~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

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~第四章:冒険者編(中期)~

98ページ目…ドラゴン戦【2】

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「DRAAAAAAAA!!」
「はぁぁぁぁぁッ!!」

 ドラゴンが右腕?右前足を勢いよく俺に向けて振るってくる。
 だけど、残念ながら、俺には当たる事はなかった。

「ザシュッ…ボッ!」

 ドラゴンの攻撃を受け止める為に炎の大剣でガードしたはずが、何故かドラゴンの右腕を斬り飛ばしたのだ。
 否、単に斬り飛ばしただけではなく、その斬り口が燃えているのだ。
 予想以上の威力に俺はビックリする…だが、俺以上にドラゴンの方が驚いている様だ。

 そして、痛みと恐怖で、一歩、また一歩とジリジリと後退していく。
 反対に、俺達は一歩、また一歩と後を追う。

『ベキッ…。』

 ちょうど、ドラゴンの背中が木に当たり、脆い枝が折れた様だ。
 とは言え、後退している状態で背中に気が当たると言う事は、つまり、ドラゴンの背後には逃げ道がなくなった事を意味している。

 正確に言うと、力任せならば何とかなったかもしれないが、残念ながら既にドラゴンの両腕?両前足は無い。
 そんな中、力任せ抜けろと言うのは。
 それなら飛んで逃げた方が良い。
 何故なら、俺は空を飛べないのだから…しかし、ドラゴンは飛ぼうとはせず、大きく息を吸い込んだ…。

 アレが来る!?初見ではある物の、ドラゴンが息を吸い込む…と来れば、何をするのかは予想が付く。
 ならば…わざわざ喰らう必要はない。

「そんな攻撃、が喰らうかよ!!〖魔法:空間転移ゲート〗!」

 一瞬の内に、俺はドラゴンの頭上に空間転移する。
 何度か使っている内に気が付いたのだが、この魔法は、自分から目視出来る場所なら、行った事のある場所として認識されるのか、そのまま移動する事が出来る。
 もっとも…それだけの距離を移動する為だけに、大量のMPを消費するのだから、効率がとても悪いが、俺みたいにMPが高速で回復する人にとっては、緊急回避にも使える便利な魔法だったりする。

 一瞬、俺の姿を見失ったドラゴンに隙が出来る…とは言え、頭の上に俺が現れたのだから、すぐに何が起きたかは理解出来た様だ。
 ドラゴンは思い切り頭を振り上げ俺を上空へと吹き飛ばす。

 そして、口を開き…火炎の息を吹き出した。

『ブォーーーーー!』

 そして、炎が消えた時、僕はそこにはいなかった。

『ザシュッ!』

「GRUOOOOOOO!」

 ドラゴンから、悲痛な叫び声が聞こえる。
 そう、俺はドラゴンの息ブレスが届く瞬間、再びドラゴンの尻尾の側に〖空間転移〗を済ませ、力任せに尻尾を根元から叩き斬る。
 そして、再び距離を取りドラゴンを見た・・

◆◇◆◇◆◇◆

 種族:ブラックドラゴン
 Lv:10/150
 HP:580/2480 MP:1320/2320 SP:610/2800
 攻撃力:2232 防御:1450 魔法力:1860 素早さ:980
 状態:部位欠損(両腕、尻尾)

◆◇◆◇◆◇◆

 よし、残りHPは約600…もう少しで倒せる。
 ブラックドラゴンは俺よりも格上だか、プリンと一緒に戦えば何となりそうだ。
 それに今まで忘れていたが、俺には『じぃちゃんの必殺技』がある。
 油断大敵と言う言葉もあるが、相手の方が格上なのだから油断するはずもない。

 俺はプリンの方を見ると、何をしようとしているのか理解したのかコクリと肯く。
 次の瞬間、俺とプリンはドラゴンの両脇に〖空間転移〗する。
 そして、そのまま僕はドラゴンの腹を目掛けて右手を突き出したのだった…。
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