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~第七章:魔神復活編~
245ページ目…ダンジョンマスターの憂鬱【4】
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ローラと別れてから少し経った頃、僕の操縦する馬車…ゴーレム馬車は冒険者ギルドへと到着していた。
もちろん、他の人にこの馬車は操縦出来ないので、ちゃんと邪魔にならない所に駐車?しているので迷惑を掛ける事はないと思う。
まぁ、最悪、馬型のゴーレムには人型に変形して貰い、馬車を移動して貰うのも一つの手だ。
もっとも、そんな事をすれば、色々な所に目を付けられてしまうのだから、極力、そうならない事を祈る所だ。
◇◆◇◆◇◆◇
「ってな訳で、ラオンさんいる?」
いつもの様に受付にいたポプラさんへと声を掛ける。
「えっと…何がどう言う訳なのか分かりませんが、ギルドマスターからはムゲンさんが来られましたら、案内する様に言われてます。
ですので、こちらへどうぞ。」
そう言うと、受付嬢のポプラさんは他の受付嬢に『後、お願い。』と挨拶すると奥の部屋…ギルドマスターの部屋へと案内してくれる。
「しっかし…いつも案内、ありがとうございます。」
「いえいえ、これも仕事ですから。」
「それで…毎回思うんですが、既に何度も来てるんで、もう案内して貰わなくても問題なく部屋まで行けますよ?」
「えぇ、それは分かってますが、何分、そう言う規則ですから…。」
まぁ、規則を守ると言う事は大事な事だけど、少しくらいなら融通を利かせる位は問題ないと思うんだけど…。
など考えていたら、ギルドマスターの部屋の前に着いた様だ。
『コンコンッ』
「ギルドマスター、ムゲさんをお連れいたしました。」
「あぁ、やっと来たか、入って貰ってくれ!」
部屋の中からラオンさんの返事が聞こえる。
声を聞く限り、焦りとかの怒りなどの感情は読み取れない…つまり、特別、何かあった様な声ではないと思う。
「では、ごゆっくり。」
ポプラさんは、そう言いながら軽く会釈をすると、再び受付へと戻っていく。
うん、やはり、わざわざ案内する意味が分からない。
まぁ、何はともあれ、何時までもラオンさんを待たせる訳にはいかないので、部屋に入るとしよう。
「失礼します。」
僕はそう言うと、ドアを開けて部屋の中にはいるのだった…。
◇◆◇◆◇◆◇
「やっと来たか、待ってたぞ。」
「お待たせしてすいません…って、言うか、こっちはダンジョンから来てるんですから、それを考えれば十分早い筈ですが?」
と、僕は、若干、怒気を含ませて言う。
「まぁ…な、とは言え、流石に直接、この部屋に転移してこられても困るしな…。」
「えぇ、この部屋に誰か居たら大変ですからね…。
それはそうと、何か急用みたいでしたけど、何かあったんですか?」
使いの人は、内容を何も言わなかったそうだから、何の用で呼び出されたのか分かっていないんだよね。
「あぁ、その事なんだが…何かあったと言うか、何かある…と、言うか…だな。」
いつものラオンさんらしくなく、なんとも歯切れの悪い話し方である。
「どう言う事ですか?」
「何かあった…だと、既に起こってしまった事を言うのだが…。
それとは別に、何かある…だと、今から起こる…と言える訳だ。」
「あ~過去形と、現在形…現在進行形と言った方が良いかもですね。」
「うむ…そう言う事だ。」
どうやら、僕の答えで合っていた様だ。
まぁ、答えはともかく、用件を聞かない事には話にならないので、改めて聞く事にした。
「それで、改めて聞きますが、用件はいったい何ですか?」
「あぁ、その事なんだが…お前、とりあえず、今日中に何か適当な依頼をクリアしないと冒険者資格が停止になるぞ?」
「はい?」
冒険者資格の停止…つまり、冒険者として活動が出来なくなると言う事だ。
「いや、お前…2ヶ月ほど前からクエスト受けてないだろ?」
「えぇッ!?でも…今、僕のギルドランクAランクですよね?
だったら、猶予期間、半年ほどあるんじゃ…。」
冒険者ランクが上がるに連れ、難易度も上がっていく為、依頼を達成する為の準備期間と言うか猶予期間があるのだ。
それには、クエストを達成する為の準備や、体調を整える以外にも、装備を新調したりする人もいる為、一度達成すると、次の依頼までの猶予期間が多めに設定されているのである。
「あぁ、本来ならそうなんだが、ちょっと困った事が起きててな…。
それで、今日中にAランクのクエストを1つ以上クリアして貰わないといけなくなった。」
「…それって、本気ですか?」
「あぁ、残念ながら本気だ…。」
ラオンさんは、そう言うと、机の上に幾つかの依頼書を置いてきた。
「今、ギルドが持っているAランクの依頼書だ…すまんが、どれか至急片付けてくれ。
そうそう、別に受けるクエストは1つと言わず、2つでも3つでも構わんぞ?
正直、不良案件と言えるほどのクエストばかりだから…な。」
ラオンさんは、悪びれもせずに笑顔で僕に言ってくる。
つまり、可能な限り、全部やれ…と言う事か…しかも、今日中に…。
「はいはい、とりあえず、最低でも1つは終わらせれば良いんですね…。」
僕は、そう言うと机の上の依頼書を手に取り、依頼内容を確認するのだった…。
もちろん、他の人にこの馬車は操縦出来ないので、ちゃんと邪魔にならない所に駐車?しているので迷惑を掛ける事はないと思う。
まぁ、最悪、馬型のゴーレムには人型に変形して貰い、馬車を移動して貰うのも一つの手だ。
もっとも、そんな事をすれば、色々な所に目を付けられてしまうのだから、極力、そうならない事を祈る所だ。
◇◆◇◆◇◆◇
「ってな訳で、ラオンさんいる?」
いつもの様に受付にいたポプラさんへと声を掛ける。
「えっと…何がどう言う訳なのか分かりませんが、ギルドマスターからはムゲンさんが来られましたら、案内する様に言われてます。
ですので、こちらへどうぞ。」
そう言うと、受付嬢のポプラさんは他の受付嬢に『後、お願い。』と挨拶すると奥の部屋…ギルドマスターの部屋へと案内してくれる。
「しっかし…いつも案内、ありがとうございます。」
「いえいえ、これも仕事ですから。」
「それで…毎回思うんですが、既に何度も来てるんで、もう案内して貰わなくても問題なく部屋まで行けますよ?」
「えぇ、それは分かってますが、何分、そう言う規則ですから…。」
まぁ、規則を守ると言う事は大事な事だけど、少しくらいなら融通を利かせる位は問題ないと思うんだけど…。
など考えていたら、ギルドマスターの部屋の前に着いた様だ。
『コンコンッ』
「ギルドマスター、ムゲさんをお連れいたしました。」
「あぁ、やっと来たか、入って貰ってくれ!」
部屋の中からラオンさんの返事が聞こえる。
声を聞く限り、焦りとかの怒りなどの感情は読み取れない…つまり、特別、何かあった様な声ではないと思う。
「では、ごゆっくり。」
ポプラさんは、そう言いながら軽く会釈をすると、再び受付へと戻っていく。
うん、やはり、わざわざ案内する意味が分からない。
まぁ、何はともあれ、何時までもラオンさんを待たせる訳にはいかないので、部屋に入るとしよう。
「失礼します。」
僕はそう言うと、ドアを開けて部屋の中にはいるのだった…。
◇◆◇◆◇◆◇
「やっと来たか、待ってたぞ。」
「お待たせしてすいません…って、言うか、こっちはダンジョンから来てるんですから、それを考えれば十分早い筈ですが?」
と、僕は、若干、怒気を含ませて言う。
「まぁ…な、とは言え、流石に直接、この部屋に転移してこられても困るしな…。」
「えぇ、この部屋に誰か居たら大変ですからね…。
それはそうと、何か急用みたいでしたけど、何かあったんですか?」
使いの人は、内容を何も言わなかったそうだから、何の用で呼び出されたのか分かっていないんだよね。
「あぁ、その事なんだが…何かあったと言うか、何かある…と、言うか…だな。」
いつものラオンさんらしくなく、なんとも歯切れの悪い話し方である。
「どう言う事ですか?」
「何かあった…だと、既に起こってしまった事を言うのだが…。
それとは別に、何かある…だと、今から起こる…と言える訳だ。」
「あ~過去形と、現在形…現在進行形と言った方が良いかもですね。」
「うむ…そう言う事だ。」
どうやら、僕の答えで合っていた様だ。
まぁ、答えはともかく、用件を聞かない事には話にならないので、改めて聞く事にした。
「それで、改めて聞きますが、用件はいったい何ですか?」
「あぁ、その事なんだが…お前、とりあえず、今日中に何か適当な依頼をクリアしないと冒険者資格が停止になるぞ?」
「はい?」
冒険者資格の停止…つまり、冒険者として活動が出来なくなると言う事だ。
「いや、お前…2ヶ月ほど前からクエスト受けてないだろ?」
「えぇッ!?でも…今、僕のギルドランクAランクですよね?
だったら、猶予期間、半年ほどあるんじゃ…。」
冒険者ランクが上がるに連れ、難易度も上がっていく為、依頼を達成する為の準備期間と言うか猶予期間があるのだ。
それには、クエストを達成する為の準備や、体調を整える以外にも、装備を新調したりする人もいる為、一度達成すると、次の依頼までの猶予期間が多めに設定されているのである。
「あぁ、本来ならそうなんだが、ちょっと困った事が起きててな…。
それで、今日中にAランクのクエストを1つ以上クリアして貰わないといけなくなった。」
「…それって、本気ですか?」
「あぁ、残念ながら本気だ…。」
ラオンさんは、そう言うと、机の上に幾つかの依頼書を置いてきた。
「今、ギルドが持っているAランクの依頼書だ…すまんが、どれか至急片付けてくれ。
そうそう、別に受けるクエストは1つと言わず、2つでも3つでも構わんぞ?
正直、不良案件と言えるほどのクエストばかりだから…な。」
ラオンさんは、悪びれもせずに笑顔で僕に言ってくる。
つまり、可能な限り、全部やれ…と言う事か…しかも、今日中に…。
「はいはい、とりあえず、最低でも1つは終わらせれば良いんですね…。」
僕は、そう言うと机の上の依頼書を手に取り、依頼内容を確認するのだった…。
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