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~第七章:魔神復活編~
277ページ目…護衛依頼【7】
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「お~い、こっちに人がいるぞ~!って、暢気に座って談笑してるって事は、ここは安全地帯って事か?」
栄養価は高いらしいが、不味い部類にはいる携帯食料を美味しく調理した夕食?を食べて、明日の予定を話し合っていたら急にそんな声が聞こえてきた。
夕食に『?』が付いているのは、ダンジョンの中だと朝なのか昼なのか…はたまた夜なのかと言うのは分からなかったりする。
その為、あくまで体内時計による試算である。
とは言え、そんなにズレていないと思う。
何せ、お腹の空き具合…所謂、腹時計からの予測なのだ。
まぁ、そんな些細な事は置いておくとして…この安全地帯へ来たヤツの事に意識を集中しよう。
「えぇ、確かに、ここは安全地帯ですね。
お陰で食事と休憩が出来て助かってますよ。」
「そうか…お前達には悪いんだが、俺達のパーティーも一緒に休ませて貰って良いかな?」
「それはまぁ構いませんが…でも、ちゃんとマナーは守って下さいね?」
と、僕は一応、念を押しておく。
「オイオイ、これでも俺はBランク級の冒険者なんだぞ?
見た所、それほどランクが高そうに見えないが、CランクかDランクって所か?
俺達だったから良かった物の、他のヤツだったら、タダじゃ済まなかったかもだぞ?
もう少し、高ランクの者に対しては敬意を払った方が良いぞ?」
と、僕達に注意してくる。
まぁ、僕やプリンの方がランクは上なんだけど、僕達みたいな若造が自分達よりも上のランクとは思わないのだろう。
現に、護衛の依頼主であるアイアンさんはまだCランクになったばかりだしね。
「あ、あの、私はCランクになったばかりですが、こちらのカタリベ殿と、その奥方様は、その…。」
おっと、アイアンさんが余計な事を言い出しそうなので僕は言葉を伏せる様に少し声を大きめに話す。
「そうですね、新参者ですから参考になります。
それで…ですね、先程、俺達のパーティーと聞こえたんですが、何名ほどのパーティーなんですか?」
と、聞いてみる。
ぶっちゃけ、何人でも良いのだが…この質問は、ダンジョン内では、ある種の決まり文句だったりする。
つまり、『お前達の戦力は?』と、警戒してるぞコノヤロー!と言う意味である。
故に、返ってきた答えはと言うと…。
「ははは、そんなに警戒しなくて良い。
ちなみに、俺の名前はケビンだ。
そんで、先程の質問の答えだが、俺達は5人のパーティーだ。
前衛3、後衛2って所だな…パーティー名は『漆黒の翼』だ。
ちなみに…だ、そんなに心配なら、武装を解除しても良いぞ?」
ふむ…なんとも厨二病みたいなパーティー名ではあるが、ちゃんと名乗りを上げる所を見ると、クズ男…もとい、クゾー達に比べると、結構、まともな連中なのかも知れない。
「し、『漆黒の翼』ッ!?もしかして、双剣使いのケビンさんですか?」
おや?僕達は何も知らないのだが、どうやらアイアンさんに心当たりがある様だ。
「ん?まぁ、確かにその二つ名で呼ばれる事もあるが…そう言う君は?」
「あ、すいません!私はアドラン村のアイアンと言います。
あなたの活躍はアドラン村の誇りです!」
「なんとッ!?同郷の者だったかッ!村長達は元気か?」
「えぇ、元気です!とは言っても、僕が旅に出てからは一度も戻ってないので、今はどうか分かりませんが…。」
「そうか…まぁ、何はともあれ、こんな所で同郷の者に出会うとは縁と言うのは、何とも不思議な物だな。」
と、ケビンが言ったタイミングで、やっと安全地帯に入ってきた4人組の男女…言わずもがな、このケビンと言う男の仲間達である。
「やっと追い付いた…それで、ケビン、急に大きな声だしてどうしたの?」
と、声を掛けてきたのはケビンのお仲間の女性だ。
「いや、こちらのアイアンってヤツが俺の同郷でね…つい、テンションが上がっちまった。」
「そう…アイアンさん、ですよね?こんばんわ。
私はリーナ、このパーティーのサブリーダーをやらせて貰ってるわ。
それで…貴方達は?」
ん?あ…そうか、僕達の名前か。
「えっと、僕は語部です。
で、こっちが僕の妻のプリンです。」
「カタリベさんにプリンさんね、よろしくね。
…ん?カ、カタリベさん?もし、間違ってたらごめんなさいね?
もしかして、貴方、このダンジョンが再び活動し始めたのを見付けた、Aランクのカタリベさんだったりします?」
やば、事情を知っている人がいた…。
「えぇ、そうよ♪私の旦那様が、このダンジョンを発見したわ。」
と、何故かプリンがドヤ顔しながら自慢げに話す。
いや、バレるのが嫌だから黙っていたのに、プリンが答えてどうするよ?
「なッ!?そ、それは本当かッ!?」
そして、プリンの言葉に顔が引き攣るケビンさん。
それもそのはず、先程、『高ランクの者に対しては敬意を払った方が良いぞ?』と、偉そうにアドバイスを言ったばかりである。
しかも、よりにもよって、自分よりランクが上の相手に…である。
「あ~、僕達は今、アイアンさんの護衛をしてるだけですので、ランクの事は気にしないで下さい。
まぁ、気にするなと言われて『はい、そうですか』とは言えないかもですが、少なくとも僕達は気にしてませんので…ね?」
「あぁ、申し訳ない、そうしてくれると助かるよ…。」
と、バツの悪そうなケビンさん…まぁ、そこは我慢して貰おう。
「しっかし、Aランクかよ…俺、初めて見たぜ。」
「えぇ…私だってそうよ。
でも、Aランクってもっと偉そうにしてる物だと思ってたわ。」
「そうだよな…俺なんかDランクくらいに見えてたぜ。」
と、残りの3人が口々に言う…。
うん、せめてDランクではなくCランクの冒険者に見られたいと思う。
まぁ、何はともあれ、何やら再び騒がしくなりそうだ…と思った瞬間だった…。
栄養価は高いらしいが、不味い部類にはいる携帯食料を美味しく調理した夕食?を食べて、明日の予定を話し合っていたら急にそんな声が聞こえてきた。
夕食に『?』が付いているのは、ダンジョンの中だと朝なのか昼なのか…はたまた夜なのかと言うのは分からなかったりする。
その為、あくまで体内時計による試算である。
とは言え、そんなにズレていないと思う。
何せ、お腹の空き具合…所謂、腹時計からの予測なのだ。
まぁ、そんな些細な事は置いておくとして…この安全地帯へ来たヤツの事に意識を集中しよう。
「えぇ、確かに、ここは安全地帯ですね。
お陰で食事と休憩が出来て助かってますよ。」
「そうか…お前達には悪いんだが、俺達のパーティーも一緒に休ませて貰って良いかな?」
「それはまぁ構いませんが…でも、ちゃんとマナーは守って下さいね?」
と、僕は一応、念を押しておく。
「オイオイ、これでも俺はBランク級の冒険者なんだぞ?
見た所、それほどランクが高そうに見えないが、CランクかDランクって所か?
俺達だったから良かった物の、他のヤツだったら、タダじゃ済まなかったかもだぞ?
もう少し、高ランクの者に対しては敬意を払った方が良いぞ?」
と、僕達に注意してくる。
まぁ、僕やプリンの方がランクは上なんだけど、僕達みたいな若造が自分達よりも上のランクとは思わないのだろう。
現に、護衛の依頼主であるアイアンさんはまだCランクになったばかりだしね。
「あ、あの、私はCランクになったばかりですが、こちらのカタリベ殿と、その奥方様は、その…。」
おっと、アイアンさんが余計な事を言い出しそうなので僕は言葉を伏せる様に少し声を大きめに話す。
「そうですね、新参者ですから参考になります。
それで…ですね、先程、俺達のパーティーと聞こえたんですが、何名ほどのパーティーなんですか?」
と、聞いてみる。
ぶっちゃけ、何人でも良いのだが…この質問は、ダンジョン内では、ある種の決まり文句だったりする。
つまり、『お前達の戦力は?』と、警戒してるぞコノヤロー!と言う意味である。
故に、返ってきた答えはと言うと…。
「ははは、そんなに警戒しなくて良い。
ちなみに、俺の名前はケビンだ。
そんで、先程の質問の答えだが、俺達は5人のパーティーだ。
前衛3、後衛2って所だな…パーティー名は『漆黒の翼』だ。
ちなみに…だ、そんなに心配なら、武装を解除しても良いぞ?」
ふむ…なんとも厨二病みたいなパーティー名ではあるが、ちゃんと名乗りを上げる所を見ると、クズ男…もとい、クゾー達に比べると、結構、まともな連中なのかも知れない。
「し、『漆黒の翼』ッ!?もしかして、双剣使いのケビンさんですか?」
おや?僕達は何も知らないのだが、どうやらアイアンさんに心当たりがある様だ。
「ん?まぁ、確かにその二つ名で呼ばれる事もあるが…そう言う君は?」
「あ、すいません!私はアドラン村のアイアンと言います。
あなたの活躍はアドラン村の誇りです!」
「なんとッ!?同郷の者だったかッ!村長達は元気か?」
「えぇ、元気です!とは言っても、僕が旅に出てからは一度も戻ってないので、今はどうか分かりませんが…。」
「そうか…まぁ、何はともあれ、こんな所で同郷の者に出会うとは縁と言うのは、何とも不思議な物だな。」
と、ケビンが言ったタイミングで、やっと安全地帯に入ってきた4人組の男女…言わずもがな、このケビンと言う男の仲間達である。
「やっと追い付いた…それで、ケビン、急に大きな声だしてどうしたの?」
と、声を掛けてきたのはケビンのお仲間の女性だ。
「いや、こちらのアイアンってヤツが俺の同郷でね…つい、テンションが上がっちまった。」
「そう…アイアンさん、ですよね?こんばんわ。
私はリーナ、このパーティーのサブリーダーをやらせて貰ってるわ。
それで…貴方達は?」
ん?あ…そうか、僕達の名前か。
「えっと、僕は語部です。
で、こっちが僕の妻のプリンです。」
「カタリベさんにプリンさんね、よろしくね。
…ん?カ、カタリベさん?もし、間違ってたらごめんなさいね?
もしかして、貴方、このダンジョンが再び活動し始めたのを見付けた、Aランクのカタリベさんだったりします?」
やば、事情を知っている人がいた…。
「えぇ、そうよ♪私の旦那様が、このダンジョンを発見したわ。」
と、何故かプリンがドヤ顔しながら自慢げに話す。
いや、バレるのが嫌だから黙っていたのに、プリンが答えてどうするよ?
「なッ!?そ、それは本当かッ!?」
そして、プリンの言葉に顔が引き攣るケビンさん。
それもそのはず、先程、『高ランクの者に対しては敬意を払った方が良いぞ?』と、偉そうにアドバイスを言ったばかりである。
しかも、よりにもよって、自分よりランクが上の相手に…である。
「あ~、僕達は今、アイアンさんの護衛をしてるだけですので、ランクの事は気にしないで下さい。
まぁ、気にするなと言われて『はい、そうですか』とは言えないかもですが、少なくとも僕達は気にしてませんので…ね?」
「あぁ、申し訳ない、そうしてくれると助かるよ…。」
と、バツの悪そうなケビンさん…まぁ、そこは我慢して貰おう。
「しっかし、Aランクかよ…俺、初めて見たぜ。」
「えぇ…私だってそうよ。
でも、Aランクってもっと偉そうにしてる物だと思ってたわ。」
「そうだよな…俺なんかDランクくらいに見えてたぜ。」
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