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~第五章:ダンジョン開拓編~
125ページ目…ダンジョン再び【3】
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『ドカッ!ガラガラガラ…。』
ラッキーなのかアンラッキーなのか、色々と疑問の残る事故?があったものの、改めて鎧の強化の作業に戻った僕は、ダンジョンの壁を破壊し素材として改修する作業に勤しんでいた。
と、言うのも…ダンジョンの壁と言うのは魔力によって、その性質が強化される特殊な素材なのだ。
ただし、ダンジョンの壁を破壊する事は非常に困難な上に、加工するにも大変な労力がいる。
では、何故そんな大変な事をするのか…それは、僕が〖魔法:模型創造〗を使えるからだ。
一番重要になるのはイメージだが、既に何度も使って練習もしている僕にとっては大変でなくなった作業ではあるが、基本的には〖模型創造〗の魔法と言うのは、まず使える人がいないと言うのはラオンさんからの情報だ。
いや…むしろ、そんな魔法があったと言う事自体、初耳だったと言うのが正解だろう。
そう考えると、この珍しい魔法の価値が、どれだけ凄いのかが分かると思う。
まぁ、中には珍しいだけで役に立たないと思われる魔法もあるのかもしれないが…。
そんな訳で、この貴重な魔法を使い鎧の強化に使えるのはありがたい事だった。
「〖魔法:模型創造〗!」
僕が使った魔法の効果で、目の前にあった鋼鉄製の全身鎧とダンジョンの壁…が一つになっていく。
何度もやっている作業とは言え、どうやって金属と壁が混ざるのかは一切分からないが、金属に埋め込まれるのではなく融合して別の物体になっている様だ。
「なんか、凄い事になってるわね。」
後ろで大人しく見ていたレオナが、背中越しに声を掛けてくる。
「ん?凄い事って?」
おそらく、この金属とダンジョンの壁との融合とも言える強化作業の事だろう。
だが、僕はあえて何も知らない様な風を装ってレオナに聞いてみる。
「だって…鎧がまるで生きている様に動いているじゃん?」
「あぁ、うねうね動いて変形していくからね。
ってか、見てて気持ち悪くない?」
そう…正直な話、僕も初めて見た時は、うねうね動く姿を見て、何か気持ち悪いな、と思った事があるのだ。
だが、そんな事を敢えて言う必要は、全くない。
ただ、気のない相手の前でも、多少は格好を付けたいと思うのは男の性だと思う。
「え?私は全然平気だけど、普通、気持ち悪くなる物なの?」
「どうだろ?僕は平気だけど…女の子って、こんな風に動く物…例えば、虫やら蛇やらって、気持ち悪いって思うじゃん?」
僕は平気と言う所を強調してレオナに言う。
だが、その意味は全くなかった…何故なら、彼女は既に自分も平気と言っているのだから…。
「さてと、これで鎧は完成っと…さぁ、着てみて?」
僕はそう言って、レオナに全身鎧を渡す。
今回使用したダンジョンの壁は、第6層目の壁だ…つまり、次の階層が現在確認出来ている最深階となる。
そして、僕達の目的は、その階層にあるであろう隠し通路を見つけ出しダンジョンを攻略する事である。
ラオンさんからの情報だが、ダンジョンと言うのは、迷宮核と呼ばれる特殊な魔法道具で作られている特殊な空間の事らしい。
そして、そのダンジョンコアを制御して、色々なダンジョンを作り出す事が出来る、と言う事が、長年の研究により分かっているらしい。
ただし、そのダンジョンコアと言う物に関しては、誰がどの様に作ったかも分からない上に、現在の技術では、複製する事も出来ないらしい。
もしかしたら、先生あたりに聞けば分かるかもしれないが、僕は学者でもないし、そもそも、この世界の住人と言えるほどの存在でもないので、聞くだけ無駄だと思われる。
何より、じぃちゃんが元の世界に戻ったと言う事は、僕も、いずれ元の世界に戻れる可能性がある。
ついでに言うと、そこまでして知りたい事ではないので、しばらくは放置で良いだろう。
そんな事を考えていたら、全身鎧を装備し終えたレオナが声を掛けてくる。
「おまたせ!さぁ、行きましょう!」
何やら、妙にテンションが高くなったレオナに疑問があるが、やる気がないよりかは有った方が良いと判断して、僕はレオナを連れて階下へと続く階段を探し下りていくのだった…。
ラッキーなのかアンラッキーなのか、色々と疑問の残る事故?があったものの、改めて鎧の強化の作業に戻った僕は、ダンジョンの壁を破壊し素材として改修する作業に勤しんでいた。
と、言うのも…ダンジョンの壁と言うのは魔力によって、その性質が強化される特殊な素材なのだ。
ただし、ダンジョンの壁を破壊する事は非常に困難な上に、加工するにも大変な労力がいる。
では、何故そんな大変な事をするのか…それは、僕が〖魔法:模型創造〗を使えるからだ。
一番重要になるのはイメージだが、既に何度も使って練習もしている僕にとっては大変でなくなった作業ではあるが、基本的には〖模型創造〗の魔法と言うのは、まず使える人がいないと言うのはラオンさんからの情報だ。
いや…むしろ、そんな魔法があったと言う事自体、初耳だったと言うのが正解だろう。
そう考えると、この珍しい魔法の価値が、どれだけ凄いのかが分かると思う。
まぁ、中には珍しいだけで役に立たないと思われる魔法もあるのかもしれないが…。
そんな訳で、この貴重な魔法を使い鎧の強化に使えるのはありがたい事だった。
「〖魔法:模型創造〗!」
僕が使った魔法の効果で、目の前にあった鋼鉄製の全身鎧とダンジョンの壁…が一つになっていく。
何度もやっている作業とは言え、どうやって金属と壁が混ざるのかは一切分からないが、金属に埋め込まれるのではなく融合して別の物体になっている様だ。
「なんか、凄い事になってるわね。」
後ろで大人しく見ていたレオナが、背中越しに声を掛けてくる。
「ん?凄い事って?」
おそらく、この金属とダンジョンの壁との融合とも言える強化作業の事だろう。
だが、僕はあえて何も知らない様な風を装ってレオナに聞いてみる。
「だって…鎧がまるで生きている様に動いているじゃん?」
「あぁ、うねうね動いて変形していくからね。
ってか、見てて気持ち悪くない?」
そう…正直な話、僕も初めて見た時は、うねうね動く姿を見て、何か気持ち悪いな、と思った事があるのだ。
だが、そんな事を敢えて言う必要は、全くない。
ただ、気のない相手の前でも、多少は格好を付けたいと思うのは男の性だと思う。
「え?私は全然平気だけど、普通、気持ち悪くなる物なの?」
「どうだろ?僕は平気だけど…女の子って、こんな風に動く物…例えば、虫やら蛇やらって、気持ち悪いって思うじゃん?」
僕は平気と言う所を強調してレオナに言う。
だが、その意味は全くなかった…何故なら、彼女は既に自分も平気と言っているのだから…。
「さてと、これで鎧は完成っと…さぁ、着てみて?」
僕はそう言って、レオナに全身鎧を渡す。
今回使用したダンジョンの壁は、第6層目の壁だ…つまり、次の階層が現在確認出来ている最深階となる。
そして、僕達の目的は、その階層にあるであろう隠し通路を見つけ出しダンジョンを攻略する事である。
ラオンさんからの情報だが、ダンジョンと言うのは、迷宮核と呼ばれる特殊な魔法道具で作られている特殊な空間の事らしい。
そして、そのダンジョンコアを制御して、色々なダンジョンを作り出す事が出来る、と言う事が、長年の研究により分かっているらしい。
ただし、そのダンジョンコアと言う物に関しては、誰がどの様に作ったかも分からない上に、現在の技術では、複製する事も出来ないらしい。
もしかしたら、先生あたりに聞けば分かるかもしれないが、僕は学者でもないし、そもそも、この世界の住人と言えるほどの存在でもないので、聞くだけ無駄だと思われる。
何より、じぃちゃんが元の世界に戻ったと言う事は、僕も、いずれ元の世界に戻れる可能性がある。
ついでに言うと、そこまでして知りたい事ではないので、しばらくは放置で良いだろう。
そんな事を考えていたら、全身鎧を装備し終えたレオナが声を掛けてくる。
「おまたせ!さぁ、行きましょう!」
何やら、妙にテンションが高くなったレオナに疑問があるが、やる気がないよりかは有った方が良いと判断して、僕はレオナを連れて階下へと続く階段を探し下りていくのだった…。
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