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~第七章:魔神復活編~
255ページ目…スライム調査【4】
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帰らずの森と呼ばれている森が、メルトの街の側にある。
ちなみに、スタトの塔があった森とは別の森である。
で、この帰らずの森なのだが、何故、そんな名前が付いているのかは誰も知らない。
確かに迷いやすい森ではあるのだが、別段、何のトラブルもなく普通に帰ってくる事が出来る。
むしろ、冒険者に成り立ての半数は薬草取りの為に、帰らずの森へ入った事があるのではないだろうか?
僕も、この町に着いて冒険者になってから直ぐの頃は、薬草取りのクエストで何度か足を運んだ場所だったりする。
もっとも、僕の場合は、迷子になりたくないので森の入り口付近で採取していたのだが…。
そんな訳で、今まで奥へと入った事のない、帰らずの森の奥へと、スライムの調査に来た訳だが…。
「…本当に、そんなスライムがいたんですか?」
「あぁ、俺は遠目でしか見てないんだが、あんな所に少し赤くてプニプニと動くなんて、スライムくらいしか見た事無いからな…。」
そう、僕は今『例のスライム』の件で、偶然にも怪しいスライムを目撃したと言う冒険者に会う事が出来た。
そして、冒険者に情報の共有をお願いし、その怪しいスライムについて聞く事が出来たのだ。
ちなみに、この情報の共有と言うのは個人の自由で、例えば、何処何処に薬草が生えている、とか、釣りをするなら何処のポイントが良い、等々、他の人に教えても問題ない事を教え合うと言う物だが、もちろん、人によっては教えたくないからと、情報の共有を拒否する事も可能である。
当然ながら、断ったからと言って別に何かしらのペナルティがある訳ではないので、わざわざ貴重な情報を教える必要はない。
ただ、今回の様に『何かの調査』とかだと、協力しておくと後々、評価に繋がる事があるので、悪巧みを考えない冒険者であれば、自ずと協力的な態度を取るのが普通である。
しかしまぁ…まさか、こんな所で僕の知ってるスライムの情報を聞く事になろうとは…。
「あなた、そのスライムって、もしかして…。」
「あぁ、たぶん、僕達のよく知っているスライムだと思うよ?
それに、そのスライムならば、小さな村の一つや二つ壊滅させても可笑しくないと思う…。」
「ご、ご主人様や、プリンさんは、そのスライムの事を知っていられるんですか?」
あれ?クズハも良く知っているはずなんだが、何でだ?と思った所で、勘違いに気が付いた。
そう、クズハがそのスライムとあった時は、既にピンク色したスライムだったからだ。
「あぁ、それについては後で話すから、それよりも…。」
そう言って、僕はクズハから冒険者の方を向いて冒険者に話し掛ける。
「とりあえず、そのスライムがいたと言う場所を詳しく教えて貰えますか?
と言っても、今回の情報料は銀貨1枚までしか払えませんが…。」
まぁ、只の目撃情報では、経費で落ちる訳でもなく自腹で払う必要があり、銀貨1枚(1万円ほどの価値)を払うのだから文句はないはずだ。
ちなみに、通常、この手の情報だと大銅貨1~2枚で十分なお礼になる。
それを考えれば、破格の情報料だと言えよう。
「銀貨1枚…か、良いだろう、その話受けた。
それにしても、只の目撃情報だけで銀貨1枚って事は、近付かなくて正解だったみたいだな。」
「えぇ、多分ですが…下手に戦った場合、最悪、死んでいたかも知れませんね…。」
別に脅すつもりはないのだが、下手に近付いた場合、『もしも』戦闘にでもなったら洒落にならない事になるので、注意の意味も込めて、少しオーバーに話す。
まぁ、彼がそれなりの強者であれば問題ないだろうが、装備から察するに、彼はそこまで強くない筈だ。
もっとも、そうなる可能性が高いと思うだけで、こちらの情報を彼に伝えているので、嘘を付いている訳ではない。
あくまでも、個人的な意見なのである。
まぁ、戦闘じゃなくても死ぬ事だってありえるので、物は言い様…と言う事で、誤解して貰おう。
◇◆◇◆◇◆◇
それから十数分後、僕達は冒険者が『例のスライム』を目撃したと言う場所へと、無事に到着する事が出来た。
そうそう、当初、僕達はスライムの大量発生が原因かと思っていた今回の件だが、かえらずの森の状況から『例のスライム』単体の仕業だと言う結論に達した。
と、言うのも、プリン曰く『例のスライム』は周囲のスライムすらも捕食するらしいので、スライムが大量発生してる可能性は極めて少ない点との事だったからだ。
と、言う事で、この目撃地点を中心に、『例のスライム』の捜索開始となったのだった…。
ちなみに、スタトの塔があった森とは別の森である。
で、この帰らずの森なのだが、何故、そんな名前が付いているのかは誰も知らない。
確かに迷いやすい森ではあるのだが、別段、何のトラブルもなく普通に帰ってくる事が出来る。
むしろ、冒険者に成り立ての半数は薬草取りの為に、帰らずの森へ入った事があるのではないだろうか?
僕も、この町に着いて冒険者になってから直ぐの頃は、薬草取りのクエストで何度か足を運んだ場所だったりする。
もっとも、僕の場合は、迷子になりたくないので森の入り口付近で採取していたのだが…。
そんな訳で、今まで奥へと入った事のない、帰らずの森の奥へと、スライムの調査に来た訳だが…。
「…本当に、そんなスライムがいたんですか?」
「あぁ、俺は遠目でしか見てないんだが、あんな所に少し赤くてプニプニと動くなんて、スライムくらいしか見た事無いからな…。」
そう、僕は今『例のスライム』の件で、偶然にも怪しいスライムを目撃したと言う冒険者に会う事が出来た。
そして、冒険者に情報の共有をお願いし、その怪しいスライムについて聞く事が出来たのだ。
ちなみに、この情報の共有と言うのは個人の自由で、例えば、何処何処に薬草が生えている、とか、釣りをするなら何処のポイントが良い、等々、他の人に教えても問題ない事を教え合うと言う物だが、もちろん、人によっては教えたくないからと、情報の共有を拒否する事も可能である。
当然ながら、断ったからと言って別に何かしらのペナルティがある訳ではないので、わざわざ貴重な情報を教える必要はない。
ただ、今回の様に『何かの調査』とかだと、協力しておくと後々、評価に繋がる事があるので、悪巧みを考えない冒険者であれば、自ずと協力的な態度を取るのが普通である。
しかしまぁ…まさか、こんな所で僕の知ってるスライムの情報を聞く事になろうとは…。
「あなた、そのスライムって、もしかして…。」
「あぁ、たぶん、僕達のよく知っているスライムだと思うよ?
それに、そのスライムならば、小さな村の一つや二つ壊滅させても可笑しくないと思う…。」
「ご、ご主人様や、プリンさんは、そのスライムの事を知っていられるんですか?」
あれ?クズハも良く知っているはずなんだが、何でだ?と思った所で、勘違いに気が付いた。
そう、クズハがそのスライムとあった時は、既にピンク色したスライムだったからだ。
「あぁ、それについては後で話すから、それよりも…。」
そう言って、僕はクズハから冒険者の方を向いて冒険者に話し掛ける。
「とりあえず、そのスライムがいたと言う場所を詳しく教えて貰えますか?
と言っても、今回の情報料は銀貨1枚までしか払えませんが…。」
まぁ、只の目撃情報では、経費で落ちる訳でもなく自腹で払う必要があり、銀貨1枚(1万円ほどの価値)を払うのだから文句はないはずだ。
ちなみに、通常、この手の情報だと大銅貨1~2枚で十分なお礼になる。
それを考えれば、破格の情報料だと言えよう。
「銀貨1枚…か、良いだろう、その話受けた。
それにしても、只の目撃情報だけで銀貨1枚って事は、近付かなくて正解だったみたいだな。」
「えぇ、多分ですが…下手に戦った場合、最悪、死んでいたかも知れませんね…。」
別に脅すつもりはないのだが、下手に近付いた場合、『もしも』戦闘にでもなったら洒落にならない事になるので、注意の意味も込めて、少しオーバーに話す。
まぁ、彼がそれなりの強者であれば問題ないだろうが、装備から察するに、彼はそこまで強くない筈だ。
もっとも、そうなる可能性が高いと思うだけで、こちらの情報を彼に伝えているので、嘘を付いている訳ではない。
あくまでも、個人的な意見なのである。
まぁ、戦闘じゃなくても死ぬ事だってありえるので、物は言い様…と言う事で、誤解して貰おう。
◇◆◇◆◇◆◇
それから十数分後、僕達は冒険者が『例のスライム』を目撃したと言う場所へと、無事に到着する事が出来た。
そうそう、当初、僕達はスライムの大量発生が原因かと思っていた今回の件だが、かえらずの森の状況から『例のスライム』単体の仕業だと言う結論に達した。
と、言うのも、プリン曰く『例のスライム』は周囲のスライムすらも捕食するらしいので、スライムが大量発生してる可能性は極めて少ない点との事だったからだ。
と、言う事で、この目撃地点を中心に、『例のスライム』の捜索開始となったのだった…。
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