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~第三章:美味い物ツアー編~
91ページ目…配達【1】
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「えっと…こっちのお米と、あそこにあるお米を…っと、ついでに、このお米も、60kgずつお願いします。」
「畏まりました、では、お届け先はどちらまで届けましたら良いでしょうか?」
まぁ、普通の人であるなら180kgもあるお米の入った麻袋を抱えて運ぶ事は不可能だ。
馬車とかあればそれで運ぶ事は可能だろうが、僕は馬車なんて持っていない。
まぁ、『車』を使えば問題ないだろうが、こっちの世界では非常に珍しい物…いや、無いかも知れない。
故に、あまり人目のある場所では使いたくないのが現状だったりする。
と言うのも、俺の見立てでは、こっちの世界でも金貨数十枚で取引されるであろう性能があるからだ。
つまり、万が一にも盗難されたらたまった物じゃない。
もっとも、俺が作り出したゴーレムなので、盗難にあっても動かないとは思うが、それでもプリン達だって動かせるのだから、それも絶対ではない。
「いえ、そのまま持って帰れますので。」
俺はそう言うと店主に代金を払い、商品を無限庫に入れた。
「ほぅ…珍しい、まさか無限庫持ちの人に会うとは…。
お客さん、どこかの貴族に遣えてるんですか?」
「いえいえ、俺は、しがない冒険者ですよ?」
ぶっちゃけ…地味に一度言ってみたかった台詞の一つである。
本当は、そこらの下級の冒険者と違い、僕はB級クラス…中級上位の冒険者だから、『しがない』と言うのは間違いなのだが、本当は凄いんですよ~と言うのを隠して、あえてこう言ったのだ。
「あ、あの、失礼ですが、お急ぎのご用とか御座いますか?
もしお暇でしたら、一つ、配達の依頼をお願いしたいのですが…。」
何やら、トラブルの予感だ。
もっとも、僕達は美味い物ツアーをしている身だ。
厄介事はお断り…ここは断った方が無難かもしれない。
「いえ、俺達は…「あるじ まかせる かいけつ」
ちょっと待てッ!?ローラ、お前、何時から其処に居たんだ?
店主の顔を見る限り、驚いていない所を見ると、どうやらローラは気配を消し、無音で近付いてきていた様だ。
だが、店主から見れば真っ正面から近付いていたのを見ていたのだろう、って言うか、お前が勝手に話を進めるな!
「え~…依頼を受けていただけると言う事でしょうか?」
「うむ」
俺が答えるより先にローラが返事をする。
いや、そもそも配達する場所とかも聞いていないのに勝手に返事をされたら困る。
否、それ以前に俺達の目的は、美味い物以外にも正体不明のゴーレムを調査すると言う目的があるのだ。
しかも、その情報がギルド経由なのだから、調査隊が出ているかもしれない。
もしも、貴重な素材で出来ていたら回収出来ないではないか!
そう、ここ数日で学んだ事なのだが、ゴーレム系等の一部の魔物の場合、〖魂強奪〗で倒した場合、魂を失った体はそのまま素材として残る可能性があるのだ。
これは、レオを作成する時に気が付いた事なのだが、俺の鎧に〖擬魂付加〗を掛けていた『アームズ』から〖魂強奪〗を使い、ただの鎧…素材に戻す時に思い付いた事だった。
そして、その事に気が付いた俺は、ウッドゴーレムやストーンゴーレムを作って実験したりした結果、そのまま体が素材ドロップ扱いになる様だったのだ。
だった…と言うのは、自分で作った物を元に戻しただけ…。
他の人が作った物では、まだ試した事がないから、あくまでも仮説の段階なのだが、十二分に試す価値がある。
それも踏まえて、この『オカカ』の町まで足を運んだのだ。
「ローラ、うむ…じゃないだろ、何を勝手に話を進めてるんだ!
依頼を受けるかどうかは俺が決める事だし、内容も配達だけで、どこに配達するのか分からないんだぞ!」
「あるじ ごめん」
俺が拳骨の構えを取ったからか、ローラは頭を庇う様に両手で頭を隠しながら、即答で謝ってくる。
まったく、コイツは何を考えてるのか…このバカ犬の飼い主の顔を見てみたい。
って、飼い主は俺だったな…うん、これは本気で、ちゃんと躾をしないとダメなのかもしれない…。
「えっと…店主、配達と言う事でしたが、何処に何を運ぶのかによって依頼を受けるかどうか決めたいと思います。
と、言うのも…実は、あまり地理に詳しくなく、行った事のない場所となると難しいのです。
おそらく、俺が無限庫持ちなので、運搬に適しているとの考えかと思われますが…。」
と、あまり失礼にならないと思われる様な言い方で断りを入れる。
もっとも、冒険者としては、あまりよろしくない口調だとは思うが…。
「え、えぇ…確かにおっしゃる通りです。
こちらの言葉が足りなかった様ですね。
実は当店の専属の運び屋が居るのですが、本来なら一昨日に戻るはずの者が未だに戻ってこない為に、次の配達が間に合わなくなるかもしれないのです。
こちらとしましても、お客様商売…信用が大事な商売でして、商品が指定の日に届かないとなりますと、色々と問題が発生しまして…。
お客様の言う通り、無限庫持ちであれば運搬には持ってこい。
その身一つで済む為、都合が良いのです。」
ぶっちゃけ、ただの配達と変わらない様である。
単純に人手宇不足…と言った所か?
「なるほど…それで、俺に配達を頼みたいと言う事なのですね?
それで、配達する商品と配達場所は何処なんですか?」
「それが、実は…。」
おや?歯切れが悪い…何やら言いづらい事なのだろうか?
まぁ、先程から嫌な予感を感じるのだから、問題が発勁しそうなのだが…。
俺は疑問に思いつつ、店主の次の言葉を待つのであった…。
「畏まりました、では、お届け先はどちらまで届けましたら良いでしょうか?」
まぁ、普通の人であるなら180kgもあるお米の入った麻袋を抱えて運ぶ事は不可能だ。
馬車とかあればそれで運ぶ事は可能だろうが、僕は馬車なんて持っていない。
まぁ、『車』を使えば問題ないだろうが、こっちの世界では非常に珍しい物…いや、無いかも知れない。
故に、あまり人目のある場所では使いたくないのが現状だったりする。
と言うのも、俺の見立てでは、こっちの世界でも金貨数十枚で取引されるであろう性能があるからだ。
つまり、万が一にも盗難されたらたまった物じゃない。
もっとも、俺が作り出したゴーレムなので、盗難にあっても動かないとは思うが、それでもプリン達だって動かせるのだから、それも絶対ではない。
「いえ、そのまま持って帰れますので。」
俺はそう言うと店主に代金を払い、商品を無限庫に入れた。
「ほぅ…珍しい、まさか無限庫持ちの人に会うとは…。
お客さん、どこかの貴族に遣えてるんですか?」
「いえいえ、俺は、しがない冒険者ですよ?」
ぶっちゃけ…地味に一度言ってみたかった台詞の一つである。
本当は、そこらの下級の冒険者と違い、僕はB級クラス…中級上位の冒険者だから、『しがない』と言うのは間違いなのだが、本当は凄いんですよ~と言うのを隠して、あえてこう言ったのだ。
「あ、あの、失礼ですが、お急ぎのご用とか御座いますか?
もしお暇でしたら、一つ、配達の依頼をお願いしたいのですが…。」
何やら、トラブルの予感だ。
もっとも、僕達は美味い物ツアーをしている身だ。
厄介事はお断り…ここは断った方が無難かもしれない。
「いえ、俺達は…「あるじ まかせる かいけつ」
ちょっと待てッ!?ローラ、お前、何時から其処に居たんだ?
店主の顔を見る限り、驚いていない所を見ると、どうやらローラは気配を消し、無音で近付いてきていた様だ。
だが、店主から見れば真っ正面から近付いていたのを見ていたのだろう、って言うか、お前が勝手に話を進めるな!
「え~…依頼を受けていただけると言う事でしょうか?」
「うむ」
俺が答えるより先にローラが返事をする。
いや、そもそも配達する場所とかも聞いていないのに勝手に返事をされたら困る。
否、それ以前に俺達の目的は、美味い物以外にも正体不明のゴーレムを調査すると言う目的があるのだ。
しかも、その情報がギルド経由なのだから、調査隊が出ているかもしれない。
もしも、貴重な素材で出来ていたら回収出来ないではないか!
そう、ここ数日で学んだ事なのだが、ゴーレム系等の一部の魔物の場合、〖魂強奪〗で倒した場合、魂を失った体はそのまま素材として残る可能性があるのだ。
これは、レオを作成する時に気が付いた事なのだが、俺の鎧に〖擬魂付加〗を掛けていた『アームズ』から〖魂強奪〗を使い、ただの鎧…素材に戻す時に思い付いた事だった。
そして、その事に気が付いた俺は、ウッドゴーレムやストーンゴーレムを作って実験したりした結果、そのまま体が素材ドロップ扱いになる様だったのだ。
だった…と言うのは、自分で作った物を元に戻しただけ…。
他の人が作った物では、まだ試した事がないから、あくまでも仮説の段階なのだが、十二分に試す価値がある。
それも踏まえて、この『オカカ』の町まで足を運んだのだ。
「ローラ、うむ…じゃないだろ、何を勝手に話を進めてるんだ!
依頼を受けるかどうかは俺が決める事だし、内容も配達だけで、どこに配達するのか分からないんだぞ!」
「あるじ ごめん」
俺が拳骨の構えを取ったからか、ローラは頭を庇う様に両手で頭を隠しながら、即答で謝ってくる。
まったく、コイツは何を考えてるのか…このバカ犬の飼い主の顔を見てみたい。
って、飼い主は俺だったな…うん、これは本気で、ちゃんと躾をしないとダメなのかもしれない…。
「えっと…店主、配達と言う事でしたが、何処に何を運ぶのかによって依頼を受けるかどうか決めたいと思います。
と、言うのも…実は、あまり地理に詳しくなく、行った事のない場所となると難しいのです。
おそらく、俺が無限庫持ちなので、運搬に適しているとの考えかと思われますが…。」
と、あまり失礼にならないと思われる様な言い方で断りを入れる。
もっとも、冒険者としては、あまりよろしくない口調だとは思うが…。
「え、えぇ…確かにおっしゃる通りです。
こちらの言葉が足りなかった様ですね。
実は当店の専属の運び屋が居るのですが、本来なら一昨日に戻るはずの者が未だに戻ってこない為に、次の配達が間に合わなくなるかもしれないのです。
こちらとしましても、お客様商売…信用が大事な商売でして、商品が指定の日に届かないとなりますと、色々と問題が発生しまして…。
お客様の言う通り、無限庫持ちであれば運搬には持ってこい。
その身一つで済む為、都合が良いのです。」
ぶっちゃけ、ただの配達と変わらない様である。
単純に人手宇不足…と言った所か?
「なるほど…それで、俺に配達を頼みたいと言う事なのですね?
それで、配達する商品と配達場所は何処なんですか?」
「それが、実は…。」
おや?歯切れが悪い…何やら言いづらい事なのだろうか?
まぁ、先程から嫌な予感を感じるのだから、問題が発勁しそうなのだが…。
俺は疑問に思いつつ、店主の次の言葉を待つのであった…。
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