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~第七章:魔神復活編~
375ページ目…魔王登場
しおりを挟む 結局の所、長い通路は無限ループではないみたいで、召喚魔法による空間への干渉は失敗に終わった。
もっとも、召喚魔法自体は、ある意味では成功しているのだが別の意味で大失敗だった。
「何はともあれ、進むしかないか…。」
「そうですね…。」
延々と、只、一直線に進む通路しかないが、道はそれしかない。
なので、意を決して先に進む事を選択し、再び走り出した僕達…だが、そんな苦労も、突如、予想外の展開で終わりを迎える事となる。
「なッ!?」
驚くのも無理はない。
何故なら、前方に見えていた景色が、いきなり代わり別の物に変わり、目の前には大きな扉が顕れたのだから…。
しかも、後ろを振り返っても、今まで走ってきた風景は何もなく、今まで見た事のない禍々しい光景が広がっていた。
「…もしかして、この魔王城自体、ダンジョンだったりするのか?」
何となくではあるが、僕のダンジョンと同じ様な感覚がある。
そう考えれば、先程までの不思議な事も全て納得がいく。
何故なら、ダンジョンであるなら、ダンジョンマスターの意思で階層の組み換えが出来るのだから…。
とは言え、通路が終わり目の前に顕れた扉が意味する物とは…。
「とうとう、魔王と御対面…ですか?」
「あぁ、たぶん…な。」
問題は、相手の出方である。
某ゲームみたいに、玉座にどっしりと座って僕達を出迎えるのか、それとも…扉を開けた瞬間、強力な魔法で一掃しようとしてくるのか…。
どちらにしろ、相手が魔王であるのなら一筋縄ではいかないはずである。
『ギ、ギギィーーー。』
不気味な音を立てながら、扉が開いていく…。
幸いながら、扉を開けた瞬間に攻撃が飛んでくる事はなかった…が、そこで僕達が見た物に驚きを隠せなかった…。
「こ、子供ッ!?」
何と、玉座にどっしりと座り待ちかまえていたのは、見た目的に、まだ10歳くらいの子供だったのだ。
「ご主人様、アレから、凄い魔力を感じます!」
そう言われて、慌ててもう一度、子供を見る。
そして、〖神眼〗が移し出した情報は…。
◆◇◆◇◆◇◆
名前:エギン
種族:魔王 (転生者)
Lv:99
HP:9999/9999 MP:9999/9999 SP:9999/9999
攻撃力:999 防御力:999 魔法力:999 素早さ:999
◆◇◆◇◆◇◆
正直な話、色々と突っ込みたい事が多い。
特に突っ込みたかったのは、レベルやHPなどが全て『9』で埋まってると言う事だ。
しかしながら、この世界のレベルやHPなどは、この数値以上に増えるのは確認済みだし、僕自身、〖魔王化〗した場合、その能力値が10倍近くに跳ね上がる。
更に言うなら、プリンとの〖融合〗…〖魔神化〗すれば、もっと強くなる。
にも関わらず、この魔王のステータスは、ハッキリ言って異常だ。
何か、秘密があるのではないだろうか?
だが、〖神眼〗で見れた情報はコレだけ…スキルとか魔法に関しては、一切の情報が見えなかった。
つまり、何らかの力が働き、情報を遮断しているのか、もしくは、本当にこれだけの能力なのか…。
まぁ、常識的に考えて、おそらく前者だろう。
アレだけ強力な魔族を従えるのに、たった、これだけのステータスで魔族達を支配出来るとは思えないからだ。
「ご主人様、どうしますか?」
動揺していた僕を心配する様にプリンが聞いてくる。
「そ、そうだな…一先ず、僕が〖魔王化〗して様子を見る。
プリンは巻き込まれない様に、下がっていてくれ。」
僕はそう言うと、意識を集中させ〖魔王化〗を発動…。
「お兄さん、待ってよ…まずは僕とお話ししようよ?」
…させる事が出来なかった。
この世界に来てから、久しぶりに聞く言葉…翻訳された言葉ではなく、使い慣れていた言葉で話し掛けられた言語は、間違いなく日本語である。
「は、話だって!?」
「うん、だって…お兄さんも日本人なんでしょ?」
それは、一部の人にしか話していない、秘密の事だった。
そして、先程見たステータス…そこには、確かに転生者の文字が…。
その事から導き出される結論は…彼もまた、僕と同じ日本人…だったと言う事である。
「そう言う君は?」
「僕も日本人だよ?名前は形代 明。
そして、この世界で魔王なんて役をやらされている。」
…その言葉に絶句する。
どうやら彼は、この世界をゲームだと思っている様だ。
だが、その言葉が、何故かしっくりくる…そう、ステータスがオール9だったりしたのも、ゲームを連想させる。
つまり、彼はこの世界を現実の世界だと思っていないのだ。
「こ、この世界は、現実なんだ…みんな生きているんだぞ?」
自分でも、何故、こんな事を言ったのか分からない…だが、言わずにはいられなかった。
「何言ってるの、お兄さん…これはゲームだよ?
だって、そうじゃなきゃ、僕が魔王なんてあり得ないじゃないか!
それに、倒した魔物は、みんな消滅えて無くなるんだよ?
これが現実だったら死体だって残るじゃないか!
あの日、母さんが死んだ時だって、死体は残ってたんだよ!」
彼の言う『あの時』…と、言うのは僕には分からない。
だが、おそらく彼の前世では、彼はお母さんの死体を見た事があるのだろう。
だからこそ、この世界で死んだ者が消滅えて無くなる事を現実だと受け止める事が出来ないのかもしれない…。
故に、彼は…。
「もう一度言う…この世界は現実だ。
だから、もう、こんな事は止めるんだ!」
「あはは…僕だって止めようとしたよ?でも、ログアウトのボタンが何処にも無いんだ。
だったら、好き勝手遊んで何が悪いんだ?
それにね?お兄さんを倒して、その中の魂の欠片?ってのを手にれたら、僕はログアウト出来るって、頭の中に声が聞こえるんだ。
だからさ、お兄さん、僕に魂の欠片を頂戴ッ!」
その言葉が引き金となり、突如として戦闘が開始される。
先程、話し掛けられた事で〖魔王化〗するタイミングを逃し戦闘準備が整っていない僕に、魔王が一気に距離を詰めてくる。
だが、それでも…まだ彼が本気では無いのか、僕とのステータスの差なのか対処出来ない速度ではない。
故に、何とか初撃を躱し、距離を取る事に成功する。
そして…今度こそ、〖魔王化〗を発動するのだった…。
もっとも、召喚魔法自体は、ある意味では成功しているのだが別の意味で大失敗だった。
「何はともあれ、進むしかないか…。」
「そうですね…。」
延々と、只、一直線に進む通路しかないが、道はそれしかない。
なので、意を決して先に進む事を選択し、再び走り出した僕達…だが、そんな苦労も、突如、予想外の展開で終わりを迎える事となる。
「なッ!?」
驚くのも無理はない。
何故なら、前方に見えていた景色が、いきなり代わり別の物に変わり、目の前には大きな扉が顕れたのだから…。
しかも、後ろを振り返っても、今まで走ってきた風景は何もなく、今まで見た事のない禍々しい光景が広がっていた。
「…もしかして、この魔王城自体、ダンジョンだったりするのか?」
何となくではあるが、僕のダンジョンと同じ様な感覚がある。
そう考えれば、先程までの不思議な事も全て納得がいく。
何故なら、ダンジョンであるなら、ダンジョンマスターの意思で階層の組み換えが出来るのだから…。
とは言え、通路が終わり目の前に顕れた扉が意味する物とは…。
「とうとう、魔王と御対面…ですか?」
「あぁ、たぶん…な。」
問題は、相手の出方である。
某ゲームみたいに、玉座にどっしりと座って僕達を出迎えるのか、それとも…扉を開けた瞬間、強力な魔法で一掃しようとしてくるのか…。
どちらにしろ、相手が魔王であるのなら一筋縄ではいかないはずである。
『ギ、ギギィーーー。』
不気味な音を立てながら、扉が開いていく…。
幸いながら、扉を開けた瞬間に攻撃が飛んでくる事はなかった…が、そこで僕達が見た物に驚きを隠せなかった…。
「こ、子供ッ!?」
何と、玉座にどっしりと座り待ちかまえていたのは、見た目的に、まだ10歳くらいの子供だったのだ。
「ご主人様、アレから、凄い魔力を感じます!」
そう言われて、慌ててもう一度、子供を見る。
そして、〖神眼〗が移し出した情報は…。
◆◇◆◇◆◇◆
名前:エギン
種族:魔王 (転生者)
Lv:99
HP:9999/9999 MP:9999/9999 SP:9999/9999
攻撃力:999 防御力:999 魔法力:999 素早さ:999
◆◇◆◇◆◇◆
正直な話、色々と突っ込みたい事が多い。
特に突っ込みたかったのは、レベルやHPなどが全て『9』で埋まってると言う事だ。
しかしながら、この世界のレベルやHPなどは、この数値以上に増えるのは確認済みだし、僕自身、〖魔王化〗した場合、その能力値が10倍近くに跳ね上がる。
更に言うなら、プリンとの〖融合〗…〖魔神化〗すれば、もっと強くなる。
にも関わらず、この魔王のステータスは、ハッキリ言って異常だ。
何か、秘密があるのではないだろうか?
だが、〖神眼〗で見れた情報はコレだけ…スキルとか魔法に関しては、一切の情報が見えなかった。
つまり、何らかの力が働き、情報を遮断しているのか、もしくは、本当にこれだけの能力なのか…。
まぁ、常識的に考えて、おそらく前者だろう。
アレだけ強力な魔族を従えるのに、たった、これだけのステータスで魔族達を支配出来るとは思えないからだ。
「ご主人様、どうしますか?」
動揺していた僕を心配する様にプリンが聞いてくる。
「そ、そうだな…一先ず、僕が〖魔王化〗して様子を見る。
プリンは巻き込まれない様に、下がっていてくれ。」
僕はそう言うと、意識を集中させ〖魔王化〗を発動…。
「お兄さん、待ってよ…まずは僕とお話ししようよ?」
…させる事が出来なかった。
この世界に来てから、久しぶりに聞く言葉…翻訳された言葉ではなく、使い慣れていた言葉で話し掛けられた言語は、間違いなく日本語である。
「は、話だって!?」
「うん、だって…お兄さんも日本人なんでしょ?」
それは、一部の人にしか話していない、秘密の事だった。
そして、先程見たステータス…そこには、確かに転生者の文字が…。
その事から導き出される結論は…彼もまた、僕と同じ日本人…だったと言う事である。
「そう言う君は?」
「僕も日本人だよ?名前は形代 明。
そして、この世界で魔王なんて役をやらされている。」
…その言葉に絶句する。
どうやら彼は、この世界をゲームだと思っている様だ。
だが、その言葉が、何故かしっくりくる…そう、ステータスがオール9だったりしたのも、ゲームを連想させる。
つまり、彼はこの世界を現実の世界だと思っていないのだ。
「こ、この世界は、現実なんだ…みんな生きているんだぞ?」
自分でも、何故、こんな事を言ったのか分からない…だが、言わずにはいられなかった。
「何言ってるの、お兄さん…これはゲームだよ?
だって、そうじゃなきゃ、僕が魔王なんてあり得ないじゃないか!
それに、倒した魔物は、みんな消滅えて無くなるんだよ?
これが現実だったら死体だって残るじゃないか!
あの日、母さんが死んだ時だって、死体は残ってたんだよ!」
彼の言う『あの時』…と、言うのは僕には分からない。
だが、おそらく彼の前世では、彼はお母さんの死体を見た事があるのだろう。
だからこそ、この世界で死んだ者が消滅えて無くなる事を現実だと受け止める事が出来ないのかもしれない…。
故に、彼は…。
「もう一度言う…この世界は現実だ。
だから、もう、こんな事は止めるんだ!」
「あはは…僕だって止めようとしたよ?でも、ログアウトのボタンが何処にも無いんだ。
だったら、好き勝手遊んで何が悪いんだ?
それにね?お兄さんを倒して、その中の魂の欠片?ってのを手にれたら、僕はログアウト出来るって、頭の中に声が聞こえるんだ。
だからさ、お兄さん、僕に魂の欠片を頂戴ッ!」
その言葉が引き金となり、突如として戦闘が開始される。
先程、話し掛けられた事で〖魔王化〗するタイミングを逃し戦闘準備が整っていない僕に、魔王が一気に距離を詰めてくる。
だが、それでも…まだ彼が本気では無いのか、僕とのステータスの差なのか対処出来ない速度ではない。
故に、何とか初撃を躱し、距離を取る事に成功する。
そして…今度こそ、〖魔王化〗を発動するのだった…。
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