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~第六章:冒険者編(後期)~
217ページ目…疑問
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僕は、プリンの呟き…『それでも、運命を変える事は出来ないと思います。』と言う言葉に、いったいどんな運命をプリンは見ているのだろうと思った。
いや、例えどんな運命であったにせよ、僕が守り通せば良いだけの話。
そう、今の僕にはそれだけの力がある筈なんだ。
そんな、あまりに悲しげなプリンの呟きを振り払うが如く、僕は自分に言い聞かせ、必ず守ってみせると心に誓うと共に、改めて事情聴取での事を相談する事にしたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
「それで、みんなは魔族と言うのは、どんな存在か知ってる?」
僕はみんなを連れて、メルトの屋敷に転移して全員と話し合う事にした。
そして、事情聴取での情報を伝え、魔族に関しての相談を始めたのだった。
「あ、あの…確か、魔族は300年ほど前に滅んだと聞いてますが…。」
とは、クズハの意見だ。
「うん、僕も一応そう聞いてる。
でも、どうやら生き残りが居るみたいなんだ…しかも、困った事に、今回の聖騎士団の騒動に一枚噛んでいる様なんだよね…。」
すると、アリスが少し考えてから発言をした。
「あの、御主人様、私が聞いた話では、確か、魔族は滅んだのではなく、地下世界に隠れたと聞いた気が…。」
「えッ!?そうなの?」
アリスの発言は、僕が今まで聞いた事のない情報だった為、驚きを隠せない。
「はい…もっとも、ブラウニーネットワークから流れてきた情報ので、何処まで本当かは分からないのですが…。」
アリスはそう言うと、信憑性はあまり無い情報ではあるが、魔族達は何処かに特殊な土地に逃げ隠れており、力を蓄えていて、とうとう動き出したのでは?と付け加えてきた。
なるほど、確かに地下世界と言うのは不思議な感覚がするが、何処かに隠れ住んで力を蓄えていたと言うのであれば辻褄が合う。
もっとも、300年もの間、誰にも見付からずに隠れ続ける何て事が、本当に出来るのか?とも疑問が起きない訳ではない。
ってか、今更ではあるが、ブラウニーネットワークって何?と、ツッコミを入れたくなる。
だが、ここで普段、この手の発言をしない者から、まさかの情報がもたらされる事となる。
「主、ローラも、父上から聞いた。
魔王が敗れた時、勇者、北の大地の地下世界に魔族を封じた…と。」
「はい?勇者って…あの勇者、正義《せいぎ》の事?」
正義じぃちゃんは、この世界で勇者として活躍していた。
何故か、仲間内で『セイギ』と呼ばれていたのが、何処からか伝わって、セイギと呼ばれてたみたいだが…。
「ローラ、勇者の名前知らない。」
「ま、まぁ、確かに、ローラが勇者の名前なんて気にするって考えられないよな…。」
ちょっと失礼な事を言ってると自覚はあるが、ローラが気にしないであろう事だと思ったのは、誤魔化し様のない事実である。
とは言え、魔族は滅んでいた訳ではなく、封印されていたのか隠れていたのかは分からないが、今になって活動を再開したと言う事だろうか?
そこで、ふと疑問に思った事を思い出したので、みんなに相談してみようと思う。
「そう言えば、事情聴取の時の話なんだけど、紫の鎧を着た魔族が2体いたと言う話を聞いたんだけど、それについてどう思う?
あと、僕が聞きに言った佐々木《アルファ》さん以外に、聖騎士団の団長と、副団長の存在を誰も覚えてないんだけど…。」
「ご主人様、魔族は人の欲望を糧にすると聞いた事があります。
更に精神攻撃もしてくるとも…もしかしたら、精神攻撃により記憶を消されたのでは?
あと、少々言い難いのですが、私がプチスラやプチドラから手に入れた情報では、聖騎士団の団長と副団長は紫の鎧を着てました。」
と、プリンが伝えてくる。
「そ、それは、つまり…。」
「はい、聖騎士団の団長と副団長が魔族だった。
もしくは、魔族に体を乗っ取られた…と考えるのが妥当かと思います。」
そうか…佐々木さんは、この事に気が付き動揺をしたのか…。
「って、だとしたら、佐々木さんが危ないんじゃッ!?」
佐々木さんが二人の事を覚えている事で、僕達が魔族に対して情報を得る唯一の手掛かりとしての価値がある佐々木さんは、魔族に命を狙われる可能性が高いと思う。
そもそも、佐々木さんがいなければ、魔族が暗躍している事を、誰も知らなかったはずなのだから…。
「そうかもしれません!ご主人様、急いで〖魔法:空間転移〗をッ!!」
僕はプリンに急かされる様に空間転移を発動すると、僕達は急いで佐々木さんが捕まっている塔へと転移をするのだった…。
いや、例えどんな運命であったにせよ、僕が守り通せば良いだけの話。
そう、今の僕にはそれだけの力がある筈なんだ。
そんな、あまりに悲しげなプリンの呟きを振り払うが如く、僕は自分に言い聞かせ、必ず守ってみせると心に誓うと共に、改めて事情聴取での事を相談する事にしたのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
「それで、みんなは魔族と言うのは、どんな存在か知ってる?」
僕はみんなを連れて、メルトの屋敷に転移して全員と話し合う事にした。
そして、事情聴取での情報を伝え、魔族に関しての相談を始めたのだった。
「あ、あの…確か、魔族は300年ほど前に滅んだと聞いてますが…。」
とは、クズハの意見だ。
「うん、僕も一応そう聞いてる。
でも、どうやら生き残りが居るみたいなんだ…しかも、困った事に、今回の聖騎士団の騒動に一枚噛んでいる様なんだよね…。」
すると、アリスが少し考えてから発言をした。
「あの、御主人様、私が聞いた話では、確か、魔族は滅んだのではなく、地下世界に隠れたと聞いた気が…。」
「えッ!?そうなの?」
アリスの発言は、僕が今まで聞いた事のない情報だった為、驚きを隠せない。
「はい…もっとも、ブラウニーネットワークから流れてきた情報ので、何処まで本当かは分からないのですが…。」
アリスはそう言うと、信憑性はあまり無い情報ではあるが、魔族達は何処かに特殊な土地に逃げ隠れており、力を蓄えていて、とうとう動き出したのでは?と付け加えてきた。
なるほど、確かに地下世界と言うのは不思議な感覚がするが、何処かに隠れ住んで力を蓄えていたと言うのであれば辻褄が合う。
もっとも、300年もの間、誰にも見付からずに隠れ続ける何て事が、本当に出来るのか?とも疑問が起きない訳ではない。
ってか、今更ではあるが、ブラウニーネットワークって何?と、ツッコミを入れたくなる。
だが、ここで普段、この手の発言をしない者から、まさかの情報がもたらされる事となる。
「主、ローラも、父上から聞いた。
魔王が敗れた時、勇者、北の大地の地下世界に魔族を封じた…と。」
「はい?勇者って…あの勇者、正義《せいぎ》の事?」
正義じぃちゃんは、この世界で勇者として活躍していた。
何故か、仲間内で『セイギ』と呼ばれていたのが、何処からか伝わって、セイギと呼ばれてたみたいだが…。
「ローラ、勇者の名前知らない。」
「ま、まぁ、確かに、ローラが勇者の名前なんて気にするって考えられないよな…。」
ちょっと失礼な事を言ってると自覚はあるが、ローラが気にしないであろう事だと思ったのは、誤魔化し様のない事実である。
とは言え、魔族は滅んでいた訳ではなく、封印されていたのか隠れていたのかは分からないが、今になって活動を再開したと言う事だろうか?
そこで、ふと疑問に思った事を思い出したので、みんなに相談してみようと思う。
「そう言えば、事情聴取の時の話なんだけど、紫の鎧を着た魔族が2体いたと言う話を聞いたんだけど、それについてどう思う?
あと、僕が聞きに言った佐々木《アルファ》さん以外に、聖騎士団の団長と、副団長の存在を誰も覚えてないんだけど…。」
「ご主人様、魔族は人の欲望を糧にすると聞いた事があります。
更に精神攻撃もしてくるとも…もしかしたら、精神攻撃により記憶を消されたのでは?
あと、少々言い難いのですが、私がプチスラやプチドラから手に入れた情報では、聖騎士団の団長と副団長は紫の鎧を着てました。」
と、プリンが伝えてくる。
「そ、それは、つまり…。」
「はい、聖騎士団の団長と副団長が魔族だった。
もしくは、魔族に体を乗っ取られた…と考えるのが妥当かと思います。」
そうか…佐々木さんは、この事に気が付き動揺をしたのか…。
「って、だとしたら、佐々木さんが危ないんじゃッ!?」
佐々木さんが二人の事を覚えている事で、僕達が魔族に対して情報を得る唯一の手掛かりとしての価値がある佐々木さんは、魔族に命を狙われる可能性が高いと思う。
そもそも、佐々木さんがいなければ、魔族が暗躍している事を、誰も知らなかったはずなのだから…。
「そうかもしれません!ご主人様、急いで〖魔法:空間転移〗をッ!!」
僕はプリンに急かされる様に空間転移を発動すると、僕達は急いで佐々木さんが捕まっている塔へと転移をするのだった…。
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