~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

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~第四章:冒険者編(中期)~

112ページ目…食いしん坊万歳

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「さて…いったい、どうすれば良いのだろう…。」

 そこで、まず試したのがしもべ造り…とは言っても、これが簡単な作業ではない。
 むしろ、どの様なヤツにするかが大事である。

 もっとも、コレに関しては明らかに作戦ミスがあった。
 と、言うのも水中で動ける物として、そこら辺の石を魚の形に変化させてみたのだが…初の試みと言う事もあり、物は試しと材質に石を選んだのだ。

『ちゃぷん…ブクブクブク…。』

「ご主人様、沈んで浮いてきませんね…。」

「だな…やはり失敗か…レオでやらなくて正解だな。」

 まぁ、やっぱりと言うか何と言うか…予想通りの結果である。
 ってな訳で、石の魚に括り付けていた紐を引き、回収作業に入る、のだが…。

『クンッ…クンッ…。』

「ん?なんか…紐が引かれてる様な…ちょッ!?」

『ググッ!…プチン!』

「「あッ!」」

 一気に括り付けていた紐が引っ張られたかと思うと、いきなり切れてしまった。
 まぁ、石の魚とは言え、魚の形をしているのだからルアーみたく、魚か何かが食い付いても仕方がないのかもしれない。

 問題は…その魚には〖擬魂付加フェイクソウル〗が掛かっていると言う事…まぁ、壊れてしまえば問題ないのだが、もしも壊れずに、そのままレベルが上がって進化をしてしまった場合、いったいどんな事になるか想像が出来ない。

 まぁ、もしかしたら、石の竜になる可能性だってあるかもしれないが…まぁ、それは流石に無いだろう。
 ん?何故、魚が竜になるのかだって?
 何故なら、その石の魚は『鯉』をモチーフに作ったからだ。

 鯉の滝登りと言う言葉があるのは知っているだろうか?

 これは、元の世界の言葉だが、黄河の上流にある滝、竜門を登ることのできた鯉は竜になると言われている…所謂、登竜門って話だ。

 鯉のぼりも、コレにあやかっての事だったと思う、違ったら恥ずかしいけど…。
 まぁ、登竜門の話は滝も、竜門もないから置いておくけど…鯉だけに、進化したら竜になる可能性は否定出来ない。

 まぁ、いくら何でもそれはない…か、とは言え、水中には何か石の魚に食い付き、紐を切るだけの力を持っているのが分かった訳だが…。

 う~ん…コレ、もう終了でよくね?
 確かに、ゴーレムは気になるが、調査する方法が思い付かないし…。

「ご主人様、紐、切れちゃいましたね…。」
「うん…何かが石の魚に食い付いたみたいだね。」
「へぇ~…バカなヤツがいるもんですね。」
「食いしん坊のプリンだったら、間違って食い付くんじゃない?」

「ご主人様、酷ッ!?いくら私が食いしん坊だからって、例え水の中でも、石の魚なんか食い付きません!」
「あ~、プリン、食いしん坊って所は認めるんだ…。」

 からかって言っただけなのに、まさか認めるとは思っていなかったので、どう反応して良いのか迷う所である。

「だって、ご主人様と行動する様になってから、美味しい物いっぱい食べてますから…。」
「あぁ…スライムのままだと、獲物はそのまま捕らえて食べちゃうんだっけ…。
 まぁ、普通は魔物には料理の概念なんて物は、ある訳ないもんな。」
「はい!ですので、ご主人様と出会えた事は感謝です♪」

 そんな事で感謝されるのは、どうかと思うが、こう素直に言われるとむず痒いものがある。

「これからも、一緒に美味しい物食べれると良いね。」
「そうですね!その為に、〖人化〗をマスターしたような物ですから♪」

 いやいや、それは違うでしょ?そもそも、プリンが〖人化〗を覚えたのは、僕のお嫁さんになりたいからと言うのは、何度も聞いている。

「ははは、まさに食いしん坊万歳って所だね。」
「はい♪そうですね、ふふふ。」

 こうして、調査が全然進んでないにも関わらず、暫くの間、二人してノンビリ過ごすのであった…。
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