~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

文字の大きさ
上 下
225 / 421
~第七章:魔神復活編~

225ページ目…この世界の魔族とは

しおりを挟む
 魔族…よくある物語の魔族とは、強靱な体と強大な魔力を併せ持つ反面、人族に比べて数が少ない。
 そして、人族と敵対している存在である。

 ならば、この世界の魔族ではどうだろう?

 約300年前、勇者セイギ(実は、僕のじぃちゃんで正義《マサヨシ》と言う名前なのだが、仲間内でセイギと呼んでいた所為で、一般的にセイギとしての名前が定着してしまった)の活躍により、魔王を倒した際にその下僕だった魔族も一緒に姿を消していたりする。
 もっとも、文字通り消えたのではなく、何処かの地下世界に隠れ住んだのではないか?と言うのが一般的な認識である。
 しかし、その魔王と言うのが、この世界を管理していた神の一柱であった零《ゼロ》が、この世界に降臨する為に授肉した姿だったりする。
 そして、そんな魔王を勇者セイギが倒した事により、この世界は平和になったらしい。

 もっとも、魔族は姿を隠しただけで、その脅威が一時的に無くなっただけであるし、魔物とかは普通にいるので平和と言って良いのかは微妙な所だったりする…。
 ってか、じぃちゃん…授肉して能力が落ちたとは言え、神様倒したのかよ…。
 考えてみたら、普通じゃありえない事してたんだな…と、しみじみ思った。

 とりあえず、話を戻そう。

 さて、この世界の魔族は、自分達の主であった魔王である零を復活させる為に行動しているらしい。
 そして、どうやら魔族達は転移者の中に、魔王の欠片が眠っているのを知っている様だった。
 問題は『誰』に眠っているのか分からないと言う事だった。

 その為、偶然、次元の裂け目から落ちてきた転移者を集めた組織、聖騎士団を作りあげ、魔王の欠片を秘めた者を探していた様だ。
 そして、僕達が聖騎士団と戦った時、偶然にも僕の中の魔王の欠片に気が付き、魔王復活を試みて襲ってきた様で、本当に傍迷惑はためいわくな存在である。
 ちなみに、魔王復活には、魔王の欠片を秘めた転移者の『絶望』が魔王復活の鍵となるらしい。

 さて、ここからが重要である。

 そんな迷惑な存在である魔族達だが、どう言う訳か聖騎士団の団長と副団長の体を乗っ取り、その体を使って僕に襲い掛かってきた。
 そして、今現在、僕達は副団長の体を奪った魔族との戦闘中だったりする訳で…。

 ただし、その魔族に対して有効な攻撃が、現在いまの所〖魔法:浄化の炎メギドフレア〗だけだったりする。

 そう…それ以外の魔法も、物理攻撃すらも全く効かないし、もちろん魔法と闘気を同時に遣う『魔神剣』すらも効果が殆どないのである。
 とは言っても、有効打になる程のダメージを与えられないだけで、吹き飛ばすくらいは出来るので相手の攻撃を防ぐ事は出来ている…が、やはり、このまま打開策が何も無いのであれば、このままでは先に力を使い切って倒されるのは時間の問題だったりする。

 しかし、僕はこのタイミングで一つの仮説を思い付く。
 それは僕がファンタジーの世界にハマる原因となった小説の設定だったりする。

 その物語の魔族の上位魔族…純魔族と呼ばれている魔族は、わば精神体アストラルボディーである為、通常の魔法や物理攻撃が効かないと言う事だ。
 まぁ、確かに精神体であれば他者の体を乗っ取る事が出来ても不思議ではない…のか?
 元の世界でも悪霊と言う物に、取り付かれたって言う話もある位なのだから…。

 そして、僕が使った〖浄化の炎〗は、聖王都の図書館で調べ物をしていた時、たまたま魔族に効くと言う文献を見付けたから使っただけの魔法で、アンデッドや幽霊などの実体を持たない物にも攻撃が効くとも書いてあった。
 そう…何となく効くかな?って思って使った魔法だが、精神体への攻撃とも言える魔法だったりするのだ。

 しかし…残念な事に、僕の知っている精神体への攻撃魔法はコレだけだったりする。
 そして、魔族のラドルに致命傷を負わせるだけの魔法ではないと言う事はラドルがよく分かっている訳で…ある意味、詰みである。

◇◆◇◆◇◆◇

「って、だからと言って、大人しく諦めてたまるかってんだッ!!」

 魔族が精神体?だからどうした!
 それ以前に、僕の巫山戯ふざけ反則的なチート能力ならば、この状況も打破出来るはずなのだ!
 そんな絶望を振り解くが如く、僕は空元気よろしく、なけなしの勇気を振り絞る。

【称号:〖ひよこ勇者〗が称号:〖勇者〗に進化しました。】

 ははは…まさか、今までずっと〖ひよこ勇者〗だった称号が、今更ながら〖勇者〗へとパワーアップかよ…。
 だけど、何の確信もないが、何となくだけど希望が出てきた。
 だって、魔族を統べる魔王を倒したのは、僕のじぃちゃん『勇者・・セイギ』だったのだから…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu
ファンタジー
冒険者に憧れる魔法使いのニラダは補助魔法しか使えず、どこのパーティーからも加入を断られていた、しかたなくソロ活動をしている中、モンスターとの戦いで自らに補助魔法をかける事でとんでもない力を発揮する。 最低限の身の守りの為に鍛えていた肉体が補助魔法によりとんでもなくなることを知ったニラダは剣、槍、弓を身につけ戦いの幅を広げる事を試みる。 更に攻撃魔法しか使えない天然魔法少女や、治癒魔法しか使えないヒーラー、更には対盗賊専門の盗賊と力を合わせてパーティーを組んでいき、前衛を一手に引き受ける。 「みんなは俺が守る、俺のこの力でこのパーティーを誰もが認める最強パーティーにしてみせる」 様々なクエストを乗り越え、彼らに待ち受けているものとは? ※この作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアッププラスでも公開しています。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

神様との賭けに勝ったので異世界で無双したいと思います。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。 突然足元に魔法陣が現れる。 そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――― ※チートな主人公が異世界無双する話です。小説家になろう、ノベルバの方にも投稿しています。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

処理中です...