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~第三章:美味い物ツアー編~
87ページ目…商売繁盛?
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「ほほぉ~、まさか、あのゴンブやワガメに、この様な使い道があったとは…。
しかも、販売権まで譲っていただけるとは、ありがたい事です。」
「いえいえ、こちらとしても、『カクサン』で作っていただけると手間が減って助かるんですよ。」
僕がそう言うと、カクサンの店主は奥さんと何やら話し合っている。
おそらく、これからどの様な戦略で売りに出すかの算段でもしているのだろう。
それから待つ事、数分…。
「では、お約束通り、カッツォ節とゴンブとワガメを、毎月、メルトのご自宅の方へお届けすると言う事で…。」
そう言うと、俺はカクサンの店主と握手を交わした。
ここは港町『アオイ』の卸問屋のカクサン、先日、天日干ししたコンブ擬きとワカメ擬きが美味かった為、このカクサンに持ってきて、試食して貰ったのだ。
そして、元の世界での知識を使い、今までカッツォ節でしか取っていなかった出汁にコンブ擬きのゴンブも使い、ワンランク上の出汁を作って見せたのだ。
また、出汁を使いワカメ擬きのワガメを使った吸い物も作成し、さらに試食をして貰った。
もっとも、残念ながら手持ちに味噌が無かった為、味噌汁は出せていないのが残念である。
ただし、味噌自体は、この世界にも存在している様で、残念がっていた僕に、今度、味噌汁を作って飲んでみる…と、期待混じりの返事を貰っている。
何はともあれ、商売人であるカクサンの店主は、その味に大変満足し『うちで取り扱わせてくれ』と言ってきたのである。
こちらとしては、もとよりそのつもりで持ち込んだ物である。
その結果、多少のお金と毎月、使うであろう量を無償で提供してくれると言う約束を得て、販売する権利を譲ったのだ。
もっとも、真似すれば誰でも出来るのだが『元祖』とか『本家』とかの名前は、こちらの世界でも有効らしく、それ以外の所の商品はパチ物…偽物扱いされて、人気がない。
一種のブランド品として一目置かれているのだ。
そんな中、海水で茹でる作業があるとは言え、天日干しするだけの製造方法とは言え、作り方や注意点を記した…言わば秘伝書らしき物を持って、さらに実際に食べてもらい、味まで確かめて貰った。
こんな事をすれば、利に賢い商人であれば、飛びついても可笑しくない。
何せ、良い物であれば、元の世界でもブランド品として高級品扱いされているのだ。
そして、このカクサンのお客には、一部の王族や領主、貴族までもいる。
ともすれば、上手くいけば、この情報だけでも莫大な利益が手に入る事になるのだ。
ここで乗らなきゃ、男ではないと言う事で、無事に契約がなされたのだ。
もっとも、よくよく聞いてみれば、店主よりも奥さんの方が気に入っていて決めた様な物だが、ここは店主の顔を立てて内緒にしておこうと思う…。
◆◇◆◇◆◇◆
『アオイ』から〖魔法:空間転移〗を使い戻ってきた僕達は、のんびりとメルトの町を歩いていた。
「あるじ にく たべたい」
ローラが僕に串焼きを、当たり前の様に、お強請りしてくる。
どうりで俺に付いてきた訳だ。
カクサンで多少のお金を手に入れたのを側で見ていたローラは、ここぞとばかりに串焼きを要求して来た。
「でも、ローラは何もしてないだろ?」
俺は足下に居るローラに話し掛ける。
「ローラ あるじ まもってた」
なるほど…本人曰く、護衛だった様だ。
狼の姿のままで荷物も持たず、付いてきてたから散歩かな?と思っていたのだが違った様だ。
まぁ、確かに下手に〖人狼化〗するよりは、狼の姿の方が周囲には警戒されないだろう。
「なら…人型になったら買ってあげるとしよう。
ただし、そこの路地裏で他の人に見られない様にして〖人狼化〗するんだぞ?」
まぁ、串焼きを買うくらいのお金なら当然ながら小遣いとして持ってるし、普段から狼の姿で居るローラはお小遣いなんて持ってないのだから買ってあげても良いだろう。
少し、ローラに甘い気がするが…自称:ペットらしいから、偶には甘やかしても良いのかもしれない。
それに、あまり変わらないが、少しずつではあるが僕に甘えてきている気がするので悪い気はしない。
もっとも、餌…肉が貰えるからなのかもしれない…が。
何はともあれ、ローラを裏路地に連れて行き、〖人狼化〗させる。
そして、無限庫からローラ用の服を取り出し、ローラに着せる。
すると、待ちきれないのか俺の腕を掴むと走り出した。
「ち、ちょっと待て、ローラ!走らなくても肉は逃げないから!」
俺は危うく転けそうになりながら、ローラに待つ様に言う…だが、肉を前にローラは止まらない。
『ズルズルズル…。』
結局、その後、バランスを崩し転けた俺を、ローラは引き摺りながら屋台の前まで行き、店主のおっちゃんに声を掛けた。
「おっちゃん にく いっぱいくれ」
そして、おっちゃんは俺が肯くの無言で待ち、俺が肯くのを確認すると『まいどあり!』と大きな声で返事をするのであった…。
しかも、販売権まで譲っていただけるとは、ありがたい事です。」
「いえいえ、こちらとしても、『カクサン』で作っていただけると手間が減って助かるんですよ。」
僕がそう言うと、カクサンの店主は奥さんと何やら話し合っている。
おそらく、これからどの様な戦略で売りに出すかの算段でもしているのだろう。
それから待つ事、数分…。
「では、お約束通り、カッツォ節とゴンブとワガメを、毎月、メルトのご自宅の方へお届けすると言う事で…。」
そう言うと、俺はカクサンの店主と握手を交わした。
ここは港町『アオイ』の卸問屋のカクサン、先日、天日干ししたコンブ擬きとワカメ擬きが美味かった為、このカクサンに持ってきて、試食して貰ったのだ。
そして、元の世界での知識を使い、今までカッツォ節でしか取っていなかった出汁にコンブ擬きのゴンブも使い、ワンランク上の出汁を作って見せたのだ。
また、出汁を使いワカメ擬きのワガメを使った吸い物も作成し、さらに試食をして貰った。
もっとも、残念ながら手持ちに味噌が無かった為、味噌汁は出せていないのが残念である。
ただし、味噌自体は、この世界にも存在している様で、残念がっていた僕に、今度、味噌汁を作って飲んでみる…と、期待混じりの返事を貰っている。
何はともあれ、商売人であるカクサンの店主は、その味に大変満足し『うちで取り扱わせてくれ』と言ってきたのである。
こちらとしては、もとよりそのつもりで持ち込んだ物である。
その結果、多少のお金と毎月、使うであろう量を無償で提供してくれると言う約束を得て、販売する権利を譲ったのだ。
もっとも、真似すれば誰でも出来るのだが『元祖』とか『本家』とかの名前は、こちらの世界でも有効らしく、それ以外の所の商品はパチ物…偽物扱いされて、人気がない。
一種のブランド品として一目置かれているのだ。
そんな中、海水で茹でる作業があるとは言え、天日干しするだけの製造方法とは言え、作り方や注意点を記した…言わば秘伝書らしき物を持って、さらに実際に食べてもらい、味まで確かめて貰った。
こんな事をすれば、利に賢い商人であれば、飛びついても可笑しくない。
何せ、良い物であれば、元の世界でもブランド品として高級品扱いされているのだ。
そして、このカクサンのお客には、一部の王族や領主、貴族までもいる。
ともすれば、上手くいけば、この情報だけでも莫大な利益が手に入る事になるのだ。
ここで乗らなきゃ、男ではないと言う事で、無事に契約がなされたのだ。
もっとも、よくよく聞いてみれば、店主よりも奥さんの方が気に入っていて決めた様な物だが、ここは店主の顔を立てて内緒にしておこうと思う…。
◆◇◆◇◆◇◆
『アオイ』から〖魔法:空間転移〗を使い戻ってきた僕達は、のんびりとメルトの町を歩いていた。
「あるじ にく たべたい」
ローラが僕に串焼きを、当たり前の様に、お強請りしてくる。
どうりで俺に付いてきた訳だ。
カクサンで多少のお金を手に入れたのを側で見ていたローラは、ここぞとばかりに串焼きを要求して来た。
「でも、ローラは何もしてないだろ?」
俺は足下に居るローラに話し掛ける。
「ローラ あるじ まもってた」
なるほど…本人曰く、護衛だった様だ。
狼の姿のままで荷物も持たず、付いてきてたから散歩かな?と思っていたのだが違った様だ。
まぁ、確かに下手に〖人狼化〗するよりは、狼の姿の方が周囲には警戒されないだろう。
「なら…人型になったら買ってあげるとしよう。
ただし、そこの路地裏で他の人に見られない様にして〖人狼化〗するんだぞ?」
まぁ、串焼きを買うくらいのお金なら当然ながら小遣いとして持ってるし、普段から狼の姿で居るローラはお小遣いなんて持ってないのだから買ってあげても良いだろう。
少し、ローラに甘い気がするが…自称:ペットらしいから、偶には甘やかしても良いのかもしれない。
それに、あまり変わらないが、少しずつではあるが僕に甘えてきている気がするので悪い気はしない。
もっとも、餌…肉が貰えるからなのかもしれない…が。
何はともあれ、ローラを裏路地に連れて行き、〖人狼化〗させる。
そして、無限庫からローラ用の服を取り出し、ローラに着せる。
すると、待ちきれないのか俺の腕を掴むと走り出した。
「ち、ちょっと待て、ローラ!走らなくても肉は逃げないから!」
俺は危うく転けそうになりながら、ローラに待つ様に言う…だが、肉を前にローラは止まらない。
『ズルズルズル…。』
結局、その後、バランスを崩し転けた俺を、ローラは引き摺りながら屋台の前まで行き、店主のおっちゃんに声を掛けた。
「おっちゃん にく いっぱいくれ」
そして、おっちゃんは俺が肯くの無言で待ち、俺が肯くのを確認すると『まいどあり!』と大きな声で返事をするのであった…。
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