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~第六章:冒険者編(後期)~

197ページ目…戦闘準備【6】

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「よし、これで全員のサイズは計り終えたな?」

 僕は、4人に対して声を掛ける。
 すると、みんなは『うんうん』と頷き肯定す。
 僕は、みんなが肯くのを見て、プリンに手を差し出す。

 すると、プリンは僕の手を握りしめてきた。

「えっと…プリンは、何してるの?」
「えっと…手を握ってる?」

 僕の質問に対し、何故、疑問形で返すのだろうか?

「うん、まぁ、そうなんだけど、何で手を握ってるのかな?」
「ご主人様が手を差し出したから、ですか?」

 まぁ、確かにプリンの言う通りではあるのだが…。

「いや、僕が手を出したのはプリンと手を繋ぐ為じゃなくて、みんなの採寸を記入した紙を渡して欲しいんだけど…。」
「あ、そっちでしたか。」

 流石に、僕が全員の採寸をすると言うのは難易度が高い為、アリスに協力してもらい、採寸を行った。
 その為、プリンが全員分の採寸した用紙を持っていたのだが、プリンは悪戯をした子供みたいに笑顔を僕に向けて、今度こそ、ちゃんと寸法を記入した紙を渡してくれたのだった。

「よし、それじゃ、さっそく装備の制作に取り掛かるけど何か要望なんてあるかな?
 もっとも、それほど特殊な能力なんて付ける事は出来ないけどね?」

 と、僕は装備に対しての要望を聞くのを忘れない様にする。
 だが、基本的に材料となる素材の能力に頼るのがメインなんで、それほど凝った能力を与える事が出来ないのが現状だったりする。
 その内、色んな魔法を覚えたりして、作成する武防具に魔法付与エンチャントを使える様になりたいと思う。

「そうですね、私は特に何も必要がないとかと。」
「わ、私も特には…ご主人様にお任せいたします…。」
「はい、私も御主人様が着る様にと言われる制服なら…本当に解雇クビじゃないんですよね?ですよね?」

 何度も何度も説明したのに、それでもアリスはまだ疑うのだろうか?

「何度も言うけど、アリスを解雇クビにしたら、家事全般が大変な事になると思うよ?」

 まぁ、実際にはクズハが頑張ってくれるだろうから問題はないだろうが、それでもアリスの方が、数段上の為、アリスがいないと困るのは確実である。

 それはともかくとして、プリンもクズハも問題はない様だ。
 アリスは解雇じゃないと安心したはずなのに、それでも、やはりと言うか何と言うか…若干、解雇じゃないか心配の様だ。
 そして、問題児であるローラは、と言うと…。

「主、空飛びたい…それと、人狼化してない時も着れる様にして欲しい。」

 うん、やはりと言うか何と言うか…強くなりたい願望が人一倍強いのか、結構大変な注文を入れてくるローラ。
 もっとも、それに関しては僕も挑戦したいと思っていたから、それほど問題はない。
 まぁ、それが実現出来るかは別問題だが…。

「あぁ、それは上手くいくか分からないけど挑戦するつもりだ。
 もっとも、成功するする確率は、かなり低いと思うから期待されると困るんだけどね?」

 とだけ、僕は笑いながら答えておく。
 もっとも、ローラが言った空を飛ぶのに関しては、十分何とかなるんじゃないかな?と思っている。
 狼状態でも着れる…に関しては、厳しいと思うが…。

「でも、ローラさんは何で空を飛びたいのですか?」

 と、アリスがローラに質問をする。
 元々、全員分、空を飛べる様にはしたかったとは言え、確かに、僕もその理由が知りたい。

「理由、簡単…空飛んでるヤツ、攻撃届かない。
 空飛べたら、倒せる…はず。」
「そ、そっか…ローラは、空飛ぶヤツも倒したかったのか…。」

 確かに、ローラの性格ならば、その様な考え至っても不思議ではない。
 むしろ、逆に、その方がローラらしく自然だと思える。
 とは言え、僕の考えてる飛ぶのと、ローラの考えてる飛ぶの認識にズレがありそうである。

「どうなるか保証は出来ないけど、僕なりにやってみるよ。
 あ!もちろん、みんなにも同様の性能は与えるつもりだから、属性以外での戦力差はそこまでないはずだよ。」

 と、僕は依怙贔屓えこひいきはしないと宣言する。
 みんなは、その宣言に満足したのか『うんうん』と アリスですら、その頷く姿は、その答えに満足した様な表情を見せている。

 こうして、みんなの意見を聞く事が出来た僕は、再び新しい装備の作成に入るのだった…。
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