~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

文字の大きさ
上 下
391 / 421
~最終章~◆◆◆物語はハッピーエンドが良いよね?◆◆◆

391ページ目…魔王の帰還【1】

しおりを挟む
 魔王城を後にした俺達、何とか無事に防壁を抜けて出てくる事が出来たのだが、これから面倒な事が待ち構えていると思うと、少し憂鬱ゆううつになる。
 それは、メルトの町の冒険者ギルドのギルドマスターであるラオンさんから言われた事で、魔王討伐の為に通ったルートを、車や転移魔法を使わずに通常の手段で帰って来いとの事だった。

 その為、帰りは行き以上に、かなり時間が掛かる事が確定し、のんびり帰る事となった訳なのだが…。

「来た道を帰るって言われてもな…。」

 ぶっちゃけ、色々と無茶な移動方法を取っていたので、正直な話、どの道を通って来たのか、いまいち覚えていないのである。

「来た道と言いますと…次は、ファナル砦ですか?」

 と、プリンが聞いてくる。
 確かに、正解ではあるのだが、それは間違いでもある。

「い、いえ、その前に『魔神教団』と名乗る者達がいた村だと思います…。」

 と、クズハが訂正を入れてくる。
 『魔神教団』と名乗る者達の村…そう、それは俺の禁呪により全員、石化した村である。
 ただまぁ…俺が戻れば石化を解除出来るし、解呪の得意な者がいれば、解除も可能だと思われる。
 元々、彼等を滅ぼす為の手段ではなく、拘束を目的とした応急処置だったからだ。

「あぁ、あの村か…流石に、何時までも、そのままって訳にはいかないよな…。
 そもそも、彼奴等あいつらが求めていた魔神って、魔王・ゼロの事だった訳だし、その力の半分を持っていたエギン魔王は、既に討伐済みだからね…。
 もう、彼奴等は何かしようとしても、何も出来ないんじゃないかな…。」

 正直、個人的には、そのままにしていても問題ない気もするが、それでも彼等は罪を償わなければいけない。
 その為には、彼等の石化を解き、捕縛…そして、ちゃんとした所で裁判に掛け、罪を償って貰いたいと思った。
 そう言う意味でも、かなり面倒ではあるが魔神教団の村へと向かう必要があったのだった…。

☆★☆★☆

「ご、ご主人様、村が見えてきました。」

 クズハが馬車の御者台から、荷台の中にいた俺達に声を掛けてきた。
 その言葉を聞いて、俺は荷台の扉を開け、クズハの座っている御者台へと出てくる。
 そして、俺はそのままクズハの横へと座ると、クズハから手綱を受け取り声を掛けた。

「ありがとクズハ、長い時間、御者をしていて疲れただろ?
 中に入って休んでて良いぞ。」
「あ、ありがとうございます…ですが、今は…。」

 そう言うと、クズハは俺の肩に頭を乗せそのまま身体を預けてくる。

「あ~…その、何だ、少しだけだぞ?」

 そんなクズハの態度に、俺は嬉しくないない訳ではないのだが、正直、こう言う行為は他の嫁~ズにしてみれば、こんな些細な事でも『抜け駆け』となる事がある。
 その為、クズハがした事がバレた場合、他の嫁~ズにもしなければいけなくなるのだ。
 そして、この手の事は100%バレる事となる…何せ、本人が幸せそうに自慢するのだから、当然、バレるに決まっている。

 そんな訳で、クズハに肩を貸したなら、他の嫁~ズにも貸さなければいけなくなった訳だが、それ位なら問題がない。
 ただ、それは置いておくとして、もう少しで村に辿り着くと言う距離まで近づいた時、俺は異変に気が付いた。

 全員、俺の禁術により石化している筈にも関わらず、何と、村の中から生命反応があったのだ。
 もちろん、それらの反応は小動物や魔物の反応ではない。
 明らかに、俺達と同じ人族の反応である。

「…どう言う事なんだ?」

 村の中から感じた生命反応は、数で言えば13人程度の小規模なのだが、その反応が、こちらに敵意を持っていれば、自ずと警戒するのも当然の事。
 まぁ、今となっては、魔王を倒した俺達に怖い物はないのだが、それでも油断は大敵な訳で…。
 俺は、嫁~ズに警戒を促すと、そのまま村の中へと馬車を走らせていく。
 そして、そこで見た物は…。

 無残にも粉々に砕かれた魔神教団の人達だった物と、ファナル砦で別れたはずの人達であった…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

スマートシステムで異世界革命

小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 /// ★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★ 新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。 それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。 異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。 スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします! 序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです 第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練 第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い 第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚 第4章(全17話)ダンジョン探索 第5章(執筆中)公的ギルド? ※第3章以降は少し内容が過激になってきます。 上記はあくまで予定です。 カクヨムでも投稿しています。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

加護とスキルでチートな異世界生活

どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!? 目を覚ますと真っ白い世界にいた! そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する! そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる 初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです ノベルバ様にも公開しております。 ※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

異世界無宿

ゆきねる
ファンタジー
運転席から見た景色は、異世界だった。 アクション映画への憧れを捨て切れない男、和泉 俊介。 映画の影響で筋トレしてみたり、休日にエアガンを弄りつつ映画を観るのが楽しみな男。 訳あって車を購入する事になった時、偶然通りかかったお店にて運命の出会いをする。 一目惚れで購入した車の納車日。 エンジンをかけて前方に目をやった時、そこは知らない景色(異世界)が広がっていた… 神様の道楽で異世界転移をさせられた男は、愛車の持つ特別な能力を頼りに異世界を駆け抜ける。 アクション有り! ロマンス控えめ! ご都合主義展開あり! ノリと勢いで物語を書いてますので、B級映画を観るような感覚で楽しんでいただければ幸いです。 不定期投稿になります。 投稿する際の時間は11:30(24h表記)となります。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

処理中です...