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~第三章:美味い物ツアー編~
84ページ目…港町『アオイ』【2】
しおりを挟む「御主人様、これなんて如何でしょう?」
そう言うと、アリスはアジーの一夜干しと言う物を僕に見せてきた。
本来なら、昨日、ここ『カクサン』で乾物などを買うつもりだったのが、ちょっとした事件があり、その所為でアリスのタイムリミットが来てしまい、次の日…すなわち、今日に延期されたのだ。
「あるじ これ うまそう」
「どれどれ…カッツォ…の燻製か?でも、やけに硬いな…。」
『カツーン!カツーン!』
燻製だと思われる物を互いにぶつけると良い音がする。
アレ?これって、もしかしてもしかするのでは?と思っていると、店員に声を掛けられた。
「お客さん、お目が高い!これはアオイの特産品の一つ、カッツォ節と言う物でして…コレを薄く削り茹でますと、コレがまた美味しい汁になるんですよ。
しかも、当店のカッツォ節は、領主様にも献上する一級品!
そして、このアオイで一番美味しいと評判の『スケサン』でも使われているのです!
なんでしたら、こちらのカッツォ節で作られたを吸い物を試食なさいませんか?」
その証言を聞き、試食をしてみる…そして僕は一つの結論に達した。
すべての謎は解けた!そう…コレは元の世界での、鰹節なのだと…。
まぁ、誰でも分かる事か…勿体ぶったのは失敗だったな。
「えっと…そうだな~このカッツォ節を…とりあえず、10本頂きます。」
僕は迷ったあげく、多過ぎかと思ったが10本購入する事に決めた。
これが僕の思った通りの鰹節ならば、色々な料理に使うな事が出来、使い道がある。
それに…こちらの世界でもちゃんと道具や調味料を揃えれば、僕にだって簡単な料理は出来るはずだ。
そして…料理に必要な道具に関しては、ある程度なら、既に自作する事が出来る。
ならば、ここで買わない理由はない…ってな訳で、購入が決定したのだった。
他に何かないかな…と思っていたのだが、残念ながら僕にとってコレと言った物がなかった。
「う~ん…ワカメとかコンブなんかもあると良かったんだけどな…。」
「えッ!?お客様、あんな物をお探しなのですか?」
僕の呟きに反応を見せる店員、しかし、あんな物…とまで言っている。
何か、変な事を言ったのだろうか?
「えっと…僕、何か変な事を言ったでしょうか?」
「い、いえ…ワガメとゴンブと聞こえました物で…。」
何か、濁点が付いた様な名前だが偽物か?
「僕が言ったのは『ワカメ』と『コンブ』ですよ?」
「あ、あぁ…聞き間違いでしたか、すいません…。
てっきり、猟師達が地引き網漁をする時に混ざってる海藻の事かと…。
アレらは、少しネバネバしていて…使い道が無くて捨てられてしまう物ですから…。」
それを聞いて、さらに僕は確信する…。
おそらく、僕が探している若布《わかめ》と昆布《こんぶ》であると…。
ってか、こっちの世界では、まだ食用と思われていないのだろうか?
過去の勇者が、いろいろな料理を広めている様に思えたのだが、何とも不思議な話である。
いや、それ以前に、若布と昆布が一緒に取れるって言うのも妙な話だ。
僕の記憶が正しければ、若布は暖かい地域、昆布は寒い地域に生息していたはず…。
とは言え、どうせ捨てられてしまう物って話だから、拾いに行ってみるのも良いと思う。
「みんな、ちょっと行きたい所があるんだけど、どうする?」
僕がそう言うと、みんな着いてくると言ってくれた。
◆◇◆◇◆◇◆
そんなこんなで、僕達は船が停泊している辺りまで来た。
えっと…猟師さんはどこら辺にいるのかな?そう思い、周囲を見渡すと一人のお爺さんを見掛けた。
「あ、あの…ここにワガメとゴンブってありますか?
もしあるなら、別けて貰いたいのですが…。」
僕がそう言うと、お爺さんは聞き取りにくい言葉で答えてくれた。
「なんね~そっただ物が欲しかっと?ほれ、そこに転がっておる、勝手に持ってきなっせ。」
なんか凄い訛ってるが、どうやら勝手に持って行けば良いと言ってる様だ。
何はともあれ、これでゲットだ。
とは言え、本当に食べれるかは試さないと分からない。
ひとまずごちゃまぜになっているワガメとゴンブを適当な量を回収し、無限庫に放り込む。
すると、ご都合主義は健在で、何と別々に分かれて保存されていた。
「みんなお待たせ、コレで僕の用事は終わりかな。
他に何か食べたい物とか買いたい物はないかな?」
僕がそう言うと、ローラがいつも通りの台詞を言った。
「あるじ にく たべたい」
そう、ここは港町アオイ…海産物はあるが、なかなか肉料理の店がない。
このアオイで肉料理を探すより、メルトに戻った方が肉料理は普通に売られている。
他に買う物も無い様なので、僕は苦笑しながらメルトの町への〖魔法:空間転移〗を開いたのだった…。
そう言うと、アリスはアジーの一夜干しと言う物を僕に見せてきた。
本来なら、昨日、ここ『カクサン』で乾物などを買うつもりだったのが、ちょっとした事件があり、その所為でアリスのタイムリミットが来てしまい、次の日…すなわち、今日に延期されたのだ。
「あるじ これ うまそう」
「どれどれ…カッツォ…の燻製か?でも、やけに硬いな…。」
『カツーン!カツーン!』
燻製だと思われる物を互いにぶつけると良い音がする。
アレ?これって、もしかしてもしかするのでは?と思っていると、店員に声を掛けられた。
「お客さん、お目が高い!これはアオイの特産品の一つ、カッツォ節と言う物でして…コレを薄く削り茹でますと、コレがまた美味しい汁になるんですよ。
しかも、当店のカッツォ節は、領主様にも献上する一級品!
そして、このアオイで一番美味しいと評判の『スケサン』でも使われているのです!
なんでしたら、こちらのカッツォ節で作られたを吸い物を試食なさいませんか?」
その証言を聞き、試食をしてみる…そして僕は一つの結論に達した。
すべての謎は解けた!そう…コレは元の世界での、鰹節なのだと…。
まぁ、誰でも分かる事か…勿体ぶったのは失敗だったな。
「えっと…そうだな~このカッツォ節を…とりあえず、10本頂きます。」
僕は迷ったあげく、多過ぎかと思ったが10本購入する事に決めた。
これが僕の思った通りの鰹節ならば、色々な料理に使うな事が出来、使い道がある。
それに…こちらの世界でもちゃんと道具や調味料を揃えれば、僕にだって簡単な料理は出来るはずだ。
そして…料理に必要な道具に関しては、ある程度なら、既に自作する事が出来る。
ならば、ここで買わない理由はない…ってな訳で、購入が決定したのだった。
他に何かないかな…と思っていたのだが、残念ながら僕にとってコレと言った物がなかった。
「う~ん…ワカメとかコンブなんかもあると良かったんだけどな…。」
「えッ!?お客様、あんな物をお探しなのですか?」
僕の呟きに反応を見せる店員、しかし、あんな物…とまで言っている。
何か、変な事を言ったのだろうか?
「えっと…僕、何か変な事を言ったでしょうか?」
「い、いえ…ワガメとゴンブと聞こえました物で…。」
何か、濁点が付いた様な名前だが偽物か?
「僕が言ったのは『ワカメ』と『コンブ』ですよ?」
「あ、あぁ…聞き間違いでしたか、すいません…。
てっきり、猟師達が地引き網漁をする時に混ざってる海藻の事かと…。
アレらは、少しネバネバしていて…使い道が無くて捨てられてしまう物ですから…。」
それを聞いて、さらに僕は確信する…。
おそらく、僕が探している若布《わかめ》と昆布《こんぶ》であると…。
ってか、こっちの世界では、まだ食用と思われていないのだろうか?
過去の勇者が、いろいろな料理を広めている様に思えたのだが、何とも不思議な話である。
いや、それ以前に、若布と昆布が一緒に取れるって言うのも妙な話だ。
僕の記憶が正しければ、若布は暖かい地域、昆布は寒い地域に生息していたはず…。
とは言え、どうせ捨てられてしまう物って話だから、拾いに行ってみるのも良いと思う。
「みんな、ちょっと行きたい所があるんだけど、どうする?」
僕がそう言うと、みんな着いてくると言ってくれた。
◆◇◆◇◆◇◆
そんなこんなで、僕達は船が停泊している辺りまで来た。
えっと…猟師さんはどこら辺にいるのかな?そう思い、周囲を見渡すと一人のお爺さんを見掛けた。
「あ、あの…ここにワガメとゴンブってありますか?
もしあるなら、別けて貰いたいのですが…。」
僕がそう言うと、お爺さんは聞き取りにくい言葉で答えてくれた。
「なんね~そっただ物が欲しかっと?ほれ、そこに転がっておる、勝手に持ってきなっせ。」
なんか凄い訛ってるが、どうやら勝手に持って行けば良いと言ってる様だ。
何はともあれ、これでゲットだ。
とは言え、本当に食べれるかは試さないと分からない。
ひとまずごちゃまぜになっているワガメとゴンブを適当な量を回収し、無限庫に放り込む。
すると、ご都合主義は健在で、何と別々に分かれて保存されていた。
「みんなお待たせ、コレで僕の用事は終わりかな。
他に何か食べたい物とか買いたい物はないかな?」
僕がそう言うと、ローラがいつも通りの台詞を言った。
「あるじ にく たべたい」
そう、ここは港町アオイ…海産物はあるが、なかなか肉料理の店がない。
このアオイで肉料理を探すより、メルトに戻った方が肉料理は普通に売られている。
他に買う物も無い様なので、僕は苦笑しながらメルトの町への〖魔法:空間転移〗を開いたのだった…。
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