191 / 421
~第六章:冒険者編(後期)~
191ページ目…偵察【6】
しおりを挟む
「お帰りなさいませ、ご主人様♪それと、クズハさんもお帰りなさい。」
「はい、ただいま。」
「た、ただいまです、プリン様。」
潜入捜査から戻った僕達は、さっそくプリンからの報告を受ける事となる。
もっとも、プリンからとは言ったが、正確には『プチスラ』や『プチドラ』達からの報告となる訳だが…。
何はともあれ、プリンを経由して、もたらされた情報を整理してみる事にする。
その際、例の店の調理方法が判明する事になるのだが、まさかのチートスキル系だとは思いも寄らなかった。
しかも、おそらくだが、そいつは僕と同じスキルを持っている可能性が高かった。
とは言え、僕ほど巫山戯た使い方をしていない所を見ると、同じスキルでも使用者によって性能の差が出るみたいである。
まぁ、普通に考えれば、戦闘を好んでする必要がないのであれば、別の方法で生き抜く術を身に付ければ良い。
おそらく、その性格故に非戦闘への仕様へと変更をされてしまったのかもしれない。
とは言え、それだけで敵じゃないと言う訳にはいかない。
否、例え敵じゃなくても、スキルの使い方としては正しいのかもしれないが、その悪質な結果は、流石に見逃せない部分もある。
試行錯誤して作り上げた料理を、何の苦労もなく、そのまま奪い取る様な悪質な…手段を選ばない方法は、許し難い物がある。
同じ系統のスキルを持つであろう僕が言うのも、烏滸がましいが、被害にあった彼らを見てしまうと、どうしても自分の事を棚上げにしてでも、文句を言ってしまうのは仕方がない事だと思う。
そんな訳で、僕達はそれらの対策会議をする事になる。
「ってな訳で、下手に戦うと、こちらのスキルを真似られる可能性が高いと思う。
それに、奴等は、まだ真の実力を隠している可能性が高いと思うんだ…。
でなきゃ、この『聖王都』の真ん中で他者から奪った料理のレシピで堂々と、お店なんて営業出来ないと思うんだ。」
「で、ですが…逆に言えば、それだけの力を持った連中と事を構えるとなると…。
わ、私達だけと言うのは、流石に戦力が足りないのでは?」
「確かに、ご主人様と私、それにクズハさんの三人では多勢に無勢だと思う…。」
まぁ、確かにクズハの言う通り、三人だけで事を構えるのであれば戦力不足なのは確かだ。
だが、半ば廃れているとは言え、冒険者ギルドだってあるし傭兵とかだっている。
それに、ここは何と言っても『聖王都』だ。
つまり、何が言いたいかと言うと、『聖王都』だからこそ、本物の『聖騎士』や『騎士』だっているのだ。
それなのに、『聖騎士団』などと名乗る偽物を、何時までも放置しておくとは思えない。
そんな本物の聖騎士達が、この世界で、テロリストよろしく様々な問題となっている『零の使い魔』と関係のあると思われる『聖騎士団』と戦う場合、力を貸さない訳がない。
そう考えると、戦力は僕達三人以外にも、知らない仲間も、多数いると言う事だ。
だが、それでも彼らは偽の情報では動く事はないの為、今はプリンの作り出したプチスラ&プチドラ達が必死に情報集めをしているのだ。
「何か勘違いしている様だけど、これは僕達が解決する必要はないんだよ。
元々、僕達が受けた依頼は調査、確認であって殲滅や退治ではないからね?」
「そ、そうなんですね…私はてっきり、ご主人様が殲滅するのもだとばかり…。」
「ははは…流石に、僕にはそれをするだけの力も時間も…余裕もないよ。」
「ご主人様なら、一人で殲滅が可能ですね。」
何故かプリンがクズハに向けて、ドヤ顔で言う。
「こらこら、プリンも煽らないの!さすがに、マジで僕には無理だよ?」
「そんな事はありません、私のご主人様なら本気を出せば、何とでも出来ます。」
「いやいやいや、流石に本気を出しても多勢に無勢なんだから、マジで無理でしょ!」
そもそも、僕のレベルは、まだそれほど高くないのだから…。
「ご主人様には、『魔王化』がありますので大丈夫です♪」
「………。」
いや、そんな笑顔で此方を見なくても…しかも『魔王化』まで言われたら否定出来るはずもない。
もっとも、プリンの言う『魔王化』は、プリンと〖融合〗しないと出来ないのだから、僕一人ではないのだが…。
それでもプリンの笑顔に、僕はテレながら頬をポリポリと掻く。
どうやら、プリンは僕以上に僕の事を理解している様だ。
僕は両手を挙げて降参のポーズを取る。
それを見て、プリンは嬉しそうに僕に笑顔を見せてきた。
そして、そのまま僕の腕に抱き付くと、僕の耳元で『最強のご主人様は素敵です♪』と呟いたのだった…。
「はい、ただいま。」
「た、ただいまです、プリン様。」
潜入捜査から戻った僕達は、さっそくプリンからの報告を受ける事となる。
もっとも、プリンからとは言ったが、正確には『プチスラ』や『プチドラ』達からの報告となる訳だが…。
何はともあれ、プリンを経由して、もたらされた情報を整理してみる事にする。
その際、例の店の調理方法が判明する事になるのだが、まさかのチートスキル系だとは思いも寄らなかった。
しかも、おそらくだが、そいつは僕と同じスキルを持っている可能性が高かった。
とは言え、僕ほど巫山戯た使い方をしていない所を見ると、同じスキルでも使用者によって性能の差が出るみたいである。
まぁ、普通に考えれば、戦闘を好んでする必要がないのであれば、別の方法で生き抜く術を身に付ければ良い。
おそらく、その性格故に非戦闘への仕様へと変更をされてしまったのかもしれない。
とは言え、それだけで敵じゃないと言う訳にはいかない。
否、例え敵じゃなくても、スキルの使い方としては正しいのかもしれないが、その悪質な結果は、流石に見逃せない部分もある。
試行錯誤して作り上げた料理を、何の苦労もなく、そのまま奪い取る様な悪質な…手段を選ばない方法は、許し難い物がある。
同じ系統のスキルを持つであろう僕が言うのも、烏滸がましいが、被害にあった彼らを見てしまうと、どうしても自分の事を棚上げにしてでも、文句を言ってしまうのは仕方がない事だと思う。
そんな訳で、僕達はそれらの対策会議をする事になる。
「ってな訳で、下手に戦うと、こちらのスキルを真似られる可能性が高いと思う。
それに、奴等は、まだ真の実力を隠している可能性が高いと思うんだ…。
でなきゃ、この『聖王都』の真ん中で他者から奪った料理のレシピで堂々と、お店なんて営業出来ないと思うんだ。」
「で、ですが…逆に言えば、それだけの力を持った連中と事を構えるとなると…。
わ、私達だけと言うのは、流石に戦力が足りないのでは?」
「確かに、ご主人様と私、それにクズハさんの三人では多勢に無勢だと思う…。」
まぁ、確かにクズハの言う通り、三人だけで事を構えるのであれば戦力不足なのは確かだ。
だが、半ば廃れているとは言え、冒険者ギルドだってあるし傭兵とかだっている。
それに、ここは何と言っても『聖王都』だ。
つまり、何が言いたいかと言うと、『聖王都』だからこそ、本物の『聖騎士』や『騎士』だっているのだ。
それなのに、『聖騎士団』などと名乗る偽物を、何時までも放置しておくとは思えない。
そんな本物の聖騎士達が、この世界で、テロリストよろしく様々な問題となっている『零の使い魔』と関係のあると思われる『聖騎士団』と戦う場合、力を貸さない訳がない。
そう考えると、戦力は僕達三人以外にも、知らない仲間も、多数いると言う事だ。
だが、それでも彼らは偽の情報では動く事はないの為、今はプリンの作り出したプチスラ&プチドラ達が必死に情報集めをしているのだ。
「何か勘違いしている様だけど、これは僕達が解決する必要はないんだよ。
元々、僕達が受けた依頼は調査、確認であって殲滅や退治ではないからね?」
「そ、そうなんですね…私はてっきり、ご主人様が殲滅するのもだとばかり…。」
「ははは…流石に、僕にはそれをするだけの力も時間も…余裕もないよ。」
「ご主人様なら、一人で殲滅が可能ですね。」
何故かプリンがクズハに向けて、ドヤ顔で言う。
「こらこら、プリンも煽らないの!さすがに、マジで僕には無理だよ?」
「そんな事はありません、私のご主人様なら本気を出せば、何とでも出来ます。」
「いやいやいや、流石に本気を出しても多勢に無勢なんだから、マジで無理でしょ!」
そもそも、僕のレベルは、まだそれほど高くないのだから…。
「ご主人様には、『魔王化』がありますので大丈夫です♪」
「………。」
いや、そんな笑顔で此方を見なくても…しかも『魔王化』まで言われたら否定出来るはずもない。
もっとも、プリンの言う『魔王化』は、プリンと〖融合〗しないと出来ないのだから、僕一人ではないのだが…。
それでもプリンの笑顔に、僕はテレながら頬をポリポリと掻く。
どうやら、プリンは僕以上に僕の事を理解している様だ。
僕は両手を挙げて降参のポーズを取る。
それを見て、プリンは嬉しそうに僕に笑顔を見せてきた。
そして、そのまま僕の腕に抱き付くと、僕の耳元で『最強のご主人様は素敵です♪』と呟いたのだった…。
0
お気に入りに追加
328
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。
桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。
だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。
そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
神々に育てられた人の子は最強です
Solar
ファンタジー
突如現れた赤ん坊は多くの神様に育てられた。
その神様たちは自分たちの力を受け継ぐようその赤ん
坊に修行をつけ、世界の常識を教えた。
何故なら神様たちは人の闇を知っていたから、この子にはその闇で死んで欲しくないと思い、普通に生きてほしいと思い育てた。
その赤ん坊はすくすく育ち地上の学校に行った。
そして十八歳になった時、高校生の修学旅行に行く際異世界に召喚された。
その世界で主人公が楽しく冒険し、異種族達と仲良くし、無双するお話です
初めてですので余り期待しないでください。
小説家になろう、にも登録しています。そちらもよろしくお願いします。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界転生!俺はここで生きていく
おとなのふりかけ紅鮭
ファンタジー
俺の名前は長瀬達也。特に特徴のない、その辺の高校生男子だ。
同じクラスの女の子に恋をしているが、告白も出来ずにいるチキン野郎である。
今日も部活の朝練に向かう為朝も早くに家を出た。
だけど、俺は朝練に向かう途中で事故にあってしまう。
意識を失った後、目覚めたらそこは俺の知らない世界だった!
魔法あり、剣あり、ドラゴンあり!のまさに小説で読んだファンタジーの世界。
俺はそんな世界で冒険者として生きて行く事になる、はずだったのだが、何やら色々と問題が起きそうな世界だったようだ。
それでも俺は楽しくこの新しい生を歩んで行くのだ!
小説家になろうでも投稿しています。
メインはあちらですが、こちらも同じように投稿していきます。
宜しくお願いします。
神様との賭けに勝ったので異世界で無双したいと思います。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。
突然足元に魔法陣が現れる。
そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―――
※チートな主人公が異世界無双する話です。小説家になろう、ノベルバの方にも投稿しています。
異世界に転生したのでとりあえず好き勝手生きる事にしました
おすし
ファンタジー
買い物の帰り道、神の争いに巻き込まれ命を落とした高校生・桐生 蓮。お詫びとして、神の加護を受け異世界の貴族の次男として転生するが、転生した身はとんでもない加護を受けていて?!転生前のアニメの知識を使い、2度目の人生を好きに生きる少年の王道物語。
※バトル・ほのぼの・街づくり・アホ・ハッピー・シリアス等色々ありです。頭空っぽにして読めるかもです。
※作者は初心者で初投稿なので、優しい目で見てやってください(´・ω・)
更新はめっちゃ不定期です。
※他の作品出すのいや!というかたは、回れ右の方がいいかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる