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~第三章:美味い物ツアー編~
80ページ目…寄り道
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『ひゅ~~~、ポスッ!』
枝を投げた瞬間、嫌な予感を感じなかったと言えば嘘になる。
だが、誰もが予測出来る様なベタな出来事と言う物は、そうそう起こらない…筈、なのだが…。
そう思うのは、僕だけではないはずだ。
しかし、結果は…。
「ご、ご主人様、枝が倒れませんね…。」
既に、誰が見ても分かる事なのだが、改めて、クズハが認めたくない現実を言う。
そう、僕が投げた枝は、悲しい事に高く上がり…そして地面に対して垂直に落ちた。
ここまで言えば、賢くなくても分かるだろう…。
ただ、言い訳ではないが、最近、雨が降ったとかで、ぬかるんでいた訳ではない。
また、草木に当たった訳でもない…それなのに、投げた枝は地面に刺さり、倒れる事を拒否したのだ。
この世界に神がいるのなら、きっと、その神がベタ好きなんだろう。
おそらく…漫画みたいに石を適当に投げたら、犬とかに当たるとか…。
そんなくだらない悪戯を好んでやる神が管理している世界なのだろう。
考えない様にしていたが、これはスタトの塔を攻略する時から今までずっと感じていた事でもある。
でもまぁ、だったら、そんな事するなって言われそうだが、その場の雰囲気と言う物がある。
分かっていても…つい、やってしまうのだ。
『パシッ』
僕は刺さった枝を、手を振り…そして再び握った。
そして…再び投げた。
いくらベタな事が起こるとは言っても、流石に、二度も同じ事が起きるはずもなく…。
結果は…東ルート、港町に決定した。
港町…紹介者であるポプラさんが言うには、新鮮な魚介類が豊富で色々とあるらしい。
こうして、僕達は港町『アオイ』に向けて旅立ったのだった…。
◆◇◆◇◆◇◆
所変わって、ここは…以前、謎の魔術師がダンジョンを溢れさせようと企んだダンジョンの第3層目である。
そんな場所で、僕達は、今、そこでゴブリンと戦っていたりする。
「ワウォォォォォォンッ!」
ローラの〖スキル:咆吼〗による衝撃波を受け、怯ひるんだ敵…ゴブリンが動きを止める。
そして、クズハがその隙をついて長剣・改を胸へと突き立てる事に成功…。
さらに…プリンが〖魔法:氷の矢〗にて追撃をし、オーバーキル状態で消滅させる。
『ボシュ!』
ゴブリンが消滅し、後には少額のお金とドロップアイテムがあった。
ローラ以外の二人は、ピョンピョン飛び跳ねて喜んでいる。
いや、普通に考えて、みんなのレベルならばゴブリン単体が相手なら楽勝だろ?と言いたい所だが、喜んでいる所に水を差すのもどうかと思うので、ここはグッと堪える。
本来なら、ダンジョンの3層を超えるまでは出会う敵は単体だ。
言い換えれば、集団で戦う事は、まずあり得ないと言う事。
先日は、ダンジョンが溢れる寸前だった…そんな特殊な状況だったからからこそ、ダンジョンの1層目でも複数いたのだ。
では、何故、港町の『アオイ』へ向かう途中だった僕達が、現在、ダンジョンに居るかと言うと…その道の途中に件のダンジョンがあったのだ。
正直に言うと…ローラの装備を作る為と、〖魔法:模型創造〗の材料を確保する為だったりする。
あの謎の魔術師が作り出したガーゴイル…何故、ゴーレムでないのかは未だに疑問だが、ダンジョンの壁を材料にした為か、その強度は異様なまでに硬かった。
それならば、同じスキルを持っている僕にも同じ事が出来るはず…。
そんな思いに駆られ、急ぐ旅でもないとの思いから、予定を変更してダンジョンに入ったのだ。
材料はダンジョンの壁…ただし、階層が低いと壁の強度も弱いらしい…と言うのはダンジョンの壁を攻撃して分かった事の一つである。
つまり、ダンジョンの1層目では硬さが足りず、武防具を作るには向いてない。
それに、〖魔法:擬魂付加〗による、生きている防具と言うのも捨てがたい。
〖疑魂付加〗は、条件さえ満たせば、絶対服従の僕を作り出せるのだ。
そして〖模型創造〗…これはイメージ力が物を言う。
逆を言えば、それさえしっかり出来るのであれば、形も自由自在と言う事だ。
つまり、イメージさえ完璧なら多少無理だと思った事でも可能と言う事だ。
それすなわち、元の世界の知識を使えば、こちらの世界でも使えると言う事になる。
その為、より良い素材を手に入れる為に、僕達は、ダンジョンの下層へと足を踏み入れたのだった…。
◆◇◆◇◆◇◆
「あれ?次の階層に降りる階段がない…。」
おそらく、何処かに隠し通路があったのだろう…だが、その事はどうでも良い。
別にダンジョンの攻略なんてしていないのだ…なんか面倒になったから、この階層で我慢しよう。
〖スキル:闘気剣〗…僕は威力を調整して壁の硬さを確認する。
これにより、望んでいた硬さがあるのを確認…材質に問題はなさそうだ。
そして、僕はダンジョンの壁を掘削を始めた。
それから、約1時間が経過した…。
「ふぅ…こんな物か…。」
僕の無限庫には、相当量の壁が入っている。
ダンジョンの壁故に、かなりの強度を有している。
下手な鉱石よりも、明らかに強力な素材だ。
僕は、ニヤリと笑みを浮かべ、みんなを連れてダンジョンの外に出るのだった…
枝を投げた瞬間、嫌な予感を感じなかったと言えば嘘になる。
だが、誰もが予測出来る様なベタな出来事と言う物は、そうそう起こらない…筈、なのだが…。
そう思うのは、僕だけではないはずだ。
しかし、結果は…。
「ご、ご主人様、枝が倒れませんね…。」
既に、誰が見ても分かる事なのだが、改めて、クズハが認めたくない現実を言う。
そう、僕が投げた枝は、悲しい事に高く上がり…そして地面に対して垂直に落ちた。
ここまで言えば、賢くなくても分かるだろう…。
ただ、言い訳ではないが、最近、雨が降ったとかで、ぬかるんでいた訳ではない。
また、草木に当たった訳でもない…それなのに、投げた枝は地面に刺さり、倒れる事を拒否したのだ。
この世界に神がいるのなら、きっと、その神がベタ好きなんだろう。
おそらく…漫画みたいに石を適当に投げたら、犬とかに当たるとか…。
そんなくだらない悪戯を好んでやる神が管理している世界なのだろう。
考えない様にしていたが、これはスタトの塔を攻略する時から今までずっと感じていた事でもある。
でもまぁ、だったら、そんな事するなって言われそうだが、その場の雰囲気と言う物がある。
分かっていても…つい、やってしまうのだ。
『パシッ』
僕は刺さった枝を、手を振り…そして再び握った。
そして…再び投げた。
いくらベタな事が起こるとは言っても、流石に、二度も同じ事が起きるはずもなく…。
結果は…東ルート、港町に決定した。
港町…紹介者であるポプラさんが言うには、新鮮な魚介類が豊富で色々とあるらしい。
こうして、僕達は港町『アオイ』に向けて旅立ったのだった…。
◆◇◆◇◆◇◆
所変わって、ここは…以前、謎の魔術師がダンジョンを溢れさせようと企んだダンジョンの第3層目である。
そんな場所で、僕達は、今、そこでゴブリンと戦っていたりする。
「ワウォォォォォォンッ!」
ローラの〖スキル:咆吼〗による衝撃波を受け、怯ひるんだ敵…ゴブリンが動きを止める。
そして、クズハがその隙をついて長剣・改を胸へと突き立てる事に成功…。
さらに…プリンが〖魔法:氷の矢〗にて追撃をし、オーバーキル状態で消滅させる。
『ボシュ!』
ゴブリンが消滅し、後には少額のお金とドロップアイテムがあった。
ローラ以外の二人は、ピョンピョン飛び跳ねて喜んでいる。
いや、普通に考えて、みんなのレベルならばゴブリン単体が相手なら楽勝だろ?と言いたい所だが、喜んでいる所に水を差すのもどうかと思うので、ここはグッと堪える。
本来なら、ダンジョンの3層を超えるまでは出会う敵は単体だ。
言い換えれば、集団で戦う事は、まずあり得ないと言う事。
先日は、ダンジョンが溢れる寸前だった…そんな特殊な状況だったからからこそ、ダンジョンの1層目でも複数いたのだ。
では、何故、港町の『アオイ』へ向かう途中だった僕達が、現在、ダンジョンに居るかと言うと…その道の途中に件のダンジョンがあったのだ。
正直に言うと…ローラの装備を作る為と、〖魔法:模型創造〗の材料を確保する為だったりする。
あの謎の魔術師が作り出したガーゴイル…何故、ゴーレムでないのかは未だに疑問だが、ダンジョンの壁を材料にした為か、その強度は異様なまでに硬かった。
それならば、同じスキルを持っている僕にも同じ事が出来るはず…。
そんな思いに駆られ、急ぐ旅でもないとの思いから、予定を変更してダンジョンに入ったのだ。
材料はダンジョンの壁…ただし、階層が低いと壁の強度も弱いらしい…と言うのはダンジョンの壁を攻撃して分かった事の一つである。
つまり、ダンジョンの1層目では硬さが足りず、武防具を作るには向いてない。
それに、〖魔法:擬魂付加〗による、生きている防具と言うのも捨てがたい。
〖疑魂付加〗は、条件さえ満たせば、絶対服従の僕を作り出せるのだ。
そして〖模型創造〗…これはイメージ力が物を言う。
逆を言えば、それさえしっかり出来るのであれば、形も自由自在と言う事だ。
つまり、イメージさえ完璧なら多少無理だと思った事でも可能と言う事だ。
それすなわち、元の世界の知識を使えば、こちらの世界でも使えると言う事になる。
その為、より良い素材を手に入れる為に、僕達は、ダンジョンの下層へと足を踏み入れたのだった…。
◆◇◆◇◆◇◆
「あれ?次の階層に降りる階段がない…。」
おそらく、何処かに隠し通路があったのだろう…だが、その事はどうでも良い。
別にダンジョンの攻略なんてしていないのだ…なんか面倒になったから、この階層で我慢しよう。
〖スキル:闘気剣〗…僕は威力を調整して壁の硬さを確認する。
これにより、望んでいた硬さがあるのを確認…材質に問題はなさそうだ。
そして、僕はダンジョンの壁を掘削を始めた。
それから、約1時間が経過した…。
「ふぅ…こんな物か…。」
僕の無限庫には、相当量の壁が入っている。
ダンジョンの壁故に、かなりの強度を有している。
下手な鉱石よりも、明らかに強力な素材だ。
僕は、ニヤリと笑みを浮かべ、みんなを連れてダンジョンの外に出るのだった…
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