~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

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~第七章:魔神復活編~

343ページ目…仮説とクズハの異変【1】

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 アレから僕は『聖王都』での事件を思い出していた。
 そう、僕以外…過去に何人もの人が、この世界に迷う込んでいたと言う事を…。

 そして、そんな彼等は『零の使い魔』を名乗る一団と手を組み、この世界に害を為そうとしていた事を…。
 まぁ、その結果は『零の使い魔』を名乗る魔族を倒した事により終止符を打った訳なのだが…。

 そんな彼等の目的と言うのが、単純では有るが、実現するのが厳しいであろう『自分達の世界に戻りたい』と言う物だったのだ。
 結論だけ言えば、魔族に騙されていたとは言え、『魔王』を復活させれば元の世界に戻して貰えると唆されていたのだ。
 それでも、彼等にとっては、藁をも掴む思いだったのだろう。
 それに、彼等はこの世界の住人ではない。
 その為、彼等は、この世界がどうなっても良いと思ってしまったのかも知れない。

 その結果が、『聖王都』に蔓延る悪となって魔王を復活させようとしていたのだ。
 とは言え、そんな事とは関係なく魔王は、この地に復活した…。
 だが、復活した魔王は、彼女を捜す事なく世界を滅ぼそうとしている。
 しかも、自分の僕達しもべたちである魔族を使い捨てる形で…だ。

 だが、もし…その復活した魔王が、彼等と同じだったら?
 転移者、もしくは転生者…だと仮定するなら、話は変わってくるのではないだろうか?
 もし、そうであるならば…僕と同様に、自分の中に魔王・零の魂の一部がある事に気が付いても不思議ではない。
 そして、何かの拍子に、その魂の力を使える事を知ったなら…。

 いや、僕でさえファンタジーでありがちな事を実戦したりして、自分の能力を増してきたのだ。
 そして、それに気が付いた時、自分に力があると知ったなら…。
 今回の様な、暴走をしても何ら不思議ではない。

 ついでに言うのであれば…今の魔王が、『聖王都』の人達と同じ事を思い付いたのなら…。
 この世界が滅ぶ際の力を使い、元の世界に戻ろうと試みる可能性もあるのではないだろうか?
 コレが、先程考え付いた僕の仮説だ。

 とは言え、あくまでも仮説であって、実際に魔王と対決しない事には分からない。
 もっとも、魔王に聞いたとしても素直に答えるとは思えないが…。
 そんな中、僕はクズハの態度が気になった…。

 と言うのも、クズハが先程からお尻の辺りを気にしているのだ。

「なぁ、プリン…さっきからクズハはお尻の所ばかり気にしてないか?」
「そうなんですか?と言うか、ご主人様あなたはクズハのお尻ばかり見ていたのですか?」

 可笑しい…何やら、人聞きの悪い様な台詞に聞こえるのは何でなんだろう?

「プリンさん?僕が言ってるのはクズハの態度が気になったのであって、クズハのお尻が気になったのではありませんよ?」
「へ~…だったら、クズハのお尻に、まったく興味はないのですね?」

 真正面から、僕の目を見ながらプリンが聞いてくる。
 当然ながら、プリンの性格から考えると、その答えはイエスと言うしかない。

 しかし、クズハには柔らかいお尻と、プリンには無いモフモフの尻尾がある。
 それを興味ないとは流石に言い切れないのは仕方のない事。
 その為、つい、プリンから視線を外してしまった…その次の瞬間…。

「ギルティ!」

 プリンから放たれるは、強力な触手のソレを…僕はそっと軽く後ろに飛んでダメージを拡散させる。
 下手にこんな物を直撃したら気絶してしまう。
 そうでなくても、予想外の出来事で僕達は無駄に時間を使ってるのだから…。

 そんな訳で、衝撃を逃がした…までは良かったのだが、その跳んだ位置が悪かった。
 何と、そこにはクズハが居たのだ。

「避けろ、クズハ!」
「えッ!?」

『ドシャッ!』

 叫ぶが早いか、ぶつかるが早いか…僕とクズハはぶつかって倒れてしまう。
 僕は慌てて立ち上がろうとして、右手で地面を押して立ち上がろうとする。

『むにゅ♪』

 だが、右手に伝わる感触は硬い地面の感触ではない。
 何やら柔らかく…それでいて、僕の手に吸い付いてくる様な感触。
 思わず、僕はその感触を確かめる為に、何度も手を動かした。

『むにゅ、むにゅ、むにゅ♪』

「あ、あん…ご主人様あなた♪」

 直ぐ近くから聞こえるクズハの声…しかも、微かに色気を含む上擦った声…。
 ここで、ようやく自分が何を触っているのかを理解する。
 もちろん、それは硬い大地などではない…それなら?
 その答えは、クズハの甘い声で分かると言う物…そう、クズハの胸である。

 やってしまった…そう思った僕は、慌てて飛び起きる。
 そして、クズハの姿を確認して、僕は一瞬、動きが止まる。
 そこには、着物がはだけ呼吸を荒くするクズハの姿が見えた。
 しかも、クズハの大事な部分には何の障害物モザイクもない、一糸纏わぬ姿で横たわっていたのだ。

「ご、ごめんッ!!クズハッ!大丈夫?」
「は、はい、私は大丈夫です。」
「そ、そっか、それなら良かった…。
 でも、正直、その格好は、どうかと思うんだけど…。」
「す、すいません…基本的に、着物の下は何も付けないのが正しい着こなしでしたので、つい…。」
「い、いや、僕の方こそ…って、それは一旦、置いておくとして…。
 さっきから、お尻の方を気にしていた様だけど…何かあったのかな?」

 どうせ、既にグダグダなのだから、勢いに任せて聞いてみた。

「そ、それなんですけど…先程から、妙にお尻がムズムズするんです。
 いえ、正確には、尻尾の付け根と言った方が正しいのですが…。」

 そう言われて、僕は改めてクズハのお尻の方を見ようとする。
 だけど、流石に此処でマジマジと見る訳にはいかないので、僕はグッと我慢する。

「プリン、ちょっと来てくれ!」
ご主人様あなた、どうかしました?」

 僕を吹き飛ばしたプリンが5m程離れた距離を早歩きで寄ってくる。

「悪いんだけど、クズハの尻尾の付け根の所を見てやってくれないか?」
「えぇ、了解です。」

 僕の要望に、プリンは直ぐにクズハの尻尾の付け根を確認する。
 コレが僕だったら、青空の下、お尻に顔を近付ける…と言う行為から変態と呼ばれても可笑しくなかったかも知れない
 まぁ、プリンならば女の子同士と言う事で、問題はないだろう…たぶん…。

「ど、どうですか?何か変な事になって無いですか?」
「特に、コレと言って何も…ご主人様なら、もっと良く見て・・くれると思うけど…。」

 そう言って、プリンはニヤニヤしながら僕の方を見る。
 まったく…相変わらず、この手の悪戯を仕掛けてくるな…。

「はいはい、見れば良いんでしょ見れば…。」

 下手をすれば変態確定だと言うのに、プリンのヤツは…。
 それでも僕は、溜息を付きつつも、クズハの尻尾の付け根へと顔を近付けていくのだった…。
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