刀身に誓った恋 或は 頭身が違った恋

詠月初香

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サラサラと何かが頬をくすぐり、その感触で私はゆっくりと目が覚めました。薄暗いそこはボトルシップの中のようで、少し離れた所からお兄様やウィルさんたちの声が聞こえてきます。何か話し合っているようですが、小声すぎて内容までは聞こえてきません。

(あら、目が覚めたようね。痛むところはない??)

ぼんやりとした意識に飛び込んできた声は女性の声だったのですが、私の知る限りボトルシップに乗っている女性は私だけです。その事に気付いた途端、ハッと意識が覚醒してその声のする方を見ました。

驚くほど近く、それこそ彼女の髪が私の頬をくすぐるぐらいの距離に、その女性は佇んでいました。エメラルドグリーンの髪とコーラルピンクの瞳、間違いなく溟海めいかいの魔王……の理性を司る方の彼女です。

ただ、その身体の大きさは絶句する程に小さく、1キュビット約50cmすらありません。お人形のようなサイズの女性が至近距離に居た事に驚いて、思わず飛び起きて距離をとってしまいました。途端にクラリと目が回ってしまいます。

(そんなに急に動いては身体に良くないわ。
 私の魔力を少し貴女に分けたけれど、それでもまだまだ足りないもの)

その距離に驚きはしたものの、理性を司る彼女からは出会った時から一貫して敵意を感じた事はありません。なので彼女の言葉に従って再び横になりました。どうやら彼女もファフナーと同じように、私の心に直接話しかける事ができるようです。ですがその事よりも気になる事が……

「魔力を分け与えるなんてことが出来るのですか?」

(誰でも、誰にでも出来る技ではないわ。
 私が元々そういった事が得意だった事と、
 貴女と私の魔力の相性が良かったからこそ出来たの)

詳しく話を聞けば、溟海の魔王は精神魔法や魔力操作を得意としていて、更には私と魔力紋が似ている為に可能な技との事でした。ただ魔力を分け与えても、その全てが相手の魔力となる訳ではないそうで、溟海の魔王が10の魔力を私に流し入れても、私の中で3~5の魔力が留まれば良い方なのだとか。そんな魔力効率がとても悪い方法をそれでも使った理由は、私の魔力が底をつきかけて危険だったから……なのだと思います。またお兄様たちに心配をかけてしまいました。

魔王の浄化によって魔力を使いすぎた私は例によって頭身が下がり、今はかろうじて6頭身弱まで戻っているようですが、気を失った直後は樹海の魔王を浄化した時と同じように4頭身で2キュビット強100cm強になっていたそうです。樹海の時とは違ってファフナーの手助けがあったにも拘わらず同じ結果になってしまったという事は、それだけ溟海の魔王の狂化が進んでいたという事なのでしょう。

また、溟海の魔王が精神に作用する魔法をどれほど得意とするのか簡単な説明を受けたのですが、狂化のプロセスの第一段階の精神崩壊を「理性を切り離して保護する」という方法で防いでしまえる程なのだそうです。ただその方法でも数千年の長さに渡る瘴気の侵食は防ぎきれず、あともう少しで完全決壊しそうだったのだとか。

そんな訳でファフナーよりは上手に狂化を防げていた溟海の魔王は、第二段階の肉体崩壊を殆ど起こしていませんでした。なので溟海の城の大広間で悲嘆の叫喚を放っていた魔王と、今の目の前に居る彼女は殆ど変らない姿です。唯一にして明確な違いがある場所は、虚ろな穴でしかなかった両目に今は綺麗なコーラルピンクの瞳があり、強い意志を感じさせるようになった事です。

でも確か溟海の魔王の理性や感情と出会ったあの場所で、「身体の保持が難しくなってきた」と言っていたように思うのですが……。その事を尋ねたところ、彼女は精神的な事にはとても強い反面、肉体的にはとても弱く。狂化の第一段階を突破されてしまったら、第二段階は一瞬で終わってしまうと予測していたそうです。事実、第一段階の防御が破られ始めた途端に目が変質し始めてしまい、そこからは刻一刻と身体の変質が始まっていたのだとか。私達が溟海の城に来たのは、まさにそのギリギリのタイミングだったようです。



(改めてお礼を申し上げます。
 私はリビア・ターン。貴女がたが溟海の魔王と呼ぶ存在です)

「リビア?」

(はい、それが私の名前です。
 正確には本来の発音をこの世界寄りにしたものですが)

「……感情を司る方のリビアはどうなったの?」

出来れば彼女も救われてほしいと思いながら浄化の力を注いだのだけれど、今のリビアからは理性の部分しか感じ取れません。

(大丈夫、今は私の中で眠っていますよ。
 私はリビアと名乗りました。理性と感情、双方があってこそ名乗れる名です)

「そう……。良かったわ。
 ただ、ずっと気になっていたのだけど……、
 リビアは時々って言うけれど、それって……」

溟海の魔王の嘆きは、聞いている私も胸をえぐられるような痛みを感じた嘆きでした。何を嘆いていたのかと聞きたい気もしますが、簡単に触れて良い事でも無いようにも思います。なので、ずっと気になっていた点だけ質問しました。この質問もファフナーのように「心の整理がついてから」というのなら待ちますし、話したくないのなら無理には聞きません。そう伝えたのですが、リビアは驚くほどあっさりと答えてくれました。

(えぇ。貴女の想像通り、私はこの世界の生まれではありません。
 異世界からこちらの世界へと落とされたのです)

「落とされた??」

(話すと長くなりますが……)

そう前置きしてから聞かされたリビアの半生は、想像を絶する過酷さでした。




━━━]━━━━━━━━━-




世界の95%近くが海の世界ラ・メール。

そこでは地上に住む事が出来るのは王族と高位貴族、そして神々に仕える神官だけでした。その他の大勢の人は海底に作られた人工の都市に住みますが、そこにも明確な身分による差がありました。沢山の太陽光が届く浅い場所に作られた都市は貴族や大商人が、なんとか光が届くあたりの海底都市には一般市民が、そして光が全く届かない深海都市には賎民が住んでいました。

リビアはその深海都市出身の巫女でした。

賎民にしてはありえない程の神聖力を持っていたリビアは、幼少の頃からさまざまな嫌がらせや妨害を受けながらも巫女として実績を積み、20歳を過ぎた頃にはその力で海の神の聖女と呼ばれる程になりました。ラ・メールでは一柱の神につき必ず一人の聖女が存在しているそうで、その聖女の仕事は神へ祈りを奉げる事と強大な神聖力を世界の為に使う事、そして次世代を育てる事でした。

その次世代には次の聖女を育てるという意味も当然ありますが、何より結婚して子供を産み育てる事が望まれていました。ただ次世代の聖女が聖女として活動できるようになるまでは引退できないので、聖女たちは婚約という形で男性と愛を育むのだそうです。そしてリビアにもルーヤー・ターンという婚約者がいました。とても凛々しくて逞しい人だったそうで、大地の神を祀る神官だったそうです。

そして事実婚のような関係を続けているうちに、リビアのお腹には新しい命が宿りました。その頃には次世代の聖女も独り立ちできるまでに成長していた為、リビアは聖女を引退して結婚する事になったのです。

その結婚式当日、神殿に海の神が現れました。ですがその口から出た言葉は祝福の言葉ではなく、夫となるルーヤー・ターンを気に入ったから自分のモノとして神界に連れていくというとんでもない宣言でした。

神官や巫女、聖女といった神に仕える人たちは、死後も神界で神様に仕える事になる為、「神界に来て仕えよ」という言葉に異論は無かったそうなのですが、それはあくまでも現世でやるべき事を終えてからの話しです。当然ながらリビアやルーヤーは、ようやく次世代子供が宿った事や今からその次世代を育てなくてはならない事を伝え、その子供が育ち終わるまで待ってほしいと神に願ったそうなのですが、海の神の返事は残酷極まりないものでした。

「子供がいるから神のものになれないと言うのなら、子供がいなければ良い」

そう言って海の神はリビアに神の力を注いで子供を流してしまいました。その事に取り乱し怒りの矛先を海の神に向けたルーヤーを、神は海水の檻に閉じ込めて無理矢理神界へと連れ去ってしまいました。残されたのは心身共に死んでしまいそうなダメージを受けたリビアだけ……。

リビアはその後、失った子供の仇を取り、ルーヤーを取り戻す為に神殿を去りました。神に呪詛を吐くリビアを神殿は消そうとしますが、その全てを返り討ちにしながらリビアは旅を続け、とうとう神界へ行く方法を見つけます。そして神界への扉を開けた途端、再び海の神が現れて「神に盾突く不届き者め!」という言葉と共にリビアをラ・メールから追放したのだとか。

そして気が付けば全く見知らぬ世界に1人。見た事のない植物と動物しかいない世界で、リビアは神を呪い続けました。呪って呪って呪って……。理性では止めなくてはと思っても感情が暴走して呪う事を止められず、その呪いが瘴気となって自分自身を蝕むようになっても、それを防ぎながらも呪い続けました。

何時しか世界に人類が生まれ、その人類に魔王と呼ばれるようになっても……。




━━━]━━━━━━━━━-




「ありえない……、そんな神なんてありえないわ」

怒りの余り握った手がプルプルと震えてしまいます。誰かを愛した事も無ければ子供もいない私に、愛する人とその人との子供を同時に失ったリビアの悲しみや苦しみの全てを理解する事はできません。それでも「ありえない」と何度も言葉にしてしまう程、リビアの境遇は辛く苦しいものでした。

(えぇ、ありえないわね。でもこの世界でラ・メールの神へ呪詛を吐き続けて、
 この世界の人を苦しめるのもありえないわ。あってはならない事だもの)

それは確かにその通りではあります。瘴気によって狂化してしまった動植物やモンスターは、人間にとって害毒でしかありません。そんなモンスターを生み出し続ける事は、本当に「あってはならない事」です。

(リビアの生い立ちを思えば、私はまだ良い方ね。
 少なくとも愛する人を失ってもいないし、子供を失った訳でもない)

そんな事を心の中で思っていると、リビアが淡々とした声で話し出しました。

(自分と他人の不幸を比べても意味が無いわ。
 貴女の不幸も私の不幸も、等しく辛くて苦しい事なのだから)

その言葉にパッと顔をリビアへと向ければ、私の視線を受けてスッと頭を下げるリビアがいました。先程の言葉もその行動の意味も解らず、「どうして?」という視線を向ける事しかできません。

(溟海の魔王として精神攻撃を放った時、そして先程魔力を譲渡した時。
 私としては意図していなかったのだけど、貴女の記憶を見てしまったの。
 勝手に見てしまった事、本当に申し訳なく思っています)

そういえばモディストス王国時代を追体験していた時、ずっと女性の声が聞こえていた事を思い出しました。そして魔力の譲渡をする際は私の意識が無かった所為で精神的な防御力が低く、勝手に流れ込んできてしまったのだとか。それは不可抗力ですし、仕方がありません。

「いえ、私も貴女の過去を聞きましたからお互い様です」

(そう思ってもらえるのなら……)

リビアはそう言うと、ようやく頭を上げました。どうにも他人に頭を下げられるのは居心地が悪くて仕方がありません。

それにしても「お互い様」に持ち込む為にリビアは過去の事を話してくれたのでしょうか?

感情を司る彼女が眠りについているからか、リビアはかなり理性的……というより、理性を司る彼女そのままのような気がします。そう彼女に言えば

(一応、少しは感情が動きはしますよ?
 不快な事には不快感を感じますし、面倒な事には嫌気もさします)

「面倒な事?」

(えぇ、そろそろ来ると思いますよ)

そうリビアが小さな溜息をつくと同時に、間仕切りになっているカーテンに人影が映りました。

「リア、目が覚めたようだが体調はどうだ?」

そう問いかける声はウィルさんの声でした。




「予備があって良かった」

お兄様がそう言いながら六角形のアミュレットを私へと渡してくださいました。それと全く同じモノをファフナーも身につけていますが、お父様が作られた皇国語へ翻訳してくれるマジックアイテムです。それをお兄様がリビアに合うように微調整をしてくれたのです。そのマジックアイテムにリボンを付けて、リビアのサラサラと流れる綺麗なエメラルドグリーンのポニーテールの根元へ結えました。

「改めてご挨拶申し上げます。
 私はリビア・ターン。貴方たちが溟海の魔王と呼ぶ者です」

「やっぱり、本当に、魔王なんだな……」

「この狭い空間に魔王が2人も……」

ウィルさんは遠い目をし、ギルさんはガックリと床に手をついてしまいました。

「俺だって連れて来たくはなかったが、
 リアに魔力の補充が出来るって言うんだから仕方ないだろ?」

少し不貞腐れた言い方をしているファフナーは、既にもふもふ状態に戻っていました。本来人間の姿の方が魔力の大量放出や操作・微調整には適しているのですが、もふもふの小さい姿の方が魔力や体力の消耗が少なく、更には私の膝の上に乗る事が可能なのでこちらの姿を取ったようです。流石に人間形態のファフナーでは私の膝の上には座らせれませんから。

そしてリビアは人型ではあるものの人形のような小ささで、人間でいう耳の辺りから魚のヒレのようなモノが見えています。身体のサイズに関してはファフナーと同じく魔力や体力を温存する為に小さくしているそうで、本来のサイズはこの世界の人間よりも少し大きいぐらいのサイズなのだとか。

そのリビアが面倒がっていたのは、言葉で意思疎通の出来ないお兄様たちからの追及でした。仕方が無い事だと解ってはいるものの、意思疎通ができないがゆえに説明も何もできず。ファフナー経由で伝えてもっていたのですが、ファフナーの言葉の選び方が雑だった為に色々と大変だったようです。なので予備で持って来ていたファフナー用の翻訳のマジックアイテムをリビアにもつけてもらう事にしました。

「命に関わる多大な恩を受けておきながら、
 何一つ恩返しができないまま立ち去る訳にはいきません。
 それは貴方も同じでは?」

そうリビアが言えば、ファフナーはチッと小さく舌打ちをしたかと思ったらぐりぐりと私に身体を摺り寄せ、そのまま不貞腐れて寝たふりを始めてしまいました。

(ファフナーとリビアは性格があまり合わないのかしら??)

オロオロとする私にリビアとファフナーが同時に

(気にするな、大丈夫だから)
(気にしなくても大丈夫よ)

と声が届いたのでした。




━━━]━━━━━━━━━-




長い海中生活も終わりを告げるときがやってきました。ザバァアアアーーーという豪快な音と共に、ボトルシップの周囲にある見えない壁沿いに海水が流れ落ちて行きます。そして船体がちゃんと海面に浮いた事を確認してから、ウィルさんが再び様々な認証を行って潜航モードから通常の航海モードへと戻しました。同時にマストにはフライングクロースの被膜から作られた帆が張られて船が大きく揺れてしまいますが、それをマジックアイテムのケット・シー猫妖精の寝床が抑え込んでくれます。

「やっと戻ってきましたね」

「真冬でもないのに、こんなに太陽が恋しい気持ちになるなんてな」

お兄様とウィルさんが眩しそうに空を見上げながら言います。澄んだ青空に眩しい太陽という気分爽快なお天気に加えて溟海にしては驚くほどに穏やかな海に、やっと人の住む世界に戻ってこられたという実感が湧きます。なので思わず2人に続いて私も甲板へと出る事にしました。甲板は風が強くて長い髪が舞って乱れてしまうのですが、それすらも楽しく感じてしまいます。

今の私は9頭身で、身長も3キュビット1/4160cm強ぐらいあります。こんなに早く回復できたのも全てリビアのおかげで、彼女の魔力譲渡によって迅速に魔力を回復させる事が出来ました。疲労回復や髪や肌のコンディションは2の次になってしまいましたが、持って来ている着替えの都合上仕方がありません。もし次があるのなら、頭身が小さい時用の着替えも持って来ようと心に誓いました。




ようやく海上に戻れた事で浮かれてしまっていた私たちは、その海域の空気が一触即発状態だったことに少し遅れて気づきました。

「これは……。どういう事なの??」

旅立つ前にお父様が「できるだけ仕事を早く終わらせて、手伝いに行く。最低でも迎えに行く」と何度も仰っていたので、お父様が来られる事は想定していたのですが、海面に浮かぶ船は一つや二つじゃありません。

アスティオス皇国海軍の旗をなびかせた軍艦が5隻。
モディストス王国海軍の旗をなびかせた軍艦も5隻。
そしてノーヴァ聖国の沿岸警備隊の船までもが何故か溟海にまで来ていて、その船が2隻。

それぞれの船から人を乗せた小舟が出たりしていて、いったいこの海域に幾つの船が浮いているのか一目では解らない程です。ウィルさんたちも最初は太陽光の眩しさに笑顔を見せていたのですが、周囲の状況に気付いた途端にその表情を改めました。

「ヴェルフル魔法伯が外交でしくじるような事はないと思うが……」

「えぇ、それに恐らくノーヴァ聖国の船は中立国による判定人でしょう。
 浄き女神は平等である事や清廉である事を好まれます。
 国家間の争議で判定を下す必要がある場合、彼ら以上の適任者は居ませんから」

ウィルさんの言葉にギルさんが答えます。アスティオス神の神官戦士であるギルさんからすれば異教の人々ではあるのですが、元々アスティオス神とノーヴァ神は敵対している訳ではないので、双方の神官たちにも敵対心はありません。ですからアスティオス皇国とノーヴァ聖国も、その他の諸国と変らない外交関係を築いています。だというのに、この空気……。もう、これでもかと嫌な予感しかしません。

「はぁ……」

皆に気付かれないように小さなため息をついた私は、今すぐ皇国の家に帰りたい気持ちを抑える事ができませんでした。
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