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その後の
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しおりを挟む「今日休みだけど、ちょっと出かけてくるから」
「うん、わかった」
白い壁。
…………。
窓の外が暗くなり、冷凍のパスタをレンジで温めて食べる。
ゴシュジンサマ『ちょっと出かけてくる』って言ってたな。もしかしたらいらないかもだけれど、と思いつつ冷蔵庫を開けて卵を取り出す。
適当に焼いてみる。
…………。
「タロ、ごめん!」
「ん、おかえり……」
ベッドで寝ていたら物音とゴシュジンサマの声で起こされる。
「本当にごめんね、連絡するヒマもなくて……」
「うん」
隣に潜り込んで抱きついてくるゴシュジンサマからシャンプーの香りがかすかにする。
嗅いだことのない匂い。
翌朝。
「何この黒焦げ……」
キッチンに置いたラップのかかった黒い卵焼きを見つけたゴシュジンサマが言う。
「ああ、それ……もう意味ないから別に」
もしかしたら夕飯いるかなと思って作ってみたが、結果いらなかった。
「?」
「時間経っちゃってるから、捨てたほうがいいかも」
「わかった……」
ゴシュジンサマがゴミ箱のフタを開けて、卵焼きを捨てた。
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