~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。

破滅の女神

文字の大きさ
上 下
82 / 421
~第三章:美味い物ツアー編~

82ページ目…お土産

しおりを挟む
「みんな、着いたよ~。」
〔はい〕「はい」「ワゥ」

『パタン、パタン…パタン』

 僕の合図で、みんなが車から降りてくる。
 とは言え、まだプリンの人化では、魔物とバレる可能性が高いので、今回も鎧に擬態して貰っている。
 ちなみに…ローラは人型に飽きたらしく、人狼化を解き、今は狼モード元の姿だ。
 アレから何匹かのオークやゴブリンを倒し僕達はやっとの思いで、港町『アオイ』に到着した。

 なお、ここへ来るまでの戦闘で、僕達のレベルは更に上がっている。
 車型ゴーレムに乗ってる場合、パーティー扱いなのか、みんなにも経験値が入っている様で、戦ってなくても経験値が手に入っていた。

◆◇◆◇◆◇◆

語部カタリベ 夢幻ムゲン Lv:25
HP:574/574 MP:538/538 SP:544/544

プリン・アラモード Lv:18/50
HP:430/430 MP:350/350 SP:346/346

クズハ・オサキ Lv:13
HP:310/310 MP:245/245 SP:229/229

ローラ・ウルフドッグ Lv:16
HP:420/420 MP:220/220 SP:398/398

◆◇◆◇◆◇◆

 ふむ…こうやってみると、魔物であるプリンだけ、レベルの上限があるのか…。
 まぁ、レベルが最大まで上がれば、再び進化をする事が出来るのだろう。
 ただ、ローラに関しては神獣だからかフェンリルだからか…魔物と同じと思っていただけに、最初に見た時、レベル上限がないのは驚いたのは懐かしい気がする。

 それはともかくとして、僕、みんなに回復魔法を使った。

 やはり、クッションが無いと車から伝わってくる振動が酷く、お尻が痛くなったのだ。
 とは言え、スピードだけは、かなりの速度があり、馬車で3日掛かる距離を約8時間程で到着出来たのだから、文句を言うのはやめておこう。
 なにせ、もう少し遅かったら真っ暗の中を運転するか、野宿をするかと言う事になる所だったのだから…。

 そんな事を改めて思うと、僕の作った車は、まだまだ改良の余地が残っているのが分かる。
 まぁ、何はともあれ…美味い物を食べに行こうと思ったのだが、かなり遅い時間になっているので、アオイに入るのは明日にして、僕達は〖魔法:空間転移ゲート〗を使い、家に帰る事にしたのだった…。

◆◇◆◇◆◇◆

「お帰りなさいませ、ご主人様。」

 僕達が家の玄関に現れて数秒、アリスが僕達の前に姿を現す。

「ただいま、アリス。
 えっと…お風呂の用意と、食事の用意をお願い出来るかな?
 それと、僕はちょっとギルドまで出掛けてくるね。」

 僕はアリスにそう伝えると、プリンだけを連れてギルドに向かった。

〔ご主人様、どうしてメルトへ戻ってきたのですか?〕
〔あぁ、ポプラさんに約束の情報料を支払いに…ね。〕
〔なるほど、オーク肉をお土産に…ですね。〕
〔そう言う事だね。〕

 流石に人がいる所で、僕だけブツブツ話すと独り言を言う変なヤツと思われてしまうので、プリンとの会話は念話で話している。
 それで、何故ここでお土産の話になるかと言うと、移動中に倒したオークの数は全部で8匹だった。
 ちなみに、レアドロップ品のオーク肉だが20匹倒して1個出れば良い方だと言う情報だった、仮に30匹倒していたとして、それでも1つでも出れば上等とされていた。
 それなのに僕達が倒したオークは8匹にも関わらず、何と3つもオーク肉が出たのだ。
 だから、間違って食べてしまう前に、ポプラさんへ届けに戻ったのだ。

◆◇◆◇◆◇◆

『ドンッ!』

 僕はギルドに入るなり、ポプラさんの姿を確認。
 そして、彼女の前に行き、『こんばんわ』と声を掛けると、彼女の目の前にお土産のオーク肉を置いた。

「こ、これはッ!?この色と良い、艶と良い…間違いない、オーク肉ですね!」

 ギルドの中に彼女の声が木霊こだました。
 その所為で周りにいた冒険者達までも寄ってくる。

「おぉ、マジでオーク肉じゃん!」
「へ~、コレがオーク肉か…美味しいって聞いたけど…食べてみてーッ!」
「おい、どこで手に入れたんだ?」

 等々、一瞬でギルドが賑やかになる。

 そして…このままではオーク肉を取られると思ったのか、ポプラさんはいつもの動きとは違い脱兎の如く、オーク肉を持って、奥へと消えてしまった。
 その後、少しした後…。

『ドカーーーンッ!』

 そんな謙遜を掻き消すかの様に、ギルドの奥から激しい音がした。

『ガチャッ』

 みんなが注目する中、奥の扉のドアが開いた。

「ち、ちょっと肉を分けてくれと言っただけなのに…バタッ!」

 それだけ言うと…ドアから出てきた、ギルドマスターのラオンさんが倒れた。

「自業自得です。」

 そう言うと、ポプラさんは元の席に戻り、通常業務に戻る…。

「って、ボーと見てる場合じゃない!ポプラさん、いったい何があったんですか!?」
「なにって~ラオンが~私のお肉を~全部奪おうとしたから~成敗しちゃいました~。」

 いやいやいや、さっきラオンさんが倒れる時に『ちょっと』と言っていたよね?
 それすら許さずに、ポプラさんはラオンさんを問答無用で攻撃して倒したと言う事になる。
 食べ物に関しては態度が急変するのは前回よく知ったと思っていたが、どうやら認識が甘かった様だ。
 ラオンさんが可哀想だから、明日の朝、復活したラオンさんにオーク肉を少し分けてあげよう…。

 そう思いながら、僕達はギルドを後にするのであった…。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

処理中です...