上 下
114 / 421
~第四章:冒険者編(中期)~

114ページ目…ゴーレム発見

しおりを挟む
 う~ん…やはり全然、感知に反応がない…。

 せいぜいが、小魚と、それよりちょっとだけ大きな魚が居るだけで、それ以上の反応と言えば、少し離れた所にいるプリンのみ…である。
 あれだけ巨大な物が、姿を完全に隠すなんて、あり得るんだろうか?

 そんな事を考えながら、さらに水中探索を進めていると、突如として、僕の後ろに巨大な反応が現れる。
 ありえない!と心の中で叫ぶと同時に、プリンの方へと泳ぎ出す。

 そのお陰か、今まで俺が居た所を通り過ぎた何かを、なんとか躱す事が出来た。
 しかし、その影響で水流が発生し、バランスを大きく崩したが、それでも俺は泳ぐのを止めななかった。

 そして、その不安定な反応を感じたのか、プリンも俺の方へと泳ぎだしたのが分かる。

 合流するまでの僅かな時間が、かなりの時間経った様な感覚になりつつも無事にプリンと合流を果たし、再び一つになる事が出来た。
 その瞬間、俺達・・は、いつもの高揚感と共に、不思議な安心感に包まれる。

「さてと、いっちょ反撃開始といきますか!」

 どうやって水中で声が出せるんだろうと思いつつも、俺はプリンに話し掛ける。
 と言うのも、俺一人では、水中では姿勢を上手く制御出来ないのだが、プリンが姿勢制御をサポートする事によって、そのポテンシャルは何倍にも跳ね上がるのだ。

 今だって、水中移動のイメージをプリンが俺から感じ取り、身体を自在に操ってくれている。

 脇腹付近から大量に水を吸い取り、両手足から噴出…ジェット噴射よろしく、水意中で高速移動が出来ている。
 そのお陰で迫ってくる巨大な塊を、360度、自由自在に躱す事が出来ている。

 そんな中、絶好の攻撃チャンスが到来する。

 ただし、今回は水中である為、俺の最大の攻撃である魔神剣は使えない…と思われる。
 アレは魔法を圧縮して作り出す為、水中だと魔法が上手く発動出来ないのだ。

 特に、何かに当たったら爆発するタイプは、すでに水に当たっているのだから作り出した瞬間、暴発って事にもなりかねない。
 そんな不安から、魔神剣は使えないのだ。

 ではどうするか…答えは簡単、〖魔法:空間転移ゲート〗だ。
 この魔法は一度行った事のある場所に転移する事が出来る魔法で、触れている物や人を一緒に転移が可能だ。
 つまり、俺がゴーレムと思われる物に触れた状態で陸地に転移すれば、そのままゴーレムも一緒に転移すると言う事。
 まぁ、問題なし…と、まではいかないにしても地上ならば多少は無理も利くはずだ。

「うおぉぉぉぉぉ!」

 プリンのサポートを受け、水中を高速で動き回る…おそらく、人の身であったなら、まず生きていないだろうと思う程の負荷が身体を襲う。
 だが、実際は、そんな動きにも関わらず、身体が若干歪む程度で済んでいる。
 うん、人間を辞めたつもりはないが、魔王化した俺は、はっきり言って化け物以上に化け物である。

 そして、とうとう俺はゴーレムの体に触れる事に成功する。

「〖魔法:空間転移ゲート〗!」


 身体のコントロールはプリン任せっきりだったからか、少しのラグもなく、触れた瞬間に俺はゴーレムごと地上に転移するのに成功する。
 そして、一緒に転移してきたゴーレムを見て・・唖然とする。

 そう…俺の目に映った物、それは、全長15m以上もある『オリハルコン・ゴーレム』だったのだ。

 って言うか、この世界のオリハルコンは金色ではなく虹色なんだな…と、この時、くだらない事を考えてしまったのは内緒である…。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

異世界でスキルを奪います ~技能奪取は最強のチート~

星天
ファンタジー
 幼馴染を庇って死んでしまった翔。でも、それは神様のミスだった!  創造神という女の子から交渉を受ける。そして、二つの【特殊技能】を貰って、異世界に飛び立つ。  『創り出す力』と『奪う力』を持って、異世界で技能を奪って、どんどん強くなっていく  はたして、翔は異世界でうまくやっていけるのだろうか!!!

暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~

暇人太一
ファンタジー
 仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。  ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。  結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。  そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?  この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。

異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、  どちらが良い?……ですか。」 「異世界転生で。」  即答。  転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。  なろうにも数話遅れてますが投稿しております。 誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。 自分でも見直しますが、ご協力お願いします。 感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件

後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。 転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。 それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。 これから零はどうなってしまうのか........。 お気に入り・感想等よろしくお願いします!!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...