224 / 421
~第七章:魔神復活編~
224ページ目…魔族との戦い【1】
しおりを挟む
空間の歪み…それは〖空間転移〗の魔法を使う僕にとっては、とても馴染みの深い物だった。
そして、僕と戦っていた魔族…ラドルの姿が消え、その後、プリンの側に空間の歪みが発生した事により、僕の不安は一気に高まる。
次の瞬間、今から転移するより直接走った方が早いと判断し僕は〖魔法:加速&身体強化〗を発動すると、空間の歪み目掛けて最高速で一直線に走り、そのまま闘気剣を叩き込む。
しかし、そこから出てきたのはひび割れた魔族の腕のみ…で、肝心の本体が居ない。
直後、背後から放たれる巨大な火球…いくら無詠唱とは言え、準備をしていなければ一瞬で魔法は放つ事が出来る訳ではない。
クソッ!間に合わない!!そう思った瞬間、この事を予想していたのか隣にいたプリンが魔法を発動させる。
「〖魔法:大地の防壁〗!ご主人様、大丈夫ですか?」
次の瞬間、僕達と火球の間に、土属性の防壁が張られる。
『チュドーーーン!』
プリンの防御魔法は、物の見事にラドルの火球を防ぎきった。
いったい、いつから用意したのか?と思わせるほどのタイミングで防御魔法を発動させたプリンに、先程の質問の答えとして、『大丈夫だ』と告げつつ、僕は魔族の方を見る。
すると、いつの間に回復したのか、魔族の左腕は何事もなかった様に生えていた。
「ヒャッハッハッハッ、そっちの嬢ちゃんもなかなかやるじゃね~か。
だが、二人掛かりでも俺には勝てないだろうがな、ギャハハハハ!」
頭のネジが数本飛んだ様なイカレた様な笑い方に、僕は鬱陶しいと思いつつも油断しない様にしていると、一瞬にして青白い炎に包まれる魔族…。
そして、その横から突然と姿を現すクズハ…どうやら〖魔法:蜃気楼〗の魔法で自分の姿を見えなくして、一撃を浴びせる為に隠れていた様だ。
「ゆ、油断しましたね!私の最大火力の狐火を浴びて只で済むとは思わないで下さいッ!」
どうやら、青白い炎はクズハの狐火だった様だ。
だが、致命傷を与えていても可笑しくない程の、その攻撃は、虚しくもラドルが腕を一振りするとその炎は霧散する。
「なッ!?」
僕の口から思わずら出たその言葉が、余程嬉しかったのかラドルはますます調子に乗って高笑いを上げる。
「ギャハハハッハ、おいおいおい、魔族である俺様が物理攻撃や只の魔法なんかで倒せる訳無いだろ?
もしかして、お前達、魔族を舐めてるのか?」
ラドルはそう言うと、クズハを風魔法で吹き飛ばすと再び転移して僕の前に現れる。
「ほら、どうした?攻撃してみろよ?つっても、お前が俺にダメージを与えれるのは、せいぜい先程使った〖魔法:浄化の炎〗だけだろがな、ギャハハハハ!」
そう、確かに先程から僕の攻撃でラドルにダメージを与えたのは〖浄化の炎〗だけである。
先程の魔神拳でのダメージも核となる魔法は〖浄化の炎〗のみ、何故、物理攻撃と魔法が効かないのに〖浄化の炎〗のみダメージを与える事が出来るのか、そこにラドルの攻略の鍵となるはずだ。
僕は元の世界ので知識を総動員して魔族を倒す話を思い出す。
良くあるのは、聖魔法や聖剣による攻撃…である。
だけど、この世界には光魔法はあっても聖魔法と呼ばれる魔法は存在していない…らしい。
まぁ、その代わりと言ってはなんだが、聖属性を含む魔法はあるみたいだが…。
只、〖浄化の炎〗はスケルトンなどのアンデッド以外にも、幽霊などの実体を持たない物を倒す事の出来る魔法なだけに、ある意味では『聖魔法』と言っても過言ではないだけの性能を秘めているのだけは確かである。
余談ではあるが、〖浄化の炎〗は先程言った聖属性を含む火属性の魔法である。
魔族は、数こそ少ないが強靱な肉体と強大な魔力を持ち合わせる種族、この前提で間違いないはず…。
だが、もしも、この前提が間違っているとしたら、どうだろう?
「一つ質問がある…何故、お前は聖騎士団の副団長の体を奪ったんだ?」
何故、そんな事を?と言われても答える事が出来ないが、気が付いたら疑問に思った事が僕の口からポロリと漏れた。
そして、その言葉を聞いたラドルの顔が一瞬だけ恐怖に歪んだのを見逃さなかった。
「ギャハハハ、素晴らしい肉体を我が物にする為に決まってるだろ?
転移者には様々な力を手に入れた者が多いからな…俺様が有効利用させて貰ってるだけだ!ギャハハハハハッ!」
僕の口からポロリと出た疑問、それを誤魔化す為に聞いてない事まで語り出すラドル。
だが、僕は確かに聞いた…『素晴らしい肉体を我が物にする為』と、ならば、魔族の肉体と言うのは素晴らしくないのか?
先程までの前提である『魔族は強靱な肉体』ではないとしたら?
この前提を、逆転して考えたらどうなる?
そこまで考えた時、一つの物語を思い出した。
それは、僕がファンタジーにハマる要因となった、ある物語だった…。
そして、僕と戦っていた魔族…ラドルの姿が消え、その後、プリンの側に空間の歪みが発生した事により、僕の不安は一気に高まる。
次の瞬間、今から転移するより直接走った方が早いと判断し僕は〖魔法:加速&身体強化〗を発動すると、空間の歪み目掛けて最高速で一直線に走り、そのまま闘気剣を叩き込む。
しかし、そこから出てきたのはひび割れた魔族の腕のみ…で、肝心の本体が居ない。
直後、背後から放たれる巨大な火球…いくら無詠唱とは言え、準備をしていなければ一瞬で魔法は放つ事が出来る訳ではない。
クソッ!間に合わない!!そう思った瞬間、この事を予想していたのか隣にいたプリンが魔法を発動させる。
「〖魔法:大地の防壁〗!ご主人様、大丈夫ですか?」
次の瞬間、僕達と火球の間に、土属性の防壁が張られる。
『チュドーーーン!』
プリンの防御魔法は、物の見事にラドルの火球を防ぎきった。
いったい、いつから用意したのか?と思わせるほどのタイミングで防御魔法を発動させたプリンに、先程の質問の答えとして、『大丈夫だ』と告げつつ、僕は魔族の方を見る。
すると、いつの間に回復したのか、魔族の左腕は何事もなかった様に生えていた。
「ヒャッハッハッハッ、そっちの嬢ちゃんもなかなかやるじゃね~か。
だが、二人掛かりでも俺には勝てないだろうがな、ギャハハハハ!」
頭のネジが数本飛んだ様なイカレた様な笑い方に、僕は鬱陶しいと思いつつも油断しない様にしていると、一瞬にして青白い炎に包まれる魔族…。
そして、その横から突然と姿を現すクズハ…どうやら〖魔法:蜃気楼〗の魔法で自分の姿を見えなくして、一撃を浴びせる為に隠れていた様だ。
「ゆ、油断しましたね!私の最大火力の狐火を浴びて只で済むとは思わないで下さいッ!」
どうやら、青白い炎はクズハの狐火だった様だ。
だが、致命傷を与えていても可笑しくない程の、その攻撃は、虚しくもラドルが腕を一振りするとその炎は霧散する。
「なッ!?」
僕の口から思わずら出たその言葉が、余程嬉しかったのかラドルはますます調子に乗って高笑いを上げる。
「ギャハハハッハ、おいおいおい、魔族である俺様が物理攻撃や只の魔法なんかで倒せる訳無いだろ?
もしかして、お前達、魔族を舐めてるのか?」
ラドルはそう言うと、クズハを風魔法で吹き飛ばすと再び転移して僕の前に現れる。
「ほら、どうした?攻撃してみろよ?つっても、お前が俺にダメージを与えれるのは、せいぜい先程使った〖魔法:浄化の炎〗だけだろがな、ギャハハハハ!」
そう、確かに先程から僕の攻撃でラドルにダメージを与えたのは〖浄化の炎〗だけである。
先程の魔神拳でのダメージも核となる魔法は〖浄化の炎〗のみ、何故、物理攻撃と魔法が効かないのに〖浄化の炎〗のみダメージを与える事が出来るのか、そこにラドルの攻略の鍵となるはずだ。
僕は元の世界ので知識を総動員して魔族を倒す話を思い出す。
良くあるのは、聖魔法や聖剣による攻撃…である。
だけど、この世界には光魔法はあっても聖魔法と呼ばれる魔法は存在していない…らしい。
まぁ、その代わりと言ってはなんだが、聖属性を含む魔法はあるみたいだが…。
只、〖浄化の炎〗はスケルトンなどのアンデッド以外にも、幽霊などの実体を持たない物を倒す事の出来る魔法なだけに、ある意味では『聖魔法』と言っても過言ではないだけの性能を秘めているのだけは確かである。
余談ではあるが、〖浄化の炎〗は先程言った聖属性を含む火属性の魔法である。
魔族は、数こそ少ないが強靱な肉体と強大な魔力を持ち合わせる種族、この前提で間違いないはず…。
だが、もしも、この前提が間違っているとしたら、どうだろう?
「一つ質問がある…何故、お前は聖騎士団の副団長の体を奪ったんだ?」
何故、そんな事を?と言われても答える事が出来ないが、気が付いたら疑問に思った事が僕の口からポロリと漏れた。
そして、その言葉を聞いたラドルの顔が一瞬だけ恐怖に歪んだのを見逃さなかった。
「ギャハハハ、素晴らしい肉体を我が物にする為に決まってるだろ?
転移者には様々な力を手に入れた者が多いからな…俺様が有効利用させて貰ってるだけだ!ギャハハハハハッ!」
僕の口からポロリと出た疑問、それを誤魔化す為に聞いてない事まで語り出すラドル。
だが、僕は確かに聞いた…『素晴らしい肉体を我が物にする為』と、ならば、魔族の肉体と言うのは素晴らしくないのか?
先程までの前提である『魔族は強靱な肉体』ではないとしたら?
この前提を、逆転して考えたらどうなる?
そこまで考えた時、一つの物語を思い出した。
それは、僕がファンタジーにハマる要因となった、ある物語だった…。
0
お気に入りに追加
405
あなたにおすすめの小説

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL

【スキルコレクター】は異世界で平穏な日々を求める
シロ
ファンタジー
神の都合により異世界へ転生する事になったエノク。『スキルコレクター』というスキルでスキルは楽々獲得できレベルもマックスに。『解析眼』により相手のスキルもコピーできる。
メニューも徐々に開放されていき、できる事も増えていく。
しかし転生させた神への謎が深まっていき……?どういった結末を迎えるのかは、誰もわからない。

スマートシステムで異世界革命
小川悟
ファンタジー
/// 毎日19時に投稿する予定です。 ///
★☆★ システム開発の天才!異世界転移して魔法陣構築で生産チート! ★☆★
新道亘《シンドウアタル》は、自分でも気が付かないうちにボッチ人生を歩み始めていた。
それならボッチ卒業の為に、現実世界のしがらみを全て捨て、新たな人生を歩もうとしたら、異世界女神と事故で現実世界のすべてを捨て、やり直すことになってしまった。
異世界に行くために、新たなスキルを神々と作ったら、とんでもなく生産チートなスキルが出来上がる。
スマフォのような便利なスキルで異世界に生産革命を起こします!
序章(全5話)異世界転移までの神々とのお話しです
第1章(全12話+1話)転生した場所での検証と訓練
第2章(全13話+1話)滞在先の街と出会い
第3章(全44話+4話)遺産活用と結婚
第4章(全17話)ダンジョン探索
第5章(執筆中)公的ギルド?
※第3章以降は少し内容が過激になってきます。
上記はあくまで予定です。
カクヨムでも投稿しています。

称号は神を土下座させた男。
春志乃
ファンタジー
「真尋くん! その人、そんなんだけど一応神様だよ! 偉い人なんだよ!」
「知るか。俺は常識を持ち合わせないクズにかける慈悲を持ち合わせてない。それにどうやら俺は死んだらしいのだから、刑務所も警察も法も無い。今ここでこいつを殺そうが生かそうが俺の自由だ。あいつが居ないなら地獄に落ちても同じだ。なあ、そうだろう? ティーンクトゥス」
「す、す、す、す、す、すみませんでしたあぁあああああああ!」
これは、馬鹿だけど憎み切れない神様ティーンクトゥスの為に剣と魔法、そして魔獣たちの息づくアーテル王国でチートが過ぎる男子高校生・水無月真尋が無自覚チートの親友・鈴木一路と共に神様の為と言いながら好き勝手に生きていく物語。
主人公は一途に幼馴染(女性)を想い続けます。話はゆっくり進んでいきます。
※教会、神父、などが出てきますが実在するものとは一切関係ありません。
※対応できない可能性がありますので、誤字脱字報告は不要です。
※無断転載は厳に禁じます

いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

スライムと異世界冒険〜追い出されたが実は強かった
Miiya
ファンタジー
学校に一人で残ってた時、突然光りだし、目を開けたら、王宮にいた。どうやら異世界召喚されたらしい。けど鑑定結果で俺は『成長』 『テイム』しかなく、弱いと追い出されたが、実はこれが神クラスだった。そんな彼、多田真司が森で出会ったスライムと旅するお話。
*ちょっとネタばれ
水が大好きなスライム、シンジの世話好きなスライム、建築もしてしまうスライム、小さいけど鉱石仕分けたり探索もするスライム、寝るのが大好きな白いスライム等多種多様で個性的なスライム達も登場!!
*11月にHOTランキング一位獲得しました。
*なるべく毎日投稿ですが日によって変わってきますのでご了承ください。一話2000~2500で投稿しています。
*パソコンからの投稿をメインに切り替えました。ですので字体が違ったり点が変わったりしてますがご了承ください。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる