118 / 421
~第四章:冒険者編(中期)~
118ページ目…実験【1】
しおりを挟む
そんなこんなで鎧をバラし終えた俺《・》は、彼女、スケルトンに鎧を装備させようとする。
とは言っても、見た目だけでは、おおよそしか分からず、ちゃんとサイズが合うか分からない為、まずは籠手から装備させる事にする。
「んじゃ、まずは左手から出して。」
俺がそう言うと、スケルトンは素直に応じてくれる。
『ガチャガチャ…チッ、ガチャンッ!』
流石、スケルトン…魔法的な何かで繋がっている様だが、接合部分が弱い所為か、籠手の重みに耐える事が出来ず、左腕…肘の部分から外れて、地面に落ちてしまった。
ちなみに、落ちた左腕は元に戻ろうと頑張ってる様だが、籠手が重過ぎて動けない様だ。
そう考えると、剣や鎧を装備出来ているスケルトン・ソルジャーとかの上位種は、そこら辺の接合能力は凄い性能なのだろう。
さて…こうなってくると、少々知恵を絞らないといけない…。
すると、あまり使いたくない…と言うよりも、試した事がない事を思い付く。
まぁ、本人には、たぶん嫌われるであろう方法だが…只の骨なんかよりは、少しでも肉体と呼べる物を手に入れる事が出来るだろう方法だから我慢して貰おう。
俺が、スケルトンの左腕から籠手を外すと、左腕は元の場所へと飛んでいき、くっついた。
その後、俺はスケルトンを湖の畔まで連れて歩いていった。
その間、スケルトンは何をされるのか心配する様な仕草をする物の黙って付いてくる。
もっとも、しゃべろうとしてもカタカタと音が鳴るだけだとは思うが…。
そして、湖の畔まで到着すると、俺は泥を掬い取るとスケルトンに塗っていく…。
最初こそ、ビクリと体を震わせて嫌がっていたが、俺が『動くな』と強めに言ったのが、よほど怖かったのかそれ以降、動くのを辞めて、悲しそうに泥まみれになっていった…。
ちょっとした罪悪感があるものの、それでも、只のスケルトンでは連れて歩く事すら出来ない。
下手をすれば、プリンの怒りを買い、餌になってしまう…そんな事になるよりかはマシなはずだ。
それに、幸いな事に、ここの泥は全然臭くない。
元の世界のヘドロとかと違い、ハーブ系の草の匂いはするものの、そんなに不快な匂いはしなかった。
ただし、現在は水分が多い為に、そのまま流れ落ちる感じになってしまい、スケルトンを中心に山盛りになっているのはご愛敬だ。
それから数分後…おそらく十分な量の泥は確保出来たと思う。
さぁ、どうなるか分からないけど…実験を始めよう…。
とは言え、実際に使うのは〖模型創造〗と〖擬魂付加〗…この二つである。
では、どうするかと言うと…。
『パチンッ!』
俺は指を鳴らして〖森羅万象〗を発動させると、泥に含まれる大量の水分を、今からする実験に必要な水分量へと減らす。
ここからが実験の開始…なので、ある程度、意のままに出来る〖森羅万象〗を使っていると言うツッコミは受け付けない。
「まずは…〖魔法:模型創造〗ッ!」
泥がウネウネと動き、スケルトンを覆っていく…そして、少しずつ肉体を思わせる様に変化していく。
しかし、まだまだ人の姿に見えず、泥の化け物…と言う感じではある物の、第一段階は終了だ。
そして、次にするのは…。
「さらに…〖魔法:擬魂付加《フェイクソウル》〗ッ!」
対象とするのは、泥…しかし、その中に居るスケルトンにも〖擬魂付加〗を追加で付与して別のアンデッドへと進化を促す。
つまり、骨だけの存在から、泥で出来ているとは言え体を与えようとしているのだ。
ただし、籠手を装備しただけで腕が外れて落ちるのでは話にならない。
だからこそ〖擬魂付加〗で魂の力を強化して、スケルトン・ソルジャーみたいに重い物も装備出来る様にしようとしたのだ。
もっとも、今回は装備と言うよりは受肉と言った方が良いかもしれないが…肉ではなく泥なのだから、受泥?それも何か変だし…正直、何て言って良いか分からない。
まぁ、まだ完成ではないし…気にしないでおこう。
「まだまだ完成じゃないけど…どう?動けそう?」
俺がそう言うと、泥の塊が少しずつ動こうとする。
泥自体はまだ乾いていないからか。変化する事が出来るみたいで、ボトボトと落ちることなく、スケルトンの動きに合わせて変化している様だ。
「うん、コレなら、次の作業に入れるかな?」
俺の呟きが聞こえた様で、スケルトン?が若干、震えてるのが目にとまった…が、当然の様に無視する事にする。
やはり、魔王化していると、俺《・》の心は残虐性が増すのだろうか?と疑問に思ってしまうのだった…。
とは言っても、見た目だけでは、おおよそしか分からず、ちゃんとサイズが合うか分からない為、まずは籠手から装備させる事にする。
「んじゃ、まずは左手から出して。」
俺がそう言うと、スケルトンは素直に応じてくれる。
『ガチャガチャ…チッ、ガチャンッ!』
流石、スケルトン…魔法的な何かで繋がっている様だが、接合部分が弱い所為か、籠手の重みに耐える事が出来ず、左腕…肘の部分から外れて、地面に落ちてしまった。
ちなみに、落ちた左腕は元に戻ろうと頑張ってる様だが、籠手が重過ぎて動けない様だ。
そう考えると、剣や鎧を装備出来ているスケルトン・ソルジャーとかの上位種は、そこら辺の接合能力は凄い性能なのだろう。
さて…こうなってくると、少々知恵を絞らないといけない…。
すると、あまり使いたくない…と言うよりも、試した事がない事を思い付く。
まぁ、本人には、たぶん嫌われるであろう方法だが…只の骨なんかよりは、少しでも肉体と呼べる物を手に入れる事が出来るだろう方法だから我慢して貰おう。
俺が、スケルトンの左腕から籠手を外すと、左腕は元の場所へと飛んでいき、くっついた。
その後、俺はスケルトンを湖の畔まで連れて歩いていった。
その間、スケルトンは何をされるのか心配する様な仕草をする物の黙って付いてくる。
もっとも、しゃべろうとしてもカタカタと音が鳴るだけだとは思うが…。
そして、湖の畔まで到着すると、俺は泥を掬い取るとスケルトンに塗っていく…。
最初こそ、ビクリと体を震わせて嫌がっていたが、俺が『動くな』と強めに言ったのが、よほど怖かったのかそれ以降、動くのを辞めて、悲しそうに泥まみれになっていった…。
ちょっとした罪悪感があるものの、それでも、只のスケルトンでは連れて歩く事すら出来ない。
下手をすれば、プリンの怒りを買い、餌になってしまう…そんな事になるよりかはマシなはずだ。
それに、幸いな事に、ここの泥は全然臭くない。
元の世界のヘドロとかと違い、ハーブ系の草の匂いはするものの、そんなに不快な匂いはしなかった。
ただし、現在は水分が多い為に、そのまま流れ落ちる感じになってしまい、スケルトンを中心に山盛りになっているのはご愛敬だ。
それから数分後…おそらく十分な量の泥は確保出来たと思う。
さぁ、どうなるか分からないけど…実験を始めよう…。
とは言え、実際に使うのは〖模型創造〗と〖擬魂付加〗…この二つである。
では、どうするかと言うと…。
『パチンッ!』
俺は指を鳴らして〖森羅万象〗を発動させると、泥に含まれる大量の水分を、今からする実験に必要な水分量へと減らす。
ここからが実験の開始…なので、ある程度、意のままに出来る〖森羅万象〗を使っていると言うツッコミは受け付けない。
「まずは…〖魔法:模型創造〗ッ!」
泥がウネウネと動き、スケルトンを覆っていく…そして、少しずつ肉体を思わせる様に変化していく。
しかし、まだまだ人の姿に見えず、泥の化け物…と言う感じではある物の、第一段階は終了だ。
そして、次にするのは…。
「さらに…〖魔法:擬魂付加《フェイクソウル》〗ッ!」
対象とするのは、泥…しかし、その中に居るスケルトンにも〖擬魂付加〗を追加で付与して別のアンデッドへと進化を促す。
つまり、骨だけの存在から、泥で出来ているとは言え体を与えようとしているのだ。
ただし、籠手を装備しただけで腕が外れて落ちるのでは話にならない。
だからこそ〖擬魂付加〗で魂の力を強化して、スケルトン・ソルジャーみたいに重い物も装備出来る様にしようとしたのだ。
もっとも、今回は装備と言うよりは受肉と言った方が良いかもしれないが…肉ではなく泥なのだから、受泥?それも何か変だし…正直、何て言って良いか分からない。
まぁ、まだ完成ではないし…気にしないでおこう。
「まだまだ完成じゃないけど…どう?動けそう?」
俺がそう言うと、泥の塊が少しずつ動こうとする。
泥自体はまだ乾いていないからか。変化する事が出来るみたいで、ボトボトと落ちることなく、スケルトンの動きに合わせて変化している様だ。
「うん、コレなら、次の作業に入れるかな?」
俺の呟きが聞こえた様で、スケルトン?が若干、震えてるのが目にとまった…が、当然の様に無視する事にする。
やはり、魔王化していると、俺《・》の心は残虐性が増すのだろうか?と疑問に思ってしまうのだった…。
11
お気に入りに追加
404
あなたにおすすめの小説

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく
霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。
だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。
どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。
でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる