~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

文字の大きさ
上 下
137 / 421
~第五章:ダンジョン開拓編~

137ページ目…ダンジョン・オープン記念日【2】

しおりを挟む
 そんなこんなで、再びやって来たダンジョンマスターの部屋。
 ここには、命令に従う端末として小さいスライムが居るだけである。

 もっとも、このスライムには自我と言う物は殆どなく、主である僕を襲わない程度の知能しかない。
 その為、何かするにしても僕かプリンが指示を出さないと、まともに行動する事すらない。

 なので、僕は無限庫インベントリから食料を取り出すと、スライムの前?に置く。
 今更ながら、スライムの正面って何処なんだろう?と思う。

 プリンに関しては、何故か何となく分かるんだが、他のスライムには関してはまったくと言って良いほど分からない。
 まぁ、お腹を空かせていると可哀想だから、と言う理由で食料の差し入れな訳だが…。
 そもそも、この第11階層には食料がない。
 ましてや、ダンジョンマスターはダンジョンの外に出られない。
 故に、上手く食料を手に入れる事が出来なければ、下手すると餓死してしまうのではないのだろうか?

 僕は不安に思いつつ、ダンジョンコアに手を触れる。

「えっと…第5階層の守護者の事で聞きたい事がある。」

【了解しました…どうぞ。】

「ガーゴイルの装甲が、予定よりもかなり強固になってたみたいだが、原因を知りたい。」

【おそらく、ダンジョンの壁を素材として使っているからではないかと推測いたします。】

 やはり、ダンジョン核も同じ意見か…だとすると…。

「つまり、第5階層には、相当量の魔素マナが貯まっていると言う訳か?」

 そう…ダンジョンの壁は、マナが濃ければ濃いほど、硬く強固な物になっていく性質がある。
 その所為で『零の使い魔』と名乗るヤツが作り出したガーゴイル戦でも、僕は死ぬほど苦労したのだ。

【いえ、確かに下層へ進めば進むほど魔素は濃くなる傾向はありますが、誤差の範囲かと思います。】

 つまり、本気で調査団の連中は、装備が理由で戻ったと言う事のか?
 いや、それ以前に、魔素を吸収した壁と言うのは、ここまで有効に使える物だったのか?
 どうりで、プリンが僕が作り出した高速移動用ゴーレム通称:車…で、オークや木にぶつけても車が対して損傷しなかった訳だ。

 とは言え、S級の冒険者もいたのに、ガーゴイルを破壊出来ないとなると、上級、最上級用として作っているダンジョンが無駄になる訳で…。
 まぁ、調査団も装備を整える、と言う話だから、それ相応な武器とか…それこそ、ガーゴイルを破壊出来る程の武器を持って来る事であろう。

 でもまぁ、これでダンジョンの壁は破壊不可能…と言う噂の真相がわかった気がする。
 つまり、更に強い魔物が集まる下層には、当然、必然的に魔素も濃くなる。
 その為、魔素の影響で硬くなった壁は、強い魔物の攻撃すら弾き返すほど強化されるのを目撃した人達の噂だったんだろう…。

 そう考えると、その壁を破壊した、じぃちゃんに教えて貰った『魔神剣』の威力に冷や汗が出る…。
 記憶を取り戻す前、プリンと最初に戦った時に感じた、制御をミスると死ぬと言う感覚に、あながち間違いがなかったと言う事か…。

 とりあえず、第5階層の守護者をもう少し考えないとダメと言う事か…。
 新たに出てきた問題点はある物の、何はともあれ、明日の新規オープンの為に、やれる事をやっておこうと思う。
 そんな訳で…色々と魔物の配置を換え、更に、リポップ…再度、出現する時間帯の調整もする。

 これで、大量に冒険者が流れ込んだとしても、ある程度は攻略を遅らせれるだろう。
 また、第5階層の守護者を一時的に、ダンジョンの壁を素材としたガーゴイルではなく、適当な石やらで作り上げたガーゴイルへと交換する必要があるだろう。

 まぁ、その代わりと言っては何だが、守護者は第6階層に放ち、遊撃部隊とする。
 運が悪ければ守護者との戦闘でリタイアして貰おう。
 もっとも、何度も挑戦してDPを落として貰える様に、死なない程度に…と、注意が必要ではあるが。

 ちなみに…調査団のお陰で、多少はダンジョンポイントが貯まった為、第8階層の大きさを変えるのは後回しにして魔物の設置を優先にする。
 その際、リッチや吸血鬼バンバイアなどの強力なアンデッドやらも設置する。
 まぁ、強力なアンデッドと言っても真祖などの強力な者はDPが不足していて無理だったが…。

 余談ではあるが、それ以外にも、強そうな魔物を配置した所で、ダンジョンポイントは再び底をついた。
 あとは、明日以降に、どれだけのダンジョンポイントが手に入るか…だ。

 ここまで準備が完了した所で、僕はダンジョンの入り口に転移して、外に出る。
 と言うのも、ここへ来る時に入り口から入ったのだ。
 ならば当然、誰か見ていたかもしれない。
 そして、そのまま出てくるのを見張っていた場合、僕が外にいたら変だからだ。

 そもそも〖魔法:模型創造モデリング〗〖魔法:擬魂付加フェイクソウル〗〖魔法:空間転移ゲート〗…この3つの魔法は、この世界では珍しいらしい。
 僕が使えると知られれば、何かの事件に巻き込まれるかもしれない…と、ラオンさんに注意されているのだ。

 まぁ、移動が面倒だったりするので多用しているのは秘密なんだが…。

 とりあえず、今日やる事は済んだ。
 後は、明日に備えて早く寝る事にしよう。
 僕は、周囲に誰もいないのを確認すると、無限庫から車を取り出すと『安全運転』でメルトの町まで帰るのだった…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

おもちゃで遊ぶだけでスキル習得~世界最強の商人目指します~

暇人太一
ファンタジー
 大学生の星野陽一は高校生三人組に事故を起こされ重傷を負うも、その事故直後に異世界転移する。気づけばそこはテンプレ通りの白い空間で、説明された内容もありきたりな魔王軍討伐のための勇者召喚だった。  白い空間に一人残された陽一に別の女神様が近づき、モフモフを捜して完全復活させることを使命とし、勇者たちより十年早く転生させると言う。  勇者たちとは違い魔王軍は無視して好きにして良いという好待遇に、陽一は了承して異世界に転生することを決める。  転生後に授けられた職業は【トイストア】という万能チート職業だった。しかし世界の常識では『欠陥職業』と蔑まされて呼ばれる職業だったのだ。  それでも陽一が生み出すおもちゃは魔王の心をも鷲掴みにし、多くのモフモフに囲まれながら最強の商人になっていく。  魔術とスキルで無双し、モフモフと一緒におもちゃで遊んだり売ったりする話である。  小説家になろう様でも投稿始めました。

補助魔法しか使えない魔法使い、自らに補助魔法をかけて物理で戦い抜く

burazu
ファンタジー
冒険者に憧れる魔法使いのニラダは補助魔法しか使えず、どこのパーティーからも加入を断られていた、しかたなくソロ活動をしている中、モンスターとの戦いで自らに補助魔法をかける事でとんでもない力を発揮する。 最低限の身の守りの為に鍛えていた肉体が補助魔法によりとんでもなくなることを知ったニラダは剣、槍、弓を身につけ戦いの幅を広げる事を試みる。 更に攻撃魔法しか使えない天然魔法少女や、治癒魔法しか使えないヒーラー、更には対盗賊専門の盗賊と力を合わせてパーティーを組んでいき、前衛を一手に引き受ける。 「みんなは俺が守る、俺のこの力でこのパーティーを誰もが認める最強パーティーにしてみせる」 様々なクエストを乗り越え、彼らに待ち受けているものとは? ※この作品は小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、ノベルアッププラスでも公開しています。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

神様との賭けに勝ったので異世界で無双したいと思います。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。 突然足元に魔法陣が現れる。 そして、気付けば神様が異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 もっとスキルが欲しいと欲をかいた悠斗は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――― ※チートな主人公が異世界無双する話です。小説家になろう、ノベルバの方にも投稿しています。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

処理中です...