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~第七章:魔神復活編~
309ページ目…置き土産
しおりを挟む「あら、お客さん、おはようございます♪
昨晩は、しっかり休めれましたか?」
そう言ってきたのは、この宿屋の女将さんだ。
昨日、何故か町の食堂で、偶然、ビビンバを作ったら、それを見ていた他のお客さんから注文を受ける事となってしまい、その美味しさから食べたお客が他の客を呼ぶと言う。負のスパイラルを生んだ為、僕達のお休みは料理を作るだけで潰れてしまった。
しかも、その数、なんと200杯以上…もちろん、面倒だし作りたくないからと、1杯、銀貨1枚(約1万円)とボッタクリ価格にしたのにも関わらずの結果だ。
その為、材料が切れて作れなくなるまで作り続けた結果…称号に〖異世界料理人〗なんて名前の称号が追加されていた。
まぁ、確かにこっちの世界には無かった料理みたいだが、料理人は流石に違うんじゃないかな?と思う。
話を戻そう、明るい挨拶してきた女将さん、今日は、昨日や一昨日と違い何故かルンルン気分で作業している。
更に言うなら、肌の艶が2割ほど良くなっている気もする。
そして、大将…旦那さんは言うと…。
「や、やぁ、おはようございます…。」
お疲れモードと言うか…少し窶れたか?
「あの…大将、何か疲れてませんか?
何だったら、初級の回復薬を差し上げましょうか?」
まぁ、わざわざポーションを使わなくても、回復魔法で失った体力は回復できるのだが…。
「ははは、気持ちだけ頂くよ。
なぁーに、昨日、ちょっと激しい戦闘があって、気力が減ってるだけで怪我をしたとかじゃないから、心配はいらないよ…。」
「せ、戦闘…ですか…。
そう言えば、女将さん…今日は肌の調子が良さそうですね?」
既に何がどうなっているのか予測が付いた僕は、あえて、大将に聞いてみる。
「まぁ、あれだけすれば…いや、なんでもない。
そんな事より、今日、出立するんだったな?」
「はい…正直、行きたくない気持ちはありますが、それでも、こればかりは絶対に行かないとダメなんで…。」
「そうか…実はちょっと頼みがあってな…。
まぁ、俺には良く分からんが…女房のヤツが、あんたにお世話になったからって、弁当を作って渡すと言っていたから、それが出来るまで、出立を待って貰えると助かるんだが…。」
と、言ってきた。
どうやら、秘密のプレゼントのお返しに、女将さんがお弁当を用意してくれる様だ。
「何だ、そんな事でしたら構いませんよ。」
むしろ、道中での食事の確保が出来るのは良い事だ。
それに、昨日消費した食材も買い足さないと、万が一を考えると心配になる。
とは言っても、普通に生活したとしても一月分以上は暮らせる程の食材は〖無限庫〗に貯蓄してあるので、それほど重要ではない。
もっとも、一月分の食材以外にも、色々なドロップ品や装備品、その他の素材やらも大量に入っている訳で…それらを、何の苦労もなく持ち運べるのだから、〖無限庫〗とは本当に便利な物だと改めて思う。
「そう言えば、大将…昨日、僕達が近くの食堂で料理作ったのは知ってますよね?」
「ん?あぁ、何でも…野菜とかの食材は大した事がないのに、病み付きになる程、美味い辛さの料理だとか…。」
やはり、アレだけの騒ぎになったからか、この宿屋にも話が伝わってしまった様だ。
「えぇ、それで…その料理、この宿屋でも出したいと思いませんか?」
「な、何だってッ!?」
正直、この宿屋は大したサービスもない…どちらかと言うと二流どころか、三流の宿屋である。
だが、雰囲気に関しては、個人的に三流の宿屋とは言え、とてつもなく過ごしやすい宿屋だと思う。
その為、もしも、再びこの町に来る事があるのならば…また、この宿屋にしようと思う程の安心感等がある。
もちろん、それは嫁~ズ達、全員も同じで…その為、ハメを外したとも言える。
なので、その迷惑料として、ちょっとした置き土産を…と思ったのだ。
「だ、だが…昨日、聞いた話では銀貨1枚の値段だと聞いたが?」
「あ~、ぶっちゃけちゃいますけど、本当は作りたくないからって事で、思いっ切りボッタクったんですよ。
それなのに、それでも良いからと…まぁ、客の殆どが冒険者だったから、それなりに稼いでた人達なんでしょうけど…。」
「ははは…たしかに、ぶっちゃけちゃってるな。
で、それを俺に教えて、どうしろと?」
「いえ、お世話になったお礼ですよ。
それに…もし、儲けがいっぱい出たのなら、今度来た時にでも還元して頂ければ…。」
「つまり、宿代をまけろと?」
まぁ、再び、この町に来る事があるか?と聞かれたら、来る可能性は殆ど無いのだが…。
「えぇ、それなら大将も気兼ねする事もないでしょ?」
「なるほど…な、まぁ、良いだろ。」
大将は、少し悩むと直ぐに了承する。
「なら、これを…。」
僕はそう言うと、懐にしまってあった紙を大将に渡す。
「これは?」
「僕が作った『ビビンバ』のレシピですよ。
まぁ、僕の故郷では大銅貨1枚(約千円)程で食べる事が出来る料理ですけどね?
ただ、昨日の様子を見ると大銅貨2~3枚でも、喜んで食べる人がいそうですが…。」
と、大将に説明する。
まぁ、正直な話、大銅貨1枚でも少し高目なのだが、それに関しては、慣れない内は、手間がかかるからと手間賃を多めに上乗せしていたりする。
「大銅貨2~3枚…また、大きく出たな。
とは言え、昨日は銀貨1枚だったって話だから、あながち間違ってないな。
むしろ、ここは大銅貨5枚でも良いんじゃないか?」
「いえ、それは流石に取り過ぎですね。
そもそもな話、先程も言いましたが、僕の故郷で大銅貨1枚ですよ?
それでも、ちょっと高いな…と思うほどの料理です。
ですから、あまり高くすると最初は物珍しさもあり良いかもしれませんが、直ぐに誰も食べなくなり、結果、売れなくなるのは明白。
だったら…少し高いけど、ちょっと贅沢しようか?って思える程度で抑え解いた方がリピーターも増え、結果として儲ける事が出来るんです。」
「なるほど…確かに、短期間だけの販売なら高くても…と思うが、恒久的に売るのなら、値段を下げておくのは常識か…。」
「えぇ、それに…この宿屋なら、ビビンバが食べれる。
となれば、それだけで客寄せの宣伝効果がありますからね。」
「ふむ…では、ありがたく頂くとしよう。」
「えぇ、どうぞどうぞ…そして、頑張って売って、次に僕達が来た時の宿代を稼いで下さい。」
「チッ!ちゃっかりしやがって…まぁ、売れるか分からんが試してみるさ。」
「あ、そうそう…ちょっと厨房借りて良いですか?
大将と女将さんに、ビビンバを食べて貰おうと思うんですよ。
レシピだけ貰って実物食べてなかったら、味が合ってるのか分からないですよね?」
昨日、こっそり〖無限庫〗に入れたビビンバ二人前は、既に僕の腹の中に入っているので、新しく作る必要がある。
それに、目の前で作れば、作り方も分かると言う物である。
「あぁ、確かに、実際に食べておいた方が良いな。
なら、遠慮無く使ってくれ。」
大将はそう言うと、僕を厨房へと案内する。
「さてと…〖無限庫〗から作り置きを取り出して…っと。」
僕はそれを、フライパンでサッと炒めていく。
本来なら石焼きビビンバにしたいが、この世界だと簡単に器を用意する事が出来ないので、フライパンで炒める事にした…こちらなら簡単だ。
そうして、暫くした後、出来上がったヤツを、大将と女将さんに出す。
「うッ…少し辛いが、これは凄く美味い。」
「あら?確かに、この辛さは堪らない…これ、本当に美味しいわ♪」
「えっと…今、大将が食べてるのがビビンバです。
それで、女将さんが食べてるのが、ビビンバを更に炒めた物…焼きビビンバですね。」
僕がそう説明すると、二人は自分達の食べてるのを交換する。
「ほほぅ…これは、炒めただけで、ここまで変わるのか…。」
「本当…まるで、別の料理みたい…。」
いや、別の料理と言うのは流石にそれは言いすぎだと思うが、それでも、火を通すだけでも食感やらが違うのは確かだ。
もっとも、どちらが良いかは好みによるが…。
「喜んで貰えて良かったです。
大将、これで大丈夫ですよね?」
「あぁ、味は覚えた…まぁ、これに使われている材料を揃える所から始めないといけないが…な。」
「まぁ、それは…仕方がないですけど…でも、それだけ苦労をする価値はあるんじゃないですか?」
「そうだな…この宿屋の看板メニューにする為にも、頑張らないとな。」
「そうですね、あなた…私も手伝うわ。
だから、一緒に頑張りましょう。」
こうして、この宿屋に新たなメニューが加わった。
しかも、このビビンバを食べる為だけに宿屋の食堂を利用するお客も増え、大繁盛した宿屋は、副業でビビンバ専門店まで開き大成功を収める事になるのは、これから数年後の事となる。
◇◆◇◆◇◆◇
「それでは、僕達はこれで失礼します。」
「お気を付けて、それと…はい、お弁当…忘れないで食べておくれよ?」
ちょっと忙しい時間帯にも関わらず女将さんが僕達を送り出してくれる。
まぁ、ビビンバのレシピのお礼も兼ねてなのだろう。
「ありがとうございます!今度来るのを楽しみにさせて貰いますね。」
僕は女将さんからお弁当を受け取ると、クズハに渡す。
何故なら、僕達が乗る馬車の御者は僕がするからだ。
もっとも、この馬車も普通の馬車ではなくゴーレム馬車なのだが、ちょっと見ただけでは普通の人には判断が出来ない。
故に、町に入る時は、このゴーレム馬車。
町から離れたら車、と使い分けているのだ。
もっとも、それでも普通の馬車の2倍の速度は出るので、それほど急ぎでない時はゴーレム馬車だけと言う事もある。
何はともあれ、こうして僕達は細やかな休暇を終え、再び戦場へと旅立つのだった…。
昨晩は、しっかり休めれましたか?」
そう言ってきたのは、この宿屋の女将さんだ。
昨日、何故か町の食堂で、偶然、ビビンバを作ったら、それを見ていた他のお客さんから注文を受ける事となってしまい、その美味しさから食べたお客が他の客を呼ぶと言う。負のスパイラルを生んだ為、僕達のお休みは料理を作るだけで潰れてしまった。
しかも、その数、なんと200杯以上…もちろん、面倒だし作りたくないからと、1杯、銀貨1枚(約1万円)とボッタクリ価格にしたのにも関わらずの結果だ。
その為、材料が切れて作れなくなるまで作り続けた結果…称号に〖異世界料理人〗なんて名前の称号が追加されていた。
まぁ、確かにこっちの世界には無かった料理みたいだが、料理人は流石に違うんじゃないかな?と思う。
話を戻そう、明るい挨拶してきた女将さん、今日は、昨日や一昨日と違い何故かルンルン気分で作業している。
更に言うなら、肌の艶が2割ほど良くなっている気もする。
そして、大将…旦那さんは言うと…。
「や、やぁ、おはようございます…。」
お疲れモードと言うか…少し窶れたか?
「あの…大将、何か疲れてませんか?
何だったら、初級の回復薬を差し上げましょうか?」
まぁ、わざわざポーションを使わなくても、回復魔法で失った体力は回復できるのだが…。
「ははは、気持ちだけ頂くよ。
なぁーに、昨日、ちょっと激しい戦闘があって、気力が減ってるだけで怪我をしたとかじゃないから、心配はいらないよ…。」
「せ、戦闘…ですか…。
そう言えば、女将さん…今日は肌の調子が良さそうですね?」
既に何がどうなっているのか予測が付いた僕は、あえて、大将に聞いてみる。
「まぁ、あれだけすれば…いや、なんでもない。
そんな事より、今日、出立するんだったな?」
「はい…正直、行きたくない気持ちはありますが、それでも、こればかりは絶対に行かないとダメなんで…。」
「そうか…実はちょっと頼みがあってな…。
まぁ、俺には良く分からんが…女房のヤツが、あんたにお世話になったからって、弁当を作って渡すと言っていたから、それが出来るまで、出立を待って貰えると助かるんだが…。」
と、言ってきた。
どうやら、秘密のプレゼントのお返しに、女将さんがお弁当を用意してくれる様だ。
「何だ、そんな事でしたら構いませんよ。」
むしろ、道中での食事の確保が出来るのは良い事だ。
それに、昨日消費した食材も買い足さないと、万が一を考えると心配になる。
とは言っても、普通に生活したとしても一月分以上は暮らせる程の食材は〖無限庫〗に貯蓄してあるので、それほど重要ではない。
もっとも、一月分の食材以外にも、色々なドロップ品や装備品、その他の素材やらも大量に入っている訳で…それらを、何の苦労もなく持ち運べるのだから、〖無限庫〗とは本当に便利な物だと改めて思う。
「そう言えば、大将…昨日、僕達が近くの食堂で料理作ったのは知ってますよね?」
「ん?あぁ、何でも…野菜とかの食材は大した事がないのに、病み付きになる程、美味い辛さの料理だとか…。」
やはり、アレだけの騒ぎになったからか、この宿屋にも話が伝わってしまった様だ。
「えぇ、それで…その料理、この宿屋でも出したいと思いませんか?」
「な、何だってッ!?」
正直、この宿屋は大したサービスもない…どちらかと言うと二流どころか、三流の宿屋である。
だが、雰囲気に関しては、個人的に三流の宿屋とは言え、とてつもなく過ごしやすい宿屋だと思う。
その為、もしも、再びこの町に来る事があるのならば…また、この宿屋にしようと思う程の安心感等がある。
もちろん、それは嫁~ズ達、全員も同じで…その為、ハメを外したとも言える。
なので、その迷惑料として、ちょっとした置き土産を…と思ったのだ。
「だ、だが…昨日、聞いた話では銀貨1枚の値段だと聞いたが?」
「あ~、ぶっちゃけちゃいますけど、本当は作りたくないからって事で、思いっ切りボッタクったんですよ。
それなのに、それでも良いからと…まぁ、客の殆どが冒険者だったから、それなりに稼いでた人達なんでしょうけど…。」
「ははは…たしかに、ぶっちゃけちゃってるな。
で、それを俺に教えて、どうしろと?」
「いえ、お世話になったお礼ですよ。
それに…もし、儲けがいっぱい出たのなら、今度来た時にでも還元して頂ければ…。」
「つまり、宿代をまけろと?」
まぁ、再び、この町に来る事があるか?と聞かれたら、来る可能性は殆ど無いのだが…。
「えぇ、それなら大将も気兼ねする事もないでしょ?」
「なるほど…な、まぁ、良いだろ。」
大将は、少し悩むと直ぐに了承する。
「なら、これを…。」
僕はそう言うと、懐にしまってあった紙を大将に渡す。
「これは?」
「僕が作った『ビビンバ』のレシピですよ。
まぁ、僕の故郷では大銅貨1枚(約千円)程で食べる事が出来る料理ですけどね?
ただ、昨日の様子を見ると大銅貨2~3枚でも、喜んで食べる人がいそうですが…。」
と、大将に説明する。
まぁ、正直な話、大銅貨1枚でも少し高目なのだが、それに関しては、慣れない内は、手間がかかるからと手間賃を多めに上乗せしていたりする。
「大銅貨2~3枚…また、大きく出たな。
とは言え、昨日は銀貨1枚だったって話だから、あながち間違ってないな。
むしろ、ここは大銅貨5枚でも良いんじゃないか?」
「いえ、それは流石に取り過ぎですね。
そもそもな話、先程も言いましたが、僕の故郷で大銅貨1枚ですよ?
それでも、ちょっと高いな…と思うほどの料理です。
ですから、あまり高くすると最初は物珍しさもあり良いかもしれませんが、直ぐに誰も食べなくなり、結果、売れなくなるのは明白。
だったら…少し高いけど、ちょっと贅沢しようか?って思える程度で抑え解いた方がリピーターも増え、結果として儲ける事が出来るんです。」
「なるほど…確かに、短期間だけの販売なら高くても…と思うが、恒久的に売るのなら、値段を下げておくのは常識か…。」
「えぇ、それに…この宿屋なら、ビビンバが食べれる。
となれば、それだけで客寄せの宣伝効果がありますからね。」
「ふむ…では、ありがたく頂くとしよう。」
「えぇ、どうぞどうぞ…そして、頑張って売って、次に僕達が来た時の宿代を稼いで下さい。」
「チッ!ちゃっかりしやがって…まぁ、売れるか分からんが試してみるさ。」
「あ、そうそう…ちょっと厨房借りて良いですか?
大将と女将さんに、ビビンバを食べて貰おうと思うんですよ。
レシピだけ貰って実物食べてなかったら、味が合ってるのか分からないですよね?」
昨日、こっそり〖無限庫〗に入れたビビンバ二人前は、既に僕の腹の中に入っているので、新しく作る必要がある。
それに、目の前で作れば、作り方も分かると言う物である。
「あぁ、確かに、実際に食べておいた方が良いな。
なら、遠慮無く使ってくれ。」
大将はそう言うと、僕を厨房へと案内する。
「さてと…〖無限庫〗から作り置きを取り出して…っと。」
僕はそれを、フライパンでサッと炒めていく。
本来なら石焼きビビンバにしたいが、この世界だと簡単に器を用意する事が出来ないので、フライパンで炒める事にした…こちらなら簡単だ。
そうして、暫くした後、出来上がったヤツを、大将と女将さんに出す。
「うッ…少し辛いが、これは凄く美味い。」
「あら?確かに、この辛さは堪らない…これ、本当に美味しいわ♪」
「えっと…今、大将が食べてるのがビビンバです。
それで、女将さんが食べてるのが、ビビンバを更に炒めた物…焼きビビンバですね。」
僕がそう説明すると、二人は自分達の食べてるのを交換する。
「ほほぅ…これは、炒めただけで、ここまで変わるのか…。」
「本当…まるで、別の料理みたい…。」
いや、別の料理と言うのは流石にそれは言いすぎだと思うが、それでも、火を通すだけでも食感やらが違うのは確かだ。
もっとも、どちらが良いかは好みによるが…。
「喜んで貰えて良かったです。
大将、これで大丈夫ですよね?」
「あぁ、味は覚えた…まぁ、これに使われている材料を揃える所から始めないといけないが…な。」
「まぁ、それは…仕方がないですけど…でも、それだけ苦労をする価値はあるんじゃないですか?」
「そうだな…この宿屋の看板メニューにする為にも、頑張らないとな。」
「そうですね、あなた…私も手伝うわ。
だから、一緒に頑張りましょう。」
こうして、この宿屋に新たなメニューが加わった。
しかも、このビビンバを食べる為だけに宿屋の食堂を利用するお客も増え、大繁盛した宿屋は、副業でビビンバ専門店まで開き大成功を収める事になるのは、これから数年後の事となる。
◇◆◇◆◇◆◇
「それでは、僕達はこれで失礼します。」
「お気を付けて、それと…はい、お弁当…忘れないで食べておくれよ?」
ちょっと忙しい時間帯にも関わらず女将さんが僕達を送り出してくれる。
まぁ、ビビンバのレシピのお礼も兼ねてなのだろう。
「ありがとうございます!今度来るのを楽しみにさせて貰いますね。」
僕は女将さんからお弁当を受け取ると、クズハに渡す。
何故なら、僕達が乗る馬車の御者は僕がするからだ。
もっとも、この馬車も普通の馬車ではなくゴーレム馬車なのだが、ちょっと見ただけでは普通の人には判断が出来ない。
故に、町に入る時は、このゴーレム馬車。
町から離れたら車、と使い分けているのだ。
もっとも、それでも普通の馬車の2倍の速度は出るので、それほど急ぎでない時はゴーレム馬車だけと言う事もある。
何はともあれ、こうして僕達は細やかな休暇を終え、再び戦場へと旅立つのだった…。
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