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~第七章:魔神復活編~
340ページ目…夢?
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風呂から上がった僕達は、すぐにご飯を食べた。
もっとも、すぐにご飯を食べれる様になっていたのは、家の掃除を終えたクズハとアリスが、自分達のお風呂を後回しして作ってくれたお陰なのだが…。
まぁ、昨日は色々あって、まともなご飯が食べれなかったからね。
その所為か、ローラはいつも以上に食べてしまい、今では食い過ぎて動けなかったりする。
つい『獣かッ!』ってツッコミそうになったが、実際に、獣なので仕方がないと諦めた。
「とは言え、本当なら今頃は魔族領で色々と戦ってる頃なんだよな…。」
禁術だけではなく大怪我を負った所為で、家に戻ってきて休んでるとは言え、砦に残っている者達の事を考えると、少々、申し訳ない気がする。
だからと言って、魔族との戦い全てを僕が背負う必要はないんだけど…ね。
「ご主人様、何か考え事ですか?」
そんな事を、誰もいないはずのリビングで考えていたら、プリンに声を掛けられてビクッとする。
いったい、いつから居たのだろう?
まぁ、今まで居なかったと考えるのが無難なので、考え事に集中しすぎていたのかもしれない…。
「あ~…うん、ちょっと、これからの事を…ね。
そう言うプリンは、うかない顔して、どうしたの?」
「あのッ!…いえ、何でもありません…。」
「いやいやいや、今の、絶対何か言おうとしたよね?
そんな態度取られて何でもないって言われても、信じられないって!
いったい、何があったんだ?」
「いえ、本当に何も…ちょっと、夢見が悪かっただけなんです…。」
プリンはスライムである…その為、基本的には睡眠などと言う物は必要としない。
そして、今までプリンが見た事のある夢とは…以前、自分の死を予感した時の夢…。
もっとも、プリン自身、復活の可能性に賭けて、準備万端にしたお陰で、なんとかギリギリの所で生き返る事が出来たのだ。
そんなプリンが、夢見が悪いと言ったのなら、『はい、そうですか』と納得する訳にはいかないであろう。
「プリン、いったい、どんな夢を見たんだい?
それとも、また僕にも言えない事なのかな?」
「い、いえ…その様な事は…ご主人様になら今穿いてる下着の色だって教える事が出来ます!」
うん、知ってる…そもそも、プリンなら下着だけじゃなく、その下の裸体すら喜んで見せてくるからね。
だけど、今、僕が知りたいのはプリンの下着の色などではない。
あ…いや、そりゃ、ちょっとは興味はあるが…とは言え、今は、夢の話が優先事項だ。
「だったら、どんな夢を見たのかな?」
夢の内容を知っていれば、もしかしたら回避出来るかも知れない。
「それは…その…。」
「プリン、もし話し難い内容なら、〖魔神化〗でも良いんだぞ?」
そうすれば、プリンの記憶も僕と一緒になるんだから…。
「いえ、話します…話させて下さい!」
「うん、分かった…それじゃ、話してくれ。」
そう告げると、僕はプリンをジッと見つめ、プリンの言葉を待つのだった…。
◇◆◇◆◇◆◇
「………と、言う訳なんです。
ですから、ご主人様…この戦い、もう、辞めませんか?
どこか遠くに…遠く離れた安全な場所に逃げませんか?」
「魔王と戦うと僕が居なくなる…か。
確かに、魔王と戦う以上、危険は存在する…いや、魔王以外でも戦うって事は、常に危険は隣り合わせだ。
だけど、だからと言って、僕達だけ逃げて良い訳じゃない。
いや、そうじゃない…むしろ、零とその彼女の魂を持つ僕達だからこそ、この戦いを終わらせなければいけないだと思うんだ…。」
「そ、そうですよね…。」
プリンが俯いて、萎れた花の様に頭を垂れる。
その姿を見て、僕は寂しさを感じた。
「そ、それに…さ、僕は死ぬんじゃなく居なくなる…だよね?
だったら、どんな手段を使ってでも、僕は絶対にプリン君の元に戻ってくる、約束だッ!!
あ…もちろん、プリンだけじゃなく、みんなの元に…ね?」
僕は、慌てて訂正をする…そうしないと、嫉妬した他の嫁~ズが奇襲攻撃を仕掛けてきそうだと思ったからだ。
だが、それを言うには、少しタイミングが遅かった。
「はい、もちろん分かってますよ、あ・な・た♪」
プリンはそう言うと、トロ~ンとした目で僕に飛び付いて来る。
最初、僕が『プリンの元に』と、プリン限定》で言ってしまった為、プリンのテンションが上がってしまった様だ。
「プ、プリンさん、ちょっと待とうか…ね?」
「ダ~メ、もう我慢出来なくなっちゃいましたから♪」
「いや、だけど、流石にリビングは不味いってば…。」
そう、ここはリビングなのだ…と、言う事は、普段、人が集まる場所だと言う事。
そんな場所で、プリンとのバトルに発展した場合、その声を聞きつけ必ず援軍が来る。
もちろん、その援軍とは僕の援軍などではなく、僕を討ち取ろうとする敵軍の…だ。
「そうは言っても、身体は正直ですよ?」
「だ、だから…そんな場所、触るんじゃないありません!」
既に瓦礫と化している理性で最後の反撃を試みる…が、
「もぅ…そんな事言う、お口はチャックしちゃいます♪」
「え?何を…モガッ!?」
プリンの顔が近付いたと思ったら、僕の口をプリンの口が塞ぐ。
その際、プリンの身体から、何故か甘いリンゴの様な匂いがした。
あぁ、そう言えば、新しい石鹸を買ったんだっけ…。
僕はその匂いに『あぁ、プリンは何て愛おしいんだろう…。』と思ってしまった。
そして、そう思った瞬間、僕の身体から抵抗する力が失われる…。
「し、しまったッ!あ、あぁ~~~~~ッ!!」
僕は慌てて再び抵抗を試みる…が、時既に遅し…。
僕はプリンに一方的に攻撃される事になってしまったのだった…。
え?敵の援軍はどうなったか…だって?
そんなの、言わなくても分かるでしょ?
何せ…朝方、干からびた僕がリビング転がっていたのだから…。
もっとも、すぐにご飯を食べれる様になっていたのは、家の掃除を終えたクズハとアリスが、自分達のお風呂を後回しして作ってくれたお陰なのだが…。
まぁ、昨日は色々あって、まともなご飯が食べれなかったからね。
その所為か、ローラはいつも以上に食べてしまい、今では食い過ぎて動けなかったりする。
つい『獣かッ!』ってツッコミそうになったが、実際に、獣なので仕方がないと諦めた。
「とは言え、本当なら今頃は魔族領で色々と戦ってる頃なんだよな…。」
禁術だけではなく大怪我を負った所為で、家に戻ってきて休んでるとは言え、砦に残っている者達の事を考えると、少々、申し訳ない気がする。
だからと言って、魔族との戦い全てを僕が背負う必要はないんだけど…ね。
「ご主人様、何か考え事ですか?」
そんな事を、誰もいないはずのリビングで考えていたら、プリンに声を掛けられてビクッとする。
いったい、いつから居たのだろう?
まぁ、今まで居なかったと考えるのが無難なので、考え事に集中しすぎていたのかもしれない…。
「あ~…うん、ちょっと、これからの事を…ね。
そう言うプリンは、うかない顔して、どうしたの?」
「あのッ!…いえ、何でもありません…。」
「いやいやいや、今の、絶対何か言おうとしたよね?
そんな態度取られて何でもないって言われても、信じられないって!
いったい、何があったんだ?」
「いえ、本当に何も…ちょっと、夢見が悪かっただけなんです…。」
プリンはスライムである…その為、基本的には睡眠などと言う物は必要としない。
そして、今までプリンが見た事のある夢とは…以前、自分の死を予感した時の夢…。
もっとも、プリン自身、復活の可能性に賭けて、準備万端にしたお陰で、なんとかギリギリの所で生き返る事が出来たのだ。
そんなプリンが、夢見が悪いと言ったのなら、『はい、そうですか』と納得する訳にはいかないであろう。
「プリン、いったい、どんな夢を見たんだい?
それとも、また僕にも言えない事なのかな?」
「い、いえ…その様な事は…ご主人様になら今穿いてる下着の色だって教える事が出来ます!」
うん、知ってる…そもそも、プリンなら下着だけじゃなく、その下の裸体すら喜んで見せてくるからね。
だけど、今、僕が知りたいのはプリンの下着の色などではない。
あ…いや、そりゃ、ちょっとは興味はあるが…とは言え、今は、夢の話が優先事項だ。
「だったら、どんな夢を見たのかな?」
夢の内容を知っていれば、もしかしたら回避出来るかも知れない。
「それは…その…。」
「プリン、もし話し難い内容なら、〖魔神化〗でも良いんだぞ?」
そうすれば、プリンの記憶も僕と一緒になるんだから…。
「いえ、話します…話させて下さい!」
「うん、分かった…それじゃ、話してくれ。」
そう告げると、僕はプリンをジッと見つめ、プリンの言葉を待つのだった…。
◇◆◇◆◇◆◇
「………と、言う訳なんです。
ですから、ご主人様…この戦い、もう、辞めませんか?
どこか遠くに…遠く離れた安全な場所に逃げませんか?」
「魔王と戦うと僕が居なくなる…か。
確かに、魔王と戦う以上、危険は存在する…いや、魔王以外でも戦うって事は、常に危険は隣り合わせだ。
だけど、だからと言って、僕達だけ逃げて良い訳じゃない。
いや、そうじゃない…むしろ、零とその彼女の魂を持つ僕達だからこそ、この戦いを終わらせなければいけないだと思うんだ…。」
「そ、そうですよね…。」
プリンが俯いて、萎れた花の様に頭を垂れる。
その姿を見て、僕は寂しさを感じた。
「そ、それに…さ、僕は死ぬんじゃなく居なくなる…だよね?
だったら、どんな手段を使ってでも、僕は絶対にプリン君の元に戻ってくる、約束だッ!!
あ…もちろん、プリンだけじゃなく、みんなの元に…ね?」
僕は、慌てて訂正をする…そうしないと、嫉妬した他の嫁~ズが奇襲攻撃を仕掛けてきそうだと思ったからだ。
だが、それを言うには、少しタイミングが遅かった。
「はい、もちろん分かってますよ、あ・な・た♪」
プリンはそう言うと、トロ~ンとした目で僕に飛び付いて来る。
最初、僕が『プリンの元に』と、プリン限定》で言ってしまった為、プリンのテンションが上がってしまった様だ。
「プ、プリンさん、ちょっと待とうか…ね?」
「ダ~メ、もう我慢出来なくなっちゃいましたから♪」
「いや、だけど、流石にリビングは不味いってば…。」
そう、ここはリビングなのだ…と、言う事は、普段、人が集まる場所だと言う事。
そんな場所で、プリンとのバトルに発展した場合、その声を聞きつけ必ず援軍が来る。
もちろん、その援軍とは僕の援軍などではなく、僕を討ち取ろうとする敵軍の…だ。
「そうは言っても、身体は正直ですよ?」
「だ、だから…そんな場所、触るんじゃないありません!」
既に瓦礫と化している理性で最後の反撃を試みる…が、
「もぅ…そんな事言う、お口はチャックしちゃいます♪」
「え?何を…モガッ!?」
プリンの顔が近付いたと思ったら、僕の口をプリンの口が塞ぐ。
その際、プリンの身体から、何故か甘いリンゴの様な匂いがした。
あぁ、そう言えば、新しい石鹸を買ったんだっけ…。
僕はその匂いに『あぁ、プリンは何て愛おしいんだろう…。』と思ってしまった。
そして、そう思った瞬間、僕の身体から抵抗する力が失われる…。
「し、しまったッ!あ、あぁ~~~~~ッ!!」
僕は慌てて再び抵抗を試みる…が、時既に遅し…。
僕はプリンに一方的に攻撃される事になってしまったのだった…。
え?敵の援軍はどうなったか…だって?
そんなの、言わなくても分かるでしょ?
何せ…朝方、干からびた僕がリビング転がっていたのだから…。
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