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~第六章:冒険者編(後期)~
195ページ目…戦闘準備【4】
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行動開始は三日後…やっと決まった話し合いの結果だけで言えば、たったのそれだけだった。
正直、何も決まってないのと同じ事なのだが、それでも、行動する日にちが決まったのだから一歩前進したとも言える。
だが、逆を言えば、それしか決まっていないのだから、何をどうして良いのか不安でいっぱいだ。
だが、三日しかないとは言え、多少は時間に余裕が出来たのは確かだ。
ならば、この三日間を装備の強化に当てようと思う。
そんな訳で、再び僕専用の装備を取り出すと改造を始める事にする。
「えっと…ここをこうして、んでもって、あそこを…いや、これだと可動域が…。」
徹夜の会議が終了後、軽く仮眠を取った僕は、リビングメイルであるレオを参考に新たな鎧の作成に入っていた。
とは言っても、一度は完成させたのだから作成と言うよりは、むしろ改造と言った方が良いのかも知れない。
ただし、当然ながらレオの後継機として作成&改造を施すのだから、当然ながらレオよりも強くするのは当たり前の話な訳で…何処まで強くする事が出来るかと言うのが問題になってくる。
つまり、どれだけ作成や改造に関して、良い素材を上手く組み合わせるか、が重要となってくる。
ただし、良い素材に関してだけで言えば、若干、自信を持って言える。
何せ、ダンジョンを一つ所有しているんだ。
つまり、そのダンジョン内で準備出来る物であれば、幾らでも…とは言うのは語弊があるが、ある意味では文字通り、好きなだけ手に入れる事が出来るのである。
それこそ、ダンジョン内にいるのであれば、貴重なドラゴンの素材だとしても手に入れる事が可能なのだ。
ちなみに、僕の作り替えたダンジョンの第9階層には、半ば無理矢理な形で4匹のドラゴンを配置していたりする。
そして、その4匹のドラゴンとは宝石の名を冠した強力なドラゴンだと言う事。
火属性のドラゴン…ルビードラゴン
風属性のドラゴン…エメラルドドラゴン
水属性のドラゴン…サファイアドラゴン
地属性のドラゴン…トパーズドラゴン
この4匹のドラゴンをダンジョンに作り出した目的は、単純にダンジョンをクリアさせたくないと言うのも目的の一つではあるが、貴重な素材集めの為の生け贄と言う意味合いもある。
そもそもが、初心者ダンジョンを作り替えたダンジョンの為か、メルトの町にいる、そこらの冒険者では第5階層を越える事すら難しいのだ。
まぁ、そもそも第5階層までの許可証をまだ発行していないと言うオチもあるのだが…。
その為、現在は、僕達しか素材集めに来る事は出来無かったりする。
ここで話を戻すと、僕専用の装備と言うのは4匹のドラゴンの素材を惜しみなく使いレオよろしく、生きてる鎧として作り出しているのだ。
もっとも、リビングメイルと言うよりは、ガーゴイルとかゴーレムに近い感じはしたりするので、どう表現して良いのか微妙だったりするのだが…。
まぁ、それはともかくとして、4匹分のドラゴンを素材として使っているだけでも十分に強力な装備が出来るのは間違いないのだが、実を言うとまだ僕の無限庫には、もう1種類のドラゴンの素材がある。
それが、闇属性の宝石の名を冠したブラックダイアドラゴン…の、爪や鱗なども残っていたりする。
つまり、手元に光の属性を除く5種類もの宝石ドラゴンの素材が集まった事になるのだ。
そして、それを神の金属とも呼ばれているオリハルコンと融合させて生きている鎧へと作り替える…そんな不可能に近い事を全身全霊を持って取り掛かる。
それは、無理無茶無謀とも言える作業ではあったが、奇跡的に制御に成功して安定させる事に成功した。
とは言え、光の属性が欠けている為、本当の意味ではまだ未完成ではある…とだけ付け加えておく。
ただ、この瞬間、この世界において神器と呼ばれている装備が増えた事を意味していたのだった。
「ご主人様、完成したのですか?」
いち早く装備が完成した気配を感じて、プリンが部屋に飛び込んでくる。
そして、その後ろにはクズハの姿も見えた。
「あぁ、なんとか使える形にはなった…と、思う。
後は使ってみないと分からないかな?」
「す、凄いです…この子から、信じられないほどの力を感じます!」
クズハはそう言うと、一歩だけ後ろに下がる…どうやら、本能的に、この鎧の潜在能力に畏れを抱いて後ろへと下がってしまった様だった。
それを見て、僕は思わずニヤリと微笑んでしまった。
「あらあら、クズハさんは、ご主人様が作った物が怖いようですね。」
「ち、違います!怖く何かありません!!ただ、その…あまりの凄さにバランスを崩しただけです!」
うん、クズハ、凄いと言いたいのは良く分かったんだけど、後退りした言い訳にはならないと思うぞ?
と、思いつつも言わないのは、このやり取りが、二人のじゃれ合いみたいな物だと分かっているからである。
「それはそうと、ご主人様、私達の装備も新たに作るって言ってましたが…素材はまだあるのですか?」
「あぁ、それなら問題ないよ、まだまだ素材は残っているからね。」
と、プリンの質問に答え、僕は、みんなの装備の開発に取り掛かるのだった…。
正直、何も決まってないのと同じ事なのだが、それでも、行動する日にちが決まったのだから一歩前進したとも言える。
だが、逆を言えば、それしか決まっていないのだから、何をどうして良いのか不安でいっぱいだ。
だが、三日しかないとは言え、多少は時間に余裕が出来たのは確かだ。
ならば、この三日間を装備の強化に当てようと思う。
そんな訳で、再び僕専用の装備を取り出すと改造を始める事にする。
「えっと…ここをこうして、んでもって、あそこを…いや、これだと可動域が…。」
徹夜の会議が終了後、軽く仮眠を取った僕は、リビングメイルであるレオを参考に新たな鎧の作成に入っていた。
とは言っても、一度は完成させたのだから作成と言うよりは、むしろ改造と言った方が良いのかも知れない。
ただし、当然ながらレオの後継機として作成&改造を施すのだから、当然ながらレオよりも強くするのは当たり前の話な訳で…何処まで強くする事が出来るかと言うのが問題になってくる。
つまり、どれだけ作成や改造に関して、良い素材を上手く組み合わせるか、が重要となってくる。
ただし、良い素材に関してだけで言えば、若干、自信を持って言える。
何せ、ダンジョンを一つ所有しているんだ。
つまり、そのダンジョン内で準備出来る物であれば、幾らでも…とは言うのは語弊があるが、ある意味では文字通り、好きなだけ手に入れる事が出来るのである。
それこそ、ダンジョン内にいるのであれば、貴重なドラゴンの素材だとしても手に入れる事が可能なのだ。
ちなみに、僕の作り替えたダンジョンの第9階層には、半ば無理矢理な形で4匹のドラゴンを配置していたりする。
そして、その4匹のドラゴンとは宝石の名を冠した強力なドラゴンだと言う事。
火属性のドラゴン…ルビードラゴン
風属性のドラゴン…エメラルドドラゴン
水属性のドラゴン…サファイアドラゴン
地属性のドラゴン…トパーズドラゴン
この4匹のドラゴンをダンジョンに作り出した目的は、単純にダンジョンをクリアさせたくないと言うのも目的の一つではあるが、貴重な素材集めの為の生け贄と言う意味合いもある。
そもそもが、初心者ダンジョンを作り替えたダンジョンの為か、メルトの町にいる、そこらの冒険者では第5階層を越える事すら難しいのだ。
まぁ、そもそも第5階層までの許可証をまだ発行していないと言うオチもあるのだが…。
その為、現在は、僕達しか素材集めに来る事は出来無かったりする。
ここで話を戻すと、僕専用の装備と言うのは4匹のドラゴンの素材を惜しみなく使いレオよろしく、生きてる鎧として作り出しているのだ。
もっとも、リビングメイルと言うよりは、ガーゴイルとかゴーレムに近い感じはしたりするので、どう表現して良いのか微妙だったりするのだが…。
まぁ、それはともかくとして、4匹分のドラゴンを素材として使っているだけでも十分に強力な装備が出来るのは間違いないのだが、実を言うとまだ僕の無限庫には、もう1種類のドラゴンの素材がある。
それが、闇属性の宝石の名を冠したブラックダイアドラゴン…の、爪や鱗なども残っていたりする。
つまり、手元に光の属性を除く5種類もの宝石ドラゴンの素材が集まった事になるのだ。
そして、それを神の金属とも呼ばれているオリハルコンと融合させて生きている鎧へと作り替える…そんな不可能に近い事を全身全霊を持って取り掛かる。
それは、無理無茶無謀とも言える作業ではあったが、奇跡的に制御に成功して安定させる事に成功した。
とは言え、光の属性が欠けている為、本当の意味ではまだ未完成ではある…とだけ付け加えておく。
ただ、この瞬間、この世界において神器と呼ばれている装備が増えた事を意味していたのだった。
「ご主人様、完成したのですか?」
いち早く装備が完成した気配を感じて、プリンが部屋に飛び込んでくる。
そして、その後ろにはクズハの姿も見えた。
「あぁ、なんとか使える形にはなった…と、思う。
後は使ってみないと分からないかな?」
「す、凄いです…この子から、信じられないほどの力を感じます!」
クズハはそう言うと、一歩だけ後ろに下がる…どうやら、本能的に、この鎧の潜在能力に畏れを抱いて後ろへと下がってしまった様だった。
それを見て、僕は思わずニヤリと微笑んでしまった。
「あらあら、クズハさんは、ご主人様が作った物が怖いようですね。」
「ち、違います!怖く何かありません!!ただ、その…あまりの凄さにバランスを崩しただけです!」
うん、クズハ、凄いと言いたいのは良く分かったんだけど、後退りした言い訳にはならないと思うぞ?
と、思いつつも言わないのは、このやり取りが、二人のじゃれ合いみたいな物だと分かっているからである。
「それはそうと、ご主人様、私達の装備も新たに作るって言ってましたが…素材はまだあるのですか?」
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