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~第七章:魔神復活編~
279ページ目…護衛依頼【9】
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さて、そんなこんなで同盟を結んだ訳だが、開始早々、少しばかり厄介な問題が浮上した。
それは…。
「あ、あの、カタリベさん達のパーティーって、かなり荷物が少ない様ですけど、もしかして魔法の鞄なんて持ってたりしますか?」
ケビンさんのパーティーで、ケビンさんのお嫁さん?彼女?みたいな感じの彼女が、急にそんな事を聞いてくる。
まぁ、他の人が大きめのリュックみたいなバッグを背負っているのに、僕とプリンは小さめの肩掛けの鞄だ。
これが只の鞄だとしたら、ダンジョンを舐めすぎだと言わずにはおけないだろう。
実際は〖無限庫〗や種族的な〖胃袋〗に収納しているのだが、他の人にバレるのは問題がある。
なのでここは、仕方なくではあるが、話を合わせる事にしようと思う。
「えぇ、まぁ…これでも一応は、Aランクの冒険者ですからね。」
正直な話、僕の持っていた魔法の鞄は、ここには居ないがクズハに預けているので、今現在は持っていない。
何故なら、僕とプリンはアイテムなどを〖無限庫〗や〖胃袋〗に収納し、それを普通の…何の変哲もない只の鞄から取り出して、魔法の鞄の様に見せているからである。
とは言え、先程も言ったが、その事を他の人に知られると色々と不味いので、それをバカ正直に教える訳にいかない。
「えっと…恥ずかしい話なんですが、もしかして食料や薬草とか余分に持っていませんか?
あの、その…実は、ここまで来る間に消耗が激しくて…少々、足りるか不安なんですよ。」
まぁ、元々、食料や薬に関しては腐るほど持ってきている。
実際には、〖無限庫〗の中は時間の経過が無い様なので腐る事はないのだが…。
「えぇ、一応、消耗品は多めに持ってきていますが…ですが、そこまで余裕がある訳では無いですよ?」
「そ、そうですよね…。」
おそらく、リーナさんが食料やらの管理をしているのだろう…。
その返事を聞いて、ケビンさんが、あからさまに落ち込んだ雰囲気を醸し出す。
「まぁ、足りなくなったら、お譲りするって事で良いですか?
そちらに分けた所為で、自分達の分が足りなくなった…では、本末転倒なので。」
うん、我ながら良い言い訳になったと思う…そうでもないって?
すると、リーナさんが直ぐに反応した。
「ほ、本当ですかッ!?助かります!って言うか、言質取りましたからね?」
そう言えば、女の武器は涙…なんて言葉があったな。
ケビンさんが落ち込んでるのが可哀想だから、優しくしようと思ったのだが…。
「有罪(ボソ)…。」
…プリンさん、僕は有罪になる様な事は一切していませんよ?
それは冤罪と言う物です。
そもそも、ケビンさんが可愛そうだからと…。
「ま、まぁまぁ、冒険者は助け合いが大事なんですから…。」
と、アイアンさんがプリンを宥める様に言っている。
そう言えば、アイアンさんって異常に耳が良かったよな…おそらくプリンの『ギルティ』が聞こえたのだろう。
何はともあれ、お礼に明日のアイアンさんの朝ご飯を不味い携帯食料ではなく、僕やプリンが食べる美味しい朝食を分けて上げようと、僕は心に決めた瞬間だった…チョロいな僕。
「とりあえず、僕達は先に休ませて貰います。
まぁ、ここはセーフティーエリアなんで、普通なら敵は来ないはずですが…一部のクズがトレインなどで敵を連れてくる事もあるんで注意して下さいね?」
「そんな事をしてくる人がいるのか?
では、こちらが先に見張りをしておきますんで、後で交代をお願いしても良いですか?」
と、ケビンさんは潔く見張りを買って出てくれた。
まぁ、見張りは必要ない…って意味で言ったんだけど、後で交代…か。
面倒だが仕方がない…交代に向けて、しっかり休むとしよう。
「えぇ、それでは、おやすみ。」
とだけ、返事をして僕達は自分達のテントに戻ったのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
「ご主人様、起きて下さい。」
と、プリンがゆさゆさと僕の体を揺らし、僕を起こしに掛かる。
「ん?プリンか…どうした?」
若干、眠い目を擦りながら僕はプリンに聞き返す。
「それが…気配探知に何か引っ掛かりました。」
「何かってのが気になるが、ケビンさん達は?」
「どうやら、まだ気が付いていない様です。」
正直、僕の感知よりもプリンの感知能力の方が高い。
それ故、他の誰も気が付いていなくてもプリンが気が付く可能性は、かなり高いのではないだろうか?
「分かった…すぐに用意する。」
僕はそう言うと、〖無限庫〗から、一般的な冒険者が使う軽鎧を取り出して装備する。
武器は…一応、安物のロングソードではなく僕がこの世界に来て間もない頃に作り出した『悪夢の長剣』を取り出しておく。
このロングソードなら通常のロングソードに比べ、攻撃力アップが付与されているので、ちょっとだけ攻撃力が高くなっているのだ。
そして、戦闘準備を完了してテントから出る。
「来ますッ!!」
テントから出るのが早いか、エンカウントするのが早いか…一際大きな声で、プリンの声が響く。
そして、それが開戦の合図となるのだった…。
それは…。
「あ、あの、カタリベさん達のパーティーって、かなり荷物が少ない様ですけど、もしかして魔法の鞄なんて持ってたりしますか?」
ケビンさんのパーティーで、ケビンさんのお嫁さん?彼女?みたいな感じの彼女が、急にそんな事を聞いてくる。
まぁ、他の人が大きめのリュックみたいなバッグを背負っているのに、僕とプリンは小さめの肩掛けの鞄だ。
これが只の鞄だとしたら、ダンジョンを舐めすぎだと言わずにはおけないだろう。
実際は〖無限庫〗や種族的な〖胃袋〗に収納しているのだが、他の人にバレるのは問題がある。
なのでここは、仕方なくではあるが、話を合わせる事にしようと思う。
「えぇ、まぁ…これでも一応は、Aランクの冒険者ですからね。」
正直な話、僕の持っていた魔法の鞄は、ここには居ないがクズハに預けているので、今現在は持っていない。
何故なら、僕とプリンはアイテムなどを〖無限庫〗や〖胃袋〗に収納し、それを普通の…何の変哲もない只の鞄から取り出して、魔法の鞄の様に見せているからである。
とは言え、先程も言ったが、その事を他の人に知られると色々と不味いので、それをバカ正直に教える訳にいかない。
「えっと…恥ずかしい話なんですが、もしかして食料や薬草とか余分に持っていませんか?
あの、その…実は、ここまで来る間に消耗が激しくて…少々、足りるか不安なんですよ。」
まぁ、元々、食料や薬に関しては腐るほど持ってきている。
実際には、〖無限庫〗の中は時間の経過が無い様なので腐る事はないのだが…。
「えぇ、一応、消耗品は多めに持ってきていますが…ですが、そこまで余裕がある訳では無いですよ?」
「そ、そうですよね…。」
おそらく、リーナさんが食料やらの管理をしているのだろう…。
その返事を聞いて、ケビンさんが、あからさまに落ち込んだ雰囲気を醸し出す。
「まぁ、足りなくなったら、お譲りするって事で良いですか?
そちらに分けた所為で、自分達の分が足りなくなった…では、本末転倒なので。」
うん、我ながら良い言い訳になったと思う…そうでもないって?
すると、リーナさんが直ぐに反応した。
「ほ、本当ですかッ!?助かります!って言うか、言質取りましたからね?」
そう言えば、女の武器は涙…なんて言葉があったな。
ケビンさんが落ち込んでるのが可哀想だから、優しくしようと思ったのだが…。
「有罪(ボソ)…。」
…プリンさん、僕は有罪になる様な事は一切していませんよ?
それは冤罪と言う物です。
そもそも、ケビンさんが可愛そうだからと…。
「ま、まぁまぁ、冒険者は助け合いが大事なんですから…。」
と、アイアンさんがプリンを宥める様に言っている。
そう言えば、アイアンさんって異常に耳が良かったよな…おそらくプリンの『ギルティ』が聞こえたのだろう。
何はともあれ、お礼に明日のアイアンさんの朝ご飯を不味い携帯食料ではなく、僕やプリンが食べる美味しい朝食を分けて上げようと、僕は心に決めた瞬間だった…チョロいな僕。
「とりあえず、僕達は先に休ませて貰います。
まぁ、ここはセーフティーエリアなんで、普通なら敵は来ないはずですが…一部のクズがトレインなどで敵を連れてくる事もあるんで注意して下さいね?」
「そんな事をしてくる人がいるのか?
では、こちらが先に見張りをしておきますんで、後で交代をお願いしても良いですか?」
と、ケビンさんは潔く見張りを買って出てくれた。
まぁ、見張りは必要ない…って意味で言ったんだけど、後で交代…か。
面倒だが仕方がない…交代に向けて、しっかり休むとしよう。
「えぇ、それでは、おやすみ。」
とだけ、返事をして僕達は自分達のテントに戻ったのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
「ご主人様、起きて下さい。」
と、プリンがゆさゆさと僕の体を揺らし、僕を起こしに掛かる。
「ん?プリンか…どうした?」
若干、眠い目を擦りながら僕はプリンに聞き返す。
「それが…気配探知に何か引っ掛かりました。」
「何かってのが気になるが、ケビンさん達は?」
「どうやら、まだ気が付いていない様です。」
正直、僕の感知よりもプリンの感知能力の方が高い。
それ故、他の誰も気が付いていなくてもプリンが気が付く可能性は、かなり高いのではないだろうか?
「分かった…すぐに用意する。」
僕はそう言うと、〖無限庫〗から、一般的な冒険者が使う軽鎧を取り出して装備する。
武器は…一応、安物のロングソードではなく僕がこの世界に来て間もない頃に作り出した『悪夢の長剣』を取り出しておく。
このロングソードなら通常のロングソードに比べ、攻撃力アップが付与されているので、ちょっとだけ攻撃力が高くなっているのだ。
そして、戦闘準備を完了してテントから出る。
「来ますッ!!」
テントから出るのが早いか、エンカウントするのが早いか…一際大きな声で、プリンの声が響く。
そして、それが開戦の合図となるのだった…。
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