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~第六章:冒険者編(後期)~
219ページ目…再会
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「さ、佐々木さんッ!?」
僕は頭部を吹き飛ばされた死体へと駆け寄ると、その死体を見て違和感を感じた。
「ち、違う!この人は、佐々木さんじゃない!」
僕が感じた違和感の正体…それは、先程、事情聴取に来た時と違う服装だと言う事だ。
とは言え、それだけで佐々木さんとは違うとは言えないのだが、何故か僕には別人だと言うのが分かった。
だが、そうなると本物の佐々木さんは何処へ消えてしまったんだろう?
「く、来るな、化け物ッ!!」
塔の外から叫び声が聞こえる。
僕は慌てて窓から外を覗くと、入り口とは反対側の建物…屋根の上に、佐々木さんと紫の鎧を着た 人外の者がいて、ちょうど佐々木さんを攻撃しようとする仕草が見えた。
「ちょッ!?やばいッ!」
僕はとっさに〖魔法:空間転移〗を使い、佐々木さんの側へと転移する。
転移が完了し、佐々木さんの側へと移動すると、ちょうどその人外の者が腕を前に突き出して火球を放つのが見えた
危ない!と思うと同時に、それでも間に合ったと安堵する事が出来た。
僕は佐々木さんを引っ張ると、急いで火球の射線から外すと、人外の者に声を掛けた。
「え~っと、その鎧を着てるって事は、あんたが聖騎士団の団長か副団長さんかな?」
突然現れ、攻撃を邪魔した事で、こちらを警戒する人外の者。
十中八九、コイツが魔族と呼ばれているヤツだと思う。
その為、極力、刺激しない様に軽く挨拶をする。
「ほぅ、転移魔法を使える人族とは珍しい。
しかも、お前は…確か、あの時のヤツか?良いだろう質問に答えてやるとしよう。
確かに、我は聖騎士団の副団長をしていたと答えておこう。」
「なるほど、ちなみに…残念ながら僕にはお前の言う『あの時』と言うのが分からないんだけど?
それと、その姿は魔族って事かな?」
既に、見てるので、返事は分かりきっているが、それでも確認する。
「いかにも!我は魔神様の復活を願う『零の使い魔』が一人、ラドルだ!
もっとも、お前と会うのはコレで2度目になるのだが、覚えてないのかね?」
「はい?僕に、魔族の知り合いなんていないんだけど?」
「フッ、スケルトン、ガーゴイルと言えば、愚かな人間でも、思い出すかね?」
魔族の男は僕の返答をバカにするかの様に鼻で笑うと、ヒントとなる単語を2つ教えてくれた。
しかし、スケルトンとガーゴイルか…何かこう、もう少しで思い出す気がするんだが…そして、唐突に思い出す。
そもそも『零の使い魔』でスケルトンやガーゴイルと言えば、思い出すのはあの一件だ。
僕が冒険者ギルドに登録して直ぐの頃、初心者ダンジョンからスケルトンが溢れると言う話があり、それを防ぐ為に参戦した、あの事件…。
ただ、あの時、僕が見たのは『死霊魔術師』ではある物の、確かに種族は人間だったはず…ならば、何故?
いくら考えても分かるはずもなく、その疑問を解消する為に、直接聞く事にした。
「あの時、僕が見たのは死霊魔術師の魔術師だったはずだけど、もしかして…。」
もしかしてと言ってみたが、実際には何も思い付いていない。
だが、それでも何かに気が付いた様な思わせ振りな態度を取る事で、相手が話を進めるのは良くある話で…。
「正解だ!クックックッ、我がこの体を完全に乗っ取ったのだよ。」
やはり…と、思惑通りに答えを言ってきた。
とは言え、何故、わざわざ乗っ取る必要があるんだ?と、新たな疑問も湧いてくる。
「体を乗っ取る…か、だが、それほど強力な力を持っているのに、何故、今更、他人の身体を乗っ取る必要があるんだ?」
流石にバカ正直に答える訳がないとは思うが、どうもコイツは人をバカにしている所があるから、調子に乗ってベラベラと話してくれるかも知れない。
そんな淡い期待を込めて聞いたのだが…。
「フッ…冥土の土産に、教えてやろう!異世界より転移してきた者が、何故か取得する付く特殊スキル。
それを手に入れる為よ!
幸い、この体の持ち主は死霊魔術師としての才能があったのでな、我の依代として奪い取ったのよ!」
ラドルと名乗った魔族の言葉に、僕はふつふつと怒りが込み上げてくる。
「巫山戯るな!僕達はお前達の玩具じゃないんだぞ!」
「巫山戯てなどおらんわッ!所詮、貴様等は我らの贄でしかない。
貴様等とて、我らと同じく、家畜に対し何とも思わないだろう?」
僕はその言葉を聞いて唖然とした。
何故なら、魔族にとって、人間とは家畜同然の存在だと言われたのと同じ事なのだから…。
僕は頭部を吹き飛ばされた死体へと駆け寄ると、その死体を見て違和感を感じた。
「ち、違う!この人は、佐々木さんじゃない!」
僕が感じた違和感の正体…それは、先程、事情聴取に来た時と違う服装だと言う事だ。
とは言え、それだけで佐々木さんとは違うとは言えないのだが、何故か僕には別人だと言うのが分かった。
だが、そうなると本物の佐々木さんは何処へ消えてしまったんだろう?
「く、来るな、化け物ッ!!」
塔の外から叫び声が聞こえる。
僕は慌てて窓から外を覗くと、入り口とは反対側の建物…屋根の上に、佐々木さんと紫の鎧を着た 人外の者がいて、ちょうど佐々木さんを攻撃しようとする仕草が見えた。
「ちょッ!?やばいッ!」
僕はとっさに〖魔法:空間転移〗を使い、佐々木さんの側へと転移する。
転移が完了し、佐々木さんの側へと移動すると、ちょうどその人外の者が腕を前に突き出して火球を放つのが見えた
危ない!と思うと同時に、それでも間に合ったと安堵する事が出来た。
僕は佐々木さんを引っ張ると、急いで火球の射線から外すと、人外の者に声を掛けた。
「え~っと、その鎧を着てるって事は、あんたが聖騎士団の団長か副団長さんかな?」
突然現れ、攻撃を邪魔した事で、こちらを警戒する人外の者。
十中八九、コイツが魔族と呼ばれているヤツだと思う。
その為、極力、刺激しない様に軽く挨拶をする。
「ほぅ、転移魔法を使える人族とは珍しい。
しかも、お前は…確か、あの時のヤツか?良いだろう質問に答えてやるとしよう。
確かに、我は聖騎士団の副団長をしていたと答えておこう。」
「なるほど、ちなみに…残念ながら僕にはお前の言う『あの時』と言うのが分からないんだけど?
それと、その姿は魔族って事かな?」
既に、見てるので、返事は分かりきっているが、それでも確認する。
「いかにも!我は魔神様の復活を願う『零の使い魔』が一人、ラドルだ!
もっとも、お前と会うのはコレで2度目になるのだが、覚えてないのかね?」
「はい?僕に、魔族の知り合いなんていないんだけど?」
「フッ、スケルトン、ガーゴイルと言えば、愚かな人間でも、思い出すかね?」
魔族の男は僕の返答をバカにするかの様に鼻で笑うと、ヒントとなる単語を2つ教えてくれた。
しかし、スケルトンとガーゴイルか…何かこう、もう少しで思い出す気がするんだが…そして、唐突に思い出す。
そもそも『零の使い魔』でスケルトンやガーゴイルと言えば、思い出すのはあの一件だ。
僕が冒険者ギルドに登録して直ぐの頃、初心者ダンジョンからスケルトンが溢れると言う話があり、それを防ぐ為に参戦した、あの事件…。
ただ、あの時、僕が見たのは『死霊魔術師』ではある物の、確かに種族は人間だったはず…ならば、何故?
いくら考えても分かるはずもなく、その疑問を解消する為に、直接聞く事にした。
「あの時、僕が見たのは死霊魔術師の魔術師だったはずだけど、もしかして…。」
もしかしてと言ってみたが、実際には何も思い付いていない。
だが、それでも何かに気が付いた様な思わせ振りな態度を取る事で、相手が話を進めるのは良くある話で…。
「正解だ!クックックッ、我がこの体を完全に乗っ取ったのだよ。」
やはり…と、思惑通りに答えを言ってきた。
とは言え、何故、わざわざ乗っ取る必要があるんだ?と、新たな疑問も湧いてくる。
「体を乗っ取る…か、だが、それほど強力な力を持っているのに、何故、今更、他人の身体を乗っ取る必要があるんだ?」
流石にバカ正直に答える訳がないとは思うが、どうもコイツは人をバカにしている所があるから、調子に乗ってベラベラと話してくれるかも知れない。
そんな淡い期待を込めて聞いたのだが…。
「フッ…冥土の土産に、教えてやろう!異世界より転移してきた者が、何故か取得する付く特殊スキル。
それを手に入れる為よ!
幸い、この体の持ち主は死霊魔術師としての才能があったのでな、我の依代として奪い取ったのよ!」
ラドルと名乗った魔族の言葉に、僕はふつふつと怒りが込み上げてくる。
「巫山戯るな!僕達はお前達の玩具じゃないんだぞ!」
「巫山戯てなどおらんわッ!所詮、貴様等は我らの贄でしかない。
貴様等とて、我らと同じく、家畜に対し何とも思わないだろう?」
僕はその言葉を聞いて唖然とした。
何故なら、魔族にとって、人間とは家畜同然の存在だと言われたのと同じ事なのだから…。
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