~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

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~第七章:魔神復活編~

385ページ目…ラストバトル【2】

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「それじゃ…何だ、勇者の台詞じゃないが…死んで後悔しろ!」

 自分で思っていた以上に怒りに支配されている様で、正直、口調がかなり酷い。
 だが、それでも悪いとは思わないのは傲慢だろうか?。
 そもそも、相手は自分と同じ世界から転生して来た者であり、自称とは言え、天才詐欺師なのだ。

 しかも、魔王の魂を内に秘めている所為か、俺のプリンを欲すると言う暴挙。
 だが、それでもエギンの身体である所為か、プリンの態度が気に食わなかったらしく俺の・・プリンを殺そうとまでした。
 下手をしたら愛する者の命を奪われていた…これで冷静にいろと言う方が無理があるのではないだろうか?

〔ご主人様、怒ってくれるのは嬉しいのですが、お気を付けて下さい。
 ああ見えても、かなり強いです。〕
〔だ、大丈夫です、ご主人様は負けません!〕

 心配するプリンに対し、クズハが根拠もなく大丈夫だと告げる。
 まぁ、俺が言うのも何だが、クズハは俺を盲目的に信用するのは程々にしておく様に。

〔ですが、相手は御主人様の能力ステータスを上乗せしてるんですよね?〕
〔主、魔王より弱い?〕

 そう、魔王の魂を奪われている為、〖魔王化〗…更には魔神化する事も出来ないのだ。
 故に、今の俺のステータスだけで言えば、勝てる可能性は、かなり低いのでは無いだろうか?
 だが、単純にステータスが高ければ勝てるなんて事はなく、やり様によっては、いくらでも手はある。

 何故なら元の世界に戻り、後輩と話した事で、一つ思い出した事もある。
 まぁ、黒歴史の一部なので、あまり触れたくは無いのだが…。

 それは、中二病を患っている時に『七つの大罪』に対して考えていた時の事である。
 もし、魔王と言う存在が、『七つの大罪』を全て秘めていた場合、如何に倒すかと言う事である。
 そこで中二病を患っていた俺達が考え出したのが七支刀しちしとうを基にした武器である。

 その頃の俺達は、同じ読みでも文字を変える事で、違う物にするのを楽しんでいた。
 その為、七支刀と言う文字を『七死刀』と言ってみたりもした。
 その中で、にはを…と言う話になり、考え出された武器…それが今から使おうとしている武器だった。

「出でよ、神剣『七天罰刀しちてんばっとう』!」

 新たに手に入れた〖神剣召喚〗、それが〖森羅万象〗を結びつく事でさらなる力を発揮する。
 その結果、自分の考えた神剣を喚び出す能力へと変化した事により、ネタ武器だった物が現実になる。

 その巫山戯ふざけたネタ武器の性能は、七つの大罪に対し、七つの天罰を与える力のある剣である。
 その為、七つの大罪全てを所持する魔王にとって、この武器は正しく天敵となって魔王にダメージを与える事だろう。

「何だ?その変な武器はッ!?」
「変とは失礼な…そりゃ確かに、少し…いや、かなり変な形はしてるかもしれんが、お前を倒す剣だ!」

 俺はそう言うと、俺は横一線よろしく、七天罰刀を振りぬく
 それだけで七色の斬撃が魔王へ向けて放たれる。

「ぐわぁぁぁぁぁ!」

 微かに掠っただけなのに、魔王が苦痛の声を上げる。
 考えてみれば、エギンは魔王として転生したが、魔族を従える能力があった所為で、まともに戦う事など無かったのでないだろうか?
 しかも、下手に能力がある分、ダメージを受ける事も無かったはずだ。
 だとしたら、元の世界も含めて、痛みに対してそれほど免疫がないのかもしれない。

「何だか、お前をまともに相手するの馬鹿らしくなってきたな…。」
「な、何だと貴様!真の魔王である俺様に向かって、その口の利き方は何だ!」

 そう言って立ち上がる魔王エギン…だが、そんな言葉も、ふらつきながらでは威厳も何もあったものではない。
 むしろ、魔王の肩書に振り回されているだけの様に思えて、哀れである。

「あ~、もう良いよ…もう、白けた。
 本当はプリン達の分も纏めて返すつもりだったけど、さっさと勝負決める事にしよう。」

 そう言うと、俺は『禁じ手・・・』を使うのだった…。
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