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~第七章:魔神復活編~

336ページ目…作戦会議

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 聖剣エクスカリバー…それは、とあるバカ貴族から『ドワーフの作った聖剣を持って来い』と言う依頼を受けた時に、お世話になったドワーフ(アルテイシアさん)が鍛えあげた最高の一振である。
 まぁ、その聖剣は、色々有って今は僕の手の中にあるのだが…。

 それは、置いとくとして…だ、いざ、バカ貴族に聖剣を渡そうとしだ時、下級魔族であるレッサーデーモンと共にバカ貴族を襲撃しだ謎の団体…それこそが魔神教団・・・・である。
 で、何が言いたいかと言うと…。

「つまり…プチスラ達の調査の結果、プリンはあの村が魔神教団の村だと言うんだね?」
「えぇ、プチスラちゃん達からの報告では…ですが…。」

 プチスラ達からの報告では…とは言う物の、その集めて来た情報を分析したのがプリンなのだから、まず間違いはないだろう。

「さて、そう言う事らしいけど、みんなどうする?」

 元々が現・魔王のいる場所の情報が欲しくて、ここまで来たのだが、相手が魔神教団である以上、聞いた所で、素直に『はい、そうですか』と答えてくれるはずはない。
 十中八九、戦闘になるのは間違いないだろう。
 それ故、僕が言っているのは、どうやって攻撃をするか…である。

「やはり、ここは大規模範囲攻撃の魔法で一掃するのが良いのでは?」

 確かにプリンの言う通り、殲滅するだけなら、それが手っ取り早いのは分かるんだけど…それだと肝心な情報が一切分からない。
 それだと本末転倒だよね?

「え、えっと…闇に潜んで、1人ずつが良いかと…それなら尋問とかも出来るかと…。」

 まぁ、確かにクズハの言う通り、それが無難な気もするが…その場合、時間が掛かり過ぎて、逆に敵にバレる可能性が高くなると思う。
 って言うか…クズハのヤツ、尻尾が増えてから、どんどんダークな一面が出てきてないか?
 現在、八本ある尻尾が、最大本数である九本になったら、どうなるんだろう…。
 そんな事を考えていたら、ローラが口を開く…。

「おな…。」
「あぁ、ローラには聞いてないから、大人しく、これでも食べててね?」

 ローラのセリフに被せる様に、僕はそう言うと、〖無限庫インベントリ〗から非常食として大量に買い込んでいる干し肉を数枚取り出すと、ローラに渡す。
 すると、ローラは喜んでガリガリと齧りだした。

 ある程度、ローラと付き合いがある人なら分かる事ではあるが、ローラはお腹が空き始めると、〖人狼化〗と言うスキルを解除して狼の姿に戻る癖がある。
 その為、現在、狼の姿であるローラは、お腹が空いていると言う事だ。
 ただ、〖人狼化〗のスキルを常時発動させている所為で、お腹が空くのかも?と言う懸念は残るが、おそらくローラのそれは、単に食いしん坊な所為だと僕は思っている。

 それに、基本的に脳筋であるローラに、意見を求める事自体間違っている。
 その証拠に、先程、ローラは『お腹空いた、肉食べたい』と言い掛けているのだ。

「あの…数人だけ捕まえて、その人達の前で、残りを全滅・・させれば良いのではないでしょうか?」
「いや、それはちょっと…。」

 …何だろう、情報を手に入れる為に、一番まともに聞こえる意見ではあるが『全滅させる』と言う意見に、素直に賛成出来ない自分がいる。
 いや、そもそもな話、僕には彼等を全滅させる程の理由が無いのだ。
 確かに、彼等は罪を犯しているであろう事は明白である。
 だが、だからと言って全滅させるのは違う気がする。

 それに、もしかしたら…万が一の可能性ではあるが、罪を犯していない人だっているかもしれないのだ。
 それを連帯責任で全滅…は、いくら何でもやり過ぎである。

「う~ん…とりあえず、クズハの意見を採用しようか…ただし、〖魔眼〗を使う。」
「ま、魔眼…ですか?」

 魔眼と聞いて、いち早く反応したのはクズハである。
 尻尾が増えるにあたり、その過程で手に入れる固有スキルだったみたいで、クズハも魔眼が使える様になっていたのである。

「あぁ、誘惑テンプテーションの魔眼で相手を催眠状態にして、情報を聞き出す。
 それなら、人を殺さなくても良いだろ?」
「も、もしかして、私達に、人を殺させない為…ですか?」
「ま、まぁ…出来れば、みんなには人を殺す様な事はさせたくないのは確かにある。
 でも、問題はそこじゃないんだ。
 もし、襲撃したのが何らかの方法で、他の敵に知られたら?
 そうなったら、警戒している敵の懐に忍び込むのが困難になる。
 だから、今、そんな危険を冒す必要はない…と、思うんだ。」

 もっともらしい事を言いながら、僕は内心、冷や汗を掻いていた。
 あれこれ言い訳をしても、結局の所、僕は単純に人を殺したくないし、彼女達にも人を殺して欲しくない。
 正当防衛でなら仕方がないが、それ以外には自分から人殺しは許されない事だと、思っているからだ。

「だから…ここは、〖魔眼〗の使えるクズハにお願いしたいと思う。」
「わ、分かりました…な、なんとかやってみます!」

 クズハはそう言うと、そっと村の方を見つめるのであった…。
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