210 / 421
~第六章:冒険者編(後期)~
210ページ目…合流
しおりを挟む 僕の合図で、プリンとクズハ、そしてローラは、自分達の装備…生きてる鎧でもあるドラゴンを受け取ると、当初の予定通り、自分の担当する拠点へと向かう。
そんな中、プリンだけは、一度、此方に戻ってくると、僕に改めて『行ってきます。』と伝え、僕の唇に自分の唇を合わせ、頬を染めながら自分の持ち場へと走っていった。
「って、何時までもボ~っとしてたらダメじゃんッ!?僕も持ち場に行かなきゃ!」
プリンの突然の行動に、暫くの間、僕は惚けていたが我を取り戻すと、自分の持ち場へ向かうのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
「で、遅刻したと?」
僕が自分の持ち場に着いた時には、既に冒険者ギルドの面々は集まっていた。
そして、僕が最後だった訳で…何故か、遅刻を責められる事になっている。
「いや、だけど、遅刻って言われても、待ち合わせまでは、まだ少しありますよね?」
と、僕を責めて来たリーダー格の冒険者に言う。
おそらくは、此処を指揮する様に、ギルドマスターから言われてきているのだろう。
「あぁ、確かに待ち合わせ時間までには…な。
だが、あんたは何の打ち合わせも無く、そのまま戦って連携が取れると思っているのか?
そもそもな話、俺達は、あんたの事は名前以外、何も知らないんだぞ?」
と、正論を言ってくる。
だけど…プリンにしろクズハにしろローラにしろ…そして、アリスまでもが、戦闘中、僕と相談しなくても連携は問題ない様に思える。
だからこそ、僕は、この世界では連携と言うのは、誰とでも特に問題なく出来る物だと思っていたのだ。
「す、すいません、僕のパーティーだと、いつも何の相談も無しに連携出来た物ですから、他の人達との連携について相談する必要があると言うのが頭から抜け落ちていました。
本当に、すいませんでした!」
と、僕は素直に頭を下げる。
もっとも、素直と言っても、既に言い訳が入っている時点で、正直アウトな気もするが…。
「チッ!まぁ良い!今は、時間があまりないから今日の所は許してやるが、今度からマジで気を付けるんだな!
じゃないと、後ろからブスリとなっても文句言えないぞ!」
と、低レベルな脅しをしてくる。
「そ、それは確かに怖いですね、でも、後ろからブスリって…それって普通は生きていないから文句言えませんよね?」
「ん?そう言うやそうだな!上手い事言うじゃないか、ハッハッハッ!」
「いや、それ笑い話じゃない様な気が…。」
「まぁ、細かい事は気にするな!そんな事より、本気で最低限の打ち合わせしないと、どうなっても知らんぞ?」
「ハ、ハイ…。」
僕はソレだけ呟くと、リーダー格の冒険者に付いていき、他の仲間の所へと向かうのだった…。
◇◆◇◆◇◆◇
「さて、最後の一人が来た訳だが…これから連携を取る上で重要な事がある。
そこで…だ、悪いんだが、あんたのステータスを見せて貰う。」
「はぁ…って、何でステータスを見せないといけないんですかッ!?」
「ギルドマスターのクラウスさんに、あんたの下で動く様に指示されたが、正直、俺達はあんたを信用してない。
そもそも、自分より弱いヤツに命を預けれないからな。
だから、お前さんが何処まで強いかを教えて貰おうと思ってね。」
男はそう言うと、僕に見た事もない小さなカードを渡してきた。
「これは?」
僕が尋ねると男はニヤリと笑い説明を始めた。
「これは、所謂、簡易式のステータスボードだ。
簡易式とは言え、少なくとも最低限の情報は見れるからな?
その為、他のパーティーと組んだりする時、〖鑑定〗持ちじゃない冒険者には必需品とも言えるな。」
「つまり、コレを使って僕のステータスを見ようって話ですか…それで、使い方は?」
「ほぅ…あんた、ステータスを見せるのを戸惑わないのか…。
なら、そいつを持って『ステータスオープン』と言えば、後は勝手にあんたのステータスを表示してくれる。」
へ~、そんな簡単に他の人に見せられるのか。
そう言えば、ここの所、全くステータスの確認をしていなかったな。
雑魚をちょくちょく狩っていたから、ある程度は能力が上がってるとは思うが…。
何処まで表示されるのか分からないが、この簡易式のステータスボードに、ちょっとだけ興味が出てきた。
僕は、男から受け取った板を握りしめると。男が説明した様に『ステータスオープン』と呟くのだった…。
そんな中、プリンだけは、一度、此方に戻ってくると、僕に改めて『行ってきます。』と伝え、僕の唇に自分の唇を合わせ、頬を染めながら自分の持ち場へと走っていった。
「って、何時までもボ~っとしてたらダメじゃんッ!?僕も持ち場に行かなきゃ!」
プリンの突然の行動に、暫くの間、僕は惚けていたが我を取り戻すと、自分の持ち場へ向かうのだった。
◇◆◇◆◇◆◇
「で、遅刻したと?」
僕が自分の持ち場に着いた時には、既に冒険者ギルドの面々は集まっていた。
そして、僕が最後だった訳で…何故か、遅刻を責められる事になっている。
「いや、だけど、遅刻って言われても、待ち合わせまでは、まだ少しありますよね?」
と、僕を責めて来たリーダー格の冒険者に言う。
おそらくは、此処を指揮する様に、ギルドマスターから言われてきているのだろう。
「あぁ、確かに待ち合わせ時間までには…な。
だが、あんたは何の打ち合わせも無く、そのまま戦って連携が取れると思っているのか?
そもそもな話、俺達は、あんたの事は名前以外、何も知らないんだぞ?」
と、正論を言ってくる。
だけど…プリンにしろクズハにしろローラにしろ…そして、アリスまでもが、戦闘中、僕と相談しなくても連携は問題ない様に思える。
だからこそ、僕は、この世界では連携と言うのは、誰とでも特に問題なく出来る物だと思っていたのだ。
「す、すいません、僕のパーティーだと、いつも何の相談も無しに連携出来た物ですから、他の人達との連携について相談する必要があると言うのが頭から抜け落ちていました。
本当に、すいませんでした!」
と、僕は素直に頭を下げる。
もっとも、素直と言っても、既に言い訳が入っている時点で、正直アウトな気もするが…。
「チッ!まぁ良い!今は、時間があまりないから今日の所は許してやるが、今度からマジで気を付けるんだな!
じゃないと、後ろからブスリとなっても文句言えないぞ!」
と、低レベルな脅しをしてくる。
「そ、それは確かに怖いですね、でも、後ろからブスリって…それって普通は生きていないから文句言えませんよね?」
「ん?そう言うやそうだな!上手い事言うじゃないか、ハッハッハッ!」
「いや、それ笑い話じゃない様な気が…。」
「まぁ、細かい事は気にするな!そんな事より、本気で最低限の打ち合わせしないと、どうなっても知らんぞ?」
「ハ、ハイ…。」
僕はソレだけ呟くと、リーダー格の冒険者に付いていき、他の仲間の所へと向かうのだった…。
◇◆◇◆◇◆◇
「さて、最後の一人が来た訳だが…これから連携を取る上で重要な事がある。
そこで…だ、悪いんだが、あんたのステータスを見せて貰う。」
「はぁ…って、何でステータスを見せないといけないんですかッ!?」
「ギルドマスターのクラウスさんに、あんたの下で動く様に指示されたが、正直、俺達はあんたを信用してない。
そもそも、自分より弱いヤツに命を預けれないからな。
だから、お前さんが何処まで強いかを教えて貰おうと思ってね。」
男はそう言うと、僕に見た事もない小さなカードを渡してきた。
「これは?」
僕が尋ねると男はニヤリと笑い説明を始めた。
「これは、所謂、簡易式のステータスボードだ。
簡易式とは言え、少なくとも最低限の情報は見れるからな?
その為、他のパーティーと組んだりする時、〖鑑定〗持ちじゃない冒険者には必需品とも言えるな。」
「つまり、コレを使って僕のステータスを見ようって話ですか…それで、使い方は?」
「ほぅ…あんた、ステータスを見せるのを戸惑わないのか…。
なら、そいつを持って『ステータスオープン』と言えば、後は勝手にあんたのステータスを表示してくれる。」
へ~、そんな簡単に他の人に見せられるのか。
そう言えば、ここの所、全くステータスの確認をしていなかったな。
雑魚をちょくちょく狩っていたから、ある程度は能力が上がってるとは思うが…。
何処まで表示されるのか分からないが、この簡易式のステータスボードに、ちょっとだけ興味が出てきた。
僕は、男から受け取った板を握りしめると。男が説明した様に『ステータスオープン』と呟くのだった…。
0
お気に入りに追加
435
あなたにおすすめの小説

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜
月風レイ
ファンタジー
グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。
それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。
と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。
洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。
カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~
暇人太一
ファンタジー
大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。
白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。
勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。
転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。
それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。
魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。
小説家になろう様でも投稿始めました。

補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く
burazu
ファンタジー
冒険者に憧れる魔法使いのニラダは補助魔法しか使えず、どこのパーティーからも加入を断られていた、しかたなくソロ活動をしている中、モンスターとの戦いで自らに補助魔法をかける事でとんでもない力を発揮する。
最低限の身の守りの為に鍛えていた肉体が補助魔法によりとんでもなくなることを知ったニラダは剣、槍、弓を身につけ戦いの幅を広げる事を試みる。
更に攻撃魔法しか使えない天然魔法少女や、治癒魔法しか使えないヒーラー、更には対盗賊専門の盗賊と力を合わせてパーティーを組んでいき、前衛を一手に引き受ける。
「みんなは俺が守る、俺のこの力でこのパーティーを誰もが認める最強パーティーにしてみせる」
様々なクエストを乗り越え、彼らに待ち受けているものとは?
※この作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアッププラスでも公開しています。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

神様との賭けに勝ったので異世界で無双したいと思います。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。
突然足元に魔法陣が現れる。
そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―――
※チートな主人公が異世界無双する話です。小説家になろう、ノベルバの方にも投稿しています。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~
甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって?
そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる