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~最終章~◆◆◆物語はハッピーエンドが良いよね?◆◆◆
391ページ目…魔王の帰還【1】
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魔王城を後にした俺達、何とか無事に防壁を抜けて出てくる事が出来たのだが、これから面倒な事が待ち構えていると思うと、少し憂鬱になる。
それは、メルトの町の冒険者ギルドのギルドマスターであるラオンさんから言われた事で、魔王討伐の為に通ったルートを、車や転移魔法を使わずに帰って来いとの事だった。
その為、帰りは行き以上に、かなり時間が掛かる事が確定し、のんびり帰る事となった訳なのだが…。
「来た道を帰るって言われてもな…。」
ぶっちゃけ、色々と無茶な移動方法を取っていたので、正直な話、どの道を通って来たのか、いまいち覚えていないのである。
「来た道と言いますと…次は、ファナル砦ですか?」
と、プリンが聞いてくる。
確かに、正解ではあるのだが、それは間違いでもある。
「い、いえ、その前に『魔神教団』と名乗る者達がいた村だと思います…。」
と、クズハが訂正を入れてくる。
『魔神教団』と名乗る者達の村…そう、それは俺の禁呪により全員、石化した村である。
ただまぁ…俺が戻れば石化を解除出来るし、解呪の得意な者がいれば、解除も可能だと思われる。
元々、彼等を滅ぼす為の手段ではなく、拘束を目的とした応急処置だったからだ。
「あぁ、あの村か…流石に、何時までも、そのままって訳にはいかないよな…。
そもそも、彼奴等が求めていた魔神って、魔王・零の事だった訳だし、その力の半分を持っていたエギンは、既に討伐済みだからね…。
もう、彼奴等は何かしようとしても、何も出来ないんじゃないかな…。」
正直、個人的には、そのままにしていても問題ない気もするが、それでも彼等は罪を償わなければいけない。
その為には、彼等の石化を解き、捕縛…そして、ちゃんとした所で裁判に掛け、罪を償って貰いたいと思った。
そう言う意味でも、かなり面倒ではあるが魔神教団の村へと向かう必要があったのだった…。
☆★☆★☆
「ご、ご主人様、村が見えてきました。」
クズハが馬車の御者台から、荷台の中にいた俺達に声を掛けてきた。
その言葉を聞いて、俺は荷台の扉を開け、クズハの座っている御者台へと出てくる。
そして、俺はそのままクズハの横へと座ると、クズハから手綱を受け取り声を掛けた。
「ありがとクズハ、長い時間、御者をしていて疲れただろ?
中に入って休んでて良いぞ。」
「あ、ありがとうございます…ですが、今は…。」
そう言うと、クズハは俺の肩に頭を乗せそのまま身体を預けてくる。
「あ~…その、何だ、少しだけだぞ?」
そんなクズハの態度に、俺は嬉しくないない訳ではないのだが、正直、こう言う行為は他の嫁~ズにしてみれば、こんな些細な事でも『抜け駆け』となる事がある。
その為、クズハがした事がバレた場合、他の嫁~ズにもしなければいけなくなるのだ。
そして、この手の事は100%バレる事となる…何せ、本人が幸せそうに自慢するのだから、当然、バレるに決まっている。
そんな訳で、クズハに肩を貸したなら、他の嫁~ズにも貸さなければいけなくなった訳だが、それ位なら問題がない。
ただ、それは置いておくとして、もう少しで村に辿り着くと言う距離まで近づいた時、俺は異変に気が付いた。
全員、俺の禁術により石化している筈にも関わらず、何と、村の中から生命反応があったのだ。
もちろん、それらの反応は小動物や魔物の反応ではない。
明らかに、俺達と同じ人族の反応である。
「…どう言う事なんだ?」
村の中から感じた生命反応は、数で言えば13人程度の小規模なのだが、その反応が、こちらに敵意を持っていれば、自ずと警戒するのも当然の事。
まぁ、今となっては、魔王を倒した俺達に怖い物はないのだが、それでも油断は大敵な訳で…。
俺は、嫁~ズに警戒を促すと、そのまま村の中へと馬車を走らせていく。
そして、そこで見た物は…。
無残にも粉々に砕かれた魔神教団の人達だった物と、ファナル砦で別れたはずの人達であった…。
それは、メルトの町の冒険者ギルドのギルドマスターであるラオンさんから言われた事で、魔王討伐の為に通ったルートを、車や転移魔法を使わずに帰って来いとの事だった。
その為、帰りは行き以上に、かなり時間が掛かる事が確定し、のんびり帰る事となった訳なのだが…。
「来た道を帰るって言われてもな…。」
ぶっちゃけ、色々と無茶な移動方法を取っていたので、正直な話、どの道を通って来たのか、いまいち覚えていないのである。
「来た道と言いますと…次は、ファナル砦ですか?」
と、プリンが聞いてくる。
確かに、正解ではあるのだが、それは間違いでもある。
「い、いえ、その前に『魔神教団』と名乗る者達がいた村だと思います…。」
と、クズハが訂正を入れてくる。
『魔神教団』と名乗る者達の村…そう、それは俺の禁呪により全員、石化した村である。
ただまぁ…俺が戻れば石化を解除出来るし、解呪の得意な者がいれば、解除も可能だと思われる。
元々、彼等を滅ぼす為の手段ではなく、拘束を目的とした応急処置だったからだ。
「あぁ、あの村か…流石に、何時までも、そのままって訳にはいかないよな…。
そもそも、彼奴等が求めていた魔神って、魔王・零の事だった訳だし、その力の半分を持っていたエギンは、既に討伐済みだからね…。
もう、彼奴等は何かしようとしても、何も出来ないんじゃないかな…。」
正直、個人的には、そのままにしていても問題ない気もするが、それでも彼等は罪を償わなければいけない。
その為には、彼等の石化を解き、捕縛…そして、ちゃんとした所で裁判に掛け、罪を償って貰いたいと思った。
そう言う意味でも、かなり面倒ではあるが魔神教団の村へと向かう必要があったのだった…。
☆★☆★☆
「ご、ご主人様、村が見えてきました。」
クズハが馬車の御者台から、荷台の中にいた俺達に声を掛けてきた。
その言葉を聞いて、俺は荷台の扉を開け、クズハの座っている御者台へと出てくる。
そして、俺はそのままクズハの横へと座ると、クズハから手綱を受け取り声を掛けた。
「ありがとクズハ、長い時間、御者をしていて疲れただろ?
中に入って休んでて良いぞ。」
「あ、ありがとうございます…ですが、今は…。」
そう言うと、クズハは俺の肩に頭を乗せそのまま身体を預けてくる。
「あ~…その、何だ、少しだけだぞ?」
そんなクズハの態度に、俺は嬉しくないない訳ではないのだが、正直、こう言う行為は他の嫁~ズにしてみれば、こんな些細な事でも『抜け駆け』となる事がある。
その為、クズハがした事がバレた場合、他の嫁~ズにもしなければいけなくなるのだ。
そして、この手の事は100%バレる事となる…何せ、本人が幸せそうに自慢するのだから、当然、バレるに決まっている。
そんな訳で、クズハに肩を貸したなら、他の嫁~ズにも貸さなければいけなくなった訳だが、それ位なら問題がない。
ただ、それは置いておくとして、もう少しで村に辿り着くと言う距離まで近づいた時、俺は異変に気が付いた。
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もちろん、それらの反応は小動物や魔物の反応ではない。
明らかに、俺達と同じ人族の反応である。
「…どう言う事なんだ?」
村の中から感じた生命反応は、数で言えば13人程度の小規模なのだが、その反応が、こちらに敵意を持っていれば、自ずと警戒するのも当然の事。
まぁ、今となっては、魔王を倒した俺達に怖い物はないのだが、それでも油断は大敵な訳で…。
俺は、嫁~ズに警戒を促すと、そのまま村の中へと馬車を走らせていく。
そして、そこで見た物は…。
無残にも粉々に砕かれた魔神教団の人達だった物と、ファナル砦で別れたはずの人達であった…。
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