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~第三章:美味い物ツアー編~
90ページ目…ムスビ山脈
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「お客さん、今夜泊まる宿はもうお決まりですか?
うちの温泉は貸し切りもあるから、みんな揃って入る事だって出来ますよ!」
と、声を掛けてくる宿屋の客引き…そう、ココはムスビ山脈の麓にある町の一つ『オカカ』である。
では、何故、こんな所に居るのかと言うと、馬車で進む事の出来る道がここまでだったのだ。
いや、実際には歩いて登る道は複数存在している。
正確に言うと、俺の車であれば移動出来る道がなきもしにあらずだが、一般的な馬車が移動出来る道は此処までで、ここから先は途切れているのだ。
そんな訳で、移動手段が徒歩となった事で、ひとまず、美味しい物を調査する事になったのだ。
まぁ、元々が、美味い物ツアーなのだから、当然の結果だろう。
もっとも、その内の一つがニョロニョロ鍋…と言うのがオススメだと言うのは、メルトのギルド受付嬢ポプラさんの情報だ。
ニョロニョロ…某、カバみたいなのが住んでる谷に居る白いクネクネしたヤツによく似たキノコらしいのは雑誌で確認している。
ある意味、ゲテモノ感が強いのだが、この『オカカ』でも一番美味しいと言うお店が『ムーリン』との事だった。
…色んな意味で良いのか?と疑問になるネーミングである。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
俺にプリン、クズハ、ローラ、アリス…今回からは、プリンの〖人化〗がすでに普通の人と同じに見えるほどレベルが上がっているので、一緒に食べたり出来る様になっているのだ。
もっとも、『普通』と言えないほど、プリンは可愛いと思っているのは俺だけではない様で、すれ違う人がちょくちょく振り返っているのを知っている。
「えっと…5名です。」
何はともあれ、プリンを含めて全員の人数を伝えると、直ぐに係の人が対応してくれる。
「では、席に案内しますので、こちらへどうぞ。」
そんなこんなで、店員さんが案内してくれた席は、所謂、座敷と呼ばれるタイプの席だった。
若干、和テイストの作りだな…と思いながらも席に着く。
ちなみに、ローラは〖人狼化〗して、人型になっているが、やはり俺の知っている人狼のイメージとは掛け離れているので違和感がある。
むしろ、人化と言われた方がしっくり来るのだが、この世界の事だから、仕方がないとしか言いようがない。
とは言え、人型のローラもプリンには劣るものの、十分綺麗だと思う。
そして、俺の後ろで控えるクズハだって、そこそこ可愛いと思う。
もっとも、クズハに関してはまだまだ発育途中なので、これから色々と期待が十分持てるだろう。
とりあえず、そんな事は置いておいてメシの注文だ。
そんな中、僕はメニューにある物を見付けた。
「おむすび…しかも、塩むすびと、おかか、さらには焼きおにぎりまであるのか…。
って言うか、この町には、米や醤油、味噌もあるのか?」
元の世界でよく読んでた小説とかの物語ではエルフ豆と呼ばれている豆が、味噌になっていたりするが、醤油まであるのには驚いたし、何より、こちらの世界に来て初めての米だ。
まぁ、元の世界みたいに品種改良された甘みのある米ではないとは思うが、まさかの米である。
ここで喰わずして、いつ喰うのだ!こうして、俺のメニューは決まったのだった…。
そうこうしている内に、みんなのメニューが決まった所で、ウエイトレスのお姉さんを呼んだ。
「すいません、注文良いですか!」
「は~い、少々お待ちください~!」
それから少し経ってから店員が注文を受けにやってきた。
「大変お待たせいたしました!ご注文を伺います。」
ふむ、有名所の店だけあって、ここも礼儀正しい店員の様だ。
「えっと…俺は、おむすびセットと焼きおにぎりセット、それから、ニョロニョロの鍋を…。
それから、こいつには、お肉たっぷり鍋をお願いします。」
俺はそう言うとローラの分の注文も一緒にする。
そうしないと、ずっと肉、肉と、うるさいからだ。
まぁ、『アオイ』に行った時と違い、普通に肉料理があるのだから、問題はないだろう。
「では、私は鳥鍋でお願いします。」
プリンは、俺とシェアする約束になっているので、俺が食べたい物をチョイスして選んでくれている。
本当なら、自分が食べたい物を選ぶのが正しいのだが、プリン曰く、俺が食べたい物がプリンの食べたい物なのだそうだ。
「わ、私は…この、つくね鍋…を、お願いします。」
クズハは俺の顔を見ながら注文をする。
わざわざ、つくね鍋と注文を言って、俺が肯くのを待たなくても良いのに…と思うのだが、性格なのだろうか?
もしかしたら、クズハもプリン同様にシェアするつもりなのかも知れない。
もしそうなのであれば、確かに、つくね鍋も気になっていた料理の一つだった。
「えっと…私は、このモツ鍋と言うのをお願いします。」
最後にアリス…他にも種類があっただろうに幾つか種類があるのに、あえてモツにいくのは凄いと思う。
そして、店員は全員の注文を紙に書いて奥へと戻っていった。
◆◇◆◇◆◇◆
「ふ~、食べた食べた…もう入らないぞ…ゲフッ」
流石に、おにきり4個に鍋を1つ…更に、みんなから少しずつ貰って食べたら、お腹もパンパンになっても不思議ではないと思う。
もっとも、俺の鍋もシェアしてるので少しは減っているのだが…それに関しては、一つ事件が起きた。
ただし、今回の発端はローラだったりする…。
普段、食いしん坊のローラが他人に肉を分ける事など無い。
にも関わらず、今回、鍋を半分ほど食べた時に、自分の食べてる鍋の肉を俺に食べさせようとしたのだ。
その行為が引き金となり、遠慮していたクズハやアリスまで参戦して、俺はみんなの鍋を少しずつ食べるハメになった。
とは言え、俺の鍋もみんなに少しずつ食べさせたのだが…プリンの提案で、文字通り『あ~ん』と言わされて、相手の口まで持って行き食べさせると言う恥ずかしい行為を強制させられてしまった。
その後も、他のみんなまで食べさせてと言われ、結果、全員に食べさせる羽目に…。
何て言うか、みんなの目が怖かったです。
ちなみに、味に関しては、俺の好みとしては名物のニョロニョロ鍋には肉が入っておらず、現代っ子の僕には物足りない感じで、鳥鍋の方が美味しかったのだが、ローラの食べていたお肉たっぷり鍋も良い味が出ていて、美味しかった、とだけ言っておこうと思う。
うちの温泉は貸し切りもあるから、みんな揃って入る事だって出来ますよ!」
と、声を掛けてくる宿屋の客引き…そう、ココはムスビ山脈の麓にある町の一つ『オカカ』である。
では、何故、こんな所に居るのかと言うと、馬車で進む事の出来る道がここまでだったのだ。
いや、実際には歩いて登る道は複数存在している。
正確に言うと、俺の車であれば移動出来る道がなきもしにあらずだが、一般的な馬車が移動出来る道は此処までで、ここから先は途切れているのだ。
そんな訳で、移動手段が徒歩となった事で、ひとまず、美味しい物を調査する事になったのだ。
まぁ、元々が、美味い物ツアーなのだから、当然の結果だろう。
もっとも、その内の一つがニョロニョロ鍋…と言うのがオススメだと言うのは、メルトのギルド受付嬢ポプラさんの情報だ。
ニョロニョロ…某、カバみたいなのが住んでる谷に居る白いクネクネしたヤツによく似たキノコらしいのは雑誌で確認している。
ある意味、ゲテモノ感が強いのだが、この『オカカ』でも一番美味しいと言うお店が『ムーリン』との事だった。
…色んな意味で良いのか?と疑問になるネーミングである。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
俺にプリン、クズハ、ローラ、アリス…今回からは、プリンの〖人化〗がすでに普通の人と同じに見えるほどレベルが上がっているので、一緒に食べたり出来る様になっているのだ。
もっとも、『普通』と言えないほど、プリンは可愛いと思っているのは俺だけではない様で、すれ違う人がちょくちょく振り返っているのを知っている。
「えっと…5名です。」
何はともあれ、プリンを含めて全員の人数を伝えると、直ぐに係の人が対応してくれる。
「では、席に案内しますので、こちらへどうぞ。」
そんなこんなで、店員さんが案内してくれた席は、所謂、座敷と呼ばれるタイプの席だった。
若干、和テイストの作りだな…と思いながらも席に着く。
ちなみに、ローラは〖人狼化〗して、人型になっているが、やはり俺の知っている人狼のイメージとは掛け離れているので違和感がある。
むしろ、人化と言われた方がしっくり来るのだが、この世界の事だから、仕方がないとしか言いようがない。
とは言え、人型のローラもプリンには劣るものの、十分綺麗だと思う。
そして、俺の後ろで控えるクズハだって、そこそこ可愛いと思う。
もっとも、クズハに関してはまだまだ発育途中なので、これから色々と期待が十分持てるだろう。
とりあえず、そんな事は置いておいてメシの注文だ。
そんな中、僕はメニューにある物を見付けた。
「おむすび…しかも、塩むすびと、おかか、さらには焼きおにぎりまであるのか…。
って言うか、この町には、米や醤油、味噌もあるのか?」
元の世界でよく読んでた小説とかの物語ではエルフ豆と呼ばれている豆が、味噌になっていたりするが、醤油まであるのには驚いたし、何より、こちらの世界に来て初めての米だ。
まぁ、元の世界みたいに品種改良された甘みのある米ではないとは思うが、まさかの米である。
ここで喰わずして、いつ喰うのだ!こうして、俺のメニューは決まったのだった…。
そうこうしている内に、みんなのメニューが決まった所で、ウエイトレスのお姉さんを呼んだ。
「すいません、注文良いですか!」
「は~い、少々お待ちください~!」
それから少し経ってから店員が注文を受けにやってきた。
「大変お待たせいたしました!ご注文を伺います。」
ふむ、有名所の店だけあって、ここも礼儀正しい店員の様だ。
「えっと…俺は、おむすびセットと焼きおにぎりセット、それから、ニョロニョロの鍋を…。
それから、こいつには、お肉たっぷり鍋をお願いします。」
俺はそう言うとローラの分の注文も一緒にする。
そうしないと、ずっと肉、肉と、うるさいからだ。
まぁ、『アオイ』に行った時と違い、普通に肉料理があるのだから、問題はないだろう。
「では、私は鳥鍋でお願いします。」
プリンは、俺とシェアする約束になっているので、俺が食べたい物をチョイスして選んでくれている。
本当なら、自分が食べたい物を選ぶのが正しいのだが、プリン曰く、俺が食べたい物がプリンの食べたい物なのだそうだ。
「わ、私は…この、つくね鍋…を、お願いします。」
クズハは俺の顔を見ながら注文をする。
わざわざ、つくね鍋と注文を言って、俺が肯くのを待たなくても良いのに…と思うのだが、性格なのだろうか?
もしかしたら、クズハもプリン同様にシェアするつもりなのかも知れない。
もしそうなのであれば、確かに、つくね鍋も気になっていた料理の一つだった。
「えっと…私は、このモツ鍋と言うのをお願いします。」
最後にアリス…他にも種類があっただろうに幾つか種類があるのに、あえてモツにいくのは凄いと思う。
そして、店員は全員の注文を紙に書いて奥へと戻っていった。
◆◇◆◇◆◇◆
「ふ~、食べた食べた…もう入らないぞ…ゲフッ」
流石に、おにきり4個に鍋を1つ…更に、みんなから少しずつ貰って食べたら、お腹もパンパンになっても不思議ではないと思う。
もっとも、俺の鍋もシェアしてるので少しは減っているのだが…それに関しては、一つ事件が起きた。
ただし、今回の発端はローラだったりする…。
普段、食いしん坊のローラが他人に肉を分ける事など無い。
にも関わらず、今回、鍋を半分ほど食べた時に、自分の食べてる鍋の肉を俺に食べさせようとしたのだ。
その行為が引き金となり、遠慮していたクズハやアリスまで参戦して、俺はみんなの鍋を少しずつ食べるハメになった。
とは言え、俺の鍋もみんなに少しずつ食べさせたのだが…プリンの提案で、文字通り『あ~ん』と言わされて、相手の口まで持って行き食べさせると言う恥ずかしい行為を強制させられてしまった。
その後も、他のみんなまで食べさせてと言われ、結果、全員に食べさせる羽目に…。
何て言うか、みんなの目が怖かったです。
ちなみに、味に関しては、俺の好みとしては名物のニョロニョロ鍋には肉が入っておらず、現代っ子の僕には物足りない感じで、鳥鍋の方が美味しかったのだが、ローラの食べていたお肉たっぷり鍋も良い味が出ていて、美味しかった、とだけ言っておこうと思う。
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