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~第六章:冒険者編(後期)~
188ページ目…偵察【3】
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プチドラゴンスライム…略して、プチドラ。
特別な1体を除いた7体のプチドラの内、ルシと名前の付いたプチドラからの連絡を受けて、聖騎士団の情報が手に入る可能性を信じ、僕達は急いで宿屋へ戻ってきていた。
ちなみに、プチドラ7体の名前は、実は、七つの大罪と呼ばれている悪魔から付けていたりする。
何気に名前を付けるのが苦手な僕は、特別なヤツを除いてプチドラが7体いる事から、ふと思い出した七つの大罪の悪魔の名前を拝借して、名前を付けたのだった。
即ち、ルシとはルシファーの事だったりする。
まぁ、ドラゴスライムとは言え、『プチ』なだけに、完全に名前負けしてるのだが、この世界の者達には分からない事だと思うので敢えて言わない様にしている。
「それで、ルシから追加の連絡は?」
「えっと、現在も尾行中との事です。」
「ちなみに、現在地は何処ら辺だ?」
「ご主人様、地図をお願い出来ますか?」
僕はプリンに言われて、先日購入した街の地図を広げる。
とは言っても、そこまで正確の地図ではない為、地図自体の信憑性は少ないが、それでも大まかな位置の特定は出来るので便利だったりする。
「えっと…あ、ここです!」
どうやら、詳細が書かれていない地図でも目的の場所が載っていたらしく、直様、プリンが地図を指さす。
「ここは…貴族が多く住む区画か?」
まぁ、確かに騎士と言うのは貴族と密接な関係にあったりするのは良くある事だ。
だが、聖騎士団は、本当の聖騎士の集まりでもなければ、騎士の集まりですらない。
今まで調べた内容から言えば、傭兵団に近かったりする。
「ご、ご主人様…貴族の誰かが黒幕なのでしょうか?」
「さぁ?それは分からないけど、貴族が関わって来るとなると場合によっては、最悪、王族と一悶着あるかも知れないな…。」
クズハの質問に聖王都ならではのトラブルを予見する。
まぁ、流石にそんな事はないとは思うのだが、今までベタベタな事が多々あったのだ。
絶対にないなどとは口が裂けても言えない台詞。
むしろ、絶対にないと言った日には、可能性が高くなるのでは?とさえ思えてくる。
「ご主人様、ルシからの連絡でターゲットが屋敷に入ったとの事です。」
「何ッ!?ば、場所は?」
「それが、その…この屋敷なんですが…。」
「こ、この屋敷…だと?」
プリンが指差した場所は、僕が思っていた場所から予想もしていなかった場所だった…。
◆◇◆◇◆◇◆
「本当に、こんな場所に…と言っても、ルシが嘘を付くはずもないし、何より、見張っていたルシが此処に居るのだから疑いの様の無い事実なんだよな…。」
そう、ルシからの情報でプリンが示した場所は、貴族が多く住む地区でありながら、あまり人気が無く治安が悪い一角…スラム街を連想させる様な場所だったのだ。
「そうですね、これには私も驚いてます。」
そりゃそうだ、いくら名前だけとは言え『聖騎士団』を名乗っているのだ。
それなのに、『聖騎士』と言う名が持つイメージからは想像出来ない様な場所に、僕たちは今いる。
よもや、そんな場所に『聖騎士団』のヤツらが居るとなると、誰だって、こんな場所に…と、思ってしまうのは仕方がない事だろう。
とは言え、まさか貴族たちの住む区画に、霊園まであるとは予想外だった。
「霊園…か、ゲームなんかだとゾンビやグールとかが定番だけど、まさか現れたりしないだろうな…。」
確かに墓地であるのだから近寄りがたいのは確かなのだが、これと言って邪悪な気配とかは感じられない。
ならば、少なくともスケルトン等のアンデッドが自然に発生する事はないだろう。
「ご、ご主人様…こっちに入れそうな場所が!」
そうこうする内に、クズハが目的の建物への進入経路を発見する。
僕はクズハの元に走っていくと、そこには地下へ通じてそうな階段があった。
「よく、こんな目立たない場所を見付けたな…。」
「は、はい…妖狐族は匂いと勘が鋭い種族ですので…。
とは言え、本当に見付けたのは、只の偶然なんですけどね?」
と、笑って言ってくる…どうやら、本当に、たまたま偶然見付けただけの様だ。
「偶然でも何でも、見付けれたんだから十分助かったよ。
とりあえず、この階段が目的の場所に通じているのか分からない、それにトラップもあるかもしれないから、それも注意して確認しよう。」
僕はそう言うと、プリンとクズハを連れて階段を下りていくのであった…。
特別な1体を除いた7体のプチドラの内、ルシと名前の付いたプチドラからの連絡を受けて、聖騎士団の情報が手に入る可能性を信じ、僕達は急いで宿屋へ戻ってきていた。
ちなみに、プチドラ7体の名前は、実は、七つの大罪と呼ばれている悪魔から付けていたりする。
何気に名前を付けるのが苦手な僕は、特別なヤツを除いてプチドラが7体いる事から、ふと思い出した七つの大罪の悪魔の名前を拝借して、名前を付けたのだった。
即ち、ルシとはルシファーの事だったりする。
まぁ、ドラゴスライムとは言え、『プチ』なだけに、完全に名前負けしてるのだが、この世界の者達には分からない事だと思うので敢えて言わない様にしている。
「それで、ルシから追加の連絡は?」
「えっと、現在も尾行中との事です。」
「ちなみに、現在地は何処ら辺だ?」
「ご主人様、地図をお願い出来ますか?」
僕はプリンに言われて、先日購入した街の地図を広げる。
とは言っても、そこまで正確の地図ではない為、地図自体の信憑性は少ないが、それでも大まかな位置の特定は出来るので便利だったりする。
「えっと…あ、ここです!」
どうやら、詳細が書かれていない地図でも目的の場所が載っていたらしく、直様、プリンが地図を指さす。
「ここは…貴族が多く住む区画か?」
まぁ、確かに騎士と言うのは貴族と密接な関係にあったりするのは良くある事だ。
だが、聖騎士団は、本当の聖騎士の集まりでもなければ、騎士の集まりですらない。
今まで調べた内容から言えば、傭兵団に近かったりする。
「ご、ご主人様…貴族の誰かが黒幕なのでしょうか?」
「さぁ?それは分からないけど、貴族が関わって来るとなると場合によっては、最悪、王族と一悶着あるかも知れないな…。」
クズハの質問に聖王都ならではのトラブルを予見する。
まぁ、流石にそんな事はないとは思うのだが、今までベタベタな事が多々あったのだ。
絶対にないなどとは口が裂けても言えない台詞。
むしろ、絶対にないと言った日には、可能性が高くなるのでは?とさえ思えてくる。
「ご主人様、ルシからの連絡でターゲットが屋敷に入ったとの事です。」
「何ッ!?ば、場所は?」
「それが、その…この屋敷なんですが…。」
「こ、この屋敷…だと?」
プリンが指差した場所は、僕が思っていた場所から予想もしていなかった場所だった…。
◆◇◆◇◆◇◆
「本当に、こんな場所に…と言っても、ルシが嘘を付くはずもないし、何より、見張っていたルシが此処に居るのだから疑いの様の無い事実なんだよな…。」
そう、ルシからの情報でプリンが示した場所は、貴族が多く住む地区でありながら、あまり人気が無く治安が悪い一角…スラム街を連想させる様な場所だったのだ。
「そうですね、これには私も驚いてます。」
そりゃそうだ、いくら名前だけとは言え『聖騎士団』を名乗っているのだ。
それなのに、『聖騎士』と言う名が持つイメージからは想像出来ない様な場所に、僕たちは今いる。
よもや、そんな場所に『聖騎士団』のヤツらが居るとなると、誰だって、こんな場所に…と、思ってしまうのは仕方がない事だろう。
とは言え、まさか貴族たちの住む区画に、霊園まであるとは予想外だった。
「霊園…か、ゲームなんかだとゾンビやグールとかが定番だけど、まさか現れたりしないだろうな…。」
確かに墓地であるのだから近寄りがたいのは確かなのだが、これと言って邪悪な気配とかは感じられない。
ならば、少なくともスケルトン等のアンデッドが自然に発生する事はないだろう。
「ご、ご主人様…こっちに入れそうな場所が!」
そうこうする内に、クズハが目的の建物への進入経路を発見する。
僕はクズハの元に走っていくと、そこには地下へ通じてそうな階段があった。
「よく、こんな目立たない場所を見付けたな…。」
「は、はい…妖狐族は匂いと勘が鋭い種族ですので…。
とは言え、本当に見付けたのは、只の偶然なんですけどね?」
と、笑って言ってくる…どうやら、本当に、たまたま偶然見付けただけの様だ。
「偶然でも何でも、見付けれたんだから十分助かったよ。
とりあえず、この階段が目的の場所に通じているのか分からない、それにトラップもあるかもしれないから、それも注意して確認しよう。」
僕はそう言うと、プリンとクズハを連れて階段を下りていくのであった…。
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