～僕の異世界冒険記～異世界冒険始めました。

～第五章：ダンジョン開拓編～

123ページ目…ダンジョン再び

『ザンッ！』

　長剣・改の一撃を受けて、スケルトンが消滅していく。

　そう…ここは、メルトからそれほど離れていないダンジョンである。
　まぁ、一般的には初心者用のダンジョンと言われているダンジョンだったったりする訳だが…。

　では、何故、こんな所にいるのかと言うと、レオナの実力を見る為だ。
　とは言っても、スケルトンよりも数段進化しているレオナにとっては、このレベルのスケルトンと言うのは大した敵ではない様だ。

「うん、これなら、もっと深い階層に進んでも問題ないみたいだね。」

　僕はそう言うと、次の階層へ進む階段を探す。
　このダンジョン、何故かスケルトンしか出ないと言う、ちょっと変わったダンジョンではあるが隠し通路でもあるのか、未だ完全攻略されていないダンジョンだったりする。

　とは言え、7階層までは確認されているらしいので、このダンジョンを攻略するには最深部とされている7階層まで行く必要がある。

「ねぇ…本当に、このダンジョンを攻略するつもりなの？
　正直、スケルトンだけのダンジョンなんて攻略する価値がない様な気がするんだけど…。」
「だったら、ギルドに戻ったらどう？
　別に攻略を付き合ってくれ何て言わないからさ…。」

　まぁ、正直な話、一人でも問題ないレベルなのでレオナが帰った所で、特に問題はない。

「えぇ～…まさか、メルトまで歩いて帰れって言うつもり？」

　歩いて帰りたいのなら止めはしないが、普通は外の建物で待機したりだと思うぞ？

「いや、その時は〖空間転移ゲート〗の魔法でメルトに送るけど？
　んで、代わりに誰かを連れてくると思う。」

　僕がそう言うと、レオナから明らかに不満を含んだ気のない返事が来た。

「ふ～ん、別に私じゃなくても良いんだ…。」

　でもさ、よく考えてみたら、スケルトンになってて可哀想だからって言うのと、ゴーレムに関しての情報を持ってるかも？って事で、わざわざ進化させたりしてまで復活させたんだが、何も知らないんだから、もう用は無いだろ？
って話である。
　だったら、もう、わざわざそんな厄介事を抱え込まなくても良いはずだ。

　そもそも、一人で生きていける為に装備を整えギルドに引き取って貰う様にしたのだ。

　そして、ラオンさんの計らいで、ギルド直属の冒険者にして貰ったのだ。
　まぁ、正直、職権乱用な気もするが…。

　なお、衣・食・住、この中で食以外は与えた事になる。
　それに、アンデッドの為か、喰わなくても大丈夫なはず…だ。
　だとするならば、衣・食・住、全てを満たした事になるのではないだろうか？

　そんな訳で、僕はレオナを独り立ちさせる為に、このダンジョンまで連れてきて、強さを調べようとしたのだ。
　だが、レオナは思った以上に強く、僕がサポートしなくても問題ないほどの強さを持っていた様だ。

　そんな訳で、どうせならダンジョンを攻略してしまおうと思った訳なのだが、何故か気に食わない様だ。

「で、レオナはどうするのかな？付いてくる？それとも帰る？」
「分かったわよ、最後まで付いていけば良いんでしょ！」
「いや、マジで無理しなくても…。」
「ほら、早く行くわよ！」

　う～ん…進もうとする文句を言う、帰らせようと怒り出す…まったく、この子は何がしたいんだろう？
　そう思うものの、一人で黙々と行くよりかは、二人の方が、幾分、マシなのかもしれない。

　そんな訳で、僕達はそのまま、最下層へ向けて歩みを進めるだった…。