pet

その後の

3

　ゴシュジンサマが帰ってくるまで、ボクはとくにすることがなくぼーっとする。
　ただただ白い壁を見つめる。
　空腹を覚え、キッチンを適当に漁って見つけたフランスパンをかじり、また壁を見つめ、窓の外が暗くなるとレトルトのカレーを温めて食べる。

「ただいまー……なんでそんなところで寝てるの」
「ん……おかえり」
　ドアが開く音とゴシュジンサマの声で目が覚め、床から身を起こした。
「先にベッドで寝ててよかったのに……」
　ゴシュジンサマがふふっと笑ってボクのそばに膝をつき、ボクを優しく抱きしめて頭を撫でてくる。
　ふわっと、渋い香水の匂いがした。
　ゴシュジンサマからこんな匂いしたことない。
「普段何して生きてるの……？　ゲームとかあるのに使われた痕跡がないし」
「ゴシュジンサマのペットしてるよ」