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~第七章:魔神復活編~
265ページ目…ドラゴニュート【1】
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「ゴホンッ!あ~…改めて自己紹介をさせて貰う。」
ドラゴニュートの青年?は、興奮しまくっていた姿を見せたのが恥ずかしかったのか、1つ咳払いをすると姿勢を正して、僕へと話し掛けてくる。
「俺はドラゴニュートのドラコ・シルヴァだ。
そして、君の祖父である勇者セイギ…いや、マサヨシと言った方が君には分かりやすいのかな?
とりあえず、俺は勇者セイギと一緒に魔王を倒した仲間の一人だから、心配しなくて良いぞ。」
そう言うと、ドラコさんは右手を出して握手を求めてくる。
「えっと…語部 夢幻です。
正直、この世界でのじぃちゃんの活躍はよく分かってないんですが、じぃちゃんと一緒に戦った人に会えて嬉しいです。」
僕はそう答えると、同じく右手を差し出して握手に応える。
「って、ちょい待ち…この世界でじぃちゃんの活躍した時代って、確か、300年前なんじゃ…。」
ふと思った疑問に、寒気が過ぎる。
普通に考えると人間の寿命の平均は基本的に85歳前後、男女により差もあるし、例外的に長寿で100歳を超える人もいる。
ましてや、異世界ともなると多少は寿命に差が出てくるのは仕方がないだろう。
とは言え、流石に300年前の人物と言うのは、あまりにも不自然だ。
そう思った時には、僕は手を離してバックステップ、相手から距離を取ると、腰に差していたロングソードを抜き放つ。
「ちょ、ちょっと待て!お前はちょっと誤解をしている!
セイギのヤツにも言ったが、ドラゴニュートは人族の寿命とは違い、平均500年ほど生きる種族だぞッ!!」
と、警戒する僕に声を高らかに叫んで言い訳をする。
考えてみたら、ここは異世界…人間しか居ない元の世界に比べて、色んな種族が住んでいるのだから寿命が長い所属が居ても不思議ではない。
それに、物語などでは千年生きている竜やエルフなんて物もいる。
一部の物語では何年生きているのかすら分からないハイ・エルフとかもいる訳で…言ってる事は本当の事かも知れない。
「…証拠は?」
「ない!だが、既に俺自身、ドラゴニュートの寿命で死ねないと俺自身、理解している。」
ん?それって…もしかして、あの事か?
正直に話してくれるか分からないが、聞いてみようと思う。
「理由、教えてくれますか?」
「あぁ、それで君に信用して貰えるなら、お安い御用だ。」
そう言って親指を立てて応えてくれる…所謂、サムズアップと言うヤツだ。
前々から思っていたのだが、何で異世界にサムズアップがあるのだろう?
科学や魔法と言った発展した技術は違えど、似た文明だからだろうか?
「あ、念の為言っておきますが、僕を騙そうとしたら怪我では済みませんからね?」
「ははは、まさか彼奴の孫を騙したら、彼奴の事だから次元を超えて殺しに来るか?
いや、彼奴の事だ、本気でやってきそうで怖いな…。」
「…じぃちゃん、そんなに規格外だったんですか?」
変な冷や汗が頬を伝って落ちるのが分かる。
「あ、あぁ…まぁ、その話は後で良いか?まずは説明をしたい。
いつまでも、彼奴の孫に剣を向けられているのは、さすがに気分が悪いしな…。」
「え、えぇ、こちらとしても何時までも剣を向けている訳にはいかないので…。」
僕はそう言いつつ、もう剣を向ける必要はないと確信していた。
「えっと…そうだな、先ほども言ったが竜人、ドラゴニュートと言う種族は名前からも分かる様に、ドラゴンの血を引いている種族だ。
その為、ドラゴンほどの生命力は無いが、人族と比べるとかなりの生命力がある。
それ故、寿命が人族のソレとは比べようもないほど長く、500年は生きると言われている。
実際、俺の部族の長老なんて、今年で542歳だったから、間違いないはずだ。」
「へ、へぇ~…凄いですね…。」
「まぁ、人族に比べたら…だがな。
魔王を倒す旅をしていた時に出会ったエルフ達なんて、普通に500年近く生きてるヤツが、ゴロゴロいたぞ?
しかも、それで働き盛りって言うんだから、彼奴等は化け物かって思ったね。
あぁ…そう考えれば、君にとって俺はそんな感じなのかもな…。」
「あ、いえ…元の世界には人間って…えっと、元の世界には人族しか居ませんでしたから何も知らなければ、そんな風に思ったかも知れませんが、その世界には色々な物語でエルフやらドラゴンが出てくる物語があるんで、そこら辺は大丈夫です。
…で、先程言っていた『俺自身、ドラゴニュートの寿命で死ねない』とは?」
いや、実際には分かっている…何せ、僕もダンジョンマスターをやっているのだから…。
だが、その事を教えてくれるかどうかで信じて良いかどうかの判断をしようと思う。
まぁ、正直に言えば信じて良いと思う…あくまで、ケジメ…だ。
「君は既に分かっていると思うが…俺は、このダンジョンのダンジョンマスターだ。
そして、このダンジョンマスターと言うのは、自分のダンジョン内では不老不死に近い存在となる。
まぁ、不老不死と言うより不老長寿と言った方が正しいかもしれないな。」
「やっぱり…ダンジョンマスターだんですね…。」
うん、ここまでは想像通りだね。
「あぁ、そしてダンジョンマスターになる時に色々な知識も手に入れた。
その中には、ダンジョンをどうするかを決める権利と言うのもあった。」
なるほど、つまり彼は、自分の意志で、このダンジョンをそう言う風にした訳だ…。
「だから、このダンジョンを死んだダンジョンに見せかけたんですか?」
「あ~…それは…。」
おや?何か様子が可怪しいぞ?
何だか、恥ずかしそうにしている様な…。
「実は…な。」
そして、ドラコさんは恥ずかしそうにポツポツと語り出したのだった…。
ドラゴニュートの青年?は、興奮しまくっていた姿を見せたのが恥ずかしかったのか、1つ咳払いをすると姿勢を正して、僕へと話し掛けてくる。
「俺はドラゴニュートのドラコ・シルヴァだ。
そして、君の祖父である勇者セイギ…いや、マサヨシと言った方が君には分かりやすいのかな?
とりあえず、俺は勇者セイギと一緒に魔王を倒した仲間の一人だから、心配しなくて良いぞ。」
そう言うと、ドラコさんは右手を出して握手を求めてくる。
「えっと…語部 夢幻です。
正直、この世界でのじぃちゃんの活躍はよく分かってないんですが、じぃちゃんと一緒に戦った人に会えて嬉しいです。」
僕はそう答えると、同じく右手を差し出して握手に応える。
「って、ちょい待ち…この世界でじぃちゃんの活躍した時代って、確か、300年前なんじゃ…。」
ふと思った疑問に、寒気が過ぎる。
普通に考えると人間の寿命の平均は基本的に85歳前後、男女により差もあるし、例外的に長寿で100歳を超える人もいる。
ましてや、異世界ともなると多少は寿命に差が出てくるのは仕方がないだろう。
とは言え、流石に300年前の人物と言うのは、あまりにも不自然だ。
そう思った時には、僕は手を離してバックステップ、相手から距離を取ると、腰に差していたロングソードを抜き放つ。
「ちょ、ちょっと待て!お前はちょっと誤解をしている!
セイギのヤツにも言ったが、ドラゴニュートは人族の寿命とは違い、平均500年ほど生きる種族だぞッ!!」
と、警戒する僕に声を高らかに叫んで言い訳をする。
考えてみたら、ここは異世界…人間しか居ない元の世界に比べて、色んな種族が住んでいるのだから寿命が長い所属が居ても不思議ではない。
それに、物語などでは千年生きている竜やエルフなんて物もいる。
一部の物語では何年生きているのかすら分からないハイ・エルフとかもいる訳で…言ってる事は本当の事かも知れない。
「…証拠は?」
「ない!だが、既に俺自身、ドラゴニュートの寿命で死ねないと俺自身、理解している。」
ん?それって…もしかして、あの事か?
正直に話してくれるか分からないが、聞いてみようと思う。
「理由、教えてくれますか?」
「あぁ、それで君に信用して貰えるなら、お安い御用だ。」
そう言って親指を立てて応えてくれる…所謂、サムズアップと言うヤツだ。
前々から思っていたのだが、何で異世界にサムズアップがあるのだろう?
科学や魔法と言った発展した技術は違えど、似た文明だからだろうか?
「あ、念の為言っておきますが、僕を騙そうとしたら怪我では済みませんからね?」
「ははは、まさか彼奴の孫を騙したら、彼奴の事だから次元を超えて殺しに来るか?
いや、彼奴の事だ、本気でやってきそうで怖いな…。」
「…じぃちゃん、そんなに規格外だったんですか?」
変な冷や汗が頬を伝って落ちるのが分かる。
「あ、あぁ…まぁ、その話は後で良いか?まずは説明をしたい。
いつまでも、彼奴の孫に剣を向けられているのは、さすがに気分が悪いしな…。」
「え、えぇ、こちらとしても何時までも剣を向けている訳にはいかないので…。」
僕はそう言いつつ、もう剣を向ける必要はないと確信していた。
「えっと…そうだな、先ほども言ったが竜人、ドラゴニュートと言う種族は名前からも分かる様に、ドラゴンの血を引いている種族だ。
その為、ドラゴンほどの生命力は無いが、人族と比べるとかなりの生命力がある。
それ故、寿命が人族のソレとは比べようもないほど長く、500年は生きると言われている。
実際、俺の部族の長老なんて、今年で542歳だったから、間違いないはずだ。」
「へ、へぇ~…凄いですね…。」
「まぁ、人族に比べたら…だがな。
魔王を倒す旅をしていた時に出会ったエルフ達なんて、普通に500年近く生きてるヤツが、ゴロゴロいたぞ?
しかも、それで働き盛りって言うんだから、彼奴等は化け物かって思ったね。
あぁ…そう考えれば、君にとって俺はそんな感じなのかもな…。」
「あ、いえ…元の世界には人間って…えっと、元の世界には人族しか居ませんでしたから何も知らなければ、そんな風に思ったかも知れませんが、その世界には色々な物語でエルフやらドラゴンが出てくる物語があるんで、そこら辺は大丈夫です。
…で、先程言っていた『俺自身、ドラゴニュートの寿命で死ねない』とは?」
いや、実際には分かっている…何せ、僕もダンジョンマスターをやっているのだから…。
だが、その事を教えてくれるかどうかで信じて良いかどうかの判断をしようと思う。
まぁ、正直に言えば信じて良いと思う…あくまで、ケジメ…だ。
「君は既に分かっていると思うが…俺は、このダンジョンのダンジョンマスターだ。
そして、このダンジョンマスターと言うのは、自分のダンジョン内では不老不死に近い存在となる。
まぁ、不老不死と言うより不老長寿と言った方が正しいかもしれないな。」
「やっぱり…ダンジョンマスターだんですね…。」
うん、ここまでは想像通りだね。
「あぁ、そしてダンジョンマスターになる時に色々な知識も手に入れた。
その中には、ダンジョンをどうするかを決める権利と言うのもあった。」
なるほど、つまり彼は、自分の意志で、このダンジョンをそう言う風にした訳だ…。
「だから、このダンジョンを死んだダンジョンに見せかけたんですか?」
「あ~…それは…。」
おや?何か様子が可怪しいぞ?
何だか、恥ずかしそうにしている様な…。
「実は…な。」
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