刀身に誓った恋 或は 頭身が違った恋

詠月初香

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夜空に月が煌々と輝く……そんな時刻。


モディストス王国の王城にある王の執務室。
この部屋は様々な情報を秘匿する必要がある為に、風魔法による防音処理が施されていた。その為、扉の外を守っている衛兵たちには全く聞こえていないが、部屋の中は吹きすさぶ嵐のような怒声が響き渡っていた。

「ジェラルド!! お前はなんてことを!!!」

その怒声の主は国王で、未だかつて父親にそんな声で怒鳴られた事が無かったジェラルドは、驚愕に目を見開いて息を飲んだ。

「陛下、どうか……」

国王のすぐそばに居る王宮魔導士長が落ち着くように促すのだが、

「これが落ち着いていられるか! コルネリア嬢と婚約破棄しただと?
 それだけでもありえんが、更には国外へ追放した?
 今日ほどお前を馬鹿だと思った事は無い!!」

流石に馬鹿だと言われたことが不満だったのか、ジェラルドも

「父上こそ、どうかされているのではありませんか!
 あのような魔力も無い、醜い女を未来の王妃にするなどありえません!
 しかもあの女は王家より支給された支度金を使いこみ、
 私の婚約者という立場を嵩に、威張り散らすような女です!」

と反論するが、その反論に目の前の父王と魔術師長は目を見張ってしまう。

「お前は……何を言っているのだ?」

「殿下、彼女が王宮に日参するのは、
 王妃教育の他にも理由がある事は御存知ですよね?」

念の為に確認したいと言いたげな二人に対し、ジェラルドは鼻で笑ってから

「あぁ、あの醜女しこめは愚かで物事の覚えが悪いのでしょう?
 醜女である事を差し引いても、王太子妃に相応しくありませんよ」

と心底馬鹿にした口調と表情で言ってのけた。その言葉を聞いた魔導士長は息を飲み、国王の額には青筋が2本浮かび上がる。

「この、この、愚か者はお前だっっ!!!
 コルネリア嬢がこの国を守る結界を張っているのだぞ!!
 私とお前を守る結界を張り続けているのだぞ!!」

今にも浮かび上がった血管から血が噴き出そうな程に顔を真っ赤にして怒鳴る国王に、ジェラルドは呆れ顔だ。

「父上こそ何を言っているのです?
 結界は私が神から愛されている証拠です。私がこの国に居る限り大丈夫ですよ。
 そんな神に愛されている私に、あの婚約者はありえません」

ヤレヤレと言いたげに両手のひらを上に向けて肩の位置まで上げ、首をゆるゆると横に振るジェラルドに、国王と魔導士長は真っ青になった。赤くなったり青くなったり忙しい事だ。

「魔導士長、確認を!」

はっ!とだけ短く返事をした魔導士長が、ジェラルドの傍まで来ると「失礼致します」と軽く礼を取ってから、額にその右手の人差し指を押し付けた。指先にほんのりと光が灯るが、それは直ぐに消える。

「何なのだ! 無礼だぞ!!」

そんなジェラルドを無視して魔導士長は国王に一礼すると

「結界は未だに発動しているようですが、かなり弱くなっております。
 また、殿下の精神に害を為すような魔法が掛けられている形跡はありません」

そんな魔導士長の言葉に、ジェラルドと国王の反応は正反対だった。

「当たり前だ!! 私を何だと思っているのだ。
 神の寵愛を受けた私が、心を操られるなどありえない。
 結界が弱っているとすれば、今日あの悪の権化のような女に
 手袋越しとはいえ触れてしまった所為に違いない!」

と胸を張って言い切るジェラルドだったが、国王はそんな息子の発言を頭痛を堪えるような表情をしつつもスルッと無視した。

「はぁぁぁぁぁ………。
 とにかく、ジェラルドの処罰は後で考えるとして
 すぐさまコルネリア嬢を探し出して連れ戻さねば……」

大きく溜息をついた国王は見るからに疲れ果てているが、処罰という言葉に「何故ですか!」と喚くジェラルドの存在が、その疲れを何倍にも増幅しているようだ。

「コルネリア嬢は旅の経験は無いと聞く。そう簡単に遠くには行けないはずだ。
 護送の馬車に乗っていたとしても、恐らくまだ王都近隣の村にいるだろう。
 今すぐ騎士団を出動させ連れ戻せば間に合う。まずは魔導士長、探知を!」

と続けた。

「戻す必要などありません!! あのような女は私にふさわ」

「黙れ!!!」

流石に堪忍袋の緒が切れたのか、国王はジェラルドの言葉を途中で一刀両断に遮ると、魔導士長に探知をするように促した。

「では……」

そう言って目を瞑り手印を組む魔導士長。その足元に淡く光る魔法陣が現れ、口からは小さな声で呪文が漏れ出ている。複数のプロセスを同時に行う事ができるのは高位魔導士の証だが、それだけ探査に精密さを求めているという事でもあった。

ところが、その魔導士長の目が信じられないと言いたげに見開かれる。

「馬鹿な……。いや、もう一度」

首を横に振ってから、気を取り直して再び先ほどと同じプロセスを踏むが、やはり直ぐに探査を切り上げてしまった。

「ど、どうしたのだ魔導士長」

「恐れながら、コルネリア嬢の居場所が……。
 その、ジェラルド殿下のいる場所だと出るのです」

その言葉に一瞬訳が解らないという顔をした国王だったが、直ぐにある可能性に気が付いてバッとジェラルドの方へ振り返った。

「ジェラルド!! コルネリア嬢がつけていた指輪をどうした!!」

「安心してください。ちゃんと取り返してあります。
 国外へ追放するのに、我が王家の紋を持ったままなんてありえませんからね。
 あのような女に王家の紋が入った指輪を渡すなど、父上も少しはお考え下さい」

と、いかに手ぬかりがないかをアピールするジェラルドだ。彼は自分の有能さを語るのに必死で、目の前にいる父王から表情が消え、ガクリと椅子にへたりこむようにして座り込んでしまった事に気付かなかった。

ペラペラとどうでも良い事を自慢げに喋り続ける息子を無視した国王は

「……どれくらいもつ?」

と、何をとは言わずに魔導士長に尋ねた。その意味を正確に理解した魔導士長は

「距離は100リュー約500kmぐらいまでは何とか大丈夫なはずですが、
 問題は時間で、指輪が外されて1日程で接続は完全に切れてしまうかと……」

と、申し訳なさそうに事実を口にした。その言葉に国王は頭を抱えると、そのままジェラルドとそっくりな髪色の頭をガシガシと掻きむしってから、バンッ!と執務机を力いっぱい叩きつけながら立ち上がり、

「コルネリア嬢がこの国と私とお前に結界を張っていたのだ!
 お前にもちゃんとその事は伝えていた!!
 この国を守ったのはお前ではない!! コルネリア嬢だと!!
 もう良い! お前は私が良いというまで自室で謹慎していろ!!
 衛兵! ジェラルドを自室に閉じ込めろ!!」

国王はジェラルドを叱責してから机の上にあるボタンを押し、扉の外にいる衛兵を呼んで命令を下した。その言葉を聞いた瞬間、ジェラルドは顔を真っ赤にしながら

「違う! 私だ!! 私が神に愛されているからだと皆が言っている!
 チェスターもフレデリックも外務大臣も総騎士団長も!」

とヒステリックに叫び出した。何事かと慌てて入ってきた衛兵は顔を引きつらせる王と喚き続ける王太子に一瞬戸惑ったようだが、王の命令を遵守してジェラルドを引き摺るようにして執務室から連れ出した。そんな衛兵に対して抵抗するジェラルドではあったが身体を鍛えている衛兵には勝てず、最後まで自分が神に愛されているから結界があるのだと喚き続けながら部屋から連れ出されて行った。

「陛下、時間がありません。あの指輪には居場所を知らせる役目と、
 彼女の魔力を魔晶石に流し込む効果がありますが、余りにも魔晶石、
 或は指輪から離れると双方を繋ぐ魔力の糸が切れてしまいます」

深刻な顔をして言う魔導士長に「解っておるわ!!」と八つ当たりをする国王だ。だが確かに時間がない。コルネリアには眠っていようが何か別の事に集中していようが、常に魔力を魔晶石へと流し込むように訓練を徹底した。指輪はその補助を行う役目があったのだ。指輪に仕込まれている小さな結晶は、城にある秘密の部屋に安置されている大きな魔晶石の欠片で、魔力がコルネリアから魔晶石へと流れ込むように関連付けされていた。また万が一コルネリアが意識を失ったり、眠っている最中に魔力の供給が止まってしまった時には、短時間ではあるものの強制的に魔力を流し込む役目もあった。

そもそも最初は魔晶石を通さず、常にコルネリアの魔力を王国全土に行き渡させていたのだ。だが国王と魔導士長は万が一に備えて、彼女の魔力を巨大な魔晶石の結晶に溜め込む事で、コルネリアに万が一があった時の為の保険としていた。その処置の結果、コルネリアの魔力は常に生命維持が精一杯な程に枯渇し続ける事となったが、逆に今コルネリアの魔力が途絶えたとしても王国の結界は1ヶ月程度は持つようになった。

保険といえば、コルネリアの両親にも保険をかけていた事を国王は思い出した。伯爵夫妻は国王にとって高等学園時代の後輩になるのだが、あの二人の物欲とだらしなさは当時から筆舌に尽くしがたい程だった。だから本来ならばありえない支度金を出し、暗にこれは口止め料だとほのめかして使い込むように仕向けたのだ。そうすれば当時はまだまだ幼く、親に似ず素直な子だったコルネリアは負い目から王家の言いなりになると踏んでいた。事実、ジェラルドの事を慕っているそぶりのないコルネリアではあったが、その事が枷となって今までずっと従順だった。

あの子の境遇を思えば哀れだとも思うし、国の為とはいえ魔力喪失者と思われるように仕向けた事に罪悪感もある。だからその分、王家の一員となった暁には思い存分贅沢をさせてあげようと決めていた。今は時々甘いお菓子をこっそりとあげる事ぐらいしかできないが、義理の娘になったらドレスだって宝石だって可能な限り買ってやろうと思っていたのだ。だというのに、思わぬところに落とし穴があったようだ。

「外務大臣に総騎士団長までもが、ジェラルドを籠絡していたとは……。
 魔導士長はジェラルドに尋問を!
 コルネリア嬢をどのルートで追放したか確認してくれ。
 私はその間に緊急指令で飛竜騎士団を呼び戻す」

国王はそう指示を出すと、羊皮紙に指令文を書き封蝋をして窓辺にある幾つもある筒状の魔道具のうちの一つにセットした。そして王の指にはまっている指輪を筒の表面の穴にカチリとはめ込むと、シュンッという音と共に光が空に向かって走っていく。この魔道具は対になっている魔導伝書筒にしか送れないが、人や鳥を使うよりも遥かに早く相手に届く。飛竜騎士団の任務は国境付近のパトロールなので王都から離れた地にいるが、飛竜の飛行速度はあらゆる動物の中でもトップクラスだ。素早く帰城して即時捜索に出る事が出来るはずだ。これならば結界が切れる前どころか、遅くても明日中にはコルネリア嬢を確保できるはずだと国王は信じていた。

ただ、国王の予想は大きく外れる事となる。

「陛下……。
 王太子殿下にコルネリア嬢の行先を尋ねたところ……。
 樹……海に、受刑用の飛竜を使って東の魔境に追放したと……」

真っ青な顔でふらつきながら戻ってきた魔導士長の報告を聞いた途端、国王は目を見開いたまま気を失ってしまったのだった。


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王宮ですったもんだとやっている頃、コルネリアの実家のガウディウム伯爵家でも一騒動あった。

「この馬鹿者がっ!!」

そう言ってダニエルを殴ったのは、コルネリアの父だ。頭身は貴族なのでそれなりにあるのだが横にも大きい為、決してスタイルが良いとは言えない男だ。ダニエルは元々が下級貴族の出である事に加えて幼少期の栄養状況が悪かった為に、同年代の男性に比べると背も小さくて華奢だ。なので重量級の伯爵に殴られると簡単に吹っ飛んでしまった。そして伯爵の横に居る伯爵を一回り小さくしたような女、コルネリアの母が忌々し気にダニエルを睨みつけた。

「なんてことをしてくれたの!! あの子は無限にお金の湧く財布だったのよ!
 あの子がいれば、幾らでも王家からお金を引っ張り出せたの!!」

そうヒステリックに叫ぶ様はお世辞にも綺麗とは言い難い。伯爵に乱暴に胸倉を捕まれて引き起こされたダニエルは、その手をパンッ!と叩き落とした。

「王家からお金を引っ張れる? ハッ! 馬鹿馬鹿しい。
 あの女は王太子殿下から婚約を破棄されたんですよ!
 むしろ僕に感謝してほしいくらいです。
 王家から支払われた支度金の使い込みをコルネリアに押し付け、
 貴方がたを守ったのはこの僕なんですから!」

鼻で笑ってから憎々し気に目の前のだらしない体型の二人に言い切ったダニエルだったが、返ってきた反応は思っていたものとは違った。

「だからお前は馬鹿だというのだ。
 王太子殿下が婚約破棄? そんな事は出来ないのだよ。
 この婚約は国王陛下が是非にと言われたものだ。
 何よりあの子の力は王国に必須だ。
 王太子殿下が何と言おうと、婚約を破棄する事はできやしない!」

そう言う伯爵ではあったが、コルネリアの魔力を何に使っているのかは知らなかった。ただ極めて稀な属性が無い魔力は魔導研究に欠かせない力であり、王家としてはその力を内密で確保・保護したい。だから王太子と婚約という形で手元に置きたいと説明されていたのだ。なので支度金という名目の口止め料も、伯爵夫妻にとっては自分たちが使って当然という認識だった。

「力? 何を言っているんです。
 あんな醜い女の何処を見れば力があると言うんです?? 
 知力? 武力?? まさか魔力なんて言いませんよね?」

殴られた拍子に口の中を切ったのか口の端から血が流れ、それを手の甲で拭ったダニエルが目の前の肉の塊に向かって心底馬鹿にしきった視線を向けた。

ダニエルはこの伯爵家を継ぐために養子に貰われてきたのだが、義理の両親は最悪な人だった。子供にかけるお金は最低限で……いや、時には最低限ですら無い事もあった。そのくせ自分には湯水のようにお金を使う義両親だ。

彼としては自分が継ぐ前に没落してもらっては困るので、コルネリアと一緒になって支度金の使い込みを注意したのだが、全く効果はなかった。そこでダニエルは考えたのだ。どうすれば自分がより多くを引き継ぐことができるのか……を。

ダニエルからすれば、婚約破棄されたコルネリアが伯爵家に戻ってきてもらっては困るのだ。コルネリアが継ぐからお前は要らないと言われてしまったら、また昔の貧乏男爵の子となってしまう。今も確かに金は無いが、伯爵家ならば高位貴族との婚姻で幾らでも盛り返す事が可能なるが、男爵家ではそれも不可能だ。

自分のように才能ある者が、生まれによって出世できないなどありえないとダニエルは常々思っていた。男爵では下級官僚が関の山だが伯爵家ならば違う。王太子はダニエルにとって扱いやすい人物で、今のままの関係を続けていけば遠からず政治の中枢を担えるはずだ。そして家柄だけの無能な輩を排除して、自分が今まで考えてきたこの国にとって最善の政策を実現させていけば、いずれ自分は偉大な人物として歴史に名を刻めると信じていた。

だからコルネリアを嵌めたのだ。コルネリアが邪魔になる前に。
それがあんなことになるなんて、この時のダニエルは思いもしなかった。
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