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~第七章:魔神復活編~

339ページ目…一時帰宅

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「いや~、やっぱり我が家が一番だね~。」

 ローラの所為で大怪我を負った僕を心配した嫁~ズの面々に言われ、僕達は一時帰宅する事になった。
 とは言っても、怪我自体は既に治っているので心配はいらない。
 だが、残念ながら失った血までは戻らないので、安静にしておくのは仕方がない。
 もっとも、エリクサーまで飲んでいるので、おそらく、失った血まで復活していると思うのだが、どうにもフラ付く為、大事を取って帰って来たのだ。
 もっとも、それ以外の大事な理由もあるのだが…。

 とは言え、バカ正直に来た道を同じ時間掛けて戻って来た訳ではない。
 そこは、ほら…行った場所なら瞬時に行けると言う、どこでも○ア…もとい、〖空間転移ゲート〗と呼ばれる便利な魔法がある。
 そのお陰で消費したのは魔力のみ、それほど労力を使った訳ではなく疲れもそれほどない。
 それに、消費した魔力も、既に回復済みである。

「そ、そうですね…ですが、暫く留守にしていた所為で、少々、埃が溜まってるので掃除しなくてはいけませんけど…。」

 僕の言葉にいち早く反応したのはクズハである。
 もっとも、アリスも何か言おうとしていたが、同じ事を言おうとしていたのか黙ってしまった。

「でわ、クズハさん、アリスさん、お願いしますね。」
「は、はい。」
「はい、畏まりました。」

 プリンの言葉に、二人が返事をする。
 基本的に、家事担当はクズハとアリスで、特に何か言わなくても自発的に行動してくれる。
 正直、片付けが苦手な僕には頼りがいのある嫁~ズだ。
 特に、掃除はアリスが主体となっている為、ブラウニーとしての能力をフルに発揮して、新築並みに綺麗にしてくれる事だろう。

 それとは逆に、料理はクズハが主体となる。
 まぁ、料理に関しては家に憑くブラウニーよりも、冒険者として色々な場所に行っていたクズハの方が、色々な料理を食べてきているのでアリスには分が悪かっただけ…とも言う。
 どちらにせよ、クズハとアリスの二人は、家事全般が得意なのは変わらない訳だ。

「プリンは、どうするんだ?」

 二人が家の掃除を始める為、僕とプリン…そしてローラは暇になる。

「私は、ご主人様あなたと一緒にお風呂に入ろうかと…。
 誰かさんの所為で、ご主人様の身体やら服が血で汚れてしまいましたから、隅々すみずみまで洗わないといけませんから。
 特に、背中は一人では洗い難いですから…ね?」
「そ、そっか…確かに、背中は上手く洗えないよな…。
 なら、プリン、お願いして良いかな?」
「えぇ、もちろんです♪」
「ローラも、あなたと一緒にお風呂入りたい。」

 僕とプリンの会話を聞いて、ローラも自己主張をする…だが、プリンの答えは…。

「却下です!そもそも、ご主人様を怪我させておきながら、罰を与えないのは飼い主・・・としての責任放棄も同じ事…少し、反省して下さい。」
「飼い主って…確かに、最初はペット代わりに飼う様になったけど、今は、一応、ローラも僕の嫁なんだから、もう少し優しくしてあげても…。」
「そうですか…確かに言われてみれば、本来、ローラさんの飼い主は、ご主人様あなたですから、罰は私からではなく、ご主人様あなたに与えて貰うのが筋でしたね…。
 では、ご主人様あなた…ローラさんに、今回の罰を、お与えて下さい。」

 …なるほど、表面上は、いつものプリンではあるが、僕に怪我をさせた事に対して、かなりお冠の様である。
 だが、ローラも悪気があった訳ではない。

 それに…原因の半分は僕にあると言っても過言ではない。
 と言うのも、僕の使った石化の魔法の所為で、村にあった食料も薪も、全て石になっていた。

 その為、お腹を空かせたローラが力加減を間違えて、僕に飛び込んできたのだから…。
 そこで、頑張って考えてみた…いかにしてローラに罰にならない罰を与えるか…すると、一つの妙案が浮かんだ。

「そう言う事なら…ローラに罰を与える。
 ローラ、君に与える罰は…僕の身体を綺麗に洗う事。
 ローラが僕の身体をよごしたんだから、ローラが洗うのは当然だよね?」
「分かった…よろこんで罰を受ける。」
ご主人様あなたッ!?」

 プリンが驚くのも無理はない。
 何故なら…この罰は、正直、罰であって罰ではないからだ。
 と言うのも、普段から嫁~ズは僕の身体を洗いたがるからだ。

 つまり、十分反省しているローラに対して、これ以上の責めるのは過剰である為、罰にならない罰を与えた…と言う事。
 まぁ、僕の身体を洗いたがっていたプリンには悪いが、ここは我慢して貰う事にしよう。

「んで、風呂から上がったら、みんなでご飯にしよう。」

 そう…これこそ、帰ってきた一番の理由。
 魔神教団が占拠していた村は、全ての物が石化した。
 その結果、料理に使う薪さえも石化しているのである。

 その為、先程まで意識を失っていた僕が〖無限庫インベントリ〗から食材を出したとしても、料理が出来ない事が判明したのだ。

「ローラ、頑張る。」

 ローラはそう言うと、狼の姿から獣人の姿へと変身する。

あなた、早く風呂入る…そして、ご飯にする。」

 そう言って、僕の腕を掴むと風呂場へと引きずる様に移動をする。
 どうやら、この瞬間、ローラ彼女の中では『僕への謝罪<ご飯』の図式が出来上がった瞬間だった…。
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