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~最終章~◆◆◆物語はハッピーエンドが良いよね?◆◆◆
414ページ目…出来ちゃいました【7】
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メルトの町の近くに突如出現したタワー型のダンジョン。
そのダンジョンは誰も入らせない様にする為か、ダンジョンを覆う様に建てられた外壁があった。
その日、そのダンジョンの外壁に取り付けられていた大きな扉が、大きな音をたてて開いた。
何処から広まったかは定かではないが、今日、その扉が開くと言う噂が、まことしやかに広まっていた為、その噂を信じ、一攫千金を狙う冒険者達が集まっていた。
そして…ダンジョンを訪れた誰もが、その異常な光景に驚きを隠せないでいた。
何故ならば…。
「いらっしゃいませ、当ダンジョンへようこそ。
当ダンジョンは、通常のダンジョンとは違い、お客様に『娯楽を楽しんで頂く催し』を主とした空間と、『攻略』を主とした空間がご用意されております。
どうぞ、お客様の望まれる方へとお進みください。」
そんな風に、丁寧な言葉で説明してきたのは、事もあろうにリッチと呼ばれる魔物だったからである。
しかも、このリッチと言う魔物は、そんじょそこらの雑魚とは違い、高ランクの冒険者のパーティーでも油断すれば簡単に全滅する可能性がある高ランクの魔物であり、まかり間違っても一階層目の入り口で出てきて良い魔物ではなかった。
「おっと、これは失礼、申し遅れました。
私、このダンジョンで受付をしております『セバス・チャン』と申します。
以後、お見知りおきを。」
「あ、はい…これはご丁寧に…。」
あまりにも場違いな存在であるリッチからの自己紹介に、最初に足を踏み入れた冒険者は一瞬、思考が止まり、慣れない口調で返事をしてしまう。
「って、そうじゃねーよ!何だって、こんな所にリッチがいるんだッ!?」
そう言うと、冒険者の男は慌てて腰からロングソードを抜き、構えた。
その構えからは高ランクとは言えないまでも、一流の冒険者のソレを彷彿させるほど、様になっていた。
「お待ち下さい!こちらに戦う意思はありません。
それに、まだ説明の途中でございます。」
「せ、説明だと?」
「左様でございます。
見た所、お客様は冒険者の様で御座いますが、相違ございませんか?」
「あ、あぁ…むしろ、この格好で冒険者以外に見えたら、逆に頭が可笑しいしか思えないがな。」
確かに、男の格好は、動きやすいそうではあるが、重要な部分はしっかりとガードされている作りの軽鎧である。
まぁ、傭兵と言われたら納得出来る格好ではあるが、傭兵であれば、基本的にダンジョンには来ない。
そう言う意味では、ダンジョンに来る者で、こんな格好で来る者と言えば、冒険者しかいないだろう。
少なくとも、礼節を重んじる騎士とかではないのは確実であった。
「それは確かに…ですね、失言でした。
いえ、そう言う事ではなく…お客様は、娯楽を求めて来たのではなく、冒険者としてダンジョンの『攻略』に挑みに来た…と言う事で、よろしいですか?」
「あぁ、その通りなんだが…さっきから、お前が言ってる娯楽なんたらとは何の事だ?」
未だ、警戒を解いておらず、手にしているロングソードの切っ先は、セバス・チャンと名乗るリッチに向けたままである。
しかしながら、先程からリッチが言う『娯楽』と言う言葉に、少なくない興味を持っている様だ。
「娯楽ですか?それは勿論、『遊園地』や『カジノ』などで御座います。
知っての通り、通常、ダンジョンと言うのは、己が命を代償にお宝と名誉を手に入れる場所で御座います。
まぁ、冒険者の方に改めて言う事ではありませんが…。
結果として、ハイリスク&ハイリターンを強いられる冒険者は、命を落とす事が御座いました。
しかしながら、当ダンジョンのダンジョンマスター様は、ダンジョンに、それ以外の道を模索したのです。
その結果、当ダンジョンでは、ローリスク&ローリターン…いえ、もちろん通常通りのハイリターンさえも可能な施設を作る事にしたのです。」
「つまり、それが、さっき言っていたカジノ…と言う事だな?」
「左様でございます。
ですが、先程も言いましたが、当ダンジョンマスター様は『遊園地』にも力を入れておりカジノ以外にも、只、遊ぶ為だけの場を提供しております。
その為、戦闘行為の出来ない人達ですら、気軽に遊びに来られる事が可能な仕様となっております。」
「遊園地…言葉的には、遊びの空間だと思うが、どうなってるんだ?」
「どうなって…と、申されましても、私めには説明が難しい物でして…もしよろしければ、オープン記念もやっておりますので、足を運んでみては如何でしょうか?
ちなみに、遊園地での注意点ですが、遊園地にいる魔物に対し、一切の戦闘行為を禁じておりますので、注意して下さい。
もし、誤って攻撃した場合、即座に守護者が現れ、強制的に排除となります。
その際、死亡するなどの事故が起きたとしても、当ダンジョンは一切の保証を致しませんので、あしからず…。」
と、セバス・チャンを名乗るリッチから説明を受けた冒険者…彼は、そのリッチの言う遊園地と言う物が気になり始め、ダンジョン攻略から遊園地の視察へと切り替えた。
そもそもな話、その遊園地と言う物が気に入らなければ、当初の予定通り、ダンジョン攻略へ切り替えれば良いだけなのだから…。
「それで、遊園地へは、どう進めば良いんだ?」
何せ、彼の位置から見える入り口は、この受付の向こうに見える場所に三ヶ所の入り口あるのだ。
「はい、遊園地ですね?遊園地の入り口は中央の入口となっております。
更に、本日はオープン記念としてしまして、入場料は『無料』となっておりますので、そのままお進み頂いて結構となっております。
なお、オープン記念が終了いたしますと、入場料としてチケットを購入する必要があり、銀貨五枚が必要となりますので、ご注意下さい。
それでは、長々と説明してしましましたが、どうぞ、お楽しみ下さい。」
リッチはそう言うと、冒険者へ深々と頭を下げる。
その姿勢は、まるで一流の執事の様であった。
「あぁ、どんな物か、しっかりと見定めさせて貰おう!」
その態度に気を良くした冒険者の男は、リッチの横の門を潜ると、中央の入口へ向かおうとする。
だが、男は後ろを振り返り、リッチへ声を掛ける。
「そう言えば、ダンジョン攻略をする場合は、どっちへ行けば良いんだ?」
「ダンジョン攻略ですか?ダンジョン攻略でしたら、向かって左側の入口になっております。
ですので、必然的に右の入口が『カジノ』となっております。」
「なるほど、左がダンジョン攻略か…説明、ご苦労!」
自分への態度に、執事なリッチについ上から目線でお礼を言ってしまう。
だが、リッチは、そんな不遜な態度を一切気にしていないかの様な態度で、返事をする。
「いえいえ、当然の事をしたまでですので、お礼は必要ありません。
それでは、お客様、いってらっしゃいませ。」
その言葉に満足したのか、もう一度頷くと、男は遊園地へと足早に向かった。
そして、リッチの前には次の人の順番がやってくる。
セバス・チャンと名乗ったリッチは、再度、次の人へ説明を開始する。
中には、前の人の説明を聞いていて、説明不要と我先にダンジョンへ入っていく人もいた。
そして、その行列は夕方まで続く事となり、そのタワー型のダンジョンは、瞬く間に有名になっていくのだった…。
そのダンジョンは誰も入らせない様にする為か、ダンジョンを覆う様に建てられた外壁があった。
その日、そのダンジョンの外壁に取り付けられていた大きな扉が、大きな音をたてて開いた。
何処から広まったかは定かではないが、今日、その扉が開くと言う噂が、まことしやかに広まっていた為、その噂を信じ、一攫千金を狙う冒険者達が集まっていた。
そして…ダンジョンを訪れた誰もが、その異常な光景に驚きを隠せないでいた。
何故ならば…。
「いらっしゃいませ、当ダンジョンへようこそ。
当ダンジョンは、通常のダンジョンとは違い、お客様に『娯楽を楽しんで頂く催し』を主とした空間と、『攻略』を主とした空間がご用意されております。
どうぞ、お客様の望まれる方へとお進みください。」
そんな風に、丁寧な言葉で説明してきたのは、事もあろうにリッチと呼ばれる魔物だったからである。
しかも、このリッチと言う魔物は、そんじょそこらの雑魚とは違い、高ランクの冒険者のパーティーでも油断すれば簡単に全滅する可能性がある高ランクの魔物であり、まかり間違っても一階層目の入り口で出てきて良い魔物ではなかった。
「おっと、これは失礼、申し遅れました。
私、このダンジョンで受付をしております『セバス・チャン』と申します。
以後、お見知りおきを。」
「あ、はい…これはご丁寧に…。」
あまりにも場違いな存在であるリッチからの自己紹介に、最初に足を踏み入れた冒険者は一瞬、思考が止まり、慣れない口調で返事をしてしまう。
「って、そうじゃねーよ!何だって、こんな所にリッチがいるんだッ!?」
そう言うと、冒険者の男は慌てて腰からロングソードを抜き、構えた。
その構えからは高ランクとは言えないまでも、一流の冒険者のソレを彷彿させるほど、様になっていた。
「お待ち下さい!こちらに戦う意思はありません。
それに、まだ説明の途中でございます。」
「せ、説明だと?」
「左様でございます。
見た所、お客様は冒険者の様で御座いますが、相違ございませんか?」
「あ、あぁ…むしろ、この格好で冒険者以外に見えたら、逆に頭が可笑しいしか思えないがな。」
確かに、男の格好は、動きやすいそうではあるが、重要な部分はしっかりとガードされている作りの軽鎧である。
まぁ、傭兵と言われたら納得出来る格好ではあるが、傭兵であれば、基本的にダンジョンには来ない。
そう言う意味では、ダンジョンに来る者で、こんな格好で来る者と言えば、冒険者しかいないだろう。
少なくとも、礼節を重んじる騎士とかではないのは確実であった。
「それは確かに…ですね、失言でした。
いえ、そう言う事ではなく…お客様は、娯楽を求めて来たのではなく、冒険者としてダンジョンの『攻略』に挑みに来た…と言う事で、よろしいですか?」
「あぁ、その通りなんだが…さっきから、お前が言ってる娯楽なんたらとは何の事だ?」
未だ、警戒を解いておらず、手にしているロングソードの切っ先は、セバス・チャンと名乗るリッチに向けたままである。
しかしながら、先程からリッチが言う『娯楽』と言う言葉に、少なくない興味を持っている様だ。
「娯楽ですか?それは勿論、『遊園地』や『カジノ』などで御座います。
知っての通り、通常、ダンジョンと言うのは、己が命を代償にお宝と名誉を手に入れる場所で御座います。
まぁ、冒険者の方に改めて言う事ではありませんが…。
結果として、ハイリスク&ハイリターンを強いられる冒険者は、命を落とす事が御座いました。
しかしながら、当ダンジョンのダンジョンマスター様は、ダンジョンに、それ以外の道を模索したのです。
その結果、当ダンジョンでは、ローリスク&ローリターン…いえ、もちろん通常通りのハイリターンさえも可能な施設を作る事にしたのです。」
「つまり、それが、さっき言っていたカジノ…と言う事だな?」
「左様でございます。
ですが、先程も言いましたが、当ダンジョンマスター様は『遊園地』にも力を入れておりカジノ以外にも、只、遊ぶ為だけの場を提供しております。
その為、戦闘行為の出来ない人達ですら、気軽に遊びに来られる事が可能な仕様となっております。」
「遊園地…言葉的には、遊びの空間だと思うが、どうなってるんだ?」
「どうなって…と、申されましても、私めには説明が難しい物でして…もしよろしければ、オープン記念もやっておりますので、足を運んでみては如何でしょうか?
ちなみに、遊園地での注意点ですが、遊園地にいる魔物に対し、一切の戦闘行為を禁じておりますので、注意して下さい。
もし、誤って攻撃した場合、即座に守護者が現れ、強制的に排除となります。
その際、死亡するなどの事故が起きたとしても、当ダンジョンは一切の保証を致しませんので、あしからず…。」
と、セバス・チャンを名乗るリッチから説明を受けた冒険者…彼は、そのリッチの言う遊園地と言う物が気になり始め、ダンジョン攻略から遊園地の視察へと切り替えた。
そもそもな話、その遊園地と言う物が気に入らなければ、当初の予定通り、ダンジョン攻略へ切り替えれば良いだけなのだから…。
「それで、遊園地へは、どう進めば良いんだ?」
何せ、彼の位置から見える入り口は、この受付の向こうに見える場所に三ヶ所の入り口あるのだ。
「はい、遊園地ですね?遊園地の入り口は中央の入口となっております。
更に、本日はオープン記念としてしまして、入場料は『無料』となっておりますので、そのままお進み頂いて結構となっております。
なお、オープン記念が終了いたしますと、入場料としてチケットを購入する必要があり、銀貨五枚が必要となりますので、ご注意下さい。
それでは、長々と説明してしましましたが、どうぞ、お楽しみ下さい。」
リッチはそう言うと、冒険者へ深々と頭を下げる。
その姿勢は、まるで一流の執事の様であった。
「あぁ、どんな物か、しっかりと見定めさせて貰おう!」
その態度に気を良くした冒険者の男は、リッチの横の門を潜ると、中央の入口へ向かおうとする。
だが、男は後ろを振り返り、リッチへ声を掛ける。
「そう言えば、ダンジョン攻略をする場合は、どっちへ行けば良いんだ?」
「ダンジョン攻略ですか?ダンジョン攻略でしたら、向かって左側の入口になっております。
ですので、必然的に右の入口が『カジノ』となっております。」
「なるほど、左がダンジョン攻略か…説明、ご苦労!」
自分への態度に、執事なリッチについ上から目線でお礼を言ってしまう。
だが、リッチは、そんな不遜な態度を一切気にしていないかの様な態度で、返事をする。
「いえいえ、当然の事をしたまでですので、お礼は必要ありません。
それでは、お客様、いってらっしゃいませ。」
その言葉に満足したのか、もう一度頷くと、男は遊園地へと足早に向かった。
そして、リッチの前には次の人の順番がやってくる。
セバス・チャンと名乗ったリッチは、再度、次の人へ説明を開始する。
中には、前の人の説明を聞いていて、説明不要と我先にダンジョンへ入っていく人もいた。
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