下の笑顔ではなく、まるで仮面のような笑顔でした。レイチェル令嬢はそんな殿下の言動にポーっとのぼせたように頬を染めます。

「良く言われますのぉ。私は普通にしているだけですのにぃ」

どうやら褒め言葉と受け取ったらしいレイチェル令嬢は、今度はヴィルヘルム殿下へと歩み寄ってしなだれかかろうとしますが、流石にお父様が止めに入りました。

「ミーモス令嬢、お控えください」

これが自国の令嬢なら「殿下の御前です、控えなさい!」と一喝するところでしょうが、流石に他国の令嬢にはできません。というよりは本来なら王国側が制止すべき事案です。

「ぅおほんっ。お久しぶりです、ヴィルヘルム殿下。
 まさかこのような場所でお会いできるとは思いもしませんでした」

少々大袈裟な咳払いをしてから、ガステール公爵はこれ以上はない程張り付けた笑顔でヴィルヘルム殿下へと挨拶をしました。

「あぁ、久しいな。
 そしてガステール公爵の後ろに居られるのはジェラルド殿かな?
 前にお会いしたのは貴殿がまだ8歳の頃であったと思うが、
 随分と大きくなられた」

この時になって自分が冒険者と見下した相手が皇族である事に気付いたようで、ジェラルド陛下は気まずそうに一瞬眉を顰めてから張り付けたような笑顔で会話に加わったのですが、

「ヴィルヘム殿下でしたか、お久しぶりですね」

と相手の名前を間違える始末。ジェラルド陛下は私が知る限り、ありとあらゆる勉強や鍛錬を嫌って逃げ続けていたのですが、まさか近隣国の皇族の名前すら覚えていなかったとは……。

「えぇ、かれこれ10年ほど前になりますか。
 そういえばこの度は王位を相続されるとお聞きしましたよ。
 おめでとうございます、即位式はいつ頃になる予定で?」

「そ……それは……」

ヴィルヘルム殿下の質問に一気に不機嫌になったジェラルド殿下は、黙り込んで明後日の方向を向いてしまいました。

あら?
そういえば王位を簒奪したという噂は聞いていましたが、その後即位したという話は聞いた覚えがありませんでした。てっきり情報が遮断されていた為に私が知らなかっただけで、即位式の招待状の発送ぐらいはされていると思っていたのですが、それすら行われていなかったようです。

「先代陛下が急な病に倒られた為、引き継ぎに時間が掛かっておりましてな。
 なに、後はちょっとした確認のみで即位式も近々行う予定ですし、
 国王陛下としてすでに様々な仕事をされておられます」

急に黙り込んでしまったジェラルド殿下に、ガステール公爵が慌てて助け船を出して「すでに国王陛下だ」と言い切ります。自分に都合が悪い事を言われた時、相手の身分が高ければ黙り込み、相手の身分が低ければ怒鳴りつけて脅すという性格は、叔父と甥という血縁関係にあるガステール公爵とジェラルド殿下の共通点です。ただ年の功なのかガステール公爵は取り繕う事もできるようですが……。

その時、ありえない言葉がその場に居た全員の耳に届きました。

「ヴェルフル伯令息も見目が良くて欲しいけれど
 ヴィルヘルム殿下とギルベルト殿下って第2皇子と第3皇子よね?
 ならばお二人とも私の夫にできないかしら??」

その場に居た全員が思わず硬直するような言葉の発信源は、間違いなくレイチェル・ミーモス侯爵令嬢でした。
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