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~第七章:魔神復活編~
303ページ目…疑惑
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ほぼ丸一日車を走らせ、砂漠を抜けると魔族領へ一番近い町である『ビクリの町』へと辿り着く。
確かに急ぎの旅ではあるが、ローラとクズハの体調も気になるので、しばしの休憩だ。
「しかし…いつもなら、どれだけ飛ばし速度を出しても平気な二人が揃って車酔いなんて、何か、変な物でも食べたのかな?」
ビクリの町で宿を取り、情報収集がてらの散歩中に、ふとした疑問を口に出す。
考えてみたらクズハはともかく、ハイスピード、蛇行、ドリフトなんでも御座れだったローラが、今更ながら車酔いなんて考えられない。
かと言って演技かと言うと、間違いなく演技ではないと思う。
あの吐き気が、もしも演技だったなら、ローラは一流の女優としてやっていけるのではないだろうか?
「とは言え、ローラとクズハの体調不良は病気ではないんだよな…。」
そう、どんな病気でも怪我でも治してしまう神薬、エリクサーを飲ませているのだ。
それなのに、吐き気が…病気ではないので、やはりタダの車酔い?
それにしては、何か違和感が…胸の奥で、何やら違うと訴えてくる感覚がある。
「オギャーオギャーオギャー!」
「あ~よしよし、坊や、どうしたのかな~?」
道端で、赤ん坊を抱いていた母親らしき人が、赤ん坊に話し掛ける。
「へ~、赤ん坊か…いつか、みんなにも赤ん坊が出来るのかな…。」
僕はみんなの赤ん坊がどんなのか想像する。
プリンと僕の赤ん坊は…何となくだが女の子が生まれそうだ。
しかも、プリンに似て綺麗な子だ。
クズハと僕の赤ん坊は…そうだな、男の子と女の子の双子とか、ありそうだ。
そして、ローラと僕の赤ん坊…何と言うか、元気いっぱいな男の子、わんぱく小僧ってイメージしか湧かない。
そして、最後にアリスと僕の赤ん坊…やっぱ、女の子かな?しかも、アリス同様、メイド服を着て家事全般をそつが無くこなすイメージが湧いてくる。
ここまで考えた時、元の世界での出来事が思い出される。
それは、僕がまだ小学生だった頃の話で、お隣のお姉さんの事だ。
そのお姉さんは、お隣のお兄さんのお嫁さんとして来た人である。
そして、ある時から、急に体調を崩し吐いたりした。
お隣さんと言う事もあり、心配になった僕は、お姉さんに病気、大丈夫ですか?と尋ねた事がある。
その時、お姉さんは笑って『これは、病気じゃないのよ、だから、心配はいらないの』と笑って言っていた事を思い出した。
たしか、アレは…悪阻と言って妊娠初期の頃に起きる生理現象だったはず…。
もちろん、生理現象の為、病気ではないからと言う事なのだが、僕には、まるで病気の様に見えたのが印象だった。
ははは…まさか、ね?
とは言え、既に、みんなと結婚して二ヶ月が経とうとしている。
つまり、その…出来ていても不思議ではない、と言う事か。
しかし、もしそうだとしたら、このまま戦場に連れて行って良いのだろうか?
少しずつ、不安になってくる…いかん、これは確かめねば…だが、どうやって?
この世界で、病院と言う物は殆ど見た事がない。
せいぜい、薬屋をちょくちょく見掛けるが、大きな病院なんて物は聖王都で見掛けたくらいか?
何にせよ、産婦人科の病院みたいな専門の病院なんて無いだろうから、どうやって検査するのだろうか…。
とりあえず、本当は、散歩ついでに串焼きを買って帰ろうかと思っていたが、匂いで吐かれても困るので様子見としよう。
こうして、僕は早めに散歩を切り上げると、宿屋へと向かう。
何か、これだ!と言う様な良い方法があれば良いのだが…。
しかし、僕は何も思い付く事が出来ず、う~んと悩んだまま宿に帰っていくのだった…。
確かに急ぎの旅ではあるが、ローラとクズハの体調も気になるので、しばしの休憩だ。
「しかし…いつもなら、どれだけ飛ばし速度を出しても平気な二人が揃って車酔いなんて、何か、変な物でも食べたのかな?」
ビクリの町で宿を取り、情報収集がてらの散歩中に、ふとした疑問を口に出す。
考えてみたらクズハはともかく、ハイスピード、蛇行、ドリフトなんでも御座れだったローラが、今更ながら車酔いなんて考えられない。
かと言って演技かと言うと、間違いなく演技ではないと思う。
あの吐き気が、もしも演技だったなら、ローラは一流の女優としてやっていけるのではないだろうか?
「とは言え、ローラとクズハの体調不良は病気ではないんだよな…。」
そう、どんな病気でも怪我でも治してしまう神薬、エリクサーを飲ませているのだ。
それなのに、吐き気が…病気ではないので、やはりタダの車酔い?
それにしては、何か違和感が…胸の奥で、何やら違うと訴えてくる感覚がある。
「オギャーオギャーオギャー!」
「あ~よしよし、坊や、どうしたのかな~?」
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「へ~、赤ん坊か…いつか、みんなにも赤ん坊が出来るのかな…。」
僕はみんなの赤ん坊がどんなのか想像する。
プリンと僕の赤ん坊は…何となくだが女の子が生まれそうだ。
しかも、プリンに似て綺麗な子だ。
クズハと僕の赤ん坊は…そうだな、男の子と女の子の双子とか、ありそうだ。
そして、ローラと僕の赤ん坊…何と言うか、元気いっぱいな男の子、わんぱく小僧ってイメージしか湧かない。
そして、最後にアリスと僕の赤ん坊…やっぱ、女の子かな?しかも、アリス同様、メイド服を着て家事全般をそつが無くこなすイメージが湧いてくる。
ここまで考えた時、元の世界での出来事が思い出される。
それは、僕がまだ小学生だった頃の話で、お隣のお姉さんの事だ。
そのお姉さんは、お隣のお兄さんのお嫁さんとして来た人である。
そして、ある時から、急に体調を崩し吐いたりした。
お隣さんと言う事もあり、心配になった僕は、お姉さんに病気、大丈夫ですか?と尋ねた事がある。
その時、お姉さんは笑って『これは、病気じゃないのよ、だから、心配はいらないの』と笑って言っていた事を思い出した。
たしか、アレは…悪阻と言って妊娠初期の頃に起きる生理現象だったはず…。
もちろん、生理現象の為、病気ではないからと言う事なのだが、僕には、まるで病気の様に見えたのが印象だった。
ははは…まさか、ね?
とは言え、既に、みんなと結婚して二ヶ月が経とうとしている。
つまり、その…出来ていても不思議ではない、と言う事か。
しかし、もしそうだとしたら、このまま戦場に連れて行って良いのだろうか?
少しずつ、不安になってくる…いかん、これは確かめねば…だが、どうやって?
この世界で、病院と言う物は殆ど見た事がない。
せいぜい、薬屋をちょくちょく見掛けるが、大きな病院なんて物は聖王都で見掛けたくらいか?
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とりあえず、本当は、散歩ついでに串焼きを買って帰ろうかと思っていたが、匂いで吐かれても困るので様子見としよう。
こうして、僕は早めに散歩を切り上げると、宿屋へと向かう。
何か、これだ!と言う様な良い方法があれば良いのだが…。
しかし、僕は何も思い付く事が出来ず、う~んと悩んだまま宿に帰っていくのだった…。
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