~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

文字の大きさ
上 下
322 / 421
~第七章:魔神復活編~

322ページ目…作戦会議?

しおりを挟む
 あの後、大量の下級魔族を倒した僕達は、休憩を挟みつつも、やっと魔族領へと足を踏み入れようとしていた。

「とは言え、流石に簡単に抜ける事は出来ないよな…。」
「えぇ、そうですね…多分ですが、十中八九、いるでしょうね…。」
「ど、どうしましょう…。」
あなた、強行突破?」
「確かに、それしかないでしょうが、その場合、レスターさん達をどうするかが最優先事項かと…。」

 何だかんだ言ってプリン達は僕の意志を尊重してくれる。
 その為、僕がレスターさん達を心配している為、プリン達も同様に心配してくれる。
 やはり、レスターさん達を、このまま…と言う訳にはいかない。

 もっとも、彼等は戦力外と言うのもあるが、〖魔王化〗も、更にその上位互換である〖魔神化〗も、レスターさん達に見せる訳にはいかないのだ。
 その為、アリスがレスターさん達の事を別の意味で心配していたりする。

 ってか、下手に見せたりするとプリンが処分とか言いそうだし…。

「良い事を思い付きました♪」
「ん?プリン、何か思い付いたのか?」
「えぇ、レスターさん達を処分しちゃいましょう!」
「って、まだ見せてもないのに言うんかいッ!?」

 そもそも、ここで処分するなら、わざわざ助けながら此処までこないからね?
 だが、プリンはそんな発言に対し、さらっと、とんでもない事を言う。

「え?何か問題ありましたか?」
「いやいやいや、『問題ありましたか?』じゃないよね?
 そもそも、その選択肢はあり得ないよね?
 せめて、眠らせて護衛するとかにしようよッ!」
「あ~…まぁ、ご主人様あなたがそう言うなら、私はそれで構いませんよ?
 でも、護衛するにしても…誰がするんです?
 少なくとも、私はご主人様あなたと一緒に行きますよ?」
「そ、それは…。」

 確かに、上級魔族と戦うのであれば、プリンが一緒に来るのは必須項目だと思う。
 そう…あそこから感じる魔力は、おそらく上級魔族だ。
 だとするなら、〖魔神化〗…少なくとも、最低限〖魔王化〗する必要がある。
 だが、そんな物をレスターさん達に見られたとしたら、当然ながら、その瞬間から僕は人類の敵にされてしまうのは間違いないと思われる。

 ならば、上級魔族と戦う為には、彼等に見られない必要があると言う事でもある。
 正直な話、レスターさん達をどうしかしない限り、かなりりのムリゲーと言って良いだろう。

「あ、あの…無理矢理排除しなくても、普通に頼めば良いのではないでしょうか?」
「「それだ(よ)ッ!」」

 僕とプリンが同時に声を上がる。
 そうだよ、何で力ずくで排除しようとしてたんだろう…。

「では、私が彼等に離れておく様にお願いしてきます。」
「そう?それじゃアリス、お願いするね。」
「はい…あ、それと、そのまま戦うのでしたら、彼等と離れた場所で人払いの結界を張って退避しておきますが、どうしましょうか?」

 あ~…確かに、そのまま一緒に逃げてくれていた方が安全ではあるね。

「だったら、クズハも一緒に彼等の護衛と言う名目で、退避して貰った方が良いかもな…。」
「そ、そんな…私だって戦えます!」

 確かにクズハは戦える様になった…だが、正直な話、それでも上級魔族との戦闘となると、まだ力が足りないと思うのは過保護なのだろうか?
 だが、それほどまでに上級魔族と言うのは、厄介な敵なのだ。

「ごめん、クズハ…たぶん、今のクズハじゃまだ力及ばずだと思う。
 だから、今回はアリスと一緒に退避して貰えないかな?」
「そ、そうですか…ご主人様あなたが、そこまで言うのなら、今回は我慢します…。
 で、ですが!次こそはご一緒させて下さいね?」

 えぇ~、そんな事言われても…少なくとも、もう少し強くならないと無理なんですけど…。

「大丈夫よ、クズハ…ご主人様は優しいから、今度は一緒に戦わせてくれるわよ。
 でも、当然ながら、今のままのクズハじゃダメよ?
 もっと強くならなきゃ、連れて行けないからね?」
「は、はい!必ず、強くなって見せます!
 で、ですが、ご主人様達も気を付けて下さいね?」
「大丈夫よ、クズハ…私が憑いてるんですから、大船に乗ったつもりで待っていなさい。
 絶対に未亡人なんかにさせないんだから♪」

 プリンさん、『付いている』の字が『憑いている』になってますよ?
 もっとも、声で言葉を聞いてれると一緒に聞こえるのだが…。

「ははは…まぁ、プリンの言う通り、絶対に大丈夫だから心配しないで待ってて良いよ。
 と言うか、戻ってきたらお腹が空いてるだろうから、ご飯の用意をお願いして良いかな?」
「は、はい!了解です♪」

 こうして、僕とプリンは、クズハとアリス…それからレスターさん達を残し、そのまま魔族領にある砦へとへと向かう事になる。
 とは言え、上級魔族との戦いは聖王都以来…だが、アレから僕達はレベルも少しは上がっている。
 と言う事は、〖魔王化〗、更には〖魔神化〗すれば、上級魔族でもそれほど苦戦する事はない…と、思われる。
 それに、今では聖剣もあるし、何より…奥の手もある事だし…ね。
 その証拠に、プリンなんて『フフフ~ン♪』と鼻歌交じりで僕と腕を組んで歩いているのだから…。

「プリン、あまり無理はするなよ?」
「フフフ…ご主人様あなたと一緒なんですから、どんな敵が出ようと負けません。
 ですから、心配しなくても大丈夫ですよ?」
「そ、そうだな…でも、だからと言って油断は禁物だからね?」
「は~い、あ・な・た♪」

 まるでデートにでも行くかの様に微笑むプリン…その笑顔に思わず見とれてしまう。
 そして…僕達は、砦の門を…。

消滅し飛べ~!!」

『ドッカーーーーーンッ!!』

 と、ぶち壊して開ける…。

 いやいや、プリンさん、そこは、そっと静かに開けようよ?
 と、僕は苦笑するのだった…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった

Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。 *ちょっとネタばれ 水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!! *11月にHOTランキング一位獲得しました。 *なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。 *パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

処理中です...