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~第七章:魔神復活編~
344ページ目…仮説とクズハの異変【2】
しおりを挟む プリンに言われるまま、僕はクズハの尻尾の付け根へと顔を近付けていく。
すると、当然と言えば当然だが、クズハの大事な部分が、もろに見えてしまう。
とは言え、その様子を見てプリンがニヤニヤ笑っているが、今は恥ずかしがっている場合ではない。
そちらに意識が向かない様に、注意しながら、僕はクズハの言っている違和感の部分を見た。
〖神眼《しんがん》〗…それは僕の持つ特殊能力の一つである。
簡単に言うと、物の本質を見極めたり出来る不思議な能力である。
その為、鑑定やらステータスチェックなどの他に、物の価値やらを見極める事が出来るチート能力でもある。
まぁ、それ以外にも一定距離内であれば建物までの距離まで見える千里眼に似た能力まで併せ持つ、何とも不思議なスキルでもある。
ちなみに、使用するのに条件はなく便利ではあるが、ずっと使っていると手に入る情報が多すぎて頭がパンクしそうになったり、目が疲れたりする為、普段は〖神眼〗を使用しない様に意識している。
何はともあれ、見やすい様に左手でクズハの尻尾を押さえつける様に持ちながら、マジマジで確認をした。
で、そんな凄い能力で見たにも関わらず、僕の目には一切の異変を感じる事が出来なかった。
「う~ん…特に異常は見られないんだけど…具体的に、どんな感じなのかな?」
僕が見ても分からないのだから、これはもう本人に確認するしかない。
そう思った僕は、クズハに聞く事になったのだが…。
「は、はい…ご、ご主人様に見られて、クズハの…ア、アソ…。」
「クズハ、ストップッ!!」
「えッ?えッ!?」
何となく嫌な予感がしてクズハに続きの言うのを止めさせる。
おそらく、あのまま台詞を言わせていたら、とんでもない事になりそうな予感がしたのだ。
こう言う時の、僕の予感は嫌なほど当たる。
そして、クズハは…普段しっかりしていそうで、かなり抜けている…。
もしも、僕の仮説が正しければ…僕は変態の烙印を押されそうだと思った。
「クズハ、もう一度聞くから、ちゃんと考えて答えてくれ。
クズハの感じる『異常』とは、どんな感じなのかな?」
「あッ!」
クズハは一言だけ呟くと、顔を真っ赤にさせる。
どうやら、先程の質問と、今回の質問の意味を間違って聞いていたのを理解したみたいだ。
「今度は、大丈夫か?」
「は、はい…大丈夫です…。
そ、それで、ですね…先程も言いましたが、森に入った時はまだ何もなかったのですが、今では尻尾の付け根当たりがムズムズする感じで、何だか気持ち悪いのです。」
「ふむ…だけど、僕が見た限りでは、異常はなかったと言う事か…。
と、なると…あと考えられる原因は…何だ?」
「わ、分かりません…ですが、確かにムズムズして気持ち悪いのは確かなんですが、何と言うか…。
ただ、その…悪い事ではないと思います。」
「そうなのか?」
「は、はい…なんて言うか…感覚的には、毛が生え替わる様な…そんな感じに似ているんです。」
確かに、クズハは獣人だ…と言う事は、種族によっては、獣と同じ様に定期的に季節によっては毛の生え替わりがある。
その為、獣の部分に生えている毛並みは、時期になると抜け落ちたりもする…特に尻尾が…。
それ故、クズハは時期になると、家の外で全ての尻尾を出して、ブラッシングして家の中に毛が散らない様にしている。
そう言う意味ではローラも一緒なのだが…ローラの場合、狼の姿に戻って、僕にブラッシングをさせる。
まぁ、ローラの毛の場合は、神獣であるフェンリルの毛と言う事で、素材になるのでありがたく使わせて貰ったりもするのだが…。
「って、ちょっと待たッ!!
毛の生え替わりの時期に似ているって言ってたよね?
クズハ、全部の尻尾を出してくれ!」
普段は一つの尻尾しか出していないクズハだが、今ではその数が8本まで増えている。
そして、種族として最高に成長した時。最大9本まで増えるのが、クズハの種族の特徴である。
もっとも、それほどの数の尻尾があると邪魔なのだが、任意で、出し入れが可能と言う事もあり、クズハは通常1本しか出していない。
僕は、そこに見落としがある様な気がした。
その故の指示である。
「は、はい!」
クズハは返事をすると、今まで隠していた尻尾を全部開放して、合計8本になる。
「よし…クズハ、もう一度、僕に尻尾を見せてくれ。」
「か、畏まりました…。」
クズハはそう言うと、僕にお尻を向け、尻尾の付け根を見やすい様にしてくれる。
もっとも、尻尾が8本もあると付け根部分が見えにくく、両手で掻き分ける様にしないと見えないのだが…。
時折、クズハから、『甘い声』や『ハァハァ』と言う息遣いが聞こえるが、それを無視する様に、僕は一心不乱に原因を探る。
「ど、どう…で…ウクッ…す…か?あ…ん…。」
乱暴に触られているからか、クズハの言葉が途切れ途切れになる。
「クズハ、辛いかも知れないけど、もう少し我慢してくれ!」
僕はそれだけ言うと、クズハの尻尾の付け根を念入りに見て回る。
「も、もう、らめ~~~ッ!」
クズハはそれだけ言うと、クテ~と前に倒れ込んでしまった。
だが、その瞬間、それが良かったのか絶妙な角度で『ソレ』を見付ける事が出来た。
「こ、これはッ!?」
そう…それはクズハの言っていた原因を発見した瞬間だったのだ…。
すると、当然と言えば当然だが、クズハの大事な部分が、もろに見えてしまう。
とは言え、その様子を見てプリンがニヤニヤ笑っているが、今は恥ずかしがっている場合ではない。
そちらに意識が向かない様に、注意しながら、僕はクズハの言っている違和感の部分を見た。
〖神眼《しんがん》〗…それは僕の持つ特殊能力の一つである。
簡単に言うと、物の本質を見極めたり出来る不思議な能力である。
その為、鑑定やらステータスチェックなどの他に、物の価値やらを見極める事が出来るチート能力でもある。
まぁ、それ以外にも一定距離内であれば建物までの距離まで見える千里眼に似た能力まで併せ持つ、何とも不思議なスキルでもある。
ちなみに、使用するのに条件はなく便利ではあるが、ずっと使っていると手に入る情報が多すぎて頭がパンクしそうになったり、目が疲れたりする為、普段は〖神眼〗を使用しない様に意識している。
何はともあれ、見やすい様に左手でクズハの尻尾を押さえつける様に持ちながら、マジマジで確認をした。
で、そんな凄い能力で見たにも関わらず、僕の目には一切の異変を感じる事が出来なかった。
「う~ん…特に異常は見られないんだけど…具体的に、どんな感じなのかな?」
僕が見ても分からないのだから、これはもう本人に確認するしかない。
そう思った僕は、クズハに聞く事になったのだが…。
「は、はい…ご、ご主人様に見られて、クズハの…ア、アソ…。」
「クズハ、ストップッ!!」
「えッ?えッ!?」
何となく嫌な予感がしてクズハに続きの言うのを止めさせる。
おそらく、あのまま台詞を言わせていたら、とんでもない事になりそうな予感がしたのだ。
こう言う時の、僕の予感は嫌なほど当たる。
そして、クズハは…普段しっかりしていそうで、かなり抜けている…。
もしも、僕の仮説が正しければ…僕は変態の烙印を押されそうだと思った。
「クズハ、もう一度聞くから、ちゃんと考えて答えてくれ。
クズハの感じる『異常』とは、どんな感じなのかな?」
「あッ!」
クズハは一言だけ呟くと、顔を真っ赤にさせる。
どうやら、先程の質問と、今回の質問の意味を間違って聞いていたのを理解したみたいだ。
「今度は、大丈夫か?」
「は、はい…大丈夫です…。
そ、それで、ですね…先程も言いましたが、森に入った時はまだ何もなかったのですが、今では尻尾の付け根当たりがムズムズする感じで、何だか気持ち悪いのです。」
「ふむ…だけど、僕が見た限りでは、異常はなかったと言う事か…。
と、なると…あと考えられる原因は…何だ?」
「わ、分かりません…ですが、確かにムズムズして気持ち悪いのは確かなんですが、何と言うか…。
ただ、その…悪い事ではないと思います。」
「そうなのか?」
「は、はい…なんて言うか…感覚的には、毛が生え替わる様な…そんな感じに似ているんです。」
確かに、クズハは獣人だ…と言う事は、種族によっては、獣と同じ様に定期的に季節によっては毛の生え替わりがある。
その為、獣の部分に生えている毛並みは、時期になると抜け落ちたりもする…特に尻尾が…。
それ故、クズハは時期になると、家の外で全ての尻尾を出して、ブラッシングして家の中に毛が散らない様にしている。
そう言う意味ではローラも一緒なのだが…ローラの場合、狼の姿に戻って、僕にブラッシングをさせる。
まぁ、ローラの毛の場合は、神獣であるフェンリルの毛と言う事で、素材になるのでありがたく使わせて貰ったりもするのだが…。
「って、ちょっと待たッ!!
毛の生え替わりの時期に似ているって言ってたよね?
クズハ、全部の尻尾を出してくれ!」
普段は一つの尻尾しか出していないクズハだが、今ではその数が8本まで増えている。
そして、種族として最高に成長した時。最大9本まで増えるのが、クズハの種族の特徴である。
もっとも、それほどの数の尻尾があると邪魔なのだが、任意で、出し入れが可能と言う事もあり、クズハは通常1本しか出していない。
僕は、そこに見落としがある様な気がした。
その故の指示である。
「は、はい!」
クズハは返事をすると、今まで隠していた尻尾を全部開放して、合計8本になる。
「よし…クズハ、もう一度、僕に尻尾を見せてくれ。」
「か、畏まりました…。」
クズハはそう言うと、僕にお尻を向け、尻尾の付け根を見やすい様にしてくれる。
もっとも、尻尾が8本もあると付け根部分が見えにくく、両手で掻き分ける様にしないと見えないのだが…。
時折、クズハから、『甘い声』や『ハァハァ』と言う息遣いが聞こえるが、それを無視する様に、僕は一心不乱に原因を探る。
「ど、どう…で…ウクッ…す…か?あ…ん…。」
乱暴に触られているからか、クズハの言葉が途切れ途切れになる。
「クズハ、辛いかも知れないけど、もう少し我慢してくれ!」
僕はそれだけ言うと、クズハの尻尾の付け根を念入りに見て回る。
「も、もう、らめ~~~ッ!」
クズハはそれだけ言うと、クテ~と前に倒れ込んでしまった。
だが、その瞬間、それが良かったのか絶妙な角度で『ソレ』を見付ける事が出来た。
「こ、これはッ!?」
そう…それはクズハの言っていた原因を発見した瞬間だったのだ…。
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